フィリップ・グラス

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フィリップ・グラス
Philip Glass
2007年12月12日、WNYCスタジオにて
この時のインタビューの内容はこちら。
基本情報
生誕 (1937-01-31) 1937年1月31日(89歳)
アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国、ボルチモア
職業 作曲家

フィリップ・グラス(Philip Glass, 1937年1月31日 - )は、アメリカ合衆国の作曲家。ミニマル・ミュージックの旗手として知られる[1]。 反復する音型を用いる作品のほか、オペラ、交響曲、協奏曲、室内楽、映画音楽を作曲している。自らの音楽を反復構造のある音楽と説明しており、舞台・映画・舞踊の制作者と継続的に仕事をしてきた[2]。

生涯

学習とパリでの仕事

メリーランド州ボルチモアのユダヤ系一家に生まれた[3]。父の店にはレコードがあり、子供のころから様々な音楽を聴いた。6歳でヴァイオリン、8歳でピーボディ音楽院の課程でフルートを学び、12歳ころから作曲を始めた[4]。15歳でシカゴ大学に入学[1]し、哲学と数学を学んだ[5]。卒業後はジュリアード音楽院でウィリアム・バーグスマとヴィンセント・パーシケッティに作曲を学び、アスペンではダリウス・ミヨーに師事した[4][2]。

ピッツバーグの学校で用いる合奏曲を書く仕事を経て、フルブライト奨学金でパリへ渡り、ナディア・ブーランジェに和声と対位法を学んだ[4]。一方、ラヴィ・シャンカールの音楽を西洋式の記譜へ移す仕事に携わり、シャンカールやタブラ奏者アラ・ラカを通じて、リズムの組合せと反復から音楽の構造を作る方法に接した。1966年にはインドへ旅行し、チベット難民の状況を知った[5]。この時期の学習と映画の仕事は、ブーランジェからの和声・対位法の訓練と、インド音楽のリズム構造との双方を含んでいた[4]。

ニューヨークとアンサンブル

1967年にニューヨークへ戻り[1]、タクシー運転手や配管などの仕事をしながら作曲・演奏活動を行った[4]。スティーヴ・ライヒとは互いの作品を演奏する関係にあり[5]、1968年には「フィリップ・グラス・アンサンブル」(PGE)を結成した。団体の公式沿革によれば、1969年にホイットニー美術館でデビューし、初期にはソーホーの画廊、ロフト、美術館などで演奏した[6]。管楽器、電子鍵盤、声の増幅を含むこの集団は、自作の演奏方法を試す場となり、《同じ方向への音楽》《パートの変わる音楽》《12部からなる音楽》などのための演奏基盤となった[6]。

サミュエル・ベケットの作品を扱う実験演劇とも関わり、演劇集団マブー・マインズのために作曲した。後の《カンパニー》は、同劇団によるベケットの散文作品の舞台化のための音楽で、1983年にニューヨークのパブリック・シアターで初演された[7]。1971–1974年に書いた《12部からなる音楽》は、声、管楽器、鍵盤のための長大な連作で、初期から試みてきた反復の技法を集成した[8]。

オペラから多様な編成へ

1976年にロバート・ウィルソンと制作した「浜辺のアインシュタイン(英語版)」は、7月25日にアヴィニョンで初演された。物語を時系列に沿って語るのではなく、音楽、舞台像、語りを組み合わせる4幕のオペラである[9]。続く「サチャグラハ(サティアグラハ)」(1980年初演)は、マハトマ・ガンディーの南アフリカ時代と非暴力抵抗を扱い、《バガヴァッド・ギーター》のサンスクリット文を用いた[10]。「アクナーテン」(1983年、1984年初演)は、古代エジプトの王イクナートンを題材とする。古代エジプト語、アッカド語、ヘブライ語、聴衆の言語を用い、ヴァイオリンを含まない管弦楽を採った[11]。これらは、科学・政治・宗教をそれぞれの主題とし、思想によって世界を変えた人物を扱う三部作を成す[9][10][11]。

