魔女卵
| 魔女卵 | |
|---|---|
| 監督 | 和泉聖治 |
| 脚本 |
和泉聖治 内藤誠 |
| 出演者 |
渡辺祐子 西岡克哉 我王銀次 殺陣剛太 恩田快人 |
| 撮影 | 木村公明 |
| 編集 | 大島ともよ |
| 製作会社 | プルミエ・インターナショナル |
| 配給 | 東映 |
| 公開 |
|
| 上映時間 | 90分 |
| 製作国 |
|
| 言語 | 日本語 |
『魔女卵』(まじょらん)は、1984年に公開された日本映画[1][2][3]。大阪アメリカ村のライブハウス「心斎橋Bahama」[4]を主舞台に、ツッパリ少女・三上レイ(渡辺祐子)が、PRESENCEのボーカル・矢作大介(西岡克哉)に一目惚れし、グルーピーに暴力を振るわれながらも、シドとナンシーに自身を当てはめて「アタシ、ナンシー・スパイゲルになるねん!」と、学校も辞め、ジャパメタバンドの押しかけマネージャーになり、バンドをメジャーにしようと奔走する姿を描く青春映画である[3][5][6][7][8]。
タイトルの『魔女卵』は、その「心斎橋BAHAMA」に出演していた実在したジャパメタバンドの一つだが[9]、主役でもなく、タイトルは、映画のイメージを混乱させている[8][9]。『週刊映画ニュース』1984年2月25日付には『魔女卵・MAJORAN』と書かれている[10]。主役格のPRESENCEのメンバーとして出演する恩田快人は、後にJUDY AND MARYを結成した[3][9]。他に出演する「アンチ」「ソフィア」「ジーザス」「クライスト」「マッドロッカー」などは当時関西で活動していた実際のジャパメタバンド[3][9]。劇中、PRESENCE、魔女卵の他、出演はしていないが、LOUDNESSやMIZZYなどのヘヴィメタルナンバーが使用されている[1][9][11]。
キャスト
- 三上レイ:渡辺祐子
- 矢作大介(PRESENCE):西岡克哉
- サブ:我王銀次
- カルメン:井上真由美
- 綾:小谷弘美
- 良子:亜美
- ミユキ:鈴木規子
- リリィ:徳谷清美
- みどり:きんた
- お圭:河内倫子
- サイコ:殺陣剛太
- マリコ:鈴垣いづみ
- 狂介:清正美
- シャモ:祭健太
- トシ坊:トーガン・カク
- レイの母親:江東美紀
- キーコ:四宮真琴
- チーコ:江夏寧美
- 透(PRESENCE):恩田快人
- キッド(PRESENCE):西川のぼる
- ジロー(PRESENCE):白田一秀
- マキ(PRESENCE):梅田一哉
※ 以下、ロックバンド
- 魔女卵
- アンチ
- ソフィア
- ジーザス
- クライスト
- マッドロッカー
スタッフ
あらすじ
この節の加筆が望まれています。 |
製作
ピンク映画出身の和泉聖治監督は1982年の『オン・ザ・ロード』で一般映画に進出[2]。一般映画二作目として『沙耶のいる透視図』を製作したが[2]、お蔵入りし[2][12]、一般映画三作目の本作が先に公開された[2]。
カルメン役の井上真由美以外の出演者は、全員オーディションで選ばれた[2][6][13]。『映画情報』1984年6月号には「ツッパリ男を演ずる我王銀次という新人が将来性がありそうだ。松田優作風で、大阪のアングラ劇団にいる役者だ」と書かれている[13]。製作はプロデューサーとしてクレジットされる増田久雄が代表を務めるプルミエ・インターナショナルながら、企画クレジット矢部恒、佐藤和之の二人や、共同脚本の内藤誠は東映の社員、元社員で、文献によっては東映映画と書かれたものもある[2][6]。
宣伝
「ヘヴィメタル」という語が当時はまだ定着していないようで、『映画情報』1984年6月号の作品紹介には「大阪を舞台にしたロック、ヘビー・メタル・ロックというのが正確らしいけど、かなりすごい化粧をした若い男女がケンカする、ズベ公ものといえる」などと解説している[13]。
チラシには「ロックに魅了され、ロックを自覚的に生きていく少女の物語。シンナー、バイク、売春等の風俗描写を大胆に取り入れ、若者達の"生"の実態に一歩鋭く入れ込んだ」と書かれている[14]。
興行
