ベニ・アッベス

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ベニ・アッベス
بني عباس
ⴱⴰⵏⵉ ⴰⴱⴱⴰⵙ
ベニ・アッベスとサウーラ川(2010年)
ベニ・アッベスとサウーラ川(2010年)
位置
ベシャール県時代の自治体の位置の位置図
ベシャール県時代の自治体の位置
位置
ベニ・アッベスの位置(アルジェリア内)
ベニ・アッベス
ベニ・アッベス
ベニ・アッベス (アルジェリア)
ベニ・アッベスの位置(地中海内)
ベニ・アッベス
ベニ・アッベス
ベニ・アッベス (地中海)
ベニ・アッベスの位置(アフリカ内)
ベニ・アッベス
ベニ・アッベス
ベニ・アッベス (アフリカ)
座標 : 北緯30度8分0秒 西経2度10分0秒 / 北緯30.13333度 西経2.16667度 / 30.13333; -2.16667
行政
国 アルジェリアの旗 アルジェリア
 県 ベニ・アッベス県
 郡(フランス語版) ベニ・アッベス郡(フランス語版)
 自治体 ベニ・アッベス
地理
面積  
  自治体域 9,797 km2
標高 483 m
人口
人口 (2008年4月14日現在)
  自治体域 10,885人
    人口密度   1.1人/km2
  市街地 9,965人
その他
等時帯 西アフリカ時間 (UTC+1)
夏時間 なし
郵便番号 08002

ベニ・アッベス(بني عباس、ベルベル語:ⴱⴰⵏⵉ ⴰⴱⴱⴰⵙ、ラテン文字表記:Béni Abbès)は、アルジェリアの西部の町・自治体である。ベニ・アッベス県、サウーラ川(英語版)の左岸に位置する。ベニ・アッベス郡(フランス語版)の郡都であり、また2019年12月以降はベニ・アッベス県の県都を兼ねる(アルジェリアでは県名を県都の名称から採っている)[1]。なおそれまではベシャール県に属していた。化石や工芸品などを展示するベニ・アッベス博物館(英語版)がある。

同名の自治体(コムーネ)としての面積は9,797平方キロメートル、人口は約1.1万人(2008年[2])。

語源

ベニ・アッベスはアラビア語でبني عباس(Bani Abbas、意味:アッバスの子供たち)と書く。C.ラメスは著書『Beni-Abbes (Oran Sahara))』の中でこう説明している:『歴史的、地理的、医学的研究(1941年)』によると、この名前の由来は、この街の最初の居住者の部族の名前からきており、「シディ・オスマンの死後40年、遠く離れたサギア・エル・ハムラ(西サハラ)で、ベニ・アッベスの部族のエル・マハディ・ベン・ユセフが生まれた」と記述されている[3]。

この町の語源は、実際には類似したアラビア語のبني العباس(Bani Al Abbas、意味:エル・アッバスの子供たち)に由来する。アブ・サリム・アル=アヤシ(英語版)は自らの手稿『Arrihla al ayachia(1662年)』に「それから私たちはバニ・アル・アッバスの村々に入った......」と記している[4]。

地理

場所

ベニ・アッベスは、サウーラ川左岸の岩山の上に位置する。街の北、東、西はグラン・エルグ・オクシデンタル(英語版)に、南と南西はサウーラ(英語版)の谷に接している[5]。ベニ・アッベス近郊で最も興味深い山々は、南と南西に約50キロ(31マイル)離れたオガルタ山脈(英語版)(オガルタ(英語版)のオアシス周辺)にある[6]。

気候

ベニ・アッベスは暑く乾燥した砂漠気候(BWh、ケッペンの気候区分において)である。通常、雨はほとんど降らないが、時折大雨が降り、サウーラ川で洪水が起こることもある。空は冬も夏もほとんど常に青い。