1980年代以後は、録音のための《グラスワークス》、ヴァイオリン協奏曲、交響曲などにも活動を広げた。音楽の構成も、初期の少量の素材を反復する方法に加え、和声、旋律、和音の進行を重視する方向へ展開した[4]。1992年にはメトロポリタン歌劇場の委嘱による《ザ・ヴォヤージュ》が初演された。デイヴィッド・ヘンリー・ウォンの台本によって、探検、移動、異なる文化の出会いを扱う[12]。

1990年代の《オルフェ》《美女と野獣》《恐るべき子供たち》では、ジャン・コクトーの作品を異なる方法で舞台化した。後年にも、小説を原作とする《夷狄を待ちながら》、南北戦争とその後の人種的不平等を扱う《アポマトックス》などを発表している[13][14][15][16][17]。

音楽と制作

反復、加算と和声

グラスは、ミニマル・ミュージックの作曲家として知られる一方、自作を「反復構造を持つ音楽」と説明している[2]。久石譲の発言によれば、グラスは自分の音楽をミニマル・ミュージックと思ったことは一度もないと話していたという[18]。この呼び名だけでは、初期のアンサンブル曲から、管弦楽、歌劇、映画へと広がった活動の全体は表しきれない[4]。

加算的な方法を具体的に示す《1+1》(1967年)は、1人の奏者が増幅した卓上を指でたたき、2種類のリズム単位を一定の算術的な進行で組み合わせる作品である[19]。《同じ方向への音楽》(1969年)では、1つの線に対し上方、下方へ順に声部を加え、新たな声部の登場によって響きが変わると、本人は解説している[20]。音楽学者ジャック・アンブラールは、《2つのページ》のユニゾン、《5度の音楽》の平行する5度、《パートの変わる音楽》の長音と反復の重なりを、初期の語法を拡張していく例として分析している[21]。

《12部からなる音楽》(1971–1974年)について、ティム・ペイジは、1960年代半ばから発展させた反復技法の集成と説明する[8]。その後の《アナザー・ルック・アット・ハーモニー》の第1–3部は《浜辺のアインシュタイン》に取り込まれた[22]。こうした作品ごとの構成や編成の変化を伴い、1970年代半ば以後には和声・旋律の扱いが拡大した[4]。

演劇、舞踊、文学との共同制作

《ダンス》(1979年)では、ルシンダ・チャイルズの振付、グラスの音楽、ソル・ルウィットの映画が組み合わされた。ホイットニー美術館の資料によれば、音楽の譜面が振付の枠組みとなり、それを受けてルウィットが踊る姿を35ミリ白黒フィルムに収めた[23]。音楽だけで完結する曲の提供に限らず、舞台や映像の構成と関わる仕事の一例である。

コクトー三部作でも各作の方法は異なる。《オルフェ》(1993年)は映画の脚本によるオペラ、《美女と野獣》(1994年)は当初、映画の音声を除いて映像に新しい音楽を合わせる形で上演された。《恐るべき子供たち》(1996年)はスーザン・マーシャルと制作したダンス・オペラで、歌手と舞踊家、3台のピアノを用いる[13][14][15]。

アレン・ギンズバーグとの《ハイドロゲン・ジュークボックス》(1990年)は、1950年代から1980年代のアメリカを、個人的な詩と反戦運動、環境などの社会的な主題から捉えた[24]。さらにギンズバーグの《冥王星への頌歌》をソプラノと管弦楽の交響曲第6番にし、2002年に初演した[25]。レナード・コーエンの詩と絵を用いる《ブック・オブ・ロンギング》(2007年)では、歌、語り、映像とアンサンブルを組み合わせる[26]。

