パーソナルモビリティ

ウィキペディアから、無料の百科事典

パーソナルモビリティ(英: personal transporter, personal mobility device, etc.)とは、1~2人乗りのコンパクトな車両である。歩行者と既存の乗り物(自転車・原付・自動二輪車・乗用車など)の間を補完する目的で開発された個人向けの移動ツールであり、人が移動する際の1人当たりのエネルギー消費を抑制するという意図のもと、従来の自動車とは一線を画した移動体として提案されている[1][2]。

概要

パーソナルモビリティは、セグウェイなどの倒立振子ロボット[注 1]を活用した電動車両を指す名称として用いられている。セグウェイの製品名にも使用されるパーソナルトランスポーター[注 2]や、搭乗型移動支援ロボット、マイクロEVなどの呼称も存在する[3]。

当時セグウェイの価格が96万円以上で、普及は10年以上にわたり難航してきた[要出典]。しかし、2015年4月19日に米国セグウェイ社が中国のNinebot社に買収され、10万円以下のNinebot One(立ち乗り電動一輪車)やNinebot Mini(立ち乗り電動並輪車)といった中国製の低価格商品が市場に登場した。さらに、ホバーボード(ミニ・セグウェイ)と呼ばれる4万円台の廉価版も登場した。

しかし、2015年末頃には中国製の安価な製品のリチウムイオンバッテリーが火災を引き起こす事故が頻発。この結果、Amazonパーソナルモビリティのオンライン販売を一時中止する状況となった[4]。

従来、パーソナルモビリティの製品群は主に二輪タイプが中心であったが、運転操作の安定性に課題が存在し、死亡事故も発生していた[5][6]。それらの問題を解決するため、近年では三輪タイプに注目が集まっており、新たにこの市場に参入するメーカーも増えている[7]。

普及に向けた課題

2016年現在の日本では、道路交通法の改正を踏まえた搭乗型移動支援ロボットとしての公道を用いた実証実験の許可を得た場合を除き、公道上を自由に走行することはできないが、筑波研究学園都市内のつくばモビリティロボット実験特区を手始めに、関東地方の各地で認可を得て実証実験が行われるようになってきている[8][9]。

普及すれば省エネルギーで移動の選択肢が増えるパーソナルモビリティでの技術的な課題は解決されつつあるが、公道での走行には規制があり、依然として普及への壁が立ちはだかる[10]。そのため、今後世界規模での市場の成長が見込める分野であるにもかかわらず、日本国内のメーカーは公道での試作車の試験ができず、事業としての成長の見込みが薄いため、次第に競争力を失いつつある、との見解もある[10]。

2022年、最高速度6kmなどの一定の規制を満たしたものを「移動用小型車」、身体障害者用補助用のパーソナルモビリティを車椅子の枠に含めるために「身体障害者用の車椅子」から「身体障害者用の車」とする道路交通法の改正が行われた[11]。

市販車

試作車

コンセプト

  • SUBA-RO(スバ・ルー)

脚注

注釈

  1. ↑ 英: self balancing robot
  2. ↑ 英: personal transporter

出典

  1. ↑ パーソナルモビリティー
  2. ↑ (PDF) パーソナルモビリティへの展開
  3. ↑ (PDF) 搭乗型移動支援ロボット認定申請の手引き
  4. ↑ 棒なしセグウェイの「ホバーボード」、発火の恐れのため約50万1千台がリコールに, オリジナルの2019-05-15時点におけるアーカイブ。
  5. ↑ “電動キックボード、全国初の死亡事故 転倒の男性、ヘルメットせず:朝日新聞デジタル”. 朝日新聞デジタル (2022年9月26日). 2023年5月12日閲覧。
  6. ↑ INC, SANKEI DIGITAL (2023年5月11日). “<独自>電動キックボード初の死亡事故 酒気帯び疑いで書類送検 警視庁”. 産経ニュース. 2023年5月12日閲覧。
  7. ↑ 神山 純一「電動三輪 ちょい乗りお供」『朝日新聞』2023年4月4日、朝刊。
  8. ↑ 搭乗型移動支援ロボットの公道走行に関する規制の特例制度が創設されます~産業競争力強化法の「企業実証特例制度」の活用!~
  9. ↑ 搭乗型移動支援ロボット、セグウェイなど全国で実験可能に
  10. 1 2 “世界に取り残される日本、雪解けは2020年以降に”. 日経エレクトロニクス: 57-60. (2017年3月号).
  11. ↑ 自動運転レベル4、来年4月から可能に 配送ロボットの新ルールも 朝日新聞
  12. ↑ 「電動立ち乗りスクーター」

関連項目

外部リンク