オンラインカジノ

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オンラインカジノ(英: Online casino)は、コンピュータネットワーク上で仮想的に開帳される賭博場(カジノ)である。略称は「オンカジ」[1]。

日本

日本からのアクセス数は2021年に世界第3位、2022年には世界第4位を記録している。日本国内からの利用は賭博罪に該当するため犯罪であり、実際に利用者が摘発された例もある[2][3]。

日本国内においてオンラインカジノサイトを開設・運営することは賭博場開帳図利罪に該当し、違反すれば非常に重い刑罰が適用される。なお、運営やサーバーが海外にあっても日本向けにサービスを提供することは違法である。

たとえ運営やサーバーが海外にあっても、日本からアクセスし、ベットすると犯罪となる。

「法的にグレーゾーンだから違法ではない」「海外で合法のサイトだから日本の法律は適用されない」といった類の話は全て誤りであり、現状、日本国内において合法にオンラインカジノを開設や運営、利用できる方法はない。

インターネット上のギャンブルゲームは社会問題の一端と指摘されているが、国や警察による取り締まりが不十分であることを報道機関から指摘されている[4][5]。また、2021年から2023年まで無料版オンラインカジノに関連するCMをBS-TBSやテレビ朝日などが放送し、放送局が違法性のあるオンラインカジノの利用者を間接的に増加させた側面もあるのではないかという批判も存在している[6][7]。国際カジノ研究所の調査によると、オンラインカジノの日本国内利用者は、オンラインカジノが普及し始めた2023年から2024年の1年間だけでも推計で346万人に上るとされている[8]。

日本国内からの接続は違法とされているにも関わらず、2025年4月時点で日本語で利用できるオンラインカジノは90以上にも上る[9]。

2025年に入ると、海外のオンラインカジノを利用した芸人が警察に事情聴取される事例が相次ぎ、謝罪や活動自粛を行った[10][11]。また、プロ野球でもオンラインカジノの利用履歴の洗い出しが行われた(プロ野球オンラインカジノ利用問題)[12]。この他にも卓球選手や放送局のアナウンサーでもオンラインカジノを利用していたことが発覚し、番組出演の自粛や資格停止処分などが行われている[13]。

オンラインカジノに関する現状・見解

日本政府は2013年10月の第185回国会における答弁にて「犯罪の成否については、捜査機関が収集した証拠に基づいて個々に判断すべき事柄であることから、政府として、お答えすることは差し控えるが、一般論としては、賭博罪・賭博開張図利罪が成立することがあるものと考えられる」と述べている[14]。

運営会社が賭博を合法とする国にある場合、アクセス記録などの証拠が収集しにくく捜査が困難とされるが、警察庁は日本国内からの接続は違法として検挙している[15][16]。

日本で回収した金銭を海外の賭博業者に渡す国内の違法な決済代行業者を摘発する事は可能であるため、2020年代になって取り締まりの動きが上がっている[5]。

日本語によるオンラインカジノに関するサイトは2012年頃から存在していたが、新型コロナウイルスによる在宅時間増加の影響やスマートフォンで完結する手軽さ、更に著名人を起用した無料版サイトの広告(CM)が放送局や新聞などで放映及び掲載されたことからアクセス数が急増しており、それに比例する形で日本語によるオンラインカジノに関するサイトの数も増えている[6][17][18][19]。

当時内閣総理大臣であった岸田文雄は2022年6月に野党議員からオンラインカジノについて問われた際に「オンラインカジノは違法なものであり、関係省庁が連携をした上で厳正な取り締まりを行わなければならない」との見解を示した[20][21]。

2025年2月、総務省は、オンラインカジノへのアクセスを遮断するブロッキング措置について、有識者と検討を始めることを発表[22]。同年3月21日、政府は、違法オンラインカジノ対策を柱とするギャンブル依存症対策推進基本計画を閣議決定した[23]。

2025年6月、「改正ギャンブル等依存症対策基本法」が成立し、2025年9月25日から施行される。これにより、オンラインカジノの広告や誘導行為(SNS投稿、紹介サイトなど)も厳しく禁止され、違反者には罰則が科される可能性がある。

