アパ日本再興大賞

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アパ日本再興大賞(アパにほんさいこうたいしょう)は、公益財団法人アパ日本再興財団が主催する、日本の書籍・論文を対象とした賞である。近現代史、国際関係、政治・政策などの分野における著作を選考対象とし、2018年に創設された[1]。

過去5年以内に日本国内で発刊された書籍、または学術誌・雑誌に掲載された論文のうち、財団の役員や財団が運営する「勝兵塾」の関係者らによって推薦された作品を対象とする[2]。

概要

主催者のアパ日本再興財団は、同賞について、日本の成長発展に資する近現代史、国際関係、政治・政策などの研究を促し、その成果を広く周知することを目的とする表彰制度と説明している[1]。

同財団は、「国家観、世界観、歴史観を持った人材の育成」と、日本に対する誇りの回復を設立目的として掲げており、同賞では、国際社会の中で日本が成長・発展するための提言を行った作品を表彰対象としている[2]。

賞には「大賞」のほか、最終選考で大賞1作品に絞れない場合に授与される「優秀賞」、審査委員が特に優秀と認めた作品に授与される「特別賞」がある[2]。

主催者

主催するアパ日本再興財団は、2012年8月15日に設立され、2015年6月25日に公益財団法人へ移行した。所管行政庁は内閣府で、公益目的事業としてアパ日本再興大賞、「真の近現代史観」懸賞論文、勝兵塾を運営している[3]。

財団の創設者で、2026年2月まで代表理事を務めた元谷外志雄は、アパグループの創業者・会長でもあった。元谷の死去後は、アパホテル取締役社長の元谷芙美子が財団代表理事を務めている[4][5]。

賞の主催名義はアパホテル株式会社ではなく公益財団法人アパ日本再興財団である。一方、受賞者の発表や表彰式の告知はアパグループの公式サイトでも行われ、創設当初の大賞には賞金のほか「全国ホテル巡り券」、一部年度の優秀賞にはアパホテルの無料宿泊券が副賞として授与されていた[6][7]。

目的と選考基準

選考対象は、近現代史、国際関係、政治・政策に関連し、過去5年以内に日本国内で発刊された書籍、または学術誌・雑誌に掲載された論文である[2]。

候補作品を推薦できる者は、財団の理事、評議員、監事、および財団が主催する勝兵塾の特別講師、顧問、講師特待生とされている。審査委員は推薦人から除かれ、審査委員本人のほか、その配偶者および三親等以内の親族による作品も推薦対象から除外される[2]。

受賞条件として、著者は事務局が求める書類を提出し、原則として表彰式へ出席した上で、受賞作品に関する講演を行うことが求められる[2]。

歴史

アパ日本再興財団の創設者である元谷外志雄は、2008年に「真の近現代史観」懸賞論文を創設し、2011年には勝兵塾を開始した。これらの事業は、後にアパ日本再興財団へ引き継がれた[8]。

2018年、同財団の新たな公益目的事業としてアパ日本再興大賞が創設された[9]。第1回大賞には江崎道朗の『日本は誰と戦ったのか コミンテルンの秘密工作を追及するアメリカ』が選ばれ、小川榮太郎と高田純の著作に特別賞が授与された[6]。

創設時の大賞賞金は1,000万円で、全国のアパホテルを利用できる招待券が副賞とされた[10]。第7回までの大賞賞金は1,000万円であったが[11]、第9回の実施要項では大賞賞金が500万円、特別賞が50万円とされている[2]。

歴代受賞作の題材には、コミンテルン、太平洋戦争、日本陸軍、吉田茂、江戸幕府の北方防衛、靖国神社、南京事件、国際情勢や文明論などが含まれる[1]。

選考方法

推薦された作品について、事務局が書類上の不備や対象分野、発表時期などを確認する一次選考を行う。その後、審査委員による最終選考で受賞作を決定する[2]。

最終選考において大賞を1作品に絞れない場合は、複数作品に優秀賞を授与できる。また、大賞または優秀賞とは別に、審査委員が特に優秀と認めた作品に特別賞を授与できる[2]。

実施要項上の推薦期間は毎年4月1日から8月31日まで、結果発表は10月下旬、表彰は原則として12月7日とされている[2]。

審査委員

第1回から第5回までは外交評論家の加瀬英明が審査委員長を務めた。第1回の審査委員には、加瀬のほか、歴史学者の伊藤隆と小堀桂一郎、報知新聞社前会長の小松﨑和夫、衆議院議員の原田義昭が名を連ねた[6]。

