東京モノレール1000形電車

ウィキペディアから、無料の百科事典
東京モノレール1000形電車
3代目塗装の1000形1043F
(2021年5月9日 流通センター駅)
基本情報
運用者 東京モノレール
製造所 日立製作所
製造年 1989年 - 1996年
製造数 6両編成16本(96両)
運用開始 1989年7月25日
投入先 東京モノレール羽田空港線
主要諸元
編成 6両編成(全電動車)
軌間 軌道桁幅 800 mm
電気方式 直流750V(剛体複線式)
最高運転速度 80 km/h
起動加速度 3.5 km/h/s
減速度(常用) 4.0 km/h/s
減速度(非常) 4.5 km/h/s
編成定員 584人
車両定員 先頭車 94人(うち座席36人)
中間車 99人(うち座席48人)
自重 先頭車 25.9 t
中間車 24.5 t
編成重量 149.8 t
全長 先頭車 16,550mm(連結間)
中間車 15,200 mm
全幅 3,038 mm
全高 4,362 mm
車体 アルミニウム合金
台車 跨座式2軸ボギー台車 HAF-18形
(ブリヂストン製・窒素入りゴムタイヤ[1])
主電動機 直流直巻電動機 EFO-H60
主電動機出力 70kW
駆動方式 2段減速式直角カルダン駆動
歯車比 5.68
制御装置 電動カム軸式抵抗制御[2]
制動装置 発電ブレーキ併用電気指令式空気ブレーキ
保安ブレーキ・駐車ブレーキ
保安装置 自動列車制御装置(ATC)
1990年度
テンプレートを表示

東京モノレール1000形電車(とうきょうモノレール1000がたでんしゃ)は、東京モノレールのモノレール車両(電車)。1989年(平成元年)7月25日に営業運転を開始した[3][2]。6両編成16本(96両)が製造された。

概要

東京モノレールの車両はボギー車となった500形以降、4両編成または6両編成での運転としていたが、この1000形は当初から6両の固定編成で製造された。

車体は先頭が傾斜したスピード感のある形状で、これまでの増結用貫通扉を設けたスタイルから一新した。非常扉が右寄りに設置されているため、運転室は広く、貫通路は右にずれている。運転台は右手操作式のワンハンドルマスコンを採用している[3]。

客用ドアは、幅広の片開き式で、片側2か所に設置している。

座席は、4人掛けボックス式のクロスシートを主体とし、車端部に2人掛けシート、先頭車の運転席後ろには1人席もある。車椅子用に4人掛けの一部を2人掛けにしている箇所もある。また、運転席後ろの席は運転席側を向いており、前後方の展望を楽しめる。東京モノレールが採用した日立アルヴェーグ式では、タイヤ収納ボックスが車内に張り出し、床に段差ができるのが特徴だが、当形式では、張り出しの上にシートを置き、高い位置からの展望を楽しめるように配置した。

また再リニューアル塗装編成を中心に(1061Fなどが施工済み、例外で1037Fなど2代目塗装編成も)横長のLCD案内表示器が千鳥配置で設置され、ドアチャイムも若干変更されている。

制御方式は従来の電動カム軸式抵抗制御(力行24段、発電ブレーキ18段)が踏襲されたが、ブレーキシステムは電気指令式(発電ブレーキ併用)とされた[3][2]。6両全車両が電動車で営業最高速度は80km/hである。

2002年(平成14年)9月からワンマン運転を開始した。それに伴い、自動放送を開始した。

羽田駅が終着駅だった時期に、フロントガラスの運転台下の部分にローマ字併記の行先表示板が設置されたり、その後試験目的で車掌台側の車両番号表記の上にLED式の行先表示器が設置されたこともあったが、ほとんどの列車がモノレール浜松町 - 羽田空港(当時)間の通し運転だったこともあり効果がなく、いずれも撤去された。2004年(平成16年)に快速列車の運転時間帯を拡大した際に、各車両の側面にLED式種別表示器が設置されたが、行先表示は省略されている。

1990年にグッドデザイン賞を受賞した[4]。

また、1993年9月27日の整備場駅 - 羽田空港駅(現・羽田空港第1ターミナル駅)の開業に先立ち、現在の天空橋駅近くの地下区間に設けた開口部から本形式2編成がクレーンで吊り降ろされ、新線区間の習熟訓練運転に用いられたことがあった[5]。

塗装

当初はクリーム色に赤帯の塗装だったが、2000年(平成12年)12月より白地に、青、オレンジ色帯の塗装へ順次変更された(後述の広告車を除く)。

その後、この登場時の塗装は2014年(平成26年)で東京モノレール開業50周年を迎えることから、記念事業の一環として「ヒストリートレイン」として第15編成・1085Fで復元され、2013年(平成25年)6月12日から運行を開始した[6]。ワンマン運転開始と前後して編成全体を広告車両とした車両も登場しており、ロッテのチューインガムの広告車として2編成が紺(クールミントガム)と緑(グリーンガム)一色の塗装に変更された。2007年(平成19年)現在は広告掲載はしていないが塗装はそのままとなっている。また第4編成・1019Fが「特別塗装」として東京モノレール開業時に初代車両の100形・200形・300形・350形に施されていた車体塗装を、第9編成・1049Fが2014年に500形に施されていた車体塗装を復元している[7]。

