ミヤマカラスアゲハ

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ミヤマカラスアゲハ
分類
界 : 動物界 Animalia
門 : 節足動物門 Arthropoda
綱 : 昆虫綱 Insecta
目 : チョウ目(鱗翅目) Lepidoptera
上科 : アゲハチョウ上科 Papilionoidea
科 : アゲハチョウ科 Papilionidae
亜科 : アゲハチョウ亜科 Papilioninae
属 : アゲハチョウ属 Papilio
種 : ミヤマカラスアゲハ P. maackii
学名
Papilio maackii
Ménétries, 1859
和名
ミヤマカラスアゲハ(深山烏揚羽)

ミヤマカラスアゲハ(深山烏揚羽、Papilio maackii)は、チョウ目アゲハチョウ科に属するチョウの一種。

特徴

蛹で越冬する。春型は大体4 - 5月ごろに羽化した後、活動する。夏型は6 - 7月に羽化して活動する。春型の方が色彩が派手だが小さい。終見日は春型で7月、夏型で10月くらいまでとされている。

カラスアゲハに似る。本種は後翅裏面に白い弓状のラインが現れるが、このラインが完全に消失し、カラスアゲハと区別の難しい個体も存在する。

カラスアゲハと同様に、オスには前翅に黒いビロード状の毛があるが、メスにはない。また、メスはオスに比べて後翅の赤斑が目立つ。

花以外に吸水にも来る。オスは湿地に集団で吸水に来る性質があり、それを狙って採集する人も多い。水分補給は水分だけでなく微量の塩分も摂取するためだと思われるが、吸水に来る理由や吸水集団を形成するのがオスに限定される理由は解明されていない。

食草

ミカン科のキハダ、カラスザンショウ、ハマセンダン、コクサギなどである。栽培種はあまり好まないので、ミカン科野生種の生えている深山に多く見られるが、必ずしも深山の蝶というわけではない。

分類と分布

ミヤマカラスアゲハは、カラスアゲハと同じAchillides亜属に分類されるが、カラスアゲハよりはルリモンアゲハやタカネクジャクアゲハに、より近縁とされる[1]。

日本では北海道から屋久島まで分布する[2]。国外ではサハリン、極東ロシアから朝鮮半島、中国、ミャンマー、チベット、ヒマラヤ東部まで分布[1][3]。中国雲南やチベットの個体群は後ろ翅の表面に白い斑紋を持ち、かつては別種P. syfaniusとされていたが、ミトコンドリアDNA解析により同種とされた[1][3]。これは同所的に分布するジャコウアゲハ類への擬態ではないかと推測されている[1]。

台湾でも一度だけ採集された記録があるが、これは偶産個体で、台湾には分布していないとされている[4]。

保全状況評価

第4次までの環境省のレッドリストには、準絶滅危惧にも選定されていない。

しかし環境省事業のモニタリングサイト1000による、2005年から2017年までのデータを解析したところ、絶滅危惧IA類に相当する減少率が算出され、急激に個体数を減らしていることが示唆されている[5]。

参考文献

脚注

  1. 1 2 3 4 T.Yagi, G. Sasaki and K.Omoto 2006 Phylogeny, biogeography and wing pattern convergence of the subgenus Achillides (Lepidoptera, Papilionidae, Papilio) reveraled by a mitochondrial DNA sequence analysis. 蝶と蛾 57(2):137 - 147
  2. ↑ “ミヤマカラスアゲハ – Machi Eco – まちエコ –”. 2025年8月8日閲覧。
  3. 1 2 青山潤三 2025 中国蝶類図鑑.26頁 南方新社
  4. ↑ Yu-Feng Hsu, Chia-Lung Huang and Jia-Yuan Liang 2018 Butterfly Fauna of Taiwan Vol.1 2nd ed. Council of Agriculture Executive Yuan Forestry of Bureau, pp.146 - 147.
  5. ↑ 石井実 2022 衰退する里山のチョウ類ーモニタリングサイト1000里地調査の結果から 生物の科学 遺伝 76 (2): 118 - 124.

関連項目