ハサン・ナスララの死
ハサン・ナスララの死 (ハサン・ナスララのし)は、レバノンのシーア派イスラム主義組織、ヒズボラの書記長であるハサン・ナスララがイスラエル軍に暗殺されたことを指す。

暗殺までの経緯
1992年に前ヒズボラ書記長であるアッバース・アル=ムーサーウィがイスラエル軍に暗殺された後、ナスララはヒズボラの書記長として選出された[1]。
ナスララは穏健派であったアッバース・アル=ムーサーウィとは違い、イスラエルに対して鮮明な敵対姿勢を示したり、他国へシーア派を広めようとしたり、レバノンに駐在するアメリカ軍を襲撃するなどかなり活発に活動する人物であった[2][3][4]。しかし、それ故にイスラエルやアメリカなどから危険視されていった。
暗殺
2023年、パレスチナのイスラム原理主義組織であるハマスがイスラエルを襲撃したことを発端に2023年パレスチナ・イスラエル戦争が開戦し、ナスララ率いるヒズボラはハマス側についた[5]。ナスララは「ハマスへの支援」という形でイスラエル領内に攻撃をはじめ、ハマスと共にイスラエル、アメリカから攻撃の対象となった[5]。最初はイスラエルに対して攻勢を強めていたが、イスラエルのミサイル迎撃やハマスの最高指導者、イスマーイール・ハニーヤの暗殺などで徐々に勢いを失い、ついには戦闘員が携帯していたポケベルが爆発し、レバノン首都への空爆もエスカレートしていった[6]。
2024年9月27日、ナスララはヒズボラの拠点の地下にいたところをイスラエル軍によって空爆され、死亡した[7]。
葬儀
2025年2月23日にはベイルートで葬儀が執り行われ、ヒズボラ筋によれば約80万人が参列したとも報じられている。ヒズボラが弱体化する中、軍事的、政治的な勢力を誇示する場として利用する意図もあったとされる、一方でこの日、イスラエル国防軍はナスララ殺害の場面と称する映像を公開したほか、葬儀の最中にはレバノン南部や東部の複数地点を攻撃した[8][9]。
その後
ナスララのいとこでありヒズボラの執行評議会議長で、ナスララの後継候補と目されていたハシェム・サフィエディンもまた、同年10月3日[注釈 1]のイスラエル軍の空爆により死亡した[10][11]。
脚注
注釈
- ↑ 4日という報道もあり
出典
- ↑ 日本放送協会 (2024年9月29日). “ヒズボラの最高指導者ナスララ師殺害 軍事的な緊張高まる | NHK”. NHKニュース. 2024年10月5日時点のオリジナルよりアーカイブ。2024年11月18日閲覧。
- ↑ “ʿAbbās al-Mūsawī | Lebanese Politician, Militia Leader | Britannica” (英語). www.britannica.com (2024年10月1日). 2024年11月18日閲覧。
- ↑ 彰, 池上 (2024年10月19日). “最高指導者の殺害にバイデン米大統領は「正義の措置」…イスラム教シーア派組織「ヒズボラ」とは?〈池上彰氏が解説〉”. 文春オンライン. 2024年11月18日閲覧。
- ↑ “【解説】 ヒズボラとはどんな組織か、イスラエルと戦争を始めるのか”. BBCニュース (2024年8月27日). 2024年11月18日閲覧。
- 1 2 日本放送協会 (2024年10月2日). “「合理的な説明は無理?」イスラエルの“戦争”の行方は? | NHK | WEB特集”. NHKニュース. 2024年11月18日閲覧。
- ↑ “【解説】 中東が全面戦争に近づいた1週間 イスラエルとヒズボラの紛争”. BBCニュース (2024年10月5日). 2024年11月18日閲覧。
- ↑ “イスラエル軍がヒズボラ最高指導者・ナスララ師を空爆で殺害…地上侵攻の可能性も示唆、緊張高まる”. 読売新聞オンライン (2024年9月28日). 2024年11月18日閲覧。
- ↑ “ヒズボラ指導者の葬儀に数万人が参列、イスラエル軍による暗殺から5カ月 レバノン”. CNN.co.jp. CNN. 2025年2月24日. 2025年2月25日閲覧.
- ↑ “ヒズボラ議長、ナスララ師を悼み「抵抗」を誓う”. Arab News. 2025年2月24日. 2025年2月25日閲覧.
- ↑ “ヒズボラ指導者ナスララ師の後継者を殺害 イスラエル軍が発表”. BBC NEWS Japan (2024年10月23日). 2025年7月29日閲覧。
- ↑ “ヒズボラ指導者の後継候補、3週間前の攻撃で死亡 イスラエル軍発表”. CNN (2024年10月23日). 2025年7月29日閲覧。
- ↑ “ヒズボラ、新指導者にナンバー2のナイム・カセム師を選出”. BBC NEWS Japan (2024年10月30日). 2025年7月29日閲覧。