ですぺら
ジャンル SF
小説:大正電脳ダダイズム絵巻 ですぺら
著者 小中千昭
イラスト 安倍吉俊
出版社 徳間書店
掲載誌 月刊アニメージュ
レーベル ロマンアルバム
連載期間 2009年6月号 - 2011年7月号
巻数 全1巻
話数 全13話+3話
アニメ
原作 小中千昭
監督 中村隆太郎
キャラクターデザイン 安倍吉俊
放送局 放送中止
放送期間 -
その他 制作中止
テンプレート - ノート

『ですぺら』(DESPERA)は、小中千昭による日本のSF小説。イラストは安倍吉俊が担当している。徳間書店の月刊アニメ雑誌『アニメージュ』にて2009年7月号から2010年7月号まで連載された後、ロマンアルバムより『ですぺら 大正電脳ダダイズム絵巻』のタイトルで単行本が刊行された[1]。

概要

本作は、小中千昭、安倍吉俊、中村隆太郎というテレビアニメ『serial experiments lain』(1998年)のメインクリエイターが再集結した新たなプロジェクトである[2][3]。その企画第1弾として、アニメージュ創刊31周年記念号からビジュアルノベルとして連載が開始され、その後はアニメ化する企画もあった。しかし連載当時、中村は体調を崩しており[注 1]、雑誌連載のみで企画は終了した[2]。以降は公式サイトに「現代文パート」と題して小中が自身の視点から描いた後書きの様なものを掲載するにとどまっている。のちに単行本が出版されたが、雑誌連載時とは内容や設定に若干の違いがみられる。

『ですぺら』というタイトルは、大正時代のダダイスト[注 2]であり、詩人でもあった辻潤の散文詩のタイトルからの引用であり、またDesperado(ならず者)という意味もあるとのこと[4][5]。本作は、その辻潤が生きた大正時代の日本―大正デモクラシーなど民権運動などの動きが起こり、現代にも通じる科学技術や思想が動き出した時期であり、関東大震災が起き、軍部の思想的暴走が始まる時期でもある―を舞台に、「あいん」と呼ばれる不思議な少女と、彼女が作った「未来を覗く装置」、そして大正に生きた様々な人々の物語を描いている。

あらすじ

物語の舞台は1922年(大正11年)、関東大震災の1年前の日本。「あいん」と呼ばれる不思議な少女は、「浅草十二階」の名で知られる凌雲閣の地下で、不思議な機械を作りながら、「未来を覗く装置」で未来を見る男と暮らしている。

登場人物

あいん
本作のヒロイン。戦車隊を相手に電磁波を腕から放ち対抗するなどの人間離れした能力を見せる、謎が多い不思議な少女。
竹下に浅草十二階下の私娼窟で発見され、大金で買われる。それ以来、彼の世話係となり、謎の機械人形「お父さん」を製作しながら十二階の地下で暮らすようになる。
頭に無理やり付けている黒いリボン[注 3]が特徴。
男
本作の主人公。姓は竹下。本名かどうかは定かでない。
浅草十二階の地下を根城にし、「未来を覗く装置」で得た未来の情報を軍部や貴族に売りながら資金を稼いでいる。近い内に起こる悲劇を忠告するが、なかなか受け入れられない。
自身が奇抜な存在である事を自覚してか、基本的に他人とプライベートな関係を持とうとしない。感情に乏しく、基本的に無表情だが、あいんに対しては深い愛情のようなものを持っている。

各話リスト

アニメージュ連載

公式サイト連載

小説スタッフ

書籍情報

テレビアニメ

雑誌連載前からアニメ化の企画があったが、諸般の事情で中止となった。

2010年、雑誌「ユリイカ」10月号にて、小中が中村の体調不良について述べ、またこれによりアニメ化の企画は一時的に凍結となっていると記した。2011年に発行された単行本に、アニメ化の無期限凍結が明記された。小中はこの中で「ですぺらは一先ず終了」と語り、次の企画の準備を進めているとも述べている。また、安倍もアニメ化できなかったことを詫びる文を寄せている。小中は2014年発売の自身の著作『恐怖の作法: ホラー映画の技術』においても、本作の企画趣旨やアニメ化中止に至る経緯を語っている[3]。

2013年、中村の訃報が伝えられた[6]。

2018年に小中による「近日ではないが動きがある」との発言があったものの、2022年時点でも動きはない[3][7]。

スタッフ

脚注

注釈

  1. ↑ それもあって作品に対して彼からの意見らしい意見はなかったという。
  2. ↑ 既成の秩序や常識に対して否定や破壊、虚無を行う「ダダイズム」の信奉者。
  3. ↑ 安倍のコメントではカチューシャ。

出典

  1. 1 2 3 4 5 “アニメージュ6月号の歴史!? その1”. 徳間書店. (2020年5月9日) 2022年2月4日閲覧。
  2. 1 2 “中村隆太郎監督の作品をこれからも楽しんでいきたいという思いが詰まった「プレイバック中村隆太郎」レポート”. GIGAZINE. 株式会社OSA (2016年9月16日). 2022年2月4日閲覧。
  3. 1 2 3 “きみは「serial experiments lain」を知っているか 20周年を経ていまだ続く実験”. ねとらぼ. アイティメディア (2018年7月21日). 2022年2月4日閲覧。
  4. ↑ (参照:『ですぺら 絶望の書 辻潤エッセイ集』講談社現代文庫、1999)他に、despair (絶望)といった意味も込められている。
  5. ↑ 公式ブログより。
  6. ↑ “「lain」中村隆太郎監督が死去、すい臓がんのため数か月にわたり闘病。”. Narinari.com (2013年7月26日). 2022年2月4日閲覧。
  7. ↑ “「serial experiments lain」の20周年を記念し,主要スタッフにゲーム版をプレイしてもらった。次作は「誰かが適当に作ったら」?”. 4Gamer.net. Aetas (2018年9月29日). 2022年2月4日閲覧。

外部リンク

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