ブラックベリー
| ブラックベリー | ||||||||||||||||||||||||
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
ブラックベリー | ||||||||||||||||||||||||
| 分類 | ||||||||||||||||||||||||
| ||||||||||||||||||||||||
| 学名 | ||||||||||||||||||||||||
| Rubus fruticosus agg. | ||||||||||||||||||||||||
| 和名 | ||||||||||||||||||||||||
| セイヨウヤブイチゴ(西洋藪苺) ブラックベリー | ||||||||||||||||||||||||
| 英名 | ||||||||||||||||||||||||
| Blackberry European blackberry |
ブラックベリー (blackberry) は、バラ科キイチゴ属の一群の種または1種の低木およびその果実。広義には Rubus 亜属の総称として使う。ただし Rubus 亜属にはブラックベリーのほかにデューベリー類も含まれ、それらはブラックベリーから区別することもある。
名称と分類学的扱い
セイヨウヤブイチゴという和名は、文献によって異なる分類群に用いられている。岡山理科大学の植物資料では、ヨーロッパのブラックベリー類を中心とする種群 Rubus fruticosus agg. に対してこの和名を使用している。一方、日本メディカルハーブ協会の資料では、Rubus fruticosus L.、Rubus armeniacus Focke、Rubus plicatus Weihe & Nees、Rubus laciniatus Willd. のそれぞれに同じ和名が用いられている。
学名に付記される「agg.」は「aggregate(集合・種群)」の略で、単一の種ではなく、近縁の複数種をまとめた分類群を表す。イギリスとアイルランドでは、この種群に属する350種以上の小種が認識されており、交雑、倍数性、無融合生殖(受精を伴わずに種子を形成する繁殖様式)などによって分類が複雑化している。このため、個々の種を特定せず、Rubus fruticosus agg. として記録する場合がある。
一方、Rubus fruticosus L. や Rubus armeniacus Focke は個別の種名である。また、Rubus plicatus Weihe & Nees は、分類体系によって独立種として扱われる場合と、Rubus fruticosus L. の異名として扱われる場合がある。したがって、セイヨウヤブイチゴという和名は必ずしも単一の種を指すものではなく、その分類学的な範囲は文献によって異なる。
植物の学名は国際藻類・菌類・植物命名規約(ICN)に従って定められる。同一の分類体系においては、ある分類群に対して原則として1つの正名が採用されるが、過去に使用された学名が異名(シノニム)として扱われる場合や、分類学的見解の違いによって正名が異なる場合がある。また、和名は学名と必ずしも一対一で対応しない。
セイヨウヤブイチゴは、一般にはヨーロッパのブラックベリー類の代表種 Rubus fruticosus(広義には R. fruticosus agg.)に当てられるが、文献によっては R. armeniacus など他の種にも同じ和名が用いられる。
英語の一般名「ヨーロッパブラックベリー(European blackberry)」にも複数の用法がある。オーストラリアのビクトリア州政府は Rubus fruticosus agg. 全体にこの名称を使用しているが、アメリカ合衆国森林局は個別種の Rubus bifrons Vest に対して使用している。一方、「アルメニアンブラックベリー(Armenian blackberry)」および「ヒマラヤンブラックベリー(Himalayan blackberry)」は、主に Rubus armeniacus Focke を指す。同種はコーカサス地方からイラン北西部を原産とし、イギリスや北アメリカなどに導入されている。
Rubus bifrons と Rubus armeniacus は形態的・遺伝的に類似しており、両者の分類学的な扱いには見解の相違がある。キュー王立植物園の「Plants of the World Online」では、それぞれ独立した種として扱われるが、『Flora of North America』では R. armeniacus を R. bifrons の異名(シノニム)として扱っている。また、Rubus plicatus Weihe & Nees についても、独立種とする見解と、Rubus fruticosus L. の異名とする見解がある。
植物の学名は国際藻類・菌類・植物命名規約(ICN)に従って命名され、分類群の範囲・位置・階級が定められた場合、原則として一つの正名が採用される。ただし、分類学的見解の違いによって採用される学名が異なる場合がある。また、和名や英語の一般名は学名と必ずしも一対一で対応しない。したがって、ブラックベリーやセイヨウヤブイチゴという名称だけでは、対象となる種や種群を一意に特定できない場合がある。
ヨーロッパブラックベリー(European blackberry)という英語の一般名は、文献によって異なる分類群に用いられる。オーストラリアのビクトリア州政府は、ヨーロッパ原産の複数種を含む Rubus fruticosus agg. 全体にこの名称を使用している。一方、欧州地中海植物防疫機関(EPPO)は Rubus fruticosus L. の英名として掲載し、アメリカ合衆国森林局は個別種の Rubus bifrons Vest に対して使用している。したがって、European blackberryという名称だけでは、特定の種や種群を一意に示すことはできない。
狭義のブラックベリー
狭義には、 Rubus 亜属の栽培種セイヨウヤブイチゴ(西洋藪苺、学名 Rubus fruticosus)。ただし Rubus fruticosus をさらに多数の種に分割する説もあり、その場合は狭義のブラックベリーも多数の種の総称になる。
米国中部原産で、落葉半つるである。開花期は5月下旬から6月で、 結実期は7月から8月上旬である。果実は生のまま食べることも出来るが、多少酸味があるためジャムにして食べることも多い。
ブラックベリーの食べ方・調理法
ヨーグルト、クリーム、トースト、パイに添えたり、ジャム、酒、スムージーに加工したり、それらをケーキ、ムースにしたりする。ラズベリー、ブルーベリー、いちご(ストロベリー)と合わせて盛り付け、ベリーベリーと呼ぶこともある。
Rubus 亜属(広義のブラックベリーとデューベリー)
- Rubus 亜属 (Eubatus 亜属) - 広義のブラックベリー (Blackberry) とデューベリー (Dewberry)
- Allegheniensis 節
- Rubus allegheniensis - Allegheny Blackberry
- Arguti 節
- Caesii 節
- Rubus caesius - オオナワシロイチゴ (European Dewberry)
- Canadenses 節
- Rubus canadensis - Canadian Blackberry
- Corylifolii 節
- Cuneifolii 節
- Rubus cuneifolius - Sand Blackberry
- Flagellares 節
- Hispidi 節
- Rubus hispidus - Swamp Dewberry, Bristly Dewberry, Bristly Groundberry, Groundberry, Hispid Swamp Blackberry, Running Swamp Blackberry
- Rubus 節
- Rubus armeniacus - Armenian Blackberry, Himalayan Blackberry
- Rubus fruticosus - 狭義のブラックベリー、セイヨウヤブイチゴ (Common Blackberry) ※さらにいくつかの種に分割されることが多い
- Rubus laciniatus - キレハブラックベリー (Cutleaf Evergreen Blackberry, Evergreen Blackberry)
- Setosi 節
- Ursini 節
- Rubus ursinus - California Blackberry, Pacific Blackberry
- Verotriviales 節
- Allegheniensis 節
水路沿いの生け垣
イギリスでは18世紀以降、水路の建設に伴い、牛や羊などの家畜が曳舟道に侵入するのを防ぐため、水路沿いに生け垣が設けられた。当初は主にトゲのあるサンザシ類が植えられ、その後、ブラックベリーなどの植物も生育するようになった。こうした生け垣は現在も各地の水路沿いに残り、鳥類や昆虫などの生息環境を形成している。
脚注
出典
関連項目