ファンタスティック・ワールド

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ファンタスティック・ワールド
Fantastic World
ユニバーサル・スタジオ・ジャパン
エリアハリウッド・エリア
状態閉鎖
コスト12億8,600万円
オープン2008年3月18日 (2008-03-18)
クローズ2008年12月26日 (2008-12-26)(上演休止)
主なデータ
種類 ミュージカル・ファンタジー
屋外ショー
設計者 レイ・ウィンクラー
テーマ 命のつながりと大切さ
音楽 アラン・リー・シルヴァ
ティモシー・ウィリアムズ
寺嶋民哉
村松崇継
CMソング WaT「時を越えて〜Fantastic World〜」

「ファンタスティック・ワールド」(英: Fantastic World)は、かつてユニバーサル・スタジオ・ジャパンのハリウッド・エリアで上演されていた屋外型のミュージカル・ファンタジーである。パーク開業7周年を記念して2008年3月18日に開幕した[1][2]。

「地球上に存在するすべての命のつながりや大切さ」をテーマに、2匹のホワイトタイガーの子供が自然や動物たちとの出会いを通じ、「命を生み出す種(命の種)」の意味を理解していく冒険を描いた[1]。高さ約13メートル、連結時の幅約47メートルに達する3台の巨大な可動式ステージとLED映像、約60人のパフォーマーによる歌、ダンス、空中ブランコ、スウェイポールなどを組み合わせた大規模なショーであった[1][3]。

計3台の可動式ステージと映像を組み合わせた屋外型ミュージカルは、導入当時「世界初の試み」と報じられた[4]。

2008年12月26日をもって上演を休止し、再開日は未定とされた[5]。その後も長期間にわたり公式サイト上では「休止」として扱われたが、再開されることはなかった[6]。

概要

ユニバーサル・スタジオ・ジャパンが開業7周年を迎える2008年の新規アトラクションとして開発された。運営会社は2007年12月20日に導入を発表し、「感動的でファンタスティックな超大型ミュージカル・ファンタジー」と位置づけた。

上演場所は、当時のハリウッド・エリアに存在した「E.T. アドベンチャー」前のストリートであった。日中に複数回上演される屋外ショーで、固定式の劇場ではなく、ストリート上に設置された巨大な可動式ステージを中心として展開された。

ショーでは、大地、空、海とそこに生きる生命を、LEDによる映像、オリジナル音楽、衣装、ダンス、アクロバットなどによって表現した。

当時のユー・エス・ジェイ社長グレン・ガンペルは、本作について「いわゆるライドでもなく一般的なショーの範疇でもない」エンターテイメントとして説明し、巨大な可動式ステージ、各国から選出されたパフォーマー、衣装、オリジナル音楽を融合した作品であるとした。

運営会社の2008年3月期有価証券報告書によれば、本作への投資額は12億8,600万円であった[7]。

開発

2007年12月20日、ユニバーサル・スタジオ・ジャパンは、翌年の開業7周年を記念して「ファンタスティック・ワールド」を2008年3月中旬に導入すると発表した[1]。

作品は既存の映画やテレビ作品を原作とせず、生命や地球を題材としたパークオリジナルのストーリーとして制作された[1]。

2008年2月には、計3台の可動式ステージと映像を駆使した屋外型ミュージカルを組み合わせる形式が世界初の試みであると報じられた[8]。

出演者には、日本のほか、中国、ロシア、アメリカ合衆国などから選出されたパフォーマーが参加した[8]。

2008年3月4日には東京都内で発表記者会見が行われ、出演パフォーマーが登場した。同月18日にグランドオープンした。

プロジェクト・ディレクターはMatthew Preston Jonesが務めた。Jonesは後年の経歴において、2007年11月から2008年5月まで本作のプロジェクト・ディレクターを担当したとしている[9]。

ストーリー

物語の主人公は、ホワイトタイガーの子供であるホヌアとラニの2匹[10]。

2匹は「いのちのゆりかご」の意味を探し求め、地球を巡る冒険へ出発する。

旅の中では、大地、空、海に生きるさまざまな生命と出会う。それぞれの世界で自然や動物たちと触れ合いながら、天地創造の不思議さや生命のつながりについて学んでいく[11]。