《夷狄を待ちながら》(2005年)はJ・M・クッツェーの小説による。グラスは、圧政を描く寓話を特定の歴史状況や政権だけに還元せず、聴衆が問いを考える機会とする構想を説明している[16]。《アポマトックス》は2007年初演の後、2015年版で1965年投票権法などを加え、南北戦争後にも続く問題へ広げた[17]。2021年には、ロバート・ラックスの詩集を基に、サーカスとオペラを結ぶ《サーカス・デイズ・アンド・ナイツ》がマルメで初演された[27]。

交響曲、協奏曲とピアノ曲

デヴィッド・ボウイとブライアン・イーノの音楽に基づく交響曲は、既成曲をそのまま管弦楽へ移すだけのものではない。交響曲第1番《ロウ》(1992年)では、アルバムから3曲の主題を取り、自作の素材と組み合わせて3楽章にしたと本人は説明する[28]。第4番《ヒーローズ》(1996年)はトワイラ・サープ舞踊団の委嘱で、録音を使った舞踊としての初演と、翌1997年の演奏会初演を持つ[29]。第12番《ロジャー》(2019年)はボウイとイーノの歌詞を用い、女声独唱とオルガンを加える[30]。

他方、交響曲第3番(1995年)は、シュトゥットガルト室内管弦楽団の19人の弦楽器奏者を個々の奏者として扱う4楽章の作品である[31]。第5番は独唱・混声合唱・児童合唱を伴い、複数の宗教・思想のテクストを英語で歌う[32]。第8番については、先行する第5–7番のテクストによる作品から、器楽だけによる交響曲へ戻ったと本人が述べている[33]。交響曲にも、文学・宗教・歴史に関わるものと、器楽の構成に重点を置くものがある。

ヴァイオリン協奏曲第1番(1987年)はポール・ズーコフスキーの独奏、デニス・ラッセル・デイヴィスの指揮で初演され、第2番《アメリカの四季》(2009年)はロバート・マクダフィーの独奏で初演された[34][35]。独奏ピアノの《エチュード》は1994–2012年の全20曲、2巻から成る。デイヴィスの50歳の誕生日のための曲などに始まり、自分のピアノ技術を拡張する目的でも書き加えた。第2巻は2012年初演、2014年刊行である[36]。

映画・テレビの音楽

ゴッドフリー・レシオのカッツィ三部作『コヤニスカッツィ』『ポワカッツィ』『ナコイカッツィ』の音楽を担当した。PGEはこれらの映画音楽を主要なレパートリーとし、映像と組み合わせた演奏も行っている[6]。『コヤニスカッツィ』は、自然と都市の景観を、言葉による物語ではなく、映像、音楽、発想を組み合わせて示す映画である[37]。

エロール・モリスの『時間の短い歴史』(スティーヴン・ホーキングの著書を基にする)、クライヴ・バーカー原作の『キャンディマン』、マーティン・スコセッシの『クンドゥン』、スティーヴン・ダルドリーの『めぐりあう時間たち』などにも作曲した[38]。『クンドゥン』(1997年)の編成にはチベットのホルン、シンバル、僧侶の声が含まれる[39]。『めぐりあう時間たち』(2002年)はピアノ、弦、ハープ、チェレスタ、打楽器を用い、後にマイケル・リースマンが演奏会用組曲へ編曲した[40]。この2作と『あるスキャンダルについての覚え書き』でアカデミー賞の候補となった[41]。

『魔人ドラキュラ』のための新しい音楽は、1931年のトッド・ブラウニング監督作品に対して書いた弦楽四重奏曲で、グラスはクロノス・クァルテットとの仕事として説明している[42]。映画全体と同時に作られた音楽とは区別される。『ザ・ループ TALES FROM THE LOOP』(2020年)とモリス監督の『鳩のトンネル』(2023年)はポール・レナード=モーガンとの共同作曲である[43][44]。

