『VERSION』(バージョン)は、坂口尚の漫画作品。潮出版社の「コミックトム」誌上で1989年2月号から1991年12月号まで連載された[1]。同社からの単行本全3巻のほか、講談社からの文庫版(上下巻)、KADOKAWAからの復刻版が刊行されている(後述)。
私立探偵の八方塞は、バイオ企業の元研究者と名乗る大沢木から、日暮博士の捜索を依頼される。博士は3年前、開発途上でその危険性ゆえに凍結された生体情報素子「我素(がそ)」とともに失踪していた。
八方は、博士が消息を絶ったオーストラリアへと飛び、博士の娘である映子と会うが、直後に博士の死亡が確認される。釈然としないまま帰国するものの、今度は映子からの依頼により八方は我素の探索に付き合わされることになる。やはり我素を追い求める国家秘密機関や謎の組織レリギオ教団に付け狙われ、人魚を追い求めるペピ船長一味に助けられながら、八方と映子は我素の正体へと迫る。
本作品は坂口による長編3部作の1つである。前作『石の花』では戦争という極限状態下を舞台に提起された「生命進化と人の意思」というテーマを、本作ではSF的視点から再構成している。一方、本作品では敵役として現れる「私=自我」という存在について、絶筆『あっかんべェ一休』において一定の回答を与えている。
また、特に自我が命に寄生する存在であるとするストーリー設定は、瀬名秀明のデビュー作『パラサイト・イヴ』にも影響を与えた[2]。
坂口の作品では最も早く翻訳版が出版された[3]。英語版の分冊がダークホースコミックスから出版されている[4]が完結していない。
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