鳥羽温泉郷

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鳥羽温泉郷(とばおんせんごう)[注 1]は三重県鳥羽市の温泉郷である。9つの源泉を持つ[注 2]が、他地域からの引湯によって形成されている場所も多い[1]。

神宮の禊湯としても紹介されている[2]。年間宿泊客は約200万人(2017年時点)[3]。

温泉の一覧

「温泉郷」を名乗るが、まとまった温泉街は実質的になく、国道42号線および三重県道128号線沿い[注 3]の鳥羽市沿岸部一帯にかけて温泉ホテルや旅館が点在している。

しかし戸田家、鳥羽国際ホテル潮路亭などの著名旅館を含め、その大半は榊原温泉郷をはじめ社宮司温泉・南勢桜山温泉・奥志摩温泉といった県内の他温泉地からの「運び湯」であり、地元の源泉を使用した施設は少数派である[4]。

以下では地元源泉の温泉地のみを列挙する。

鳥羽温泉

鳥羽温泉
2020年に空撮されたエクシブ鳥羽。
温泉情報
所在地 三重県鳥羽市安楽島町字ニ地169-2
交通 鳥羽フェリー港から車で9分
泉質 ナトリウム-炭酸水素塩・塩化物泉
泉温(摂氏) 34.4 °C
湧出量 240L/分
pH 8.8
液性の分類 アルカリ性
宿泊施設数 1
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アルカリ性炭酸水素塩・塩化物泉。地下1500mからくみ上げている。美人の湯といわれるほか、切り傷、やけど、虚弱児童に効能がある[5]。

1999年からホテル「エクシブ鳥羽」[6]の屋外テルメ「スパ&エステ テルメゾン」および別邸の大浴場「天海の湯」で温泉を利用している[6]。日帰り利用はできない。

近鉄志摩線加茂駅から徒歩37分、また鳥羽マリンターミナルからかもめバスで12分[7]。

答志島温泉

答志島温泉を参照

安楽島温泉

安楽島温泉
温泉情報
所在地 三重県鳥羽市安楽島町
交通 鳥羽フェリー港から車で7分
泉質 湯元:単純温泉
潮香の湯:単純冷鉱泉
泉温(摂氏) 湯元:25.0℃
潮香の湯:20.7℃
湧出量 湯元:60L/分
潮香の湯:20L/分
pH 湯元:9.3
潮香の湯:9.6
液性の分類 湯元:アルカリ性
潮香の湯:アルカリ性
浸透圧の分類 湯元:低張性
潮香の湯:低張性
宿泊施設数 2
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2種類の源泉が近隣にある。いずれも日帰り利用可能である。

「湯元」[8]は安楽島町1075‐100にあるホテル「安楽島温泉 湯元 海女乃島」の風呂で使われているアルカリ性単純温泉。地下1500mから掘削し、1992年に湧出[9]。効能は神経痛、筋肉痛、痔病、冷え性、疲労回復など。

「潮香の湯」[10]は安楽島町1200‐7にあるホテル「亀の井ホテル 鳥羽」(旧かんぽの宿、開湯時期不詳)の風呂で使われているアルカリ性単純冷鉱泉。加温、循環消毒されている[11]。効能はほぼ同じ。

近鉄志摩線志摩赤崎駅から徒歩30分、また鳥羽マリンターミナルからかもめバスで20~30分[12]。

地名は「あらしま」または「あらじま」と読む[13][14]。

鳥羽小浜温泉

鳥羽小浜温泉を参照

石鏡温泉

石鏡温泉
温泉情報
所在地 三重県鳥羽市石鏡町
交通 鳥羽フェリー港から車で20分ほど
泉質 岬の湯:ナトリウム・カルシウム-塩化物泉
龍の栖温泉:単純温泉
泉温(摂氏) 岬の湯:21.5℃
龍の栖温泉:28.8℃
湧出量 岬の湯:126L/分
龍の栖温泉:207L/分
pH 岬の湯:6.8
龍の栖温泉:8.8
液性の分類 岬の湯:中性
龍の栖温泉:アルカリ性
浸透圧の分類 岬の湯:低張性
龍の栖温泉:低張性
宿泊施設数 2
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2種類の源泉が近隣にある。いずれも日帰り利用はできない。

「岬の湯」[15]は石鏡町368‐2にある旅館「いじか荘」の風呂で使われている中性塩化物鉱泉。2002年に8か月かけて敷地内で源泉を掘り当てた[16][17]。効能は神経痛、筋肉痛、痔病、冷え性、疲労回復など。

「龍の栖温泉」[18]は石鏡町中ノ山龍の栖にあるホテル「御宿The Earth」の風呂で使われているアルカリ性単純温泉。2009年に開削された[18]。効能はほぼ同じ。

