はいチーズ

概要
写真を撮る際における、日本で最も一般的な掛け声である。英語の「Say, cheese!」をそのまま日本語に訳したものであり、直訳では「チーズと言ってみて」という意味になる[1]。
チーズの由来
「チーズ」という独特のフレーズの由来は、まだカメラが一般家庭に普及していなかった19世紀末にまでさかのぼる。当時、写真撮影ができるのは写真館くらいしかなく、その写真館では写真を1枚撮影してもらうだけでも非常に高価なものであったため、撮られる側は思わず動くなどして失敗することを恐れて緊張してしまい、顔の表情が硬くなりがちな人が続出した。そのため、撮る側(カメラマン)は撮られる側をなんとか笑顔にするための方法を考え、相手に「チーズ」と言わせるようになった。このフレーズの発祥はフランスであり、「チーズ」は現地語の発音では口元が「イー」になり、口角が上がるのだという[2]。具体的には、/ɪː/の発音の際に母音が「イ」であるために口角が上がって笑顔になるとされる。現在では、フランス以外にも日本やロシアなどでよく使用される合図であるという。
日本への広まり
日本にこの掛け声が広まったきっかけは、1963年の雪印乳業のチーズのCMであるといわれている。CMでは、カメラの前で硬い表情になってしまっている日本人の女性モデルに対し、外国人のカメラマンが「Say cheese, please」と言う。すると隣にいた日本人のカメラマンが「チーズと言ってごらん」とアドバイスをする。そして「チーズ」と言ったその女性モデルには、自然な笑顔が生まれることになる。ここで「あなたもチーズと言いましょう。チーズは笑顔を作ります。」というキャッチフレーズが登場。このCMは、チーズの需要が伸びた時期および個人用カメラが一般に普及した時期とちょうど重なったことなどもあり、結果的に「はい、チーズ!」という写真撮影の掛け声を日本中に広めたとされる。
諸外国での掛け声
諸外国では、「チーズ」以外の飲食物の名前を写真撮影時の掛け声としている国や地域も多い。たとえば中国では、中国語の発音が「チーズ」に似ている「ナス(茄子)」のほか、韓国では「キムチ(김치)」、スウェーデンでは「オムレツ(omelett)」、スペインでは「ポテト(patata)」、メキシコでは「ウィスキー(whisky)」などがそれぞれフレーズになっている[3]。
その他の掛け声
近年では、「日本語では『チーズ』は口が『ウ』の形で終わってしまうので不自然である」「撮られる側が律儀に『チーズ』と言うことはない」などの理由から、この合図を使用しない人も増えてきているという指摘があり[1]、これらの2点を満足させる「『1+1は?』→『2』」などの掛け声を代わりに使用する場合も多い。
はいチーズ!の日
8月22日は「はいチーズ!の日」である。「一枚の写真から千の笑顔を。」をモットーに、インターネット写真サービス「はいチーズ!」を運営している千株式会社によって制定された[4]。「は(8)い(1)チ(2)ーズ(2)」の語呂合わせにちなんだものであり、一般社団法人日本記念日協会に記念日として登録されている[5]。
脚注
- 1 2 “「はい、チーズ」で写真撮影は“オバさん”認定かも…写真を撮る時のかけ声に世代ギャップ?若者はどうしてるの?(LASISA)”. Yahoo!ニュース (2024年10月18日). 2024年11月3日閲覧。
- ↑ “写真を撮る時「はいチーズ」と言うのはなぜ? チコちゃんの意外な回答に困惑の声も” (2019年5月4日). 2024年11月3日閲覧。
- ↑ “世界の言葉で「はい、チーズ!」写真を撮る時の掛け声は?” (2015年8月30日). 2024年11月5日閲覧。
- ↑ “8月22日は「はいチーズ!の日」”. 西日本新聞めくると. 2024年11月7日閲覧。
- ↑ “はいチーズ!の日”. www.kinenbi.gr.jp. 一般社団法人 日本記念日協会. 2024年8月21日閲覧。
外部リンク
- 写真を撮る時「はい チーズ」と言う理由 - 雑学ネタ帳