橋本康彦

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橋本康彦(はしもと やすひこ、1954年 - )は、日本の彫刻家、木彫家。福島県いわき市出身。澤田政廣に師事し、仏像や人物像、動物を題材とする木彫作品などを制作している。1990年から1993年にかけて、アメリカ合衆国で大型の不動明王立像を共同制作した。[1][2]

来歴

1954年、福島県いわき市に生まれる。高校卒業後に上京し、1979年、彫刻家の澤田政廣に入門した。澤田のもとで約5年間、住み込みで木彫の技術を学んだ。[2]

1980年代末、他の彫刻家らとともに日本の伝統的な木彫技法をアメリカで紹介するため、大型の不動明王像の制作を計画。1990年からメリーランド州ボルチモアのメリーランド美術大学を拠点に制作活動を行った。[1]

帰国後は京都市西陣地区に制作拠点を構え、その後、大阪府南河内郡千早赤阪村に移った。2013年には大阪府森林組合の広報誌で、同村を拠点とする木彫家として紹介されている。[2][3]

制作活動

アメリカでの不動明王立像制作

1990年、橋本は彫刻家の伊藤仁一、柳本功とともに、メリーランド美術大学で大型の不動明王立像の制作を開始した。この事業は、日本の伝統的な木彫技法をアメリカで紹介することを目的としたもので、アジアン・カルチュラル・カウンシルを通じて同大学の協力を得た。日本人実業家の大芝孝二やアメリカの企業などが制作を支援した。[1]

制作には複数の木材を接合して彫刻し、内部を空洞にする寄木造の技法が用いられた。イエローシダー材を組み合わせ、漆や金箔などによって仕上げられた。[1]

1990年11月18日には、制作途中の像が大学内で公開された。この行事は日米の文化交流を象徴する催しとして『ワシントン・ポスト』に報道された。[4]

完成した像は高さ約10メートル、重量約7トンに及び、1993年にニュージャージー州の医療機器メーカー、ベクトン・ディッキンソンの本社施設へ移設された。制作にはメリーランド美術大学の学生らも参加した。[1]

2017年には、同作品の保存修復を担当した美術保存修復家ボブ・ハナムが作品の維持管理について紹介している。[5]

新妻實との関係

アメリカでの制作活動に際して、橋本は彫刻家の新妻実と交流があった。

橋本は2017年のインタビューで、不動明王立像の制作場所を探していた際、新妻の仲介によりメリーランド美術大学の学長フレッド・ラザルスらから協力を得たと述べている。[2]

また、橋本は新妻をモデルとした人物像《新妻実像》を制作している。

情報科学芸術大学院大学(IAMAS)の瀬川晃による『2024年活動報告書』には、岐阜県関ケ原町のせきがはら人間村生活美術館で開催された企画展「Homage to MINORU NIIZUMA」の展示マップが掲載されている。同マップには「新妻実像(橋本康彦作)」と記載されている。[6]

国内での木彫制作と近年の活動

橋本は仏像や人物像のほか、動物を題材とした木彫作品を制作している。

作品群の一つに、絵巻物『鳥獣人物戯画』を題材とする「鳥獣戯画」シリーズがある。2013年の大阪府森林組合の広報誌では、動物を擬人化し、人間の仕草や世相風刺を取り入れた同シリーズが紹介された。2014年1月には南河内林業総合センター「ラ・フォレスタ」で「鳥獣戯画木彫展」が開催された。[3]

2017年には、兵庫県豊岡市の城崎温泉にある西村屋ホテル招月庭の客室用に、うさぎを題材とした彫刻を制作した。同年10月の雑誌『LEON』の取材記事では、客室ごとに異なる表情を持つ橋本の作品が紹介されている。[7]

2024年7月には、出身地である福島県いわき市のギャラリーいわきで木彫展が開催された。地元情報紙『個処から』は、霊獣や風刺を題材とした新作約25点の展示を紹介している。[8]

2025年には、兵庫県養父市で開催された第31回公募展「木彫フォークアートおおや」に《何処へ(Endangered species)》を出品し、入選した。[9]

脚注

  1. 1 2 3 4 5 Brace, Eric (1993年4月11日). “BYE-BYE BUDDHA”. The Washington Post. 2026年10月20日閲覧.
  2. 1 2 3 4 “橋本康彦”. ヒロ画廊 (2017年2月3日). 2026年10月20日閲覧。
  3. 1 2 “大阪しんりんくみあい通信 Vol.25” (PDF). 大阪府森林組合. p. 6 (2013年11月). 2026年10月20日閲覧。
  4. ↑ Valentine, Paul W. (1990年11月19日). “BALTIMORE GREETS A FEARSOME FRIEND”. The Washington Post. 2026年10月20日閲覧.
  5. ↑ Hannum, Bob (2017年4月1日). “Art Conservation of the Buddha”. Arts Management Services. 2026年10月20日閲覧。
  6. ↑ 瀬川晃. “2024年活動報告書” (PDF). 情報科学芸術大学院大学. p. 3. 2026年10月20日閲覧。
  7. ↑ 渡辺ゆり子 (2017年10月16日). “秋旅行くなら、あのコとしっぽり城崎温泉へ❤︎”. LEON. 2026年10月20日閲覧。
  8. ↑ “ギャラリー情報&イベント案内” (PDF). 個処から. No. 210. 2024年7月. p. 2. 2026年10月20日閲覧.
  9. ↑ “第31回公募展「木彫フォークアートおおや」入賞・入選作品” (PDF). 養父市・木彫フォークアートおおや実行委員会 (2025年9月7日). 2026年10月20日閲覧。

外部リンク