ELTRES(エルトレス)は、ソニーが開発したLPWA(Low Power Wide Area、低出力長距離通信)の通信技術[1][2]。
「ELTRES」という名前は、スペイン語の定冠詞「EL」と「3」を意味する「TRES」を組み合わせた造語であり、方式の3つの特徴を表している。「Extremely Long range Transmission using Robust and Efficient Systems」の頭文字を用いるワードでもある[2]。
3つの特徴がある。
ELTRESの通信は、上り一方向通行(センサー端末からベースステーション)のみである[3][4]。
GNSSを用いて送信と受信の同期を取る方式であり、高感度受信と周波数利用の高効率を実現している。GNSS信号受信を必須とする方式である[3]。
データ送信は、1分間隔・10分間隔・1時間間隔のように定期的な送信から選択する。センサーの値をトリガーにしてデータ送信を開始するイベント送信も可能[5]。
ELTRESの送信ペイロードは128ビット(16byte)。5秒刻みで0.4秒ずつ4回データ送信し、受信機で4つの信号が合成されることにより、弱い電波環境でも受信できる[6]。
主変調方式はπ/2 Shift BPSKで、多重化のための副変調としてチャープ変調を採用している。周波数ホッピングを用いて強い妨害耐性を実現[6]。独自に開発されたLDPC(Low Density Parity Check)符号の誤り訂正符号を用いている[6]。
GNSSを用いた同期システムを採用しているので、モジュールには送信LSIの他にGNSS受信LSIも内蔵している。GPS・GLONASS・QZSS(みちびき)に対応している[7]。
モジュールは、ソニーセミコンダクタソリューションズ株式会社が販売。
欧州電気通信標準化機構(ETSI)のLTN(Low Throughput Networks)Technical Standardの一つとして採択された[8]。
2018年9月28日から国内で公衆網としてプレサービスの受付を開始した[9]。翌年9月下旬から本サービスを開始した[10]。
ソニーネットワークコミュニケーションズは国内のネットワークオペレータとなっている[11]。
国内対応の通信モジュールCXM1501GRは2019年6月からサンプルを出荷[12]。無線設備の工事設計認証を取得済み。ARIB STD-T108準拠。モジュールサイズは16mm x 16mm x 2mm。最新モジュールはCXM1501AGR[7]。
日本での送信周波数帯域は923.5 MHz – 928.1 MHz。帯域は23個の200kHzのチャネルに分かれている。他システムへ与える妨害の軽減するために、キャリアセンスによる空きチャネルを確認している。
送信出力は20 mW。
欧州連合/UK(CXM1503GR)、アジア(CXM1504GR)、オセアニア (CXM1505GR)、米国/カナダ(CXM1506GR)の対応モジュールのサンプルがある[7]。
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