ファビアン・ピカルド

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ファビアン・ピカルド
2019年撮影
ジブラルタル首相
就任
2011年12月9日
君主エリザベス2世
チャールズ3世
知事
代理官ジョセフ・ガルシア(英語版)
前任者ピーター・カルアナ(英語版)
任期
2011年4月20日 – 2011年12月9日
君主エリザベス2世
知事エイドリアン・ジョーンズ(英語版)
前任者ジョー・ボッサノ(英語版)
後任者ピーター・カルアナ(英語版)
ジブラルタル社会労働党党首
就任
2011年4月20日
前任者ジョー・ボッサノ(英語版)
ジブラルタル議会議員
就任
2003年11月28日
個人情報
生誕 (1972-02-18) 1972年2月18日(54歳)
ジブラルタル
政党ジブラルタル社会労働党(2003年-)
配偶者
ジャスティン・ピカルド
(結婚 2011年、別居 2023年)

アンナ・ボスチェ(結婚 2026年)
子供3
教育オリオル・カレッジ (オックスフォード大学)
署名ファイル:Fabian Picardo signature.svg
公式サイト

ファビアン・レイモンド・ピカルド(Fabian Raymond Picardo)は、英領ジブラルタルの政治家。弁護士資格を有し、2011年からジブラルタル首相およびジブラルタル社会労働党党首を務めている。オックスフォード大学法学部卒。[1]

来歴

1972年2月18日ジブラルタル、アッパー・タウン地区で生まれ育った。ジブラルタルについて「スペインの隣人たちと協力し合える限り計り知れない可能性が秘められている、といつも思わせてくれた」述べた。父はジブラルタル国防省の事務職員で、母はジブラルタル首相や公民権推進協会代表を務めたジョシュア・ハッサン(英語版)の秘書だった。両親について「両親は私に『平等』という単純な原則を植え付けてくれた。それは誰も他者より優れているわけではなく、私たち全員が平等に創造されているのだから誰に対しても決して見下してはならない、というものだ」と述べた[2]。 ピカルドの祖母はスペイン人であり、ピカルド家はナポレオン戦争の頃にジブラルタルに移住してきた、と語り「その血筋を特に誇りに思っている」と述べた。[1]

ピカルドが弁護士を志したのは、「特に議論を交わしたかったある教師との会話がきっかけだった。その教師は、『議論したいのなら、人々に料金を請求して弁護士になるべきだ』と私に言った」からである。14歳の時彼はハッサン法律事務所を訪れ、その夢について語った[3]。1990年から93年にかけて、ピカルドはオックスフォード大学のオリエル・カレッジで法学を学んだ[4]。 その学費は1988年にジョー・ボッサノ(英語版)率いるジブラルタル社会労働党政権が導入した奨学金制度によって支えられた[5]。その後ピカルドはグレイ法曹院の法曹養成学校で学び、1994年にミドル・テンプルで弁護士資格を取得した[6][7]。のちにピカルドが政界入りし当選したときオリエル・カレッジはジブラルタルの旗を掲げて当選を祝い[8]、ピカルドも当選以来オリエル・ロー・ソサエティで講演を行っている[9][10]。

法曹として

1994年9月、ピカルドはジブラルタル最大の法律事務所であるハッサン法律事務所に勤務弁護士として入所し、2000年に共同経営者に就任した[11]。2014年6月12日、エリザベス2世英女王の顧問弁護士に任命された。[12]

政治家として

1991年、ジブラルタル自由党の前身のジブラルタル国民党をほかの共同設立者ともに結党。2003年にはジブラルタル社会労働党に入党し、同年の総選挙で当選[13]。

2015年12月2日、ピカルドはロンドンでデイヴィッド・リディントン(英語版)欧州担当大臣と会談した。

ピカルドは自身が政治に関心を持つようになったきっかけについて「私は政治に目を向け始め、ジョシュア・ハッサン(英語版)が成し遂げたことを知り、ジョー・ボッサノ(英語版)が何をしているのかを理解し始めた。弁護士になる能力があるのなら、その能力をジブラルタルの利益のためにも活用すべきだと気づいたのだ。ジブラルタルは、私たち全員がそれぞれの役割を果たさなければならない場所だ。誰もが自分にできることをしなければならない。そして私は、政治の場で自分にできることをしたかったのだ。」と述べた。ピカルドは2011年、ボッサノの後任としてジブラルタル社会労働党の党首に就任した。同党は2011年の選挙で勝利し、ジブラルタル自由党との連立政権を樹立した[14]。

