酒井美意子

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さかい みいこ
酒井 美意子
生誕 前田 美意子
1926年(大正15年)2月18日
日本の旗 日本・東京府東京市本郷区(現・東京都文京区本郷)
死没 (1999-10-05) 1999年10月5日(73歳没)
出身校 女子学習院
職業 評論家、作家
活動期間 1943年 - 1999年
代表作 『ある華族の昭和史』
活動拠点 日本の旗 日本
肩書き ハクビ総合学院学長
百合姿きもの学院学長
京都きもの学院学長
配偶者 酒井忠元
子供 酒井忠紀(長男)
親 前田利為(父)
前田菊子(母)
受賞 殊勲婦人賞[1]
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酒井 美意子(さかい みいこ、1926年(大正15年)2月18日 - 1999年(平成11年)10月5日)は、日本のマナー・皇室評論家[2]、作家。加賀前田家16代当主で侯爵・前田利為の長女。母は雅楽頭系酒井家宗家20代当主で伯爵・酒井忠興の次女菊子。同家22代当主・酒井忠元の妻。

人物

東京・本郷に生まれ、幼少時はロンドンの日本大使館近くで過ごした。父は駐英大使館附武官であった[3]。帰国後に入学した女子学習院で昭和天皇の第一皇女・照宮成子内親王と同級生になり、皇居に招かれるようになる[3]。

戦後、華族制度が廃止され平民になると、GHQに接収された婚家・酒井家のアトリエを米軍将校の援助によって改装し、ナイトクラブ「不死鳥」を開いた[3]。クラブを支えた米軍の協力者が朝鮮戦争に召集されると、今度は店舗をYMCA学院に改装して、教育産業に乗り出す[3]。

その後、読売新聞紙上でエチケット指南役を務めて人気を博していた母の海外旅行中、その代役としてマナー評論家としてデビューする[3]。さらに酒井が書いた皇太子と美智子妃の成婚をめぐる記事に目をつけた大宅壮一の知遇を得、大宅門下の草柳大蔵を兄貴と呼び、文筆家業に踏み込んでいった[3]。著書『ある華族の昭和史』はベストセラーとなり[1]、土曜ドラマ『華族の女』(脚本田中澄江、主演三田佳子)としてNHKでドラマ化されている。

略歴

  • 1927年(昭和2年)4月からロンドンで過ごす[4]。
  • 1930年(昭和5年)9月に帰国[5]、その後女子学習院に入学、昭和天皇の第一皇女・照宮成子内親王と同級・学友となる[6]。
    • 女子学習院卒業[7]。
  • 1943年(昭和18年) - 1945年(昭和20年)、外務省政務秘書官室勤務[8]。
  • 1945年(昭和20年)3月、従兄の酒井忠元と結婚[9][10]。
  • 1946年(昭和21年)、社交クラブをオープンする[11]。
  • 1950年(昭和25年)、クラブ経営から撤退する[12]。
  • 1959年(昭和34年)、評論家としての活動を開始する。専門はマナー、エチケット、その後皇室関係にも拡がる[13][14]。
  • 1973年(昭和48年)、ハクビ総合学院学長となる[15]。
  • 1977年(昭和52年)からは、百合姿きもの学院と京都きもの学院の学長を兼任した[16]。

幕末の前田家について

女子学習院中等科の学生だった頃、同じ旧大名華族の娘である級友と幕末の前田家について次のような会話をしたという[17]。

  • 美意子「だけど幕末には目覚ましいご活躍だったでしょう?」
  • 級友「まあ、幕府に長年の恨みをはらすためにね。あのとき前田さんは、だいぶあとになってから朝廷側におつきになったのね」
  • 美意子「そうなの。だって将軍家とは親類でもあったし、うかつには動けなかったらしいのね。うちの父がいつも申しますの。あのとき立ち遅れたのはまずかったって」
  • 級友「ほんとね。だから論功行賞で損なさったのよ。もっと早く兵を挙げてらしたら、侯爵(マークイス)ではなく、当然公爵(プリンス)だったというお噂ね」

