母語
母語(ぼご、英: mother tongue 、英: native language[1])とは、幼児期に周囲が話すのを聞いて自然に覚え使えるようになった(最初の)言語[1]。
母語と第一言語(だいいちげんご)、母国語は、しばしば同じ言語であるため本記事でも扱う。しかし、母語として複数の言語を自然に習得し、最初に習得した言語が明確でない場合、どれを第一言語とするかは決定しがたく、また幼少期を母国の外で過ごすなどし、母国語に先んじて他の言語を自然に習得した場合、母語と母国語は異なる。
概説
[編集]幼少期から周囲が話しているのを聞いて模倣したり、周囲の反応を真似しているうちに、自然に話せるようになった言語のことである。
母語は母国語とは別の概念である。
ある言語を母語として話す者を「母語話者」あるいは「ネイティブスピーカー」という。
幼少期から自然に話せる言語を複数もつ場合もある。
母語が複数になる場合
[編集]母語が複数になる場合がある。
一番多いパターンは、両親の母語が異なる場合である。父親が英語を母語とし、母親がスペイン語を母語としている家庭では、その子供にとって母語は英語とスペイン語の2つであり、いわゆるバイリンガル(多言語話者)となる。
2つ母語がある場合でも、通常、どちらも同じ水準で話せるわけではない。一番得意な言語を第一言語と言う。
日本人にとっての母語と母国語
[編集]母語は「幼少期より自然に使っている言語」であり、一方母国語のほうは「母国の国家語」である。
日本で生まれ育った日本人では、ほとんどの場合、母語が母国語と一致しており、これは世界的には比較的珍しい。
日系ブラジル人1世にとっては母語は日本語であるが、2世の場合は母語が日本語とブラジルポルトガル語の2言語状態になる場合が多い。どちらが第一言語かは、家庭環境や、年齢にもよる。3世以降はほぼブラジルポルトガル語になっていることが多い。
呼称の置き換えの試み
[編集]「母語」という表現をジェンダー論的に批判し、「母」を別の言葉、例えば「親」に置き換えて、「親語」などとすべきだとする主張もある[3]が、普及・定着には至っていない。
出典・脚注
[編集]- 1 2 ブリタニカ国際大百科事典【母語】mother tongue, native language
- ↑ 在日朝鮮人2世である徐京植は、「在日朝鮮人2世として日本で生まれ育った私にとって、母語は日本語である。朝鮮語は私の母国語であるが、母語ではない。」と述べている。徐京植「母語と母国語の相克」(PDF)『人文自然科学論集』第126号、2008年11月26日、33頁、2012年2月8日閲覧。
- ↑ 徐京植は、「「親語」といった用語をあてるべきだが、今のところ一般的に用いられる適切な代案がない」と述べている。徐京植「母語と母国語の相克」(PDF)『人文自然科学論集』第126号、2008年11月26日、54頁、2012年2月8日閲覧。
- ↑ 中島和子 (2003年). “問題提起「JHLの枠組みと課題-JSL/JFLとどう違うか」”. 母語・継承語・バイリンガル教育研究会. 2012年2月8日閲覧。
参考文献
[編集]- レオ・ヴァイスゲルバー『母語の言語学』三元社、1994年。ISBN 978-4-88303-024-8 (母語の言語学 目次詳細)
関連項目
[編集]外部リンク
[編集]- 母語(ぼご)とは - コトバンク
- 「ネパール西部のビャンスの人々・多言語社会での『母語』とはなにか」(名和克郎、2005・11月のことばのサロン) - 今までのフォーラム 地球ことば村