ジャッキー・チェン主演『成龍拳』との二本立て東映番線映画。前番組は『空海』、後番組は『天国の駅』各一本立て[6]。一部の劇場では『空海』が続映され[6]、『空海』と『成龍拳』との二本立てで[6]、『魔女卵』は上映されず[6]。『成龍拳』は本来1984年の正月映画を予定していたが[14]、仇討ちをテーマにした内容が、正月向けでないという理由で[14]、『ドラゴン特攻隊』の差し替えられ、『成龍拳』がこの枠にずれ込んだ[14]。立川健二郎は「『魔女卵』は対象客の狭さから大きな興行的期待は無理だろう」と予想していた[14]。
作品の評価
興行成績
『映画年鑑 1985年版』には「『成龍拳』が『魔女卵』と併映されたが不発に終わった」と書かれている[15]。
批評
北川れい子は「下品で泥臭く、過激で情報過多、何よりネチっこい関西弁の洪水にはうんざりしてしまったが、アラ不思議、しまいにはこれらすべてがゾクゾクと心地良く、和泉監督の関西ロック・グラフィティ、青春映画としても上等だ。サブ役の我王銀次の男っぷりは『不良番長シリーズ』の梅宮辰夫、レイ役の渡辺祐子は『ネオンくらげ』の山内えみ子と、脚本の内藤誠はかつての内藤世界を思わせるチンピラを登場させた」などと[8]、今野雄二は「矢沢永吉をヒーローと仰ぐ原宿あたりのロックン・ローラー族が勝手にキャロル当時の矢沢をネクロフィリアックに神と祭り上げている如く、パンクのパの字も理解せずに、身勝手にナンシー・スパイゲルになるんやーと決心してしまうヒロインにも困ったものだ」などと[8]、出口丈人は「ロック・バンドに入れ込むヒロインの追い方や彼女と同棲するチンピラのキャラクターはそれなりに面白いが、ロックが古色蒼然としているのでテーマに対する作り手の距離があいまいになっている」などと[8]、手塚眞は「題名を見た瞬間に思わず吹き出してしまって、とても期待して観に行ったんですね。『マジョタマゴ』と読むと思ったもので…実際に笑える映画だったので、少し安心しました」」などと[8]、松田政男は「何ともけったいなB級映画を撮った和泉監督に心から拍手を送りたい。『女番長』と『ガキ帝国』をミックスして日活河内アクションのエキスをふりかけ、それでいて演奏シーンが抜群なロック映画でもあるとは、実に並々ならぬセンスではないか」などと評した[8]。
同時上映
『成龍拳』
ソフト状況
出典
- 1 2 “魔女卵”. 日本映画製作者連盟. 2026年10月8日閲覧。
- 1 2 3 4 5 6 7 塩田時敏「Show Business 最前線 MAY. 映画・演劇・音楽情報コーナー 魔女になれ女子高生」『噂の眞相』1984年5月号、噂の眞相、94–95頁。
- 1 2 3 4 「第1章 番長とスケバンの70年代 REVIEW 『魔女卵』 アタシ、ナンシーになる!ツッパリ少女と我王銀次の心意気が光る青春映画 文・一角二朗」『日本不良映画年代記』洋泉社〈洋泉社MOOK〉、2016年、86頁。ISBN 978-4-8003-0900-6。
- ↑ 「心斎橋Bahama@web」
- 1 2 『ぴあシネマクラブ 日本映画編 2004-2005』ぴあ、1998年、628頁。ISBN 978-4835606170。魔女卵
- 1 2 3 4 5 6 7 「邦画封切情報上映予定/『魔女卵』(東映)」『シティロード』1984年5月号、エコー企画、24–25頁。
- ↑ 「『魔女卵』(東映)」『シティロード』1984年6月号、エコー企画、25頁。
- 1 2 3 4 5 6 7 「ロードショー星取表『魔女卵』」『シティロード』1984年5月号、エコー企画、23頁。
- 1 2 3 4 5 志田一穂 (2025年7月18日). “このサントラ、ちょっと、レア。第32回 映画とロックはとてもステキな関係である件”. Sono Create Biz. 2026年10月8日閲覧。
- ↑ 「『少年ケニア』から『空海』只今宣伝面もデッカク進捗中」『週刊映画ニュース』全国映画館新聞社、1984年2月25日、1面。
- ↑ 魔女卵 / 魔女卵 – TICRO MARKET
- ↑ 「CINEMA NEWS オクラ入り映画『沙耶のいる透視図』公開へ」『プレイガイドジャーナル』1987年2月号、プレイガイドジャーナル社、22頁。
- 1 2 3 「雑談えいが情報 新作映画ニュース」『映画情報』1984年6月号、国際情報社、71頁。
- 1 2 3 4 5 立川健二郎「興行価値 日本映画東宝、東映の5月番組」『キネマ旬報』1984年5月上旬号、キネマ旬報社、172頁。
- ↑ 「邦画製作界 記録編」『映画年鑑 1985年版(映画産業団体連合会協賛)』時事映画通信社、1984年、111頁。