ほかに比べ湧出量は多いが、どちらも掛け流しではなく循環である。

鳥羽マリンターミナルからかもめバスで40分ほど[19]。

地名は「いじか」と読む[13]。

本浦温泉

本浦温泉を参照

神代温泉

神代温泉
2008年に空撮された五感の湯宿 慶泉。
温泉情報
所在地 三重県鳥羽市国崎町740
交通 鳥羽フェリー港から車で26分
泉質 ナトリウム - 塩化物泉
泉温(摂氏) 35.5 °C
湧出量 69L/分
pH 9.3
液性の分類 アルカリ性
浸透圧の分類 低張性
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アルカリ性塩化物泉。国崎町にあったホテル「伊勢志摩湯元神代温泉 五感の湯宿 慶泉」の敷地で1996年に掘削された[20]。塩化物泉で、五十肩や冷え性などのほか、美肌効果やアトピー性皮膚炎など皮膚に関する効能が豊かといわれていた。

2020年にリニューアルオープンした[21]直後にコロナ禍に見舞われ、2026年現在は鳥羽温泉郷および運営母体の「海栄RYOKANS」の公式ページからはすでに削除されており[22][23]、閉館している可能性が高い[注 4]。

近鉄志摩線松尾駅(松尾駅口)からかもめバスで30分、そこから徒歩15分[24]。

歴史

  • 1964年、岩倉町内にあった井水(単純硫黄泉)を、「鳥羽温泉」として温泉協同組合加盟旅館19軒に配湯する事業を開始。しかし湯量が乏しく、数年で頓挫した[25]。
  • 1989年、本浦で源泉の開削に成功[26]。以降バブル景気を背景に、各地で開削とホテルや旅館の開業が相次いだ[25]。
  • 2004年の温泉偽装問題では、温泉利用許可の申請をしていなかった旅館が市内に38軒あったと報じられた[25]。
  • 2007年、温泉振興会が設立。「鳥羽温泉郷」として一体となる[25][27]。

入湯税について

温泉振興会設立まで、市が源泉を持っていない[28]、運び湯の旅館も多いなどの理由で、鳥羽市は入湯税を徴収していなかった[29]が、市は民間との間で協議を重ね使途比率について合意形成ができたとして、2007年4月より入湯税の徴収を開始した[29]。

徴収額の3割は鉱泉源保護に用いられ、残る7割は「鳥羽市観光振興基金」として積み立て、適宜観光振興事業[注 5]に使われる。この仕組みは「鳥羽方式」と呼ばれる[30]。

