マーモット
生息年代: 後期中新世–現世
アルプスマーモット
分類
ドメイン : 真核生物 Eukaryota
界 : 動物界 Animalia
門 : 脊索動物門 Chordata
亜門 : 脊椎動物亜門 Vertebrata
綱 : 哺乳綱 Mammalia
目 : 齧歯目 Rodentia
亜目 : リス亜目 Sciuromorpha
科 : リス科 Sciuridae
亜科 : ジリス亜科 Xerinae
族 : マーモット族 Marmotini
属 : マーモット属 Marmota
学名
Marmota Blumenbach, 1779[1]
タイプ種
Marmota marmota (Linnaeus, 1758)[1]
シノニム

Arctomys Schreber, 1780[1]
Glis Erxleben, 1777[1]
Lagomys Storr, 1780[1]
Lipura Storr, 1780[1]
Marmotops Pocock, 1922[1]
Petromarmota Steppen et al, 1999[1]

亜属・種

マーモットは、齧歯目リス科マーモット属 (Marmota) に分類される動物の総称。

主にアルプス山脈、カルパチア山脈、タトラ山脈、ピレネー山脈、ロッキー山脈、シェラネバダ山脈、ヒマラヤ山脈などの山岳地帯に生息している。ただし、中国東北部からモンゴルにかけての草原に生息するシベリアマーモット(タルバガン)、北米大陸に広く生息するウッドチャックなど、平野部に生息する種もいくつか存在する。

一般に巣穴の中で生活しており、冬季は冬眠する。大部分のマーモットは社会性の高度に発達した動物で、危険が迫るとホイッスルのような警戒音でお互いに知らせ合う。

食性は主に草食性である。草、果実、コケ、木の根、花などを食する。

分類

以下の分類および英名は脚注のない限りMammal Species of the World(3rd ed.)に従うものとする[1]。和名は今泉(1986)に従う[2]。

これに加え、化石から4種の絶滅したマーモットの存在が知られている。

ギャラリー

名前の由来

オックスフォード英語辞典によれば、marmot の直接の語源は近代フランス語の marmotte であり、スペイン語、ポルトガル語、イタリア語などのマーモットを指す言葉 (marmota, marmotta) もフランス語由来である。さらに語源をたどるとロマンシュ語の murmont を経て、ラテン語の murem montis (「山のネズミ」を意味するmus montisの対格)にたどりつく。murmont が marmotte に語形変化したのはおそらくマーモセットを表す古フランス語 marmotte ないし marmot に引きずられたものと思われる。ラテン語の murem montis は他方でドイツ語の murmeltier をはじめ、ゲルマン系言語におけるマーモットにあたる言葉の起源ともなっている。英語における古い用例として、オックスフォード英語辞典では1607年の用例(ある男がアルプスネズミのことをフランス風に Marmot と呼んでいた、という文脈)を紹介している。18世紀ごろに次第に英語での用例がふえ、定着した様子が窺える。

ただし、他の辞書類ではフランス語の「ぶつぶつ言う、もぐもぐ言う」の意味の動詞 marmotter からの派生語といった、別の語源を提示している場合もある[4]。

人間との関わり

脚注

  1. 1 2 3 4 5 6 7 8 9 Thorington, R. W., Jr., and R. S. Hoffman, "Marmota". Mammal Species of the World, (3rd ed.), Don E. Wilson & DeeAnn M. Reeder (ed.), Johns Hopkins University Press, 2005, pp. 799-802.
  2. ↑ 今泉吉典監修 D.W.マクドナルド編 「げっ歯目・ウサギ目・ハネジネズミ目全種名リスト」『動物大百科5 小型草食獣』、平凡社、1986年、155頁。
  3. ↑ Brandler, OV (2003). “On species status of the forest-steppe marmot Marmota kastschenkoi (Rodentia, Marmotinae)”. Zoologičeskij žurnal 82 (12): 1498-1505.
  4. ↑ 小学館ロベール仏和大辞典 (1988) marmotte の項より。
  5. ↑ ヘロドトス『歴史 上』松平千秋訳、岩波文庫 1971年。Peissel, Michel. "The Ants' Gold: The Discovery of the Greek El Dorado in the Himalayas". Collins, 1984. ISBN 978-0-00-272514-9.1971年の邦訳の注でも「マーモットのことと思われる」としているが、ヒマラヤマーモットという種は特定していない。以下の外部リンクも参照。 幻想動物の事典「インド/ピピーラカ」
  6. ↑ 『プリニウスの博物誌 I』中野定雄、中野里美、中野美代訳、雄山閣、1986年、371ページ(第8巻第55節)。
  7. ↑ なお、同箇所に、エジプトにも似たネズミがいて「同じように尻をついていたり、二本脚で歩き前脚を手として使う」という記述があるが、マーモット類はエジプトには分布しておらず、何を指しているかは明らかではない。アリストテレス『動物誌』にもエジプトのネズミについて同様の記述があるが、そちらの注釈ではトビネズミではないかと推測している(岩波文庫、島崎三郎訳 1998年)
  8. ↑ マルコ・ポーロ『完訳 東方見聞録1』愛宕松男訳注、平凡社、2000年、215ページ(第二章74節)。(吉田順一「モンゴル族の遊牧と狩獵 : 十一世紀-十三世紀の時代」『東洋史研究』第40巻第3号、東洋史研究會、1981年12月、512-547頁、CRID 1390290699810852224、doi:10.14989/153834、hdl:2433/153834、ISSN 0386-9059。)『東方見聞録』ではもう一度北方の「カンチ王」の国の記述において「ファラオ鼠も多く、大きなのは豚ほどもあって、住民はこれを夏季の間の食料とする」という記述がある(マルコ・ポーロ『完訳 東方見聞録2』愛宕松男訳注、平凡社、2000年、399ページ、第七章232節)。モンゴル北方にはタルバガンも含め複数のマーモット種が分布しており、それらのマーモットに対する言及と思われる
  9. ↑ インターネット上で「マルコ・ポーロは『Maharaja's Mantit』の中でマーモットについて言及している。」という記述が見られることがあるが、マルコ・ポーロにそうしたタイトルの著作はなく、東方見聞録中の言及についての記事が誤って広まったものと思われる。
  10. ↑ 「マーモット(旅芸人)」の歌詞と解説
  11. ↑ How to say 'guinea pig' in different languages
  12. ↑ 早稲田大学Web展覧会 描かれた生き物たち 前編
  13. ↑ ランケスター他 著『実用動物』(松栄堂, 1897年)、山川均 述『動物界の道徳』(平民科学 ; 第4編) (有楽社, 1908年)、松平道夫 著『珍しい動物の生活』(少年科学叢書 ; 4) (大鐙閣, 1923年) など。いずれも国会図書館の国立国会図書館デジタルコレクションで閲覧することができる。
  14. ↑ ペスト:地域別罹患率・死亡率の検討-2004年~2009年 CDC Travelers' Health, Outbreak Notice(2010年2月18日)2017年3月4日
  15. ↑ Mangiano carne cruda di marmotta, coniugi muoiono di peste bubbonica Corriere della Sera(2019年5月12日)2019年5月12日

関連項目

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