著作物

単著

  • 1966年(昭和41年) - 『マナー小事典 : 基本から公式まで』 池田書店
  • 1969年(昭和44年) - 『若いふたりのマナー : デイト・ステディ・婚約・友人』 池田書店
  • 1971年(昭和46年)
    • 『酒井美意子のエチケットの本 : 愛される人になるために』 サンケイ新聞社出版局
    • 『和服の常識 : いつ、何を、どう着るか』 三崎書房
  • 1972年(昭和47年)
    • 『おヨメに行くとき読む本 : 女であるとは、どういうことか』 主婦と生活社
    • 『女の生き方 : 演技の値打ちを見直す本』 徳間書店
    • 『きものの常識 : ちょっぴり差をつけるための400項』 主婦と生活社
  • 1973年(昭和48年)
    • 『男を見る眼 : このずる賢くも、可愛い動物の研究』 主婦と生活社
    • 『最新・おつきあい読本 : 賢い女性のマナー集』 佼成出版社
    • 『一人暮しの経済学 : 優雅な生活のすすめ69章』 日新報道
  • 1974年(昭和49年)
    • 『縁談成功法 : 幸せな結婚への男性鑑別法と交際の作法』 講談社
    • 『会話のおしゃれ : 実用89の秘訣集』 三笠書房
    • 『君主学入門 : 加賀前田家“お家安泰"の秘密』 徳間書店
    • 『恋をしたときから読む本 : 愛されるための男性研究』 主婦と生活社
    • 『新マナー小事典 : 改まった場で困らないために』 池田書店
    • 『女性のマナー : 冠婚葬祭の常識』 ひかりのくに
  • 1975年(昭和50年)
    • 『子どもをしつける : 自信が持てるしつけ成功法』 読売新聞社
    • 『図解・マナー全科』 家の光協会
    • 『装いの設計 : 個性的なおしゃれプラン』 ひかりのくに
  • 1978年(昭和53年)
    • 『会話のおしゃれ』 三笠書房
    • 『女性よ、もっと貴女を演出しなさい』 潮文社
    • 『聡明な女の生き方 : ライフワークのみつけ方から知的生活の方法まで』 主婦と生活社
  • 1979年(昭和54年)
    • 『食通にささげる本 : 誰も言わなかった“味”“店”“雑学”』 青春出版社
    • 『こんなとき何を着るか : 冠婚葬祭、交際で成功する装い』 祥伝社
  • 1980年(昭和55年)
    • 『おしゃれ話術 : 魅きつける言葉のメイクアップ』 経済界
    • 『おヨメに行くとき読む本 : 女であるとは、どういうことか』 主婦と生活社
  • 1981年(昭和56年) - 『冠婚葬祭とマナー : カラー版』 家の光協会
  • 1982年(昭和57年)
    • 『ある華族の昭和史 : 上流社会の明暗を見た女の記録』 主婦と生活社、ISBN 978-4391104691。
    • 『風雪を越えて : 山本信嗣の歩んだ道』 財界展望新社、ISBN 4-87934-013-8。
  • 1983年(昭和58年)
    • 『あなたを美しく魅せるマナー : 最新版おもしろなるほど事典』 日本経営指導センター
    • 『女らしく生きる』 大和書房
    • 『「加賀百万石」前田家にみる危機に強い経営術』 日本経営指導センター
    • 『困った時はこう書く : すぐ役立つ手紙文例集』 PHP研究所、ISBN 4-569-21007-4。
    • 『酒井美意子のマナーの本』 大和書房
    • 『モテる女への神話 : いい女への秘密』 大和書房、ISBN 4-479-18012-5。
  • 1984年(昭和59年)
    • 『女ひと通りのことができなくちゃ : 新・暮らしと生き方の知恵15章』 主婦と生活社
    • 『女らしく生きる』 ダイワアート
    • 『風の戯れ』 中央公論社、ISBN 4-12-001299-9。
    • 『酒井美意子のマナーの本』 ダイワアート
    • 『長男と結婚するとき読む本』 主婦と生活社、ISBN 4-391-10815-1。
    • 『まごころの贈り物選び方と贈り方』 ロングセラーズ、ISBN 4-8454-0187-8。
  • 1985年(昭和60年)
  • 1986年(昭和61年)
    • 『ある華族の昭和史 : 上流社会の明暗を見た女の記録』 講談社文庫、ISBN 4-06-183528-9。
    • 『かしこい女性のマナー集』 ダイワアート
    • 『ほんものマナー秘訣集』 主婦と生活社、ISBN 4-391-10932-8。
  • 1987年(昭和62年)
  • 1988年(昭和63年)
    • 『会話のおしゃれ』 三笠書房・知的生きかた文庫、ISBN 4-8379-0282-0。
    • 『皇室に学ぶマナー』 ダイワアート
      • 『ロイヤルマナー : 皇室・伝統の礼儀と作法』 大和書房、2001年。ISBN 4-479-01145-5。
  • 1989年(平成元年)
  • 1990年(平成2年)
  • 1992年(平成4年)
  • 1995年(平成7年)
    • 『写真集 華族の肖像』 清流出版、ISBN 4-916-02807-4。
    • 『昭和マイラヴ : 思い出すことの多き日々かな お姫さまエッセイ』 清流出版、ISBN 4-916-02808-2。
    • 『元華族たちの戦後史 没落、流転、激動の半世紀』 宙出版(主婦と生活社)/講談社+α文庫、2016年、ISBN 4-06-281677-6。

