うくしま (掃海艇)

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うくしま
基本情報
建造所 NKK鶴見製作所→USC京浜事業所鶴見工場
運用者  海上自衛隊
艦種 掃海艇(中型掃海艇)
級名 すがしま型
艦歴
発注 1999年
起工 2000年5月17日
進水 2001年9月17日
就役 2003年3月18日
最期 2024年11月11日 火災により沈没
除籍 2025年10月8日
要目
排水量 基準 510トン
満載 590トン
長さ 54.0 m
幅 9.4 m
深さ 4.2 m
吃水 3.0 m
機関 CODOE方式
主機 三菱6NM-TA(B)Iディーゼル × 2基
電動機 × 2基
出力 1,800 PS
推進 スクリュープロペラ × 2軸
速力 最大速 14ノット
乗員 45人
兵装 JM61-M 20 mm 多銃身機銃 × 1門
搭載艇 4.9 m級 複合作業艇 × 1隻
ジェミニ・ディンギー処分艇 × 1隻
C4I NAUTIS-M 情報処理装置
レーダー OPS-39-Y 対水上捜索用
ソナー TYPE-2093 可変深度式
その他 PAP-104 Mk.5機雷処分具 × 2機
53式普通掃海具(O型)改6
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うくしま(ローマ字:JS Ukushima, MSC-686)は、海上自衛隊の掃海艇。すがしま型掃海艇の6番艇。艇名は宇久島に由来する。旧海軍鵜来型海防艦「宇久」に次いで日本の艦艇としては2代目。2024年11月10日に発生した火災により翌11日に沈没した(後述)。海上自衛隊によると、火災が原因で自衛隊の艦艇が沈没したのは1966年10月以来、2隻目[1]。

本記事は、本艇の艦暦について主に取り扱っているため、性能や装備等の概要についてはすがしま型掃海艇を参照されたい。

艦歴

「うくしま」は、平成11年度計画掃海艇386号艇として、USC京浜事業所鶴見工場で2000年5月17日に起工され、2001年9月17日に進水、2003年3月18日に就役し、掃海隊群第2掃海隊(佐世保)に編入された。

2004年4月21日から5月7日までの間、シンガポール周辺海域において実施された第2回西太平洋掃海訓練に掃海母艦「うらが」、掃海艦「はちじょう」とともに参加した。

2009年4月14日から4月27日、長崎県平戸沖漁船転覆事故による行方不明者捜索に参加。

同年6月20日から6月29日、硫黄島周辺海域で平成21年度実機雷処分訓練に参加。

2010年2月26日、佐世保地方隊下関基地隊第43掃海隊に編成替え。

同年9月30日、福岡県苅田港沖で機雷処分作業を実施。

同年11月3日、関門海峡で機雷・砲弾処分を実施。

2012年6月17日から6月21日、硫黄島周辺海域で実機雷処分訓練に参加。

2014年7月18日から7月30日、陸奥湾でアメリカ海軍との掃海特別訓練に参加。

2015年2月1日から2月10日、伊勢湾で平成26年度機雷戦訓練に参加。

同年7月12日午後10時2分、長崎県高島漁港で海に転落した幼児を捜索するため隊員40名を乗せて出港。

同年8月16日午後11時、下対馬南西110㎞から170 kmの東シナ海を北東に航行するウダロイⅠ級ミサイル駆逐艦「アドミラル・パンテレーエフ」、ゴーリン級航洋曳船1隻、ドゥブナ級補給艦1隻を発見した。その後対馬海峡を北上して日本海に入っている。

同年11月20日から11月30日、日向灘で平成27年度機雷戦訓練に参加。

2016年6月17日から6月23日、硫黄島周辺海域で平成28年度実機雷処分訓練に参加。

2018年7月18日から7月30日、陸奥湾にて機雷戦訓練及び日米印共同掃海特別訓練を実施する[2]。

同年8月8日朝5時頃、口永良部島の西約40 kmの海域を東進する中国海軍のジャンカイII級フリゲート2隻、フチ級補給艦1隻による艦隊を発見した。その後、当該艦隊が大隅海峡を東進し太平洋に出たことを確認するまでの間、海上自衛隊阪神基地隊第42掃海隊「つのしま」、第1航空群所属のP-3C哨戒機と共に所要の情報収集・警戒監視を行った[3]。

2022年1月31日に発生した、航空自衛隊飛行教導群(小松基地所在)のF-15DJ(32-8083号機)墜落事故に対し、現地海面で海中捜索活動に従事。捜索には航空自衛隊のU-125A 救難捜索機、UH-60J 救難ヘリコプター、海上自衛隊のヘリ搭載護衛艦「ひゅうが」、ミサイル護衛艦「みょうこう」、護衛艦「せんだい」、ミサイル艇「うみたか」、潜水艦救難艦「ちはや」、水中処分母船1号型「YDT-01」、UP-3D 多用機、MCH-101 掃海・輸送ヘリコプター、SH-60K 哨戒ヘリコプター、海上保安庁の巡視船「はくさん」、巡視艇 「かがゆき」、巡視艇「あさぎり」、小松基地と陸上自衛隊金沢駐屯地からそれぞれ派出された地上捜索部隊も参加している[4][5][6][7][8][9][10][11][12]。