事件

  • 2016年(平成28年)
    • 2月 - 千葉県警察より決済サービス「NetBanQ」の運営者が逮捕され、その利用者であったオンラインカジノプレイヤー数名が家宅捜索を受けた[24]。
    • 3月11日 - 京都府警察により国外に拠点があるオンラインカジノ「スマートライブカジノ」の個人利用客が全国で初めて逮捕された[25][26]。
    • 6月10日 - 京都府警察により実際の運営拠点は日本国内にあると判断されたネットカジノ「ドリームカジノ」の運営者5名が逮捕された[27]。
  • 2017年(平成29年)1月 - 「NetBanQ」に関連し家宅捜索を受けていたプレイヤーのうち一名が略式起訴を受け入れずに裁判で争う姿勢を見せ、結果的に不起訴となった[28]。
  • 2023年(令和5年)
    • 6月 - 神戸市立須磨海浜水族園の公式サイトを装ってオンラインカジノなどへ誘導する偽装サイトが開設されていることが判明し、神戸市は注意を呼び掛けている。2020年に公式サイト移行に際して手放した旧公式サイトのドメインが悪用されたものと見られている[32][33]。
    • 9月 - 日本国内の居住者に向けオンラインカジノの決済代行業を行ったとして、沖縄県宮古島市の2人を常習賭博幇助の疑いで逮捕[34]。
  • 2024年(令和6年)
    • 2月20日 - オンライン麻雀への賭けを提供するサイトの運営者が賭博開帳図利容疑で逮捕された。これはオンラインカジノ運営における賭博開帳図利容疑での全国初のケースである[35][36]。
    • 5月8日 - 水戸地方裁判所において、オンラインカジノによる賭博を配信していたユーチューバーに対し、常習賭博罪により懲役1年執行猶予3年の有罪判決が言い渡された。裁判によるオンラインカジノユーザーに対する有罪判決は初の事例となった。
  • 2025年(令和7年)6月 - 2024年9月からの約8か月間にわたって、海外に拠点を置くオンラインカジノサイトにて約1億円を賭けていた疑いで警視庁がフジテレビの男性社員を常習賭博容疑で逮捕[37]。

アジア

フィリピンでは、フィリピン・オフショア・ゲーミング・オペレーター(POGO)と呼ばれる中国系オンライン賭博場が一時期流行ったが、殺猪盤に代表される国際的なオンライン詐欺(特殊詐欺)や人身売買などのあらゆる犯罪の温床であったことから、フェルディナンド・マルコス大統領が2024年末までに閉鎖するようにしたことから廃業が相次いだ[38]。

カンボジア南部やフィリピンの首都マニラを拠点とする詐欺集団が、2018年ごろにオンラインカジノの勝敗を操作する詐欺を行った[39]。

中国系の違法なオンラインカジノを運営していたとして、佘智江が国際指名手配されている[40]。このようなミャンマーやラオスなどオンラインカジノを含むカジノ開発が行われた場所が、詐欺団地となっている。

欧米

北米

カナダ

カナダの刑法では、州政府および州政府から認可を受けた慈善団体のみが国内でカジノを運営できると規定されている[41]。一方で、ケベック州カナワクのファースト・ネーションは、独自のギャンブル法を制定できる主権国家(イロコイ連邦)であるという立場を利用して、起訴されることなく、350近くのオンラインカジノサイトのライセンスを取得し、ホストしている[42]。

ヨーロッパ

スイス

スイスでは2018年6月の国民投票でスイス国内の認定業者に限って解禁する新法が賛成多数で可決された[43]。なお法規制ではヨーロッパで最も厳しい部類に入るとされる[43]。

ドイツ

ドイツでは2008年の州間ギャンブル協定でオンライン・ゲーミングは違法とされていたが、欧州委員会からEU法違反との指摘を受け、2012年の新しい州間ギャンブル協定からオンライン・スポーツ・ベッティングをライセンス方式で合法とした[44]。一方、州間ギャンブル協定に参加していなかったシュレスヴィヒ・ホルシュタイン州は、2012年に独自にオンライン・カジノのライセンスに関する法律を制定していたが、2013年に州間ギャンブル協定に参加して法律を廃止した[44]。

ベルギー

ベルギーでは2011年1月に賭博法を発効[45]してオンラインギャンブルを許可しているが、非常に厳しい条件と監視の下でのみ可能である。

医学的影響

2007年、イギリスの医学誌『British Medical Journal(BMJ)』に掲載された論文は、インターネットギャンブルが精神症状を伴うパーキンソン病患者に与える影響について危険と述べている[4]。