なお、2015年(平成27年)11月より白色車体の扉回りに緑色・水色・青色の塗色を行った再リニューアル塗装の運行が開始されている(第16編成・1091Fが最初の塗色変更車)。

編成表と今後の予定

800形以前の車両は製造から10 - 15年で車両代替が行われ、1000形は初期型の登場から20年以上が経過した2013年時点でも東京モノレール在籍車両の8割を占める主力形式となっていた。 老朽化が進行しているため、2014年7月18日より営業運転を開始した新形式である10000形への置き換えが順次実施され[8]、最終的には全車代替廃車される予定だが、新造が散発的で置き換えに時間を要している事から、車内LCD表示機取付などの改修も並行して実施している。

東京モノレール1000形 全編成一覧(1996年)
← モノレール浜松町
羽田空港第2ターミナル →
竣工日
[9][10][11][12][13]
除籍日備考
号車 1 2 3 4 5 6
種別 Mc1 M2 M1' M2 M1 Mc2
第01編成・1001F100110021003100410051006 1989年6月5日2021年1月[14]
第02編成・1007F100710081009101010111012 1990年3月5日
第03編成・1013F101310141015101610171018 1990年4月13日2016年9月
第04編成・1019F101910201021102210231024 1990年6月2日2014年11月100形塗装
第05編成・1025F102510261027102810291030 1991年2月18日2015年2月
第06編成・1031F103110321033103410351036 1991年4月22日2022年3月ポケモン塗装[15]
第07編成・1037F103710381039104010411042 1991年6月10日
第08編成・1043F104310441045104610471048 1991年7月8日リニューアル塗装
第09編成・1049F104910501051105210531054 1992年6月19日500形塗装
第10編成・1055F105510561057105810591060 1992年6月19日2018年1月
第11編成・1061F106110621063106410651066 1993年9月28日リニューアル塗装
第12編成・1067F106710681069107010711072 1993年9月28日2019年2月
第13編成・1073F107310741075107610771078 1993年9月13日2016年1月
第14編成・1079F107910801081108210831084 1994年5月9日
第15編成・1085F108510861087108810891090 1994年6月6日復刻塗装
第16編成・1091F109110921093109410951096 1996年6月リニューアル塗装

脚注

  1. ↑ タイヤ生産「断トツ」目指す - 読売新聞 2013年4月3日
  2. 1 2 3 曽根悟(監修) 著、朝日新聞出版分冊百科編集部 編『週刊 歴史でめぐる鉄道全路線 公営鉄道・私鉄』 30号 モノレール・新交通システム・鋼索鉄道、朝日新聞出版〈週刊朝日百科〉、2011年10月16日、29頁。
  3. 1 2 3 日本鉄道車輌工業会『車両技術』188号(1989年10月)「東京モノレール1000系電車」pp.53 - 66。
  4. ↑ “往年の赤ライン復活 東京モノレール開業50年記念”. 朝日新聞. 2013年10月18日時点のオリジナルよりアーカイブ。2024年11月18日閲覧。
  5. ↑ 村上温「東京モノレール羽田新線の概要」『鉄道ピクトリアル』第159号、電気車研究会、1993年11月、66 - 72頁。
  6. ↑ “東京モノレール1000形旧塗装編成が運転開始” (日本語). railf.jp鉄道ニュース. 鉄道ファン (交友社). (2013年6月14日). オリジナルの2013年6月18日時点におけるアーカイブ。 2016年3月4日閲覧。
  7. ↑ 500形車の塗装を再現した「ヒストリートレイン」の運行を1月19日から開始します!(東京モノレール新着情報・インターネットアーカイブ・2014年時点の版)。
  8. ↑ “東京モノレール、17年ぶりの新型車両「10000形」導入…2014年7月運行開始へ” (日本語). レスポンス. (2013年9月10日). オリジナルの2013年9月13日時点におけるアーカイブ。 2017年8月5日閲覧。
  9. ↑ 『新車年鑑1990年版』p292
  10. ↑ 『新車年鑑1991年版』p242
  11. ↑ 『新車年鑑1992年版』p186
  12. ↑ 『新車年鑑1993年版』p189
  13. ↑ 『新車年鑑1995年版』p187
  14. ↑ 鉄道ニュース. “東京モノレール1000形1001編成が引退”. 2021年1月5日閲覧。
  15. ↑ https://www.tokyo-monorail.co.jp/news/pdf/press_20190624.pdf

参考文献