12月、1月、2月が最も寒い時期で、気温は4℃~18℃。夏の間は、気温が45℃に達することもあり、日中の湿度は約10%である。

ベニ・アッベスの気候
月1月2月3月4月5月6月7月8月9月10月11月12月年
最高気温記録 °C (°F) 29.0
(84.2)
34.3
(93.7)
37.3
(99.1)
39.6
(103.3)
44.4
(111.9)
46.8
(116.2)
47.8
(118)
47.0
(116.6)
44.4
(111.9)
39.0
(102.2)
33.8
(92.8)
28.1
(82.6)
47.8
(118)
平均最高気温 °C (°F) 17.7
(63.9)
21.2
(70.2)
24.5
(76.1)
28.3
(82.9)
33.2
(91.8)
39.0
(102.2)
41.9
(107.4)
41.5
(106.7)
36.6
(97.9)
29.5
(85.1)
22.9
(73.2)
17.8
(64)
29.51
(85.12)
日平均気温 °C (°F) 11.0
(51.8)
14.4
(57.9)
17.9
(64.2)
21.7
(71.1)
26.5
(79.7)
31.8
(89.2)
34.9
(94.8)
34.6
(94.3)
30.1
(86.2)
23.2
(73.8)
16.7
(62.1)
11.6
(52.9)
22.87
(73.17)
平均最低気温 °C (°F) 4.3
(39.7)
7.6
(45.7)
11.3
(52.3)
15.0
(59)
19.8
(67.6)
24.6
(76.3)
27.9
(82.2)
27.6
(81.7)
23.5
(74.3)
16.8
(62.2)
10.4
(50.7)
5.2
(41.4)
16.17
(61.09)
最低気温記録 °C (°F) −5.0
(23)
−1.8
(28.8)
2.0
(35.6)
2.0
(35.6)
9.0
(48.2)
13.4
(56.1)
13.5
(56.3)
18.3
(64.9)
11.0
(51.8)
4.0
(39.2)
0.0
(32)
−1.8
(28.8)
−5
(23)
降水量 mm (inch) 3.1
(0.122)
1.9
(0.075)
1.6
(0.063)
2.4
(0.094)
2.3
(0.091)
0.4
(0.016)
0.5
(0.02)
1.1
(0.043)
1.9
(0.075)
8.6
(0.339)
6.7
(0.264)
6.1
(0.24)
36.6
(1.442)
 % 湿度 43.2 36.3 29.2 25.0 22.7 18.3 15.5 18.0 24.8 34.2 40.1 46.7 29.5
出典1:NOAA (1967-1990)[7]
出典2:climatebase.ru (extremes, humidity)[8]

植物相と動物相

ベニ・アッベス全土はサハラ砂漠の生態系となっている。植物相や動物相はアルジェリアの他の地域ほど広くはないが、様々な植物や生物が発見されている。この暑く乾燥した気候の中で生き延びることができる動植物は、おそらく驚くほど多様である。

サファット地区とヤシの木があるサウーラ川の眺め。

ベニ・アッベスの植生は主に乾燥種で構成されている。ベニ・アッベス近郊には、岩石砂漠、砂砂漠、ワジの3つの異なる地形があり、降雨量の少なさが植物の生育に影響を与えている。

アカシアの木と野生のハーブは、山と岩石砂漠、特にゼルハムラ(英語版)の近くに点在している。この地域の野生のハーブの中には薬用になるものもあり、人々は伝統的に多くの病気の治療に使ってきた。中でも、Ouezouaza(Santolina rosmarinifolea)、Gartofa(Santolina chamaycyparissus)、Shih(Artemisia herba-alba)[9][10]、アッバース料理で肉の代わりに使われるキノコのTerfesse(Terfeziaceae)などが挙げられる[11]。

砂砂漠には優れた砂丘固定植物のRtéme(Retama raetam)が生育している[12]。ワジの主な植物は、塩分土壌に強いフニーネ(タマリックスタマリクス)である。

ベニ・アッベス周辺には、サハラ砂漠地域の動物の多くの種が生息している。

最も重要な哺乳類はドルカスガゼル(Gazella dorcas)とリムガゼル(Gazella leptoceros)であり[13]、両者とも無制御の狩猟によって大きな脅威にさらされている。スナネコ(Felis margarita)、シマハイエナ(Hyaena hyaena)、フェネックギツネ(Vulpes zerda)は、この地域でまれにしか観察されない。この地域で見られるげっ歯類には、スナネズミ(Psammomys obesus)、オオエジプトスナネズミ(英語版)(Gerbillus pyramidum)、リビアスナネズミ(英語版)(Meriones libycus)などがいる。

この地域の爬虫類にはサンドフィッシュ(英語版)(Scincus scincus)やトゲオアガマ属(Uromastyx)などがいる。

ベニ・アッベス周辺で見られる鳥には、イエスズメ(bou-ali)、スペインスズメ(bou-tkelem)[14]、オオタカ(el-béz)[15]、オオハヤブサ(skàr)[16]、コキンメフクロウ(el-bouma)などの猛禽類がいる[17]。

ここ数十年から数百年の間に、干ばつや獲物の不足により、多くの動物種の地域的絶滅が報告されており、例えばダチョウ(al-naàme)[18][19]、チーター(Acinonyx jubatus)などである[20]。

行政と地理

1960年のフランス領アルジェリア(9A~9R)およびサハラ8A(オアシス)~8B(サウーラ)の地図。

ベニ・アッベスは、フランスによる占領中、1902年から1957年まで存在したアイン・セフラ(英語版)の先住民による自治体となった[21][22][23][24]。1935年まで、ティンドゥフはベニ・アッベスの自治体に属していた。

1957年、フランス領サハラ地域の南部に代わってサウーラ県となり、県庁はコロン=ベシャールに置かれた[24]。

アルジェリア独立当時、ベニ・アッベスはベシャール、アドラール、エル・アビオド・シディ・チェイク、ティミムン、ティンドゥフとともにサウーラ県の一地区だった。この配置は1974年に行政区画が2つの県に分割されるまで続いた。アドラール県はティミムン県、ベシャール県はエル・アビオド・シディ・チェイク郡、ベニ・アッベス県、ティンドゥフ県である。

1984年にティンドゥフとエル・バヤードに県としての機能が与えられた新しい行政区画の後も、ベニ・アッベスはベシャール県の一地区であった。2009年、ベニ・アッベスは新しい県として指定された[25]。