第6回以降は小堀桂一郎が審査委員長を務めている[12]。

2026年の第9回では、以下の5人が審査委員を務めた[1]。

受賞作品

歴代の受賞作品は以下の通り[1]。

回年賞受賞者受賞作品出版社
第1回2018年大賞 江崎道朗 『日本は誰と戦ったのか コミンテルンの秘密工作を追及するアメリカ』 ベストセラーズ
特別賞 小川榮太郎 『天皇の平和 九条の平和 安倍時代の論点』 産経新聞出版
特別賞 高田純 『誇りある日本文明』 青林堂
第2回2019年優秀賞 茂木弘道 『大東亜戦争 日本は「勝利の方程式」を持っていた!』 ハート出版
優秀賞 阿羅健一、杉原誠四郎 『対談・吉田茂という反省 憲法改正をしても、吉田茂の反省がなければ何も変わらない』 自由社
第3回2020年優秀賞 落合道夫 『日本と世界を騙しに騙した中共の正体―支那事変から武漢肺炎まで』 ハート出版
優秀賞 福井雄三 『世界最強だった日本陸軍 スターリンを震え上がらせた軍隊』 PHP文庫
第4回2021年大賞 葛城奈海 『戦うことは「悪」ですか サムライが消えた武士道の国で、いま私たちがなすべきこと』 扶桑社
第5回2022年優秀賞 小幡敏 『「愛国」としての「反日」―奇形の軍民関係を正す』 啓文社書房
優秀賞 中村恵子 『江戸幕府の北方防衛―いかにして武士は「日本の領土」を守ってきたのか』 ハート出版
第6回2023年大賞 井上和彦 『歪められた真実 昭和の大戦 大東亜戦争』 ワック
第7回2024年大賞 ジェイソン・モーガン 『私はなぜ靖国神社で頭を垂れるのか』 方丈社
第8回2025年優秀賞 阿羅健一 『決定版 南京事件はなかった 目覚めよ外務省!』 展転社
優秀賞 茂木誠、宇山卓栄 『日本人が知らない!「文明の衝突」が生み出す世界史 人類5000年の歴史から国際情勢の深層を読み解く』 ビジネス社
第9回2026年大賞 橋本琴絵 『新大東亜戦争肯定論』 ワック
特別賞 奥本康大 『増補版 正伝 出光佐三 日本を愛した経営者の神髄』 展転社

関連イベント

表彰式は、同じくアパ日本再興財団が主催する「真の近現代史観」懸賞論文の表彰式と合同で開催される。受賞者による記念講演と受賞記念パーティーも行われ、第1回以降、主に東京都港区の明治記念館が会場となっている[13]。

第7回表彰式は2024年12月6日に明治記念館で開催され、受賞者のジェイソン・モーガンらが記念講演を行った[14]。第8回表彰式は2025年12月8日に開催された[15]。

第9回の表彰式、記念講演および受賞記念パーティーは、2026年12月8日に明治記念館で開催される予定と発表された[16]。

受賞作品の紹介や「真の近現代史観」懸賞論文の入賞作は、作品集『誇れる国、日本』シリーズにも収録されている。第1回の受賞作品を収録した第11巻は、財団から全国1,830か所の図書館へ寄贈された[17]。同シリーズは国立国会図書館にも所蔵情報が登録されている[18]。

脚注

  1. 1 2 3 4 5 “アパ日本再興大賞”. 公益財団法人アパ日本再興財団. 2026年10月28日閲覧。
  2. 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 “「アパ日本再興大賞」選考実施要項” (PDF). 公益財団法人アパ日本再興財団. 2026年10月28日閲覧。
  3. ↑ “財団概要”. 公益財団法人アパ日本再興財団. 2026年10月28日閲覧。
  4. ↑ “代表理事ご挨拶”. 公益財団法人アパ日本再興財団. 2026年10月28日閲覧。
  5. ↑ “アパグループ創業者・会長元谷外志雄の逝去について”. アパグループ (2026年2月13日). 2026年10月28日閲覧。
  6. 1 2 3 “公益財団法人アパ日本再興財団主催 第一回アパ日本再興大賞受賞者発表”. アパグループ (2018年10月25日). 2026年10月28日閲覧。
  7. ↑ “公益財団法人アパ日本再興財団主催第二回アパ日本再興大賞選考結果発表”. アパグループ (2019年10月23日). 2026年10月28日閲覧。
  8. ↑ “代表理事ご挨拶”. 公益財団法人アパ日本再興財団. 2026年10月28日閲覧。
  9. ↑ “アパ日本再興大賞表彰制度を創設”. Apple Town (2018年4月1日). 2026年10月28日閲覧。
  10. ↑ “第1回「アパ日本再興大賞」選考実施要項” (PDF). 公益財団法人アパ日本再興財団. 2026年10月28日閲覧。
  11. ↑ “公益財団法人アパ日本再興財団主催 第七回アパ日本再興大賞 選考結果発表”. アパグループ (2024年10月21日). 2026年10月28日閲覧。
  12. ↑ “第六回アパ日本再興大賞 選考結果発表” (PDF). 公益財団法人アパ日本再興財団 (2023年10月18日). 2026年10月28日閲覧。
  13. ↑ “第一回アパ日本再興大賞・第十一回「真の近現代史観」懸賞論文制度の受賞者表彰式並びに受賞記念パーティー開催”. アパグループ (2018年12月10日). 2026年10月28日閲覧。
  14. ↑ “『第7回 アパ日本再興大賞』『第17回「真の近現代史観」懸賞論文 最優秀藤誠志賞』が発表”. ニッポン放送 NEWS ONLINE. 2024年12月11日. 2026年10月28日閲覧.
  15. ↑ “『第八回 アパ日本再興大賞』『第十八回「真の近現代史観」懸賞論文』表彰式開催”. ニッポン放送 NEWS ONLINE. 2025年12月11日. 2026年10月28日閲覧.
  16. ↑ “公益財団法人アパ日本再興財団主催 第九回アパ日本再興大賞 選考結果発表”. PR TIMES. アパホテルズ&リゾーツ (2026年10月23日). 2026年10月28日閲覧。
  17. ↑ “第一回アパ日本再興大賞・第十一回「真の近現代史観」懸賞論文受賞作品集「誇れる国、日本〔XI〕」全国図書館へ寄贈”. アパグループ. 2026年10月28日閲覧。
  18. ↑ “誇れる国、日本―第四回アパ日本再興大賞・第十四回「真の近現代史観」懸賞論文受賞作品集”. 国立国会図書館サーチ. 2026年10月28日閲覧。

関連項目

外部リンク