脚注

出典

  1. ↑ “オンカジ賭博の賭け金総額は年間に約1兆2423億円、今回の法改正でオンラインカジノはどこまで封じ込められるか? ロンダリングされたオンカジマネーの一部は大阪・京都の民泊取得に、中国人向けの経営管理ビザビジネスに還流? | JBpress (ジェイビープレス)”. JBpress(日本ビジネスプレス). 2025年7月8日閲覧。
  2. ↑ “海外オンラインカジノ、日本からアクセス急増 規制困難(写真=共同)”. 日本経済新聞 (2021年12月19日). 2022年5月18日閲覧。
  3. ↑ 日本テレビ (2022年5月18日). “誤送金 「全額使った」オンラインカジノとは… 日本からのアクセス数「世界4位」調査も”. 日テレNEWS. 2022年5月17日時点のオリジナルよりアーカイブ。2022年5月19日閲覧。
  4. 1 2 インターネットギャンブルはパーキンソン病患者に危険、英医学誌 - フランス AFP、2020年2月22日閲覧。
  5. 1 2 日本放送協会. “やめたくてもやめられない 広がるオンラインカジノの闇”. NHK クローズアップ現代 全記録. 2023年3月9日閲覧。
  6. 1 2 “BS―TBSが「無料オンラインカジノゲーム」のCM放送…”. 読売新聞 (2025年2月26日). 2025年3月7日閲覧。
  7. ↑ 小学館. “オンラインカジノ問題についてテレビ報道の追及が及び腰?局内から出る「関与した芸人を叩きまくって“うちにもいました”ではシャレにならない」”. NEWSポストセブン. 2025年3月14日閲覧。
  8. ↑ “【オンラインカジノ】日本で拡大の背景に「日本人はギャンブル好き」という面も!?専門家は「国側の対策が遅い」と指摘”. MBS NEWS. 2025年4月19日閲覧。
  9. ↑ “85以上の全オンラインカジノ一覧【2025年3月】最新から老舗オンカジまで”. OnlineCasinoJapan.com. 2025年3月10日閲覧。
  10. ↑ “オンラインカジノ“違法賭博”吉本芸人 任意聴取…摘発急増なぜ? 背景に警視庁独自の暗号資産解析ツールも”. FNN (2025年2月6日). 2025年2月22日閲覧。
  11. ↑ “オンラインカジノ問題語る「うちはコンプラ研修しっかりやる」「オッサンは誰も…」”. スポニチ (2025年2月22日). 2025年2月22日閲覧。
  12. ↑ “当面活動自粛 過去にカジノ利用”. 日本経済新聞 (2025年2月22日). 2025年2月22日閲覧。
  13. ↑ “止まらぬ「オンカジ騒動」お笑い界からプロ野球界、今度はテレビ局アナウンサーにまで飛び火”. 日刊スポーツ (2025年6月11日). 2025年6月12日閲覧。
  14. ↑ 階猛 (2013年10月22日). “賭博罪及び富くじ罪に関する質問主意書”. 衆議院. 2022年6月3日閲覧。
  15. ↑ “オンラインカジノを利用した賭博は犯罪です!|警察庁Webサイト”. 警察庁. 2023年9月27日閲覧。
  16. ↑ “海外ギャンブルサイト、日本の「客」急増 捕まらない?:朝日新聞デジタル”. 朝日新聞デジタル. 2021年2月6日時点のオリジナルよりアーカイブ。2021年10月21日閲覧。
  17. ↑ 日本放送協会 (2025年2月23日). “相次ぐオンラインカジノ問題 狙われる日本 依存の実態と対策”. NHKニュース. 2025年3月11日閲覧。
  18. ↑ 田中紀子 (2025年2月23日). “【オンラインカジノ】狙い撃ちされた日本…カジノへのアクセス数は世界第3位の衝撃、それでも進まない法規制と依存症になった若者が闇バイトに走る危険性”. 集英社オンライン. 2025年3月11日閲覧。
  19. ↑ “ニュース「オンラインカジノが急増!依存症のこわさと対策」”. きょうの健康. 日本放送協会 (2025年3月6日). 2025年3月11日閲覧。
  20. ↑ TBSテレビ (2022年6月1日). “岸田総理、オンラインカジノ「厳正な取り締まりを行う」”. TBS NEWS DIG. 2022年6月3日閲覧。
  21. ↑ ミア カイドウ. ““オンラインカジノは「違法」 岸田首相 厳正に取り締まる””. IntegratedResorts オンライン. 2022年9月25日時点のオリジナルよりアーカイブ。2022年7月28日閲覧。