2024年11月10日に発生した火災により、同11日8時32分沈没(全没を確認)した(後述)[13]。

2025年10月8日、除籍。同日、「うくしま」の除籍により第43掃海隊は廃止された[13][14][15]。

最終所属は下関基地隊第43掃海隊で、定係港は下関であった。

火災による沈没

2024年11月10日、7時35分に下関基地を出港し、志布志港に向け福岡県宗像市大島の北約2kmの沖合を航行中の9時40分ごろに機械室(エンジンルーム)から火災が発生[13]。海上保安庁第七管区海上保安本部(北九州)に「エンジンルームから火災が発生し、1人取り残されている」と通報した[16]。その後、到着した掃海艇「とよしま」が横付けし、海上保安庁や「とよしま」乗員と共同で消火・救助作業を実施した。取り残されたのは33歳の男性機関員(3等海曹)で、それとは別の20代男性乗員が煙を吸って喉の痛みを訴えたため、海上保安庁が宗像市の漁港まで搬送し、救急隊により病院に搬送されたが命に別条はなかった[16]。14時ごろに一度鎮火したが、14時50分頃に再燃が確認され延焼し、消火困難となったため、行方不明者を除く乗員は錨を入れるなど漂流防止を行ったのち、「とよしま」に移乗した。15時30分に総員退艇[13]。22時以降も巡視船などにより外部からの消火活動を実施し、その後11日0時5分ごろに転覆し、船尾が沈み船首で浮く形となり結果的に鎮火した[1][17][18][19][20][21]。その後、同日8時32分に沈没した[22]。沈没直前の午前7時時点での位置は、北緯33度54分98、東経130度23分58であった[23]。12月25日、サルベージ作業中に海底の船体近くで人骨を発見[13][24]。12月27日、海上自衛隊は現場周辺の海底で25日に見つかった人骨が行方不明の機関員のものだと確認されたと発表した[25][26]。

2025年6月7日、船体を現場海域から引き揚げた。水深約50メートルに沈んだ船体にワイヤをくくりつけ、海自から委託を受けた民間のサルベージ船がクレーンで徐々に引き揚げた。海面近くまで吊り上げてから「浮きドック」に載せ、排水しながら海面に浮かび上がらせた。今後、浮きドックで下関港(山口県)に運び、台船に載せ替えてから佐世保港(長崎県)へ運搬する予定[27][28][29]。出火原因はわかっておらず、火元とみられているエンジンルームなどの分析を進める[27]。10月30日、運輸安全委員会が経過報告を実施[30]。

2026年4月24日、海上幕僚監部は報告書『掃海艇「うくしま」における火災事象について(最終報)』を公表。発電機の配管から漏れた燃料が高温の排気管に接触したことで火災が発生し、直後に電源喪失して消火活動が難航したとする調査結果が示された。「極めてまれな事象が同時並行的に発生した」と分析し、再発防止策が示された[13][31][32]。