演奏・録音、日本との関わり

シャンカールとの《パッセージズ》(1990年)では、双方が相手の主題をもとに編曲を書いた[45]。エイフェックス・ツインによるグラス作品の仕事もあり、2005年のリミックス盤《グラス・カッツ》の解説は、先行するその仕事に言及している[46]。2001年に設立されたオレンジ・マウンテン・ミュージックは、グラス作品の録音を記録し、愛好家や研究者へ提供する目的を掲げた[47]。2024年には、自宅のピアノによる独奏アルバム《Philip Glass Solo》を発表した[41]。

日本では、2005年に愛知万博などでカッツィ三部作のシネマ・コンサートを行った[1]。2016年6月4日にはすみだトリフォニーホールで、パティ・スミスと「THE POET SPEAKS ギンズバーグへのオマージュ」に出演し、翌5日には久石譲、滑川真希と《エチュード》全曲を取り上げた。詩の朗読公演では村上春樹と柴田元幸の新訳を用いた[48]。

グラスはチベット文化の支援にも関わっており、2021年のチベット・ハウスUSの慈善コンサートでは芸術監督として出演者の編成を担った[49]。PGEは若い奏者への伝承も活動の一部とし、ニュー・スクールのフィリップ・グラス・インスティテュートでアンサンブル・イン・レジデンスを務めている。PGEの公演が常に作曲者本人の出演を伴うわけではない[6]。

受賞と近年の作品

2010年に全米芸術基金のオペラ・オナーズ[4]、2012年に高松宮殿下記念世界文化賞[1]を受賞した。2015年の国民芸術勲章は2016年9月22日に授与された[50][51]。2018年にはケネディ・センター名誉賞[41]、2020年にはレコーディング・アカデミーのトラスティーズ賞を受けた[52]。

2021年の交響曲第13番はジャーナリストのピーター・ジェニングスを記念する委嘱で、2022年にカナダのナショナル・アーツ・センター管弦楽団が初演した[53]。第14番《リヒテンシュタイン組曲》は2021年にLGTヤング・ソロイスツが初演した[54]。2023年の《八角形の勝利》は、リッカルド・ムーティとシカゴ交響楽団のための作品で、カステル・デル・モンテの建築から着想している[55]。

交響曲第15番《リンカーン》は、2021–2023年に作曲したバリトンと管弦楽のための8楽章である[56]。当初予定されたケネディ・センターでの初演について、2026年1月にグラスは同センターの価値観が作品のメッセージと相いれないとして撤回を発表した[57][58]。同年7月5日にタングルウッドで、カレン・カメンセク指揮ボストン交響楽団とバリトンのザカリー・ジェイムズによって世界初演された[56][59]。

学習と共同制作の関係図

矢印↓は教えた側から学んだ側への師弟関係、矢印↔は下に挙げた作品での共同制作を示す。一般的な作風上の影響を、そのまま師弟関係の線にはしない。

ナディア・ブーランジェ / ダリウス・ミヨー
↓ 作曲・音楽理論の学習[2]
フィリップ・グラス
↔ 共同制作
ラヴィ・シャンカール
《パッセージズ》[45]
ロバート・ウィルソン
《浜辺のアインシュタイン》[9]
ゴッドフリー・レシオ
カッツィ三部作[6]

作品と活動の年表

橙色の帯は作曲期間、橙色の点(◆、W)は単年の作曲または作品目録の年、濃色の点(●、E)は出来事を示す。初演・発売・刊行の年は下表で区別する。《エチュード》の帯は曲集を制作した年の範囲で、毎年の連続した作曲活動を意味しない。3図は対象の時期に合わせて横軸の範囲を変えている。

反復技法と舞台への出発(1960–1990年)

管弦楽・室内オペラ・ピアノ(1980–2020年)

映画、歴史と近年の管弦楽(1990–2030年)

E01は1967年のニューヨーク帰還[2]、E02はPGE公式沿革による1968年の創設[6]、E03は2012年の高松宮記念世界文化賞受賞[1]、E04は2026年7月5日の交響曲第15番初演に対応する[56][59]。W01–W24の編成・年代・背景を下表に示す。

