アサ科
目次
アサ科
| アサ科 | ||||||||||||||||||
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生息年代: | ||||||||||||||||||
アサ(Cannabis sativa) | ||||||||||||||||||
| 分類(APG III) | ||||||||||||||||||
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| 学名 | ||||||||||||||||||
| Cannabaceae Martynov[2] |
形態
[編集]共有派生形質としては、目立たない単性花、花被片に対生する雄蕊、托葉の存在、花被片に沿って伸びる花糸などが挙げられる[3]。
人間との関係
[編集]薬用
[編集]本科でもっとも有名な薬用種はアサ(Cannabis sativa)である。アサは医療や乱用について論じる場合は大麻やマリファナと呼ばれることが多い。特に知られた有効成分はテトラヒドロカンナビノール(英:Tetrahydrocannabinol,略称THC)であり、他にも学名Cannabisから取ったカンナビノイドと呼ばれる各種の成分を含む。特に葉や花に多く含まれるので、これを食べるもしくは喫煙などによって摂取する。服用すると陶酔状態になるといい、インドなどでは宗教的な瞑想などにもよく用いられる。樹脂を固めたものにも同様の効果があり、ハシシと呼ばれるほか見た目が茶色い塊でチョコレートに似ていることから「チョコ」などとも呼ばれる。地域によっては医療大麻として緩和医療等に用いられる一方で、大麻服用により陶酔や多幸感を得られるとしてこれらを乱用する人もおり、薬物乱用の一種であるとして社会問題になっている。
食用
[編集]アサ属の種子は食用にでき、身近なところでは七味唐辛子の具材の一つである。また、油を搾り食用や石鹸の原料とすることもできる。
カラハナソウ属はビールの原料の一つとして知られるホップの仲間であり、ホップは和名をセイヨウカラハナソウという。利用される部分は雌株に付く雌花の成長した果実であり、特に受粉していないものである。乾燥させたうえでビールに入れられて爽快感、香り、苦みなどを与える。また、ビールの保存性を高めるともいわれている。
- アサの種子
- アサの種子から取れた油
- ホップ(セイヨウカラハナソウ)の花
- ホップ畑
- 乾燥と粉砕をしたホップの花
繊維
[編集]アサ属(Cannabis)の茎から取れる繊維は麻と呼ばれ、布や紐や紙を作ることができる。
日本では繊維としての麻という言葉は広義に使われることも多く、別科の植物で分類的には遠縁の亜麻(アマ科のアマ Linum usitatissimumの茎の繊維)や苧麻(イラクサ科のカラムシBoehmeria nivea var. nipononiveaの茎の繊維)を含むことがしばしばある。また、家庭用品品質表示法別表(第一条関係)により商品の原材料に「麻」と書いてあった場合は亜麻か苧麻のことしか指せない。このため狭義の麻を特に指定したい場合は大麻、もしくは英語のhempからヘンプと呼び、亜麻や苧麻もそれぞれ英語のlinen、ramieからリネンやラミーなどと呼んで区別する場合がある。
- Cannabis sativaの茎は繊維質である
- 乾燥させた茎から繊維をほぐしたところ
- アサから得られる繊維
- アサの繊維から織った布
- 麻袋
花粉症の原因植物として
[編集]カラハナソウ属などは花粉症の原因となることがあるという。
分類
[編集]下位分類
[編集]10属におよそ70種が属する[3]。
- ムクノキ属 Aphananthe
- ムクノキの樹形
- ムクノキの樹皮
- A. phillipinensisの幹と根
- ムクノキの葉
- ムクノキの若い果実
- Gironniera
- 和名未定の属。スリランカなどに5種程度が知られる。
- Lozanella Greenman - 2種。新熱帯。
- 和名未定の属。2種が知られる。
- Lozanella enantiophyllaの幹
- Lozanella enantiophyllaの葉
- Lozanella enantiophyllaの花
- アサ属 (学名 Cannabis)
- アサ(Cannabis sativa)など3種が知られる。繊維を取って利用するほか、乾燥させた植物体が嗜好品として利用される。
- アサの葉
- アサ属の一種の雄花
- アサの雌花
- 雌雄異株のつる植物。世界に6種から7種程度知られる。
- H. lupulusの雄花
- H. lupulusの雌花
- エノキ属 (学名 Celtis)
- 35種程度知られる。日本には本州(青森県深浦町)から九州の広い範囲にエノキ(Celtis sinensis)、宮古島に局所的にサキシマエノキ(Celtis biondii var. insularis)が分布する。
- C. occidentalisの葉
- C. africanaの雄花
- C. tournefortiiの葉と果実
- C. australisの発芽。地上生(epigeal)である
- セイタン属 Pteroceltis
- Chaetachme
- 和名未定の属。マダガスカルにChaetachme aristata(和名未定)一種だけが知られる単型の属である。
- Parasponia Miquel - 5種。
- ウラジロエノキ属 (学名 Trema)
- 熱帯を中心に30種程度が知られる。日本にはウラジロエノキなどが知られる。
- ウラジロエノキの花
