白豆杉

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白豆杉(はくとうすぎ、学名:Pseudotaxus chienii)は、イチイ科Pseudotaxus属の常緑低木。同属を構成する唯一の種で、中国に分布する[1][2]。

形態

高さは最大約4メートルになる。樹皮は灰褐色で、帯状にはがれる。葉は線形で二列に並び、裏面には白色の気孔帯がある。種子を囲む肉質の仮種皮は、成熟すると白くなる[2]。

分布・生育環境

中国の山地に分布し、日陰の斜面や谷沿いの森林に生育する[2]。

分類

1934年にTaxus chieniiとして記載され、1947年にPseudotaxus属へ移された。キュー王立植物園の植物データベースでは、Pseudotaxus chieniiを受容名、Taxus chieniiを異名としている[1]。

日本における名称と取扱い

日本の食薬区分リストでは、ハクトウスギの他名としてウンナンコウトウスギが記載されていた。厚生労働省は2022年の検討において、ハクトウスギ(Pseudotaxus chienii)とウンナンコウトウスギ(Taxus yunnanensis)は、属の異なる別の植物であると整理した[3]。

同年10月24日の通知で、ハクトウスギの他名等はPseudotaxus chieniiに改められ、コウトウスギは別項目として収載された[4]。

同年の検討では、ハクトウスギの樹皮・葉は専ら医薬品として使用される成分本質、心材は医薬品的効能効果を標榜しない限り専ら医薬品と判断しない成分本質として区別された[3]。

コウトウスギの区分変更について、同省のワーキンググループは、国内外で食経験がなく、含有するパクリタキセルが医薬品として使用される化合物であり、強い毒性を有することを理由に挙げた[3]。通知ではコウトウスギの樹皮・葉・心材が専ら医薬品として使用される成分本質に分類され、新たに対象となった心材を含む製品には2022年10月24日から2023年10月23日までの経過措置が設けられた[4]。

日本では、白豆杉の心材を原料とする健康食品が、一部の漢方薬局などで販売されている[5]。

研究

2024年10月、岐阜大学大学院連合創薬医療情報研究科に、株式会社紅豆杉との共同研究による白豆杉共同研究部門が設置された。白豆杉木部の生理活性と活性化合物の探索を研究目的としている[6]。同研究科の研究紹介には、担当研究者として纐纈守と岡野哲郎が記載されている[7]。

Mingshuang Wang、Chenjia Shenらは、本種の染色体レベルのゲノムを解析し、イチイ属との比較によりタキサン生合成経路の進化を検討した[8]。

脚注

  1. 1 2 “Pseudotaxus chienii (W.C.Cheng) W.C.Cheng” (英語). Plants of the World Online. Royal Botanic Gardens, Kew. 2026年10月15日閲覧。
  2. 1 2 3 “白豆杉 Pseudotaxus chienii” (中国語). 国家重点保护野生植物大数据平台. 中国科学院植物研究所. 2026年10月15日閲覧。
  3. 1 2 3 “令和3年度第3回医薬品の成分本質に関するワーキンググループ議事概要”. 厚生労働省 (2022年2月22日). 2026年10月15日閲覧。
  4. 1 2 “食薬区分における成分本質(原材料)の取扱いの例示の一部改正について”. 厚生労働省 (2022年10月24日). 2026年10月15日閲覧。
  5. ↑ “白豆杉(はくとうすぎ)”. 伸光漢方堂. 2026年10月15日閲覧。
  6. ↑ “【報告】「白豆杉共同研究部門」を開設いたしました”. 岐阜大学大学院連合創薬医療情報研究科 (2024年10月10日). 2026年10月15日閲覧。
  7. ↑ “創薬科学研究一覧”. 岐阜大学大学院連合創薬医療情報研究科. 2026年10月15日閲覧。
  8. ↑ Wang, Mingshuang (2026). “Analysis genome of Pseudotaxus chienii reveals insights into the origin and evolution of taxane biosynthesis”. Nature Communications 17: 1088. doi:10.1038/s41467-025-67849-4.