Digest認証(ダイジェストにんしょう)とは、HTTPの認証方法(HTTP認証)の一つ。ユーザ名とパスワードを暗号学的ハッシュ関数でハッシュ(ダイジェスト)化して送る。Basic認証では防げなかった盗聴や改竄を防ぐために考案された。

使用する暗号学的ハッシュ関数としては、当初MD5が規定され、後にRFC 7616でSHA-2(SHA2-256およびSHA-512/256)が加わっている。

例

典型的なDigest認証におけるHTTPクライアントとHTTPサーバの間の通信を紹介する。

だいたいの流れは以下のようになる。

  1. クライアントは認証が必要なページをリクエストする。しかし、通常ここではユーザ名とパスワードを送っていない。なぜならばクライアントはそのページが認証を必要とするか否かを知らないためである。
  2. サーバは401レスポンスコードを返し、認証領域 (realm) や認証方式(Digest)に関する情報をクライアントに返す。このとき、ランダムな文字列(nonce)とサーバーがサポートしている qop (quality of protection) を示す引用符で囲まれた1つまたは複数のトークンも返される。
  3. それを受けたクライアントは、認証領域(通常は、アクセスしているサーバやシステムなどの簡単な説明)をユーザに提示して、ユーザ名とパスワードの入力を求める。ユーザはここでキャンセルすることもできる。
  4. ユーザによりユーザ名とパスワードが入力されると、クライアントはnonceとは別のランダムな文字列(cnonce)を生成する。そして、ユーザ名とパスワードとこれら2つのランダムな文字列などを使ってハッシュ文字列(response)を生成する。
  5. クライアントはサーバから送られた認証に関する情報(ユーザ名, realm, nc(nonce count), nonce, cnonce, qop)とともに、responseをサーバに送信する。
  6. サーバ側では、クライアントから送られてきたランダムな文字列(nonce、cnonce)などとサーバに格納されているハッシュ化されたパスワードから、正解のハッシュを計算する。
  7. この計算値とクライアントから送られてきたresponseとが一致する場合は、認証が成功し、サーバはコンテンツを返す。不一致の場合は再び401レスポンスコードが返され、それによりクライアントは再びユーザにユーザ名とパスワードの入力を求める。

ユーザ名とパスワードの具体的な計算は以下のようになる。なお、ここでは認証アルゴリズムがMD5の時の計算方法を示す。

クライアントが計算するresponseは以下のようにして求められる:

A1 = ユーザ名 ":" realm ":" パスワード
A2 = HTTPのメソッド ":" コンテンツのURI
response = MD5( MD5(A1) ":" nonce ":" nc ":" cnonce ":" qop ":" MD5(A2) )

サーバ側では、MD5(A1) をあらかじめ計算し格納してある。nonce, nc, cnonce, qopとHTTPのメソッド(GETなど)とコンテンツのURIはクライアントから送られてくるので、サーバ側でもresponseの正解を計算できる。

関連項目

外部リンク

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