2体問題

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二体問題

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
(2体問題から転送)

二体問題(にたいもんだい、(英: two-body problem)は2つの質点からなる質点系の運動を扱う問題である[1][2]。

概要

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二重円運動

二体問題は古典力学の問題であり、2つの質点からなる質点系の運動を扱うものである(⇒ #定義)[1][2]。「惑星と衛星」や「連星」の運動が例として挙げられる(⇒ #例)。全ての二体問題は独立した一体問題に帰着させて解ける(⇒ #解法)。しかし三体問題やそれ以上の多体問題は特別な場合を除いて解析的に解けないと証明されている[3]。

定義

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二体問題は以下で定義される:

を時刻、 を質点 の質量・位置・速度、 を質点 におよぼされる外力とする。 が与えられたとき、 を求めよ。

例

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二体問題で定式化できる問いとして、「惑星と衛星」「恒星と惑星」「連星」「原子核と(古典的な)電子」の運動が挙げられる。

解法

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二体問題では、運動を重心運動と相対運動に分離し、その記述に必要な 2 つの一体問題を解くことで解を得られる[4]。

質点系の運動は「質量中心に全質量が集中したと考えたときの質点の運動量」つまり全運動量の変化である重心運動と[5]、重心からみた各質点の相対運動に分割して表現できる。二体問題では質量が の二つしか無いため、重心位置 は と を結ぶ線上すなわち相対位置 の線分上に常に存在し、かつ、この線分を質量の逆比すなわち で分割する[6]。これらより、全質量を とすると、 と を用いて は次のように表現できる[7]:

重要なのは、重心まわりの相対位置 を 無しで求められることである。 が常に の線分上に乗るため[6]、質点 まわりの相対位置 のみを考えればよい。よって と の運動をそれぞれ求めれば解が得られる[4]。

重心運動は外力のみを考慮すればよい一体問題であるため[5]、初期値と次の運動方程式により解が得られる:

相対運動では外力に加えて質点 が互いにおよぼす内力 が働くが、内力は作用反作用の法則でひとつに集約できる。上記のとおり の一体問題に帰着できるため[4]、換算質量 を とすると、初期値と次の運動方程式により解が得られる:

これが二体問題の解法である。なお当然ではあるが、最終的に解析解が得られるか否かは力の形による。

重力相互作用の問題

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連星系

外力を とし、内力を質点 間の重力相互作用( : 万有引力定数)に限定した場合、天文の初等問題等をこの枠組みで解ける。

この設定では、力が次のようになる:

外力 より の重心運動は等速度運動あるいは静止になる。また、 の相対運動の運動方程式も次のようにシンプルになる:

脚注

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注釈

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出典

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  1. 1 2 一般に、2 個の質点からなる質点系の運動を調べるとき,これを 2 体問題という.(戸田 1982, p. 149)
  2. 1 2 相互作用している 2 つの質点系を扱った ... 2 質点の問題(二体問題)(小出 1997, p. 47)
  3. ↑ 扱えるのは 2 質点の問題(二体問題)までであって,三体問題以上の多体問題になると解析的に厳密な扱いは不可能であることが証明されている.(小出 1997, p. 47)
  4. 1 2 3 あとは, が相対座標であることなど忘れて,1個の質点の場合と同じに扱って運動を決めればよい.(小出 1997, p. 46)
  5. 1 2 質点系の全運動量は,重心に全質量が集中したと考えたときの質点の運動量に等しい.... 質点系の全運動量の時間的変化の割合は,外力の総和に等しく,内力には無関係である.(小出 1997, p. 54)
  6. 1 2 重心(または質量中心)の位置 ... は 2 つの質点を結ぶ線分を質量の逆比に内分する(小出 1997, p. 45)
  7. ↑ からみた の位置は で与えられる.... ... と が求められれば,各質点の運動は によって与えられる.(小出 1997, pp. 44–47)

参考文献

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  • 戸田, 盛和『力学』岩波書店〈物理入門コース〉、1982年。ISBN 4-00-007641-8。 
  • 小出, 昭一郎『物理学(三訂版)』(58版)裳華房、1997年。ISBN 978-4-7853-2074-4。 

関連項目

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