やがて2匹は、探し続けていた「いのちのゆりかご」が、生命を生み、互いにつなげている地球そのものと、その中に存在する大きな愛であることに気付いていく。

ショー全体を通して、「私たちはいつも一緒でつながっている(君は独りじゃない)」というメッセージが込められていた。

巨大可動式ステージ

本作の大きな特徴となったのが、「命の種」をイメージしてオリジナルで設計・制作された3台の巨大な可動式ステージである。

3台のうち2台は、種をイメージしたしずく型の形状を持ち、中央の巨大ステージを中心として連結された。連結時には高さ約13メートル、幅約47メートルに達した。

ステージによって作り出される空間は「もうひとつの地球」を象徴しており、表面に設置されたLEDを用いて空、海、植物、動物などの映像を表示した。映像はステージの周囲360度から鑑賞できるよう設計された。

しずく型ステージには花びら状の可動部分が設けられ、種が芽吹き、蓮の花が開く様子を思わせるように展開した。

J-CASTトレンドは、巨大ステージに合計24枚の花びら状のパネルが設けられ、LEDによって大地、空、海などの映像を表示すると報じている。

パフォーマンス

3台のステージには約60人のパフォーマーが登場した。

パフォーマーはヒョウ、サル、キリン、シカなど、地球上に生息するさまざまな動物を表現した衣装を着用し、歌やダンスに加えて、空中ブランコ、スウェイポール、リボンなどを使用したアクロバティックな演技を披露した。

音楽や映像と連動しながら、大地、空、海それぞれの世界が表現された。

ショーには空中演技を専門とするパフォーマーも参加しており、アメリカのスタントパフォーマーCheryl Lewisは、自身の経歴において本作にエアリアリストおよびスタントパフォーマーとして出演し、コーデ、空中ブランコ、シルクなどを担当したとしている[12]。

音楽

ショーでは、生命のつながりや大切さを表現するために制作された6曲のオリジナル音楽が使用された[11]。

音楽にはアフリカ音楽、ネイティブ・アメリカンの音楽、ポップスなど、世界各地のさまざまな音楽ジャンルの要素が取り入れられた。

作曲には、ハリウッドで活動するアラン・リー・シルヴァ、ティモシー・ウィリアムズのほか、日本から寺嶋民哉、村松崇継らが参加した。

ミュージカル・ナンバー

パーク内では、本作の楽曲を収録したサウンドトラックCDも販売された。

  • The Cradle of Life(いのちのゆりかご)
  • Earth(大地)
  • Sky(大空)
  • Ocean(海)
  • Fantastic World(ファンタスティック・ワールド)
  • You Are Not Alone(ユー・アー・ノット・アローン)

WaTとのタイアップ

本作のプロモーションには、ウエンツ瑛士と小池徹平による音楽デュオWaTが起用された。

2008年2月28日、WaTが本作のプロモーションのために「つながり」や「人との絆」をテーマとした新曲を書き下ろしたことが発表された。

楽曲は「時を越えて〜Fantastic World〜」と題され、本作のテレビCMソングとして使用された[13]。

楽曲は2008年4月23日にWaTのシングルとして発売され、オリコン週間シングルランキングで最高8位を記録した[14]。

なお、「時を越えて〜Fantastic World〜」は本作のCMソングであり、ショー本編で使用された6曲のオリジナル音楽とは別の楽曲である[15]。

2008年春には、「ハリウッド・ドリーム・ザ・ライド」の期間限定ドリームトラックとして同曲を選択することもできた[16]。

特別鑑賞エリア

上演期間中には、ショーを専用エリアから鑑賞できる有料サービスも用意されていた。

ステージ西側のスタジオ・スターズ・レストラン側には「ファンタスティック・ワールド・テラス」、東側のE.T. アドベンチャー側には「ファンタスティック・ワールド・ビューイングエリア」が設けられていた[17]。

ファンタスティック・ワールド・テラスは、スタジオ・スターズ・レストランで対象メニューと「ファンタスティック・ワールド・パスポート」を組み合わせたセットを購入することで利用できた[17]。

一方、ビューイングエリアは、対象となるユニバーサル・エクスプレス・パス利用者が「ファンタスティック・ワールド・チェック・イン・パス」を購入することで利用できた[17]。

上演休止

2008年12月、ユニバーサル・スタジオ・ジャパンは、同月26日をもって本作の上演を休止すると案内した。告知時点で再開日は未定とされた。

このため、2008年12月26日は実質的な最終公演日となったものの、当時は「終了」ではなく「休止」として扱われていた。

2009年以降もアトラクション休止情報には「2008年12月26日~」として掲載され続けた[18]。

2010年4月の時点でも、ユニバーサル・スタジオ・ジャパン公式サイトのアトラクション休止情報には本作が掲載され、アトラクション・イベント紹介にも「ファンタスティック・ワールドはショーの開催を休止中です」と表示されていた。