2022年9月17日、ランカスター・ハウスで、エリザベス2世英女王の追悼記帳に署名するピカルド。

ピカルドは第一次ピカルド政権の最大の成果として2つの新しい学校、大学、銀行、700人を収容可能な新しいマリーナの建設を挙げた。また、ジブラルタル初の平等担当大臣を任命し、2014年には『市民パートナーシップ法』を成立させ、同性カップルに対する法的差別を解消した[15]。2015年10月、もしブレグジットが実現した場合「ジブラルタルの経済的展望がどうなるか、そして我々がどのような立場に置かれるかを慎重に再検討しなければならない」と述べた[16]。

2015年の選挙では、ピカルド率いるジブラルタル社会労働党・自由党同盟が、ダニエル・フィーサム(英語版)率いるジブラルタル社会民主党を破り、2期目の政権獲得を果たした[17]。

2019年の選挙では、再びジブラルタル社会労働党・自由党同盟が、キース・アゾパルディ(英語版)率いるジブラルタル社会民主党と、マーリーン・ハッサン・ナホン(英語版)率いる共にジブラルタル(英語版)を破り、3期目の政権獲得を果たした[18]。

2023年の選挙でも、ジブラルタル社会労働党・自由党同盟が4期目の政権を獲得した。同盟は再びジブラルタル社会民主党を破ったものの、その差は2019年よりも僅差だった。同盟の得票率は2.46ポイント低下し、自由党の1議席を社会民主党に奪われた[19]。

選挙運動中、ピカルドは2023年の選挙が自身にとって最後の選挙になると述べ、第14期ジブラルタル議会会期中に、ジブラルタル首相およびジブラルタル社会労働党党首を辞任する意向を示した。また、ジェマ・アリアス・バスケス保健大臣を後継指名したが、最終的な後継者の選定は党が行うものであると付言した。

しかし2024年11月5日、翌週の年次総会で異議がなければ次期総選挙まで党首職に留まることを発表した。

2026年6月、ピカルドはジブラルタルへの入国を監督するためにスペインの国境管理当局を招き入れたことで英国の主権を裏切ったとの非難に対し反論した。ジブラルタルに関する欧州連合・英国協定によれば、ジブラルタルとスペイン間の陸路における人の自由な移動は回復されることになっている。航空機や船舶による入国者はジブラルタルの職員による通常の検査を受けた後、シェンゲン協定に基づく国境管理を受けることになる。実際にはジブラルタルに入国する英国国民はスペイン側の許可を得る必要があり、スペイン当局によってジブラルタルへの入国を拒否される可能性がある[20]。

マクグレイル調査委員会

2025年11月、英国高等法院の元判事ピーター・オープンショー卿が委員長を務めたマクグレイル調査委員会の報告書が公表された。報告書は、2020年6月にイアン・マクグレイル警察委員長が早期退職に至った経緯を検証したものである[21]。

調査委員会は、シニアパートナーのジェームズ・レヴィを対象とする警察の捜査令状がハッサン(英語版)法律事務所に対して発付された後の2020年5月12日、ピカルドがマクグレイルを自身の執務室に呼び出した行為について、「正当な警察の捜査に干渉しようとする著しく不適切な試み」だったと認定した[22]。報告書によると、ピカルドはマクグレイルの解任を望んだ本当の理由をジブラルタル警察委員会に隠し、委員会を「意図的かつ冷酷に」欺いていた。その理由は、ピカルドの「生涯の友人であり師」でもあるレヴィに対する警察の捜査だったとされた[23]。オープンショー卿は、ピカルドがレヴィに対する捜査に関する自身の不満を理由にマクグレイルの解任を進めるために警察委員会の手続きを利用したと結論づけた。また、その過程でマクグレイルが別の理由から退職を求められているかのように見せかけていたと指摘した[24]。

一方、調査ではピカルドが警察の捜査に実際に干渉したことを示す証拠は見つからなかった。また、ピカルドはマクグレイルが自分に嘘をついたと本当に信じていたことも明らかになった[25]。ピカルドは報告書について、政府の責任は「完全に免除された」と主張した一方、一部の指摘が「辛辣かつ極めて厳しい」ものであることも認めた。さらに、報告書の一部の認定について、法的な異議申し立てを検討していることを示唆した[26]。

人物

ピカルドは2011年から2023年に別居するまで(それぞれ2011年と2023年の選挙以前)、ジャスティン・オリベロと結婚していた。オリベロもハッサン法律事務所に勤務しており、2人の間にはセバスチャン、オリバー、ヴァレンティナの3人の子供(息子2人、娘1人)がいた[27]。

2023年から、ピカルドはインテリアデザイナーで、ウェディングプランナーで、心理学者のアンナ・ボスチェと交際を始めた。二人は2026年、ジブラルタル議会のカレン・ラマッジ・フィリップス(英語版)議長が司式を務めた非公開の式で結婚した。[28]