歴史

先史時代

南オラニアン(アルジェリア)の岩絵

ベニ・アッベスの地には先史時代から人が住んでいたことが[26]、マルホーマ(英語版)の岩の彫刻で証明されている[27][28]。

この地域のペトログリフは新石器時代にさかのぼる。タッシリ・ナジェールの洞窟壁画ほど有名ではないが、1863年以来研究されている。

マルホーマにあるイデオロギーに関する壁画は、驚くほど複雑な場面を描いている。それは「オラント(祈る人)は頭に十字の円盤を乗せ、哺乳類とつながっている」という場面である。この場面では、オラントは閉じた鎖を形作っている。オラントの祈りは、それぞれ蛇男と猟獣に代表される猟師と神聖な動物の間にリンクを形成している[29]。

交通

国道
空港

脚注

  1. ↑ “Publication de la loi portant la nouvelle organisation territoriale de l'Algérie (JO)”. Algérie Presse Service (2019年12月19日). 2020年9月5日閲覧。
  2. ↑ “Algeria: Béchar”. Citypopulation.de (2017年5月22日). 2020年9月5日閲覧。
  3. ↑ Ramès, C. (1941) (フランス語). Beni Abbès (Sahara oranais): Etude historique, géographique et médicale
  4. ↑ Māʼ al-mawāʼid of ʻAyyāshī, Abū Sālim ʻAbd Allāh ibn Muḥammad, 1628-1679 ISBN 2745170201, 9782745170200
  5. ↑ (フランス語) L’eau dans l’oasis de Béni Abbés : un patrimoine essentiel (Vallée de la Saoura, Sud Ouest algérien)
  6. ↑ (フランス語) Les monts d'Ougarta d'après spot 1 Par André Simonin et Denise Hilt
  7. ↑ “Climate Normals for Beni Abbes”. 14 February 2013閲覧。
  8. ↑ “Beni Abbes, Algeria”. Climatebase.ru. 14 February 2013閲覧。
  9. ↑ (フランス語) Movimondo CATALOGUE DES PLANTES POTENTIELLES POUR LA CONCEPTION DE TISANES Réalisé par Prof. EL Rhaffari Lhoussaine FSTE (Faculté des Sciences et Techniques d’Errachidia) - Equipe Environnement et Santé Archived July 25, 2011, at the Wayback Machine.
  10. ↑ (フランス語) Movimondo Plantes aromatiques et médicinales du haut atlas oriental Archived July 22, 2011, at the Wayback Machine.
  11. ↑ (フランス語) Liste des plantes de Taghit Archived July 13, 2011, at the Wayback Machine.
  12. ↑ (フランス語) Sahara-Nature Retama raetam Archived 2016-09-13 at the Wayback Machine.
  13. ↑ (フランス語) Consulat d'Algérie à métz LA GAZELLE "RYM" DU SAHARA MENACEE DE DISPARITION Archived March 3, 2016, at the Wayback Machine.
  14. ↑ (フランス語) Oiseaux d'algérie par Paul Isenmann et Aissa Moali
  15. ↑ (フランス語) Oiseaux.net Autour des palombes Accipiter gentilis - Northern Goshawk
  16. ↑ (フランス語) Oiseaux.net Faucon lanier Falco biarmicus - Lanner Falcon
  17. ↑ (フランス語) Oiseaux.net Chevêche d'Athéna Athene noctua - Little Owl
  18. ↑ (フランス語) Oiseaux.net Autruche d'Afrique Struthio camelus - Common Ostrich
  19. ↑ (フランス語) Oiseaux.net Autruche d'Afrique Struthio camelus - Common Ostrich (localisation)
  20. ↑ (フランス語) Données préliminaires sur la distribution du guépard (Acinonyx jubatus) dans le Sud Ouest algérien
  21. ↑ (フランス語) Députés de l'Algérie – Saoura from Politiquemania
  22. ↑ (フランス語) Départements d'Algérie entre 1848 et 1962 from Bab-el-Oued Story
  23. ↑ Marcel Laugel, Sur le vif: dépêches oubliées, de la Mauritanie au Yémen. Éditions L'Harmattan, 2008.
  24. 1 2 “Les départements d'Algérie” (フランス語). Le SPLAF (Site sur la Population et les Limites Administratives de la France). 2023年8月7日閲覧。
  25. ↑ (フランス語) List of new wilayas delegated
  26. ↑ (フランス語) le livre : Le Petit Futé Algérie Par Dominique Auzias, Jean-Paul Labourdette, Marie-Hélène Martin
  27. ↑ (フランス語) Bulletin de la Société préhistorique française Année 1956 Volume 53 Numéro 11-12 pp. 722-723
  28. ↑ (フランス語) Jean Chavaillon, Nicole Chavaillon Bulletin de la Société préhistorique française Année 1962 Volume 59 Numéro 7-8 pp. 440-444
  29. ↑ (フランス語) Dialogues d'histoire ancienne : 1981, Volume 7 Par Centre de recherches d'histoire ancienne