オキナワコウバシ

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オキナワコウバシ
分類
界 : 植物界 Plantae
階級なし : 被子植物 angiosperms
階級なし : モクレン類 magnoliids
目 : クスノキ目 Laurales
科 : クスノキ科 Lauraceae
属 : クロモジ属 Lindera
種 : Lindera communis
変種 : オキナワコウバシ
L. c. var. okinawensis
学名
Lindera communis var. okinawensis Hatus. (1971)[1]
和名
オキナワコウバシ
オキナワヤマコウバシ

オキナワコウバシ(沖縄香ばし、学名: Lindera communis var. okinawensis)は、クスノキ科クロモジ属の1変種である。別名オキナワヤマコウバシ(沖縄山香ばし)。常緑亜高木、葉は羽状脈をもち、葉裏は灰白色。雌雄異株であり、花序には短い柄があり、花は小さく黄色。果実は直径約 6 mm、深紅色に熟す。沖縄島と石垣島のみから知られている。中国や台湾に分布する Lindera communis の変種とされるが、分けないこともある。

特徴

常緑亜高木[2][3]。若枝には黄白色の伏毛が散生するが、成長すると無毛になる[2][3][4]。頂芽が形成され、芽鱗は短く瓦重ね状[2]。冬芽から伸びた枝はその年のうちには分枝しないため、分枝基部には芽鱗痕がある[2]。葉は互生し、倒披針状長楕円形、長さ 4–8 cm、幅 2–3 cm、短鋭尖頭、表面(向軸面)は無毛、裏面(背軸面)に初めは脈上に黄白色の伏毛があるが、のちに無毛になり灰白色、葉脈は羽状で側脈は4–5対で裏面に隆起する[2][3][4]。葉柄は長さ 5–6 mm[2]。

花期は1–2月、雌雄異株[2][4]。黄色い花からなる散形花序が腋芽の基部につき、花序柄(花梗)は長さ 2–3 mm(果期には 4–5 mm)で有毛、総苞片は4枚で早落性[2][3][4][5]。花柄は有毛で長さ 2 mm、果時には 4–5 mm になる[2][3]。花は直径約 4 mm、黄白色から黄色、花被片は6枚[5]。雄花に雄しべは9個、葯と花糸はほぼ同長、最内輪の雄しべの基部には2個の腺体がある[5]。雌花には仮雄しべが9個、雌しべは1個、花柱は長さ約 2 mm、子房は楕円形で長さ約 1.5 mm、無毛[5]。果実は卵形から球形、直径約 6 mm、熟すと深紅色になる[2]。

分布

日本の固有変種であり、沖縄島および石垣島だけに分布する[2][3]。西表島からも1980年代に1度だけ報告されたが、近年見つかっていない[3]。沖縄島では、中部と南部の主として低地の石灰岩地の林縁や林内に生育するが、石垣島では非石灰岩地に生育する[3]。

保全状況評価

絶滅危惧II類 (VU)(環境省レッドリスト)

もともと自生地と個体数が限られていたが、ゴルフ場や道路の建設によって、自生地の消滅が進んでいる[3]。環境省版レッドリストでは絶滅危惧II類に指定されている[6]。また、生育地である沖縄県では、準絶滅危惧とされている[3][6]。

分類

中国からインドシナ半島、台湾に分布する基準変種のタイワンヤマコウバシ[4](Lindera communis var. communis)に比べて毛が少なく、花序に柄がある点で区別される[1][2]。ただし、分類学的に区別しないこともある[1][2]。

脚注

出典

  1. 1 2 3 “Lindera communis”. Plants of the World Online. Kew Botanical Garden. 2025年2月10日閲覧。
  2. 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 米倉浩司 (2015). “クロモジ属”. In 大橋広好, 門田裕一, 邑田仁, 米倉浩司, 木原浩 (編). 改訂新版 日本の野生植物 1. 平凡社. pp. 82–84. ISBN 978-4582535310
  3. 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 新里孝和・横田昌嗣 (2018). “オキナワヤマコウバシ(オキナワコウバシ)”. In 沖縄県文化環境部自然保護課編. 改訂・沖縄県の絶滅のおそれのある野生生物第3版(菌類編・植物編)-レッドデータおきなわ-. 沖縄県. pp. 161–162
  4. 1 2 3 4 5 初島住彦 & 中島邦雄 (1979). 講談社. pp. 211–212. ISBN 978-4061202405
  5. 1 2 3 4 Flora of China Editorial Committee. “Lindera communis”. Flora of China. Missouri Botanical Garden and Harvard University Herbaria. 2025年2月10日閲覧。
  6. 1 2 “オキナワコウバシ”. 日本のレッドデータ 検索システム. 2025年2月10日閲覧。

参考文献

  • 環境省自然環境局野生生物課編 『改訂・日本の絶滅のおそれのある野生生物 植物I』 財団法人自然環境研究センター、2000年。
  • 島袋敬一編著 『琉球列島維管束植物集覧』 九州大学出版会、1997年。
  • 初島住彦・天野鉄夫 『増補訂正 琉球植物目録』 沖縄生物学会、1994年。

外部リンク