脚注

  1. ↑ “CM to address Oriel College Law Society”. Gibraltar Chronicle (2016年11月11日). Template:Cite webの呼び出しエラー:引数 accessdate は必須です。
  2. ↑ “Profile of chief minister Fabian Picardo”. The Guardian (2015年10月8日). 2017年4月3日閲覧。
  3. ↑ “Profile of chief minister Fabian Picardo”. The Guardian (2015年10月8日). 2017年4月3日閲覧。
  4. ↑ “CM to address Oriel College Law Society”. Gibraltar Chronicle (2016年11月11日). Template:Cite webの呼び出しエラー:引数 accessdate は必須です。
  5. ↑ “Profile of chief minister Fabian Picardo”. The Guardian (2015年10月8日). 2017年4月3日閲覧。
  6. ↑ “Gibraltar profile – Leaders”. BBC (2016年2月17日). 2017年4月3日閲覧。
  7. ↑ “Calls to the Bar”. The Independent. 13 October 1994. 2017年4月3日閲覧.
  8. ↑ “Oriel College, Oxford, Flies Gibraltar Flag”. Panorama. 12 December 2011. 2017年4月3日閲覧.
  9. ↑ “CM to address Oriel College Law Society”. Gibraltar Chronicle (2016年11月11日). Template:Cite webの呼び出しエラー:引数 accessdate は必須です。
  10. ↑ “Oriel Law Society's Annual Dinner 2016”. Oriel College, Oxford. 2017年4月4日時点のオリジナルよりアーカイブ。2017年4月3日閲覧。
  11. ↑ Neate, Rupert (2 June 2013). “Hassans: the law firm with close links to Gibraltar's government”. The Guardian. 2017年4月3日閲覧.
  12. ↑ “Hassans' partners appointed Queen's Counsel”. Hassans (2014年6月11日). 2017年4月3日閲覧。
  13. ↑ “Q&A With Gibraltar's Honorable Chief Minister, Fabian Picardo”. Forbes. 30 June 2014. 2017年4月4日時点のオリジナルよりアーカイブ. 2017年4月3日閲覧.
  14. ↑ “Profile of chief minister Fabian Picardo”. The Guardian (2015年10月8日). 2017年4月3日閲覧。
  15. ↑ Simmonds, Charlotte (30 June 2015). “The Gib Statesman: Chief Minister interviewed”. New Statesman. 2017年4月3日閲覧.
  16. ↑ “Profile of chief minister Fabian Picardo”. The Guardian (2015年10月8日). 2017年4月3日閲覧。
  17. ↑ https://www.parliament.gi/uploads/docs/election-results/general_election_results_26_november_2015.pdf [PDFファイルの名無しリンク]
  18. ↑ https://www.parliament.gi/uploads/docs/election-results/general_election_results_17_october_2019.pdf [PDFファイルの名無しリンク]
  19. ↑ Dagless, George (16 October 2023). “Pedro Sanchez Sent Congratulatory Message To Gibraltar Election Winner”. EuroWeekly News. 2023年10月16日閲覧.
  20. ↑ “The post-Brexit deal for Gibraltar is not 'betrayal' – it is a triumph” (英語). Politics Home (2026年3月4日). 2026年7月9日閲覧。
  21. ↑ Openshaw, Peter (6 November 2025). Inquiry into the Retirement of the Former Commissioner of Police: Final Report (Report). McGrail Inquiry. 2025年12月30日閲覧.
  22. ↑ Openshaw, Peter (6 November 2025). Inquiry into the Retirement of the Former Commissioner of Police: Final Report (Report). McGrail Inquiry. 2025年12月30日閲覧.
  23. ↑ Openshaw, Peter (6 November 2025). Inquiry into the Retirement of the Former Commissioner of Police: Final Report (Report). McGrail Inquiry. 2025年12月30日閲覧.
  24. ↑ Openshaw, Peter (6 November 2025). Inquiry into the Retirement of the Former Commissioner of Police: Final Report (Report). McGrail Inquiry. 2025年12月30日閲覧.
  25. ↑ “Inquiry Report finds Chief Minister improperly attempted to interfere in a criminal investigation”. GBC (2025年11月). 2025年12月30日閲覧。
  26. ↑ “McGrail Inquiry Report Vindicates Government”. HM Government of Gibraltar (2025年11月). 2025年12月30日閲覧。
  27. ↑ “Profile of chief minister Fabian Picardo”. The Guardian (2015年10月8日). 2017年4月3日閲覧。
  28. ↑ Chief Minister weds partner in private ceremony at Convent, GBC, 11th October 2026

外部リンク

BBCニュースによるピカルドの紹介

党職
先代
ジョー・ボッサノ(英語版)
ジブラルタル社会労働党党首
2011–
現職
公職
先代
ピーター・カルアナ(英語版)
ジブラルタル首相
2011–
現職