共著

  • 滝沢静江 『着つけ全科 : 図解』 家の光協会、1972年。
  • 友井静枝 『ミセスの着こなし』佼成出版社、1975年。
  • 池田裕 『宝石全書』 主婦と生活社、1977年。
  • 司良介『欧羅巴・日本正統派マナー事典』 徳間書店、1990年。ISBN 4-19-384350-5。

共編

  • 北条誠、霜山操子『皇女照宮』秋元書房、1973年。

監修

  • 『祝儀・不祝儀-いまの常識111』 徳間書店、1990年。ISBN 4-19-384383-1。
  • 『すぐに役立つ式辞あいさつ実例集』 家の光協会、1990年。ISBN 4-259-53674-5。

親族

脚注

  1. 1 2 “酒井 美意子 サカイ ミイコ”. コトバンク. 2026年6月12日閲覧。
  2. ↑ 浅見雅男 1994, p. 16.
  3. 1 2 3 4 5 6 「戦後80年の偉大なる変人才人 酒井美意子 ナイトクラブ「不死鳥」 保阪正康」『文藝春秋』2025年8月号
  4. ↑ #酒井美意子『華族の肖像』20頁
  5. ↑ #酒井美意子『ある華族の昭和史』11頁
  6. ↑ #酒井美意子『華族の肖像』70 - 71、94 - 95、125、154 - 155、162 - 163頁、#酒井美意子『元華族たちの戦後史』131 - 132、160 - 161頁、#酒井美意子『ある華族の昭和史』14、97、99頁。
  7. ↑ #酒井美意子『華族の肖像』207頁、#酒井美意子『元華族たちの戦後史』223頁、#酒井美意子『ある華族の昭和史』275頁。
  8. ↑ #酒井美意子『華族の肖像』207頁、#酒井美意子『ある華族の昭和史』181 - 182、186、187、193頁。
  9. ↑ #酒井美意子『ある華族の昭和史』150頁
  10. ↑ #酒井美意子『ある華族の昭和史』193頁
  11. ↑ #酒井美意子『元華族たちの戦後史』44 - 45頁(クラブ名は「コスモポリタン・クラブ」とされる。)、#酒井美意子『ある華族の昭和史』210 - 212頁(クラブ名は「クラブ・フェニックス」とされる)。
  12. ↑ #酒井美意子『元華族たちの戦後史』80 - 82頁、#酒井美意子『ある華族の昭和史』230 - 231頁。
  13. ↑ #酒井美意子『元華族たちの戦後史』139、147、169頁、#酒井美意子『ある華族の昭和史』241、243頁。
  14. ↑ #酒井美意子『元華族たちの戦後史』151頁、#酒井美意子『ある華族の昭和史』243 - 249頁。
  15. ↑ #酒井美意子『元華族たちの戦後史』156頁、#酒井美意子『ある華族の昭和史』255頁。
  16. ↑ #酒井美意子『元華族たちの戦後史』158頁、#酒井美意子『ある華族の昭和史』257頁。
  17. ↑ 浅見雅男 1994, p. 17.

参考文献

  • 酒井美意子『ある華族の昭和史』講談社文庫、1986年6月。ISBN 978-4061835283。 
  • 酒井美意子『華族の肖像』清流出版、1995年7月。ISBN 978-4916028075。 
  • 酒井美意子『元華族たちの戦後史』主婦と生活社、1995年8月。ISBN 978-4872879049。 
  • 浅見雅男『華族誕生 名誉と体面の明治』リブロポート、1994年6月。ISBN 978-4845709304。 

関連項目