年表の作品

番号作品・編成作曲・目録年と初演背景・特徴
W01《1+1》
演奏者1人と増幅した卓上
1967年(目録)指または指関節で卓上をたたく。2つのリズム単位を算術的な進行で組み合わせる。[19]
W02《同じ方向への音楽》
任意の楽器群
1969年。1981年に室内管弦楽版1声から出発し、上方・下方へ声部を重ねることで響きを段階的に変える。[20]
W03《12部からなる音楽》
声、管楽器、鍵盤(PGE)
1971–1974年作曲。全曲初演1974年、ニューヨーク反復技法を集成する約4時間の連作。各部を通じて初期の方法を拡張する。[8]
W04《浜辺のアインシュタイン》
アンサンブル、合唱、独唱・語り
1976年。初演7月25日、アヴィニョンウィルソンとの共同制作。科学者を題材にするが、伝記を順に語る形式を採らない4幕のオペラ。[9]
W05《ダンス》第1–5番
フルート、オルガンなど
1979年(目録)チャイルズの振付とルウィットの映像による《ダンス》に関わる作品群。[60][23]
W06《サティアグラハ》
独唱、合唱、管弦楽
1980年。初演9月5日、ロッテルダムガンディーの南アフリカ時代を扱う。サンスクリットの台本は《バガヴァッド・ギーター》から採り、金管と打楽器を含まない管弦楽を用いる。[10]
W07《グラスワークス》
管楽器、弦、鍵盤
1981年(作品目録)、1982年アルバム発売録音スタジオのために作られた6曲。各曲は単独演奏もできる。より広い聴き手への紹介を意図したと本人は説明する。[61][41]
W08《アクナーテン》
独唱、合唱、管弦楽
1983年(目録)。初演1984年3月24日、シュトゥットガルト古代エジプトの王を題材とする三部作の第3作。ヴァイオリンを欠く管弦楽編成。[11]
W09ヴァイオリン協奏曲第1番
独奏ヴァイオリンと管弦楽
1987年。初演4月5日ポール・ズーコフスキーとアメリカン・コンポーザーズ・オーケストラ、デイヴィス指揮で初演。[34]
W10《ハイドロゲン・ジュークボックス》
独唱6人とアンサンブル
1990年。演奏会版4月29日、舞台版5月26日初演ギンズバーグの詩によって、1950–1980年代のアメリカの個人的体験、反戦、環境などを描く。[24]
W11交響曲第1番《ロウ》
管弦楽
1992年春作曲、8月30日ミュンヘン初演ボウイとイーノのアルバムから3つの器楽曲の主題を取り、自作の素材と合わせて3楽章を構成。[28]
W12《オルフェ》
独唱と室内管弦楽
1993年。初演5月14日、ケンブリッジコクトー三部作の第1作。フランス語の映画脚本をオペラの台本に用いる。[13]
W13《ピアノ・エチュード》
独奏ピアノ、全20曲