系統
[編集]| アサ科の系統樹 |
過去の分類体系
[編集]APG体系において本科に含まれる属・種の大部分はかつてはニレ科エノキ亜科(Celtidoideae)に分類されていたが[4]、1990年代に行われた葉緑体DNAによる分子系統解析により、狭義のニレ科はエノキ類の姉妹群ではなく、エノキ類、アサ科、クワ科、イラクサ科などからなる系統群全体の姉妹群であり、したがって広義ニレ科は単系統群ではないことが判明したため[5][4]、APG体系(1998年)ではこれらがエノキ科(Celtidaceae)としてニレ科から分離され独立した科となった[6]。その後、より広範な系統解析により、従来の狭義アサ科を構成していたアサ属(Cannabis)とカラハナソウ属(Humulus)は、エノキ科の系統内部に深く内包されており、狭義アサ科を除外したエノキ科は側系統群となることが判明したため[7]、APG II(2003年)はこの結果に基づき、エノキ科をアサ科に統合した。科名については、Cannabaceae Martynov(1820年)がCeltidaceae Link(1831年)より先に発表された名称であるため、拡大された科にはアサ科(Cannabaceae)の名称が採用された。この広義のアサ科は以後のAPG分類体系にも継承されている[8][9]。
脚注
[編集]- ↑ “Rosales”. www.mobot.org. 2023年6月16日閲覧。
- ↑ Stevens, P.F., Angiosperm Phylogeny Website : Cannabaceae
- 1 2 Yang, Mei-Qing and van Velzen, Robin and Bakker, Freek T and Sattarian, Ali and Li, De-Zhu and Yi, Ting-Shuang (2013). “Molecular phylogenetics and character evolution of Cannabaceae”. Taxon 62 (3): 473-485.
- 1 2 Wiegrefe, Susan J.; Sytsma, Kenneth J.; Guries, Raymond P. (1998). “The Ulmaceae, one family or two? Evidence from chloroplast DNA restriction site mapping” (英語). Plant Systematics and Evolution 210 (3–4): 249–270.
- ↑ Ueda, Kunihiko; Kosuge, Keiko; Tobe, Hiroshi (1997). “A molecular phylogeny of Celtidaceae and Ulmaceae (Urticales) based on rbcL nucleotide sequences” (英語). Journal of Plant Research 110: 171–178. doi:10.1007/BF02509305.
- ↑ The Angiosperm Phylogeny Group (1998). “An ordinal classification for the families of flowering plants” (英語). Annals of the Missouri Botanical Garden 85 (4): 531–553. doi:10.2307/2992015. JSTOR 2992015.
- ↑ Sytsma, Kenneth J.; Morawetz, Jeffery; Pires, J. Chris; Nepokroeff, Molly; Conti, Elena; Zjhra, Michelle; Hall, Jocelyn C.; Chase, Mark W. (2002). “Urticalean rosids: Circumscription, rosid ancestry, and phylogenetics based on rbcL, trnL-F, and ndhF sequences” (英語). American Journal of Botany 89 (9): 1531–1546. doi:10.3732/ajb.89.9.1531. PMID 21665755.
- ↑ The Angiosperm Phylogeny Group (2003). “An update of the Angiosperm Phylogeny Group classification for the orders and families of flowering plants: APG II” (英語). Botanical Journal of the Linnean Society 141 (4): 399–436. doi:10.1046/j.1095-8339.2003.t01-1-00158.x.
- ↑ The Angiosperm Phylogeny Group (2016). “An update of the Angiosperm Phylogeny Group classification for the orders and families of flowering plants: APG IV” (英語). Botanical Journal of the Linnean Society 181 (1): 1–20. doi:10.1111/boj.12385.