火災で沈没した海上自衛隊の艦艇は、特務艇「高速13号」以来2例目である[1]。

脚注

  1. 1 2 3 “海上自衛隊の掃海艇で火災 福岡県沖 乗組員1人を搬送”. NHK. 2024年11月10日. 2024年11月10日閲覧.
  2. ↑ 平成30年度機雷戦訓練(陸奥湾)及び掃海特別訓練(日米印共同訓練)の実施について(PDF文書)
  3. ↑ 中国海軍艦艇の動向について 統合幕僚監部(平成30年8月8日) (PDF)
  4. ↑ 小松基地所属F-15戦闘機の航跡消失について 令和4年1月31日 航空幕僚監部 (PDF)
  5. ↑ 小松基地所属F-15戦闘機の航跡消失について(第2報) 令和4年1月31日 航空幕僚監部 (PDF)
  6. ↑ “小松のF15墜落 2人不明、機体一部発見 基地沖5キロ、離陸直後”. 北國新聞. 2022年2月1日. 2022年2月6日閲覧.
  7. ↑ “小松基地から離陸したF-15DJアグレッサー、捜索続く”. FlyTeam. 2022年2月1日. 2022年2月6日閲覧.
  8. ↑ “海上保安新聞”. (公財)海上保安協会公式ツイッター(2022年2月1日). 2022年2月6日閲覧。
  9. ↑ “〈写真特集〉不明のF15戦闘機、乗員2人の捜索続く”. 北國新聞. 2022年2月3日. 2022年2月6日閲覧.
  10. ↑ “捜索範囲内灘まで拡大 小松基地F15墜落 白山の海岸、機体の一部回収”. 北國新聞. 2022年2月4日. 2022年2月6日閲覧.
  11. ↑ “尾翼発見、千里浜も捜索 墜落の小松基地F15 燃料配管一部も イージス艦投入”. 北國新聞. 2022年2月5日. 2022年2月6日閲覧.
  12. ↑ “【F15墜落】雪の海、乗員2人の捜索続く 7日で発生1週間”. 北國新聞. 2022年2月6日. 2022年2月6日閲覧.
  13. 1 2 3 4 5 6 “掃海艇「うくしま」における火災事象について(最終報)” (PDF). 海上自衛隊 (2026年4月24日). 2026年4月24日閲覧。
  14. ↑ “福岡沖で沈没の掃海艇「うくしま」除籍に”. 西日本新聞. 2025年10月8日. 2025年10月7日時点のオリジナルよりアーカイブ. 2025年10月8日閲覧.
  15. ↑ 海上自衛隊 下関基地隊 [@sisaa_JMSDF] (2025年11月4日). “令和7年10月8日、掃海艇「うくしま」除籍行事及び第43掃海隊解隊行事が行われました。”. X(旧Twitter)より2025年11月4日閲覧.
  16. 1 2 “海自掃海艇「うくしま」火災 消火困難で乗組員退避、30代男性機関士1人が不明”. 産経新聞. 2024年11月10日. 2024年11月10日時点のオリジナルよりアーカイブ. 2024年11月17日閲覧.
  17. ↑ “海自掃海艇「うくしま」、福岡沖で出火か 取り残された1人を捜索中”. 朝日新聞. 2024年11月11日. 2024年11月11日時点のオリジナルよりアーカイブ. 2024年11月17日閲覧.
  18. ↑ “海自掃海艇で火災、1人不明 消火困難で乗組員は退避、福岡沖”. 河北新報. 2024年11月10日. 2024年11月10日時点のオリジナルよりアーカイブ. 2024年11月17日閲覧.
  19. ↑ “海上自衛隊の掃海艇 延焼続く 福岡沖 隊員1人行方不明 1人搬送”. NHK NEWS WEB. 2024年11月10日. 2024年11月10日時点のオリジナルよりアーカイブ. 2024年11月17日閲覧.
  20. ↑ NHK福岡 [@nhk_fukuoka] (2024年11月10日). “【映像】海上自衛隊掃海艇から激しい炎 福岡県沖を航行していた海上自衛隊の掃海艇「うくしま」から出火。男性隊員1人が行方不明になっています。… (2024年11月10日21:07のツイート)”. X(旧Twitter)より2024年11月17日閲覧.
  21. ↑ “火災の海自掃海艇「うくしま」が転覆し鎮火、行方不明の3曹を潜水捜索へ”. 読売新聞. 2024年11月11日. 2024年11月10日時点のオリジナルよりアーカイブ. 2024年11月17日閲覧.
  22. ↑ “火災の掃海艇「うくしま」、今朝8時34分頃に沈没と海自発表…行方不明の3曹捜索続く”. 読売新聞オンライン (2024年11月11日). 2024年11月11日時点のオリジナルよりアーカイブ。2024年11月17日閲覧。
  23. ↑ “【緊急情報】九州北岸、福岡県、大島沖:火災船錨泊/沈没”. 海上保安庁第七管区海上保安本部 (2024年11月11日). 2024年11月12日閲覧。
  24. ↑ 「海自掃海艇「うくしま」の火災 発電機配管の油漏れが原因と推定」『毎日新聞』2026年4月24日。2026年4月24日閲覧。
  25. ↑ “沈没した掃海艇の3曹と確認 福岡沖海底で発見の人骨”. 共同通信. 2024年12月27日. 2024年12月27日時点のオリジナルよりアーカイブ. 2024年12月27日閲覧.
  26. ↑ “発見の人骨、不明隊員と判明 掃海艇火災沈没事故―海自”. 時事通信. 2024年12月27日. 2024年12月27日閲覧.
  27. 1 2 “沈没した掃海艇うくしまの引き揚げに成功 福岡沖で昨年火災事故”. 朝日新聞. 2025年6月7日. 2025年6月7日閲覧.
  28. ↑ “火災起こし沈没の海自掃海艇「うくしま」 船体を引き揚げ”. 毎日新聞. 2025年6月7日. 2025年6月7日閲覧.
  29. ↑ “海自掃海艇「うくしま」引き揚げ 福岡沖で出火沈没、長崎・佐世保港へ”. 産経新聞. 2025年6月7日. 2025年6月7日閲覧.
  30. ↑ 船舶事故調査(掃海艇うくしま火災)について(経過報告) 運輸安全委員会(海事部会)(令和7年10月30日) (PDF)
  31. ↑ “海自掃海艇火災原因、油漏れに電源喪失「まれな事象重なる」 空自F2墜落も調査結果”. 産経新聞. 2026年4月24日. 2026年4月24日閲覧.
  32. ↑ “燃料漏れ出火、電源失い消火難航 掃海艇沈没で調査結果―海自”. 時事通信. 2026年4月24日. 2026年4月24日閲覧.

参考文献

  • 石橋孝夫『海上自衛隊全艦船 1952-2002』(並木書房、2002年)
  • 『世界の艦船 海上自衛隊木造掃海艇建造史』(海人社、2010年)

関連項目