1994–2012年。第2巻初演2012年、刊行2014年全2巻。デイヴィスの50歳を祝う曲に始まり、自身の演奏技術を拡張するための曲などを加えた。[36]
W14《美女と野獣》
独唱とアンサンブル、または管弦楽
1994年。初演6月21日、ジベッリーナ初期の上演形態では映画の音声を取り去り、投影映像と新しい音楽を組み合わせる。単独オペラとしての上演も可能。[14]
W15《恐るべき子供たち》
独唱4人、3台のピアノ、舞踊
1996年。初演5月18日、ツークスーザン・マーシャルとのダンス・オペラ。コクトー三部作を締めくくる。[15]
W16交響曲第4番《ヒーローズ》
管弦楽
1996年。録音を使う舞踊初演同年9月、演奏会初演1997年5月15日ボウイとイーノの作品を素材に、トワイラ・サープ舞踊団の委嘱で作曲。舞踊と演奏会の初演を区別する。[29]
W17交響曲第5番
独唱5人、混声合唱、児童合唱、管弦楽
1999年。初演8月28日、ザルツブルク宗教・思想の伝統からテクストを集め、英語で歌う。本人は過去・中間・未来を結ぶ構想を説明する。[32]
W18《めぐりあう時間たち》
映画音楽。ピアノ、弦、ハープなど
2002年。演奏会用組曲初演2003年3月28日スティーヴン・ダルドリー監督作の音楽。マイケル・リースマンによりピアノと管弦楽の組曲にも編曲された。[40]
W19《夷狄を待ちながら》
独唱、合唱、管弦楽
2005年。初演9月10日、エアフルトクッツェーの小説をクリストファー・ハンプトンが台本化。圧政を扱う寓話を、特定の政権だけに還元すべきではないと本人は説明する。[16]
W20《アポマトックス》
独唱、合唱、管弦楽
初版初演2007年10月5日。新版初演2015年11月14日南北戦争終結を題材とするハンプトンとの作品。2015年版では1965年投票権法などへ視野を広げた。[17]
W21ヴァイオリン協奏曲第2番《アメリカの四季》
独奏ヴァイオリン、弦とシンセサイザー
2009年。初演12月9日、トロントロバート・マクダフィー独奏、ピーター・ウンジャン指揮トロント交響楽団で初演。[35]
W22交響曲第12番《ロジャー》
女声独唱、オルガンと管弦楽
2019年。初演1月10日、ロサンゼルスボウイとイーノの歌詞を用いる。アンジェリーク・キジョー、ジェイムズ・マクヴィニー、ジョン・アダムズ指揮ロサンゼルス・フィルが初演。[30]
W23交響曲第15番《リンカーン》
バリトンと管弦楽、全8楽章
2021–2023年作曲。初演2026年7月5日、タングルウッドリンカーンの演説や自伝などを用いた肖像。作曲期間と初演年を分ける。[56][59]
W24《八角形の勝利》
管弦楽
2023年。初演9月28日、シカゴリッカルド・ムーティとシカゴ交響楽団のための委嘱作。カステル・デル・モンテの建築から着想したと本人は述べる。[55]