  22. ↑ “オンラインカジノ問題 総務省がアクセス抑止のあり方検討へ”. NHK NEWS WEB (2025年2月28日). 2025年3月5日時点のオリジナルよりアーカイブ。2025年3月4日閲覧。
  23. ↑ “オンラインカジノ対策を閣議決定 新基本計画、取り締まり推進へ(共同通信)”. Yahoo!ニュース. 2025年3月21日時点のオリジナルよりアーカイブ。2025年3月21日閲覧。
  24. ↑ 国内口座使い客に賭博か オンラインカジノ全国で初摘発 会社役員ら逮捕 千葉県警 千葉日報 2016年2月16日
  25. ↑ オンラインカジノの客、全国初の逮捕「海外サイト」なのに摘発されたのはなぜ? 弁護士ドットコム(2016年3月29日)
  26. ↑ ネットカジノ客の男3人を逮捕 海外の会員制サイト「スマートライブカジノ」利用 京都府警 産経WEST(2016.3.10)
  27. ↑ 常習賭博 ネットカジノ運営、容疑で5人逮捕 京都府警が全国初 毎日新聞 2016年6月10日
  28. ↑ 不起訴の勝ち取りーオンラインカジノプレイヤーの件 賭博罪改正を願う弁護士津田岳宏のブログ
  29. ↑ 日本放送協会. “山口 阿武町 4630万円誤給付「オンラインカジノで使い切った」 | NHK”. NHKニュース. 2022年5月18日閲覧。
  30. ↑ “森井昌克教授 誤送金4630万円“使い切っていない可能性”指摘「マネーロンダリングのような形に」”. スポーツニッポン (2022年5月18日). 2022年5月19日閲覧。
  31. ↑ ネットカジノ勧誘にマルチ商法の仕組み…「とんでもない報酬得られる」と数十億円集金か 読売新聞 2022年9月20日
  32. ↑ “須磨海浜水族園の旧ドメイン、海外カジノ誘導…アダルトサイトに悪用例も”. 読売新聞オンライン (2023年6月9日). 2023年9月27日閲覧。
  33. ↑ “神戸市立須磨海浜水族園を装ったサイトにご注意ください。”. 須磨海浜水族園 (2023年6月7日). 2023年9月27日閲覧。
  34. ↑ “海外オンラインカジノの決済代行業者を摘発 常習賭博幇助の疑いで初:朝日新聞デジタル”. 朝日新聞デジタル (2023年9月27日). 2023年10月2日時点のオリジナルよりアーカイブ。2024年4月3日閲覧。
  35. ↑ 賭けマージャンサイトの運営者ら逮捕 賭博開帳図利容疑では全国初:朝日新聞デジタル
  36. ↑ ネット賭けマージャン 会社員ら逮捕 オンラインカジノ運営で初 NHKニュース
  37. ↑ 西川正志 (2025年6月23日). “フジテレビ社員をオンラインカジノ常習賭博の疑いで逮捕 1億円以上賭けたか 懲戒処分後も繰り返す”. 東京新聞. 2025年6月24日閲覧。
  38. ↑ “拉致少年の指を切って親に身代金を要求…中国組織、またおぞましい犯行”. 中央日報 - 韓国の最新ニュースを日本語でサービスします. 2025年3月1日閲覧。
  39. ↑ “ミャンマーだけでない…東南アジアがオンライン詐欺拠点、中国が公表「カジノ勝敗操作で12億円詐取」も”. 読売新聞オンライン (2025年2月24日). 2025年3月1日閲覧。
  40. ↑ “【独自】ミャンマー“犯罪都市”の偽計画書入手 詐欺集団と国境警備隊の蜜月の歴史”. khb. 2025年3月1日閲覧。
  41. ↑ “カナダではオンライン ギャンブルは合法ですか?”. 2023年3月20日閲覧。
  42. ↑ Crowne, Emir; Roy, Sanjay (2010-05-23). “Maintaining Provincial Monopolies: The Legality of Online Gambling Sites in Canada”. Canadian Gaming Lawyer Magazine 3 (1). SSRN 1611862.
  43. 1 2 “スイス、オンライン賭博解禁へ 国民投票で可決、外国業者は排除”. www.afpbb.com (2018年6月11日). 2023年9月27日閲覧。
  44. 1 2 “事業者による責任あるギャンブリング対策に関する海外事例詳細調査報告書(有限責任あずさ監査法人)”. 内閣官房. 2021年9月21日閲覧。
  45. ↑ Gaming Act

関連項目

外部リンク