EICARテストファイル

EICARテストファイル (EICAR Standard Anti-Virus Test File) とは EICAR が開発したアンチウイルス (AV) ソフトウェアの応答をテストするためのファイルである。
概要
AVソフトウェアのテストで実際のコンピュータウイルスを使うと具体的なダメージが生じてAVソフトウェアが破損し、正しく動作できない可能性があるため、そのような問題を起こさずにAVソフトウェアのテストをすることを意図としている。EICARによれば、実際のウイルスを使ったテストは、ゴミ箱に火を放って火災報知機をテストすることにたとえられ、EICARテストファイルを使うことが安全な代替案として推奨されている。
AVソフトウェアがこのファイルを発見すると、コンピュータウイルスを発見したときと全く同じ形で反応することが期待されている。また、単純な検出よりも汎用性に優れている。例えばこのファイルをデータ圧縮したり、アーカイブしたりでき、そのような圧縮されたファイルについてもこのファイルを検出できるかをテストすることができる。
それ自体は単純なテキストファイルとしても扱うことが可能で、そのために人間の読めるASCII文字だけで構成されるよう工夫されていて、通常のキーボードで容易に作成できる。長さは通常68バイトである[1]。
その一方で、DOSやWindows、OS/2などで動作するCOMファイルと呼ばれる実行ファイルにもなっている。実行すると "EICAR-STANDARD-ANTIVIRUS-TEST-FILE!" と表示して停止する。さらに、自己書き換えコードになっている[2]ため、(マルウェアが難読化などのために実行する)自己書き換えを、AVソフトウェアが検出できるかのテストになっているのである。
作成方法
メモ帳で下記の文字列を入力し、拡張子を.comとしてセーブすることで作成できる。しかし、AVソフトウェアがリアルタイムスキャンを実行している場合、メモ帳に入力する過程でこのファイルが検知される場合があるので、AVソフトウェアが動作している状態でこのファイルを作成することは困難である。その場合は、一時的に監視動作を停止させるか、EICARのサイトからダウンロードすることができる。
EICARテスト文字列は次の通り:
X5O!P%@AP[4\PZX54(P^)7CC)7}$EICAR-STANDARD-ANTIVIRUS-TEST-FILE!$H+H*
脚注
- ↑ 文字列の長さは68バイトだが、テキストエディタによっては空行(CR+LF)を自動的に末尾に追加するため、70バイトになることもある。その場合も機能には、全く影響は生じない。
- ↑ EICARテストファイルを深掘りしてみる #x86 - Qiita
関連項目
- EICAR
- コンピュータウイルス
- アンチウイルスソフトウェア
- COMファイル
- GTUBE - 類似の文字列。なお、こちらは電子メールフィルタリングをテストするために用いられる文字列であり、本ファイルの自己書き換えコードとなっているなどといった特徴と類似しているわけではない。
外部リンク
- European Institute For Computer Antivirus Research 公式サイト
- 各製品共通テストウイルス‐トレンドマイクロ
- EICAR test file, antimalware testing with no collateral damages