作品一覧

詳しくはフィリップ・グラスの楽曲一覧(英語版)を参照。

オペラ・舞台作品

  • 《恐るべき子供たち》(1996年)[15]
  • 《ザ・ヴォヤージュ》(1992年)[12]
  • 《夷狄を待ちながら》(2005年)[16]
  • 《アポマトックス》(2007年初版、2015年新版)[17]
  • 《サーカス・デイズ・アンド・ナイツ》(2021年初演)[27]

交響曲

協奏曲

室内楽

  • 《ピアノ・エチュード》(1994–2012年、全20曲)[36]

弦楽四重奏曲

映画音楽

  • 『鳩のトンネル』(2023年、ポール・レナード=モーガンと共同作曲)[44]

テレビ作品

歌曲

著書

  • Music by Philip Glass(1987年初刊、1995年改版)。ロバート・T・ジョーンズの編集・補足による、三部作などについての著書[69]。
  • Words Without Music: A Memoir(2015年)。回想録[41]。

脚注

  1. 1 2 3 4 5 6 高松宮記念世界文化賞受賞時の略歴
  2. 1 2 3 4 5 “Biography”. Philip Glass. 2026年10月28日閲覧。
  3. ↑ John O'Mahony (2001年11月24日). “When less means more | Arts | The Guardian”. www.theguardian.com. 2026年10月28日閲覧。
  4. 1 2 3 4 5 6 7 8 9 “Philip Glass”. www.arts.gov. 2026年10月28日閲覧。
  5. 1 2 3 “Biographie - Philip Glass | Ressources IRCAM”. ressources.ircam.fr. 2026年10月28日閲覧。
  6. 1 2 3 4 5 6 “Philip Glass Ensemble”. www.philipglassensemble.com. 2026年10月28日閲覧。
  7. 1 2 “Company”. Philip Glass. 2026年10月28日閲覧。
  8. 1 2 3 “Music In Twelve Parts”. Philip Glass. 2026年10月28日閲覧。
  9. 1 2 3 4 “Einstein On The Beach”. Philip Glass. 2026年10月28日閲覧。
  10. 1 2 3 “Satyagraha”. Philip Glass. 2026年10月28日閲覧。
  11. 1 2 3 “Akhnaten”. Philip Glass. 2026年10月28日閲覧。
  12. 1 2 “Voyage”. Philip Glass. 2026年10月28日閲覧。
  13. 1 2 3 “Orphée”. Philip Glass. 2026年10月28日閲覧。
  14. 1 2 3 “La Belle Et La Bête”. Philip Glass. 2026年10月28日閲覧。
  15. 1 2 3 4 “Les Enfants Terribles”. Philip Glass. 2026年10月28日閲覧。
  16. 1 2 3 4 “Waiting For The Barbarians”. Philip Glass. 2026年10月28日閲覧。
  17. 1 2 3 4 “Appomattox”. Philip Glass. 2026年10月28日閲覧。
  18. ↑ “久石譲 × LSPX-S2 | 音楽本来の感動を大切にするスピーカー | LOVE MUSIC”. ソニー. 2025年2月6日閲覧。
  19. 1 2 “One Plus One”. Philip Glass. 2026年10月28日閲覧。
  20. 1 2 “Music In Similar Motion”. Philip Glass. 2026年10月28日閲覧。
  21. ↑ Jacques Amblard. “Parcours de l'oeuvre - Philip Glass | Ressources IRCAM”. ressources.ircam.fr. 2026年10月28日閲覧。
  22. ↑ “Another Look At Harmony”. Philip Glass. 2026年10月28日閲覧。
  23. 1 2 “Lucinda Childs: Dance | Whitney Museum of American Art”. whitney.org. 2026年10月28日閲覧。
  24. 1 2 3 “Hydrogen Jukebox”. Philip Glass. 2026年10月28日閲覧。
  25. 1 2 “Symphony No. 6 “Plutonian Ode””. Philip Glass. 2026年10月28日閲覧。
  26. ↑ “Book of Longing”. Philip Glass. 2026年10月28日閲覧。
  27. 1 2 “Circus Days and Nights”. Philip Glass. 2026年10月28日閲覧。
  28. 1 2 3 “Symphony No. 1 “Low””. Philip Glass. 2026年10月28日閲覧。
  29. 1 2 3 “Symphony No. 4 “Heroes””. Philip Glass. 2026年10月28日閲覧。
  30. 1 2 “Symphony No. 12 “Lodger””. Philip Glass. 2026年10月28日閲覧。
  31. ↑ “Symphony No. 3”. Philip Glass. 2026年10月28日閲覧。
  32. 1 2 3 “Symphony No. 5 “Requiem, Bardo, Nirmanakaya””. Philip Glass. 2026年10月28日閲覧。
  33. ↑ “Symphony No. 8”. Philip Glass. 2026年10月28日閲覧。
  34. 1 2 “Concerto: Violin Concerto No.1”. Philip Glass. 2026年10月28日閲覧。
  35. 1 2 “Violin Concerto No.2”. Philip Glass. 2026年10月28日閲覧。
  36. 1 2 3 “Etudes for Solo Piano”. Philip Glass. 2026年10月28日閲覧。
  37. ↑ “Koyaanisqatsi”. Philip Glass. 2026年10月28日閲覧。
  38. ↑ “All films”. Philip Glass. 2026年10月28日閲覧。
  39. ↑ “Kundun”. Philip Glass. 2026年10月28日閲覧。
  40. 1 2 “The Hours”. Philip Glass. 2026年10月28日閲覧。
  41. 1 2 3 4 5 6 “Philip Glass Solo”. Philip Glass. 2026年10月28日閲覧。
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関連項目

外部リンク

関連文献