パン屋の夫婦

『パン屋の夫婦』[1][2](パンやのふうふ)は、古代ローマの遺跡ポンペイで出土したフレスコ画[1]。ポンペイで最も有名な肖像画と言われる[1]。パン屋と推測される男テレンティウス・ネオ(羅: Terentius Neo)とその妻を描いている[1][3][4]。『パン屋の夫妻』[5]『夫婦の肖像』[3]『ネオと妻の肖像』[6]などとも呼ばれる。
解説
55年から79年ごろの作[1]。ポンペイの壁画の様式「第四様式」に属する[1][5]。65×58cm[1]。ナポリ国立考古学博物館蔵[5]。
ポンペイ南側にある建物「テレンティウス・ネオの家」(碑文からこの名で呼ばれる[7])から出土した[5]。かつては「パクウィウス・プロクルスの家」から出土したと誤認されていた[1][8]。家の隣にパン屋があることから[5][7]、画中の男はパン屋と推測されるが、確証は無い[7][8]。公職者とする説もある[5]。
男は白いトガ(ローマ市民の礼服)を着てパピルスの巻物を持っている[1]。女は赤いチュニックとマント、真珠と金のイヤリング、ヘアバンドを身につけ[7]、尖筆と二つ折りの書板を持っている[5]。これらは二人の富と識字能力を示している[7]。女の髪型は79年のヴェスヴィオ山噴火から20年ほど前に流行した髪型である[7]。二人は鑑賞者を見つめており[1]、瞳には反射光も描かれている[7]。二人の顔立ちを写実的に描いており、当時の民衆の素顔を伝える貴重な資料となっている[5]。
関連項目
脚注
- 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 青柳正規 監修『世界遺産ポンペイ展 : ポンペイとポンペイに暮す人びと』朝日新聞社、2001年。国立国会図書館書誌ID:000003623207。89頁。
- ↑ “ほぼ日刊イトイ新聞 -ポンペイに学べ”. www.1101.com. 2025年11月11日閲覧。
- 1 2 ロベール・エティエンヌ 著、阪田由美子;片岡純子 訳『ポンペイ・奇跡の町 甦る古代ローマ文明』創元社、1991年。ISBN 978-4422210605。92頁。
- ↑ “British Museum explores domestic life in Pompeii”. BBC News (イギリス英語). 2013年3月22日. 2025年11月14日閲覧.
- 1 2 3 4 5 6 7 8 大塚国際美術館 編、青柳正規 監修・執筆『大塚国際美術館全作品集 第1巻』有光出版、1999年。NCID BB07957198。164頁。
- ↑ 地球の歩き方編集室『地球の歩き方 南イタリアとシチリア 2025~2026』Gakken、2025年。ISBN 978-4058024423。90頁。
- 1 2 3 4 5 6 7 Taylor, Laurel. “Portrait of Young Woman and Couple (Terentius neo and Wife) from Pompeii” (英語). Smarthistory. 2025年11月14日閲覧。
- 1 2 宮城徳也. “フィレンツェだより第2章備忘録 4月2日”. tokuyam.w.waseda.jp. 2025年11月11日閲覧。