ハードランディング

ハードランディング(硬着陸、英: Hard landing)とは、航空機が滑走路に叩き付けられるような形で激しく着陸すること、宇宙開発においては地球外の惑星、衛星、小惑星などに探査機や着陸船を衝突させることをいう。反対語はソフトランディング(軟着陸、英: Soft landing)。
概要
飛行機の着陸
ハードランディングとは、飛行機が衝撃を伴いながら着陸する様子を指す。場合によっては機体(特に降着装置)の損傷や死傷者の発生をもたらす。通常、航空機は接地直前に機首の引き起こし操作(フレア操作)を行い、主脚(後輪)からソフトに着陸することとなっており、パイロットの訓練でも多くの時間が割かれている[1]。
「ドシンと強めに着陸するのが正解」という考え方
ハードランディングというほどではないが「着陸時にはドシンと強く接地するのが正解」という考え方がある。これについて元日本航空(JAL)機長の杉江弘は、パイロットがハードランディングの言い訳として客室乗務員に話した内容が長い時間をかけて世間に広まったものであると話しているが、そのような考え方は必ずしも誤りとは言い切れない。一般にソフトランディングを行う場合、接地までに時間がかかり、その分滑走路の残りの距離が短くなる。また全日本空輸(ANA)のパイロットによれば、接地がスムーズすぎると、機体のセンサーが接地を検知するのが遅れ、機体を停止させる装置であるスポイラーや逆噴射装置の作動が遅れることで、オーバーランのリスクが高まるという。従って滑走路の距離や状態(降雨、積雪、路面凍結等)、天候(追い風)などを考慮して、定点着陸(予め決められた距離以内に着陸すること、通常は滑走路端から300m~500m以内)を優先することとなっている。降着装置はある程度の衝撃に耐えられるようになっており、ドシンと着陸する程度であれば大きな事故につながることはないが、乗員乗客の乗り心地のため、可能な範囲でソフトランディングを試みることがパイロットの間では常識とされている[1][2]。
経済上のハードランディング
社会経済に大きな影響を与える景気の急激な減速のことをいう。実体経済を急速に悪化させるようなドラスティックな政策の効果を指すこともある[3]。
原因
などが考えられる。
航空事故
- トランス・ワールド航空843便大破事故 - 失速警報装置の誤作動やパイロットエラーによりジョン・F・ケネディ国際空港の離陸中止時にハードランディングしたもの。
- マーティンエアー495便着陸失敗事故 - マイクロバーストや大雨による滑走路の浸水・パイロットエラーによりファロ空港への着陸時にハードランディングしたもの。
- 日本エアシステム451便着陸失敗事故 - ウインドシアにより花巻空港への着陸時にハードランディングしたもの。
- 中国南方航空3456便墜落事故 - パイロットエラーや激しい雷雨により深圳黄田国際空港への着陸時にハードランディングしたもの。
- エア・トランザット236便不時着事故 - 事故の直接的な原因は整備不良による燃料漏れ。トラブルにより機体の両エンジンが停止し、滑空飛行を行いラジェス航空基地へのダイバート時にハードランディングしたもの。
- DHL貨物便撃墜未遂事件 - 事故の直接的な原因はテロリスト集団による撃墜。バグダード国際空港への緊急着陸時にハードランディングしたもの。
- ガルーダ・インドネシア航空200便着陸失敗事故 - パイロットエラーによりアジスチプト国際空港への着陸時にハードランディングしたもの。
- フェデックス・エクスプレス80便着陸失敗事故 - 両パイロットの過労により成田国際空港への着陸時にハードランディングしたもの。
- キャセイパシフィック航空780便事故 - 事故の直接的な原因は搭載していたジェット燃料の汚染による両エンジンの故障。香港国際空港の着陸時にハードランディングしたもの。
- ターキッシュ エアラインズ1878便着陸失敗事故 - 事故原因は現在も調査中。
- アエロフロート・ロシア航空1492便着陸失敗事故 - 事故の直接的な原因は落雷による機体の不具合。シェレメーチエヴォ国際空港への緊急着陸時にハードランディングしたもの。
脚注
出典
- 1 2 “着陸時の「ドシン」と「ソフト」はどっちがいいの? 都市伝説の答えは...”. ハフポスト (2018年5月6日). 2020年4月22日閲覧。
- ↑ “旅客機「ドシンと着陸」 実は理由あり! どんな時でナゼなのか ANAパイロットに聞く”. 乗りものニュース. 2021年6月7日閲覧。
- ↑ “金融・証券用語解説 ハードランディング”. 大和証券. 2020年4月22日閲覧。