その後、ショーが再開されることはなかった。

評価・位置づけ

本作は、既存の映画作品やキャラクターを原作とせず、ユニバーサル・スタジオ・ジャパン独自のストーリー、音楽、キャラクター、舞台装置によって制作された大型エンターテイメントであった。

特に、映像を表示する巨大な可動式ステージを屋外ミュージカルに導入する形式は、開業当時、世界初の試みとして報じられた。

また、約60人のパフォーマーと高さ約13メートル・幅約47メートルに達するステージを使用し、空中演技、ダンス、音楽、LED映像を一体化した構成を特徴とした。

後にユニバーサル・スタジオ・ジャパンのシニア・バイス・プレジデント兼エグゼクティブ・プロデューサーを務めたMike Davisの代表的な制作実績としても、「ピーターパンのネバーランド」「ウィケッド」などとともに本作が挙げられている[19]。

脚注

  1. 1 2 3 4 5 “ユニバーサル・スタジオ・ジャパン™、2008年3月中旬に新アトラクション登場「ファンタスティック・ワールド」”. 株式会社ユー・エス・ジェイ (2007年12月20日). 2026年10月7日閲覧。
  2. ↑ “ユニバーサル・スタジオ・ジャパン7周年、新アトラクションがお目見え”. AFPBB News. AFP (2008年3月5日). 2026年10月7日閲覧。
  3. ↑ “開業7周年記念の新アトラクションは、ミュージカル・ファンタジー - USJ”. マイナビニュース (2007年12月26日). 2026年10月7日閲覧。
  4. ↑ “新アトラクションが3月にオープン USJ”. J-CASTトレンド (2008年2月6日). 2026年10月7日閲覧。
  5. ↑ “ファンタスティック・ワールドはどうなってるの”. USJ与太話 (2008年12月20日). 2026年10月7日閲覧。
  6. ↑ “ファンタスティック・ワールド”. パークの知恵袋. ユニバーサル・スタジオ・ジャパン (2010年4月20日). 2026年10月7日閲覧。
  7. ↑ 株式会社ユー・エス・ジェイ『有価証券報告書 第14期』(レポート)株式会社ユー・エス・ジェイ、2008年。「平成20年3月に完成いたしました新規アトラクション「ファンタスティック・ワールド」への投資額は1,286百万円となっております。」
  8. 1 2 “開業 7 周年記念の新アトラクション「ファンタスティック・ワールド」グランドオープンを 3 月 18 日(火)に決定” (2008年2月5日). 2026年10月7日閲覧。
  9. ↑ “Matthew Preston Jones” (英語). LinkedIn. 2026年10月7日閲覧。
  10. ↑ “ファンタスティック・ワールド開幕でっせぇ”. 大阪道頓堀の宿「かねよし旅館」番頭さんがゆく (2008年3月18日). 2026年10月7日閲覧。
  11. 1 2 “WaT、ユニバーサル・スタジオ・ジャパンへファンタスティックな新曲贈る”. ORICON NEWS (2008年2月28日). 2026年10月7日閲覧。
  12. ↑ “Cheryl Lewis - Action Design / Stunt Coordinator Resume” (英語). 2026年10月7日閲覧。
  13. ↑ “時を越えて~Fantastic World~”. ユニバーサル ミュージック. 2026年10月7日閲覧。
  14. ↑ “時を越えて~Fantastic World~”. ORICON NEWS. oricon ME. 2026年10月7日閲覧。
  15. ↑ “パークの知恵袋”. ユニバーサル・スタジオ・ジャパン (2008年4月28日). 2026年10月7日閲覧。
  16. ↑ “どんな曲が流れますか?”. パークの知恵袋. ユニバーサル・スタジオ・ジャパン (2008年5月23日). 2026年10月7日閲覧。
  17. 1 2 3 “特別鑑賞エリアについて”. パークの知恵袋. ユニバーサル・スタジオ・ジャパン (2008年3月18日). 2026年10月7日閲覧。
  18. ↑ “ショーやアトラクションの休止に注意!”. USJ与太話 (2010年1月7日). 2026年10月7日閲覧。
  19. ↑ “I love my job, I love my team” (英語). InPark Magazine (52). (2014) 2026年10月7日閲覧。.