2019年度の収入は1億7362万7千円と、日本全国で第17位(三重県1位)に位置する[31]。

その他

脚注

  1. ↑ “【鳥羽温泉郷】海と海幸と温泉と三拍子そろった温泉地 - CHUBU-ROO!” (2021年12月31日). 2024年7月19日閲覧。
  2. 1 2 3 “鳥羽温泉郷 ~ 鳥羽温泉郷”. www.toba-onsen.com. 2024年7月19日閲覧。
  3. ↑ “No.53 鳥羽市温泉振興会の10周年記念式典に参加しました”. (公財)日本交通公社 (2017年4月13日). 2026年6月26日閲覧。
  4. ↑ “鳥羽温泉郷 ~ 源泉でさがす”. www.toba-onsen.com. 2024年7月17日閲覧。
  5. ↑ “エクシブ鳥羽温泉の泉質について”. リゾートトラスト. 2016年9月21日時点のオリジナルよりアーカイブ。2016年9月22日閲覧。
  6. 1 2 “施設のご案内|グランドエクシブ鳥羽|ホテル|リゾートトラストグループ サービスサイト”. www.rtg.jp. 2024年7月17日閲覧。
  7. ↑ “佐田浜(鳥羽マリンターミナル) to エクシブ鳥羽本館” (日本語). 佐田浜(鳥羽マリンターミナル) to エクシブ鳥羽本館. 2024年7月18日閲覧。
  8. ↑ “安楽島温泉 湯元”. 伊勢神宮参拝と源泉の宿【鳥羽・安楽島温泉 湯元 海女乃島】. 2024年7月18日閲覧。
  9. ↑ “安楽島温泉(三重県/安楽島)|泉質・効能・アクセス・周辺グルメ|るるぶ&more.”. rurubu.jp. 2026年7月19日閲覧。
  10. ↑ “温泉|【公式】亀の井ホテル 鳥羽|伊勢志摩の海の幸を味わう温泉ホテル”. 【公式】亀の井ホテル 鳥羽. 2024年7月18日閲覧。
  11. ↑ “かんぽの宿 鳥羽”. おんせん風呂録. 2024年7月18日閲覧。
  12. ↑ “佐田浜(鳥羽マリンターミナル) to 安楽島温泉 湯元海女乃島” (日本語). 佐田浜(鳥羽マリンターミナル) to 安楽島温泉 湯元海女乃島. 2024年7月18日閲覧。
  13. 1 2 “鳥羽市 町名案内|鳥羽市ホームページ”. www.city.toba.mie.jp. 2026年7月19日閲覧。
  14. ↑ 日本大百科全書(ニッポニカ). “安楽島(あらじま)とは? 意味や使い方”. コトバンク. 2025年9月12日閲覧。
  15. ↑ “天然温泉| 三重県鳥羽市 ホテルいじか荘”. www.ijikasou.com. 2024年7月18日閲覧。
  16. ↑ “石鏡温泉(三重県/石鏡)|泉質・効能・アクセス|るるぶ&more.”. rurubu.jp. 2024年7月18日閲覧。
  17. ↑ “石鏡温泉(三重県)のアクセス、泉質、温泉地情報をチェック”. BIGLOBE旅行. 2021年9月16日時点のオリジナルよりアーカイブ。2024年7月18日閲覧。
  18. 1 2 “温泉|伊勢志摩 温泉旅館 御宿The Earth【公式HP】”. www.the-earth.in. 2026年4月19日閲覧。
  19. ↑ “鳥羽駅 to 石鏡口” (日本語). 鳥羽駅 to 石鏡口. 2024年7月18日閲覧。
  20. ↑ “温泉‐伊勢志摩 神代温泉 湯元旅館「慶泉」”. 伊勢志摩 神代温泉 湯元旅館「慶泉」. 2024年7月19日時点のオリジナルよりアーカイブ。2026年4月19日閲覧。
  21. ↑ eguchi (2020年2月22日). “神代温泉「慶泉」、訪日客対象にリスタート - 観光経済新聞”. 観光経済新聞 - 1950年創刊の観光業界専門メディア。本社テーマは「観光立国の実現は地方(地域)から」. 2026年4月19日閲覧。
  22. ↑ 2026年時点のホームページと2021年時点でのアーカイブを比較(温泉郷)。
  23. ↑ 2026年時点のホームページと2021年時点でのアーカイブを比較(海栄)。
  24. ↑ “松尾駅 to 五感の宿 慶泉” (日本語). 松尾駅 to 五感の宿 慶泉. 2024年7月19日閲覧。
  25. 1 2 3 4 鳥羽市観光基本計画 ― 資料編別冊 - 鳥羽の観光史略年表
  26. ↑ “TOBAJIN vol.03 吉川政雄さん|鳥羽人|鳥羽一番旅コンシェルジュ”. www.toba1ban.co.jp. 2026年7月19日閲覧。
  27. ↑ “発足10周年鳥羽温泉郷感謝の心 | トラベルニュースat今すぐにでも出たくなる旅”. imatabi.travelnews.co.jp. 2026年6月26日閲覧。
  28. ↑ 梅川智也, 吉澤清良, 福永香織, 後藤健太郎, ed (2014). “温泉価値創造 2013年度 温泉まちづくり研究会 ディスカッション記録 〜日本の温泉地、温泉旅館の将来を考える〜 ”. 温泉まちづくり (公益財団法人日本交通公社).
  29. 1 2 梅川 智也, 吉澤 清良, 福永 香織 (2015). “温泉地における安定的なまちづくり財源に関する研究”. 日本観光研究学会機関誌 27 (1).
  30. ↑ 梅川智也 (2016年1月28日). “観光地経営の視点と観光推進組織<事業と財源>―自立的運営に向けて―”. 国土交通省観光庁シンポジウム「日本版DMOの形成に向けて」. 国土交通省. 2021年5月31日時点のオリジナルよりアーカイブ。2021年5月31日閲覧。
  31. ↑ “入湯税収入額が多い市町村 ベスト30(2019年度)”. 日本温泉協会 (2021年5月17日). 2021年5月21日閲覧。
  32. ↑ “10周年鳥羽温泉郷が贈る「朝の禊湯・祝い旅」 | トラベルニュースat今すぐにでも出たくなる旅”. imatabi.travelnews.co.jp. 2024年7月19日閲覧。
  33. ↑ “温泉まちづくり研究会”. 2012年7月21日時点のオリジナルよりアーカイブ。2026年7月17日閲覧。

注

  1. ↑ この地域は「温泉郷」を「おんせんごう」と読むことが多い。
  2. ↑ 地域では7か所になる。なお2か所には源泉が2つあり、1か所は公式サイト非記載(後述)。
  3. ↑ 合わせて「海辺の温泉街道」と称される[2]。
  4. ↑ HPは未更新
  5. ↑ 使途は観光基本計画やアクションプログラムに明記されたものに限定、基金は財政課が管理する。
  6. ↑ 正確には川や海の水でも良い。

関連項目

外部リンク