モルタル(英: mortar、英語発音: [ˈmɔːrtər])、膠泥(こうでい)とは、砂(細骨材)とセメントと水とを練り混ぜて作る建築材料。
セメントと砂とは重量比にして1:2 - 1:3の割合で混合されることが多い。ペースト状で施工性が良く、仕上材や目地材、躯体の調整などに多く用いられる。
コンクリートと違い、砂利(粗骨材)が入らない。コンクリートと比べ高価で、クリープ現象などの伸縮を起こしやすいため、構造材料として単独で用いられることは少ない。耐火性の物もある。
用途、結合材料、密度および目的に基づいて、使うモルタルの種類は異なる。
かつては日本住宅の外壁材として広く使用されたが、工程が複雑で、施工日数が20日前後かかり高コストであるのと、施工後に亀裂が入りやすいという欠点がある。そのため、大手ハウスメーカーで標準工法としてモルタル壁を採用するのは極めて少数となっており[注釈 2]、サイディングやガルバリウム、タイルなどを標準工法とするハウスメーカーが大半である。モルタル自体は水を通しにくいが、亀裂の問題があるので、施工後に塗装を実施する。
施工の手順として、構造材の上にラス板を固定し防水シートを張る。その上に金網をタッカーで固定し、そこにモルタルを塗っていく。モルタルは2層塗りが標準工法であり、クラック防止にネットを伏せ込むのが標準的工法である。また角についてもクラック防止に下地を練りこむ。モルタルが完全に乾燥したのちに、漆喰や樹脂などによって塗装を行う。塗装も通常2回以上塗られることが多い。
日本でモルタルが盛んに用いられるようになったのは、大正12年(1923年)の関東大震災からである。関東大震災を通じてラスモルタル壁構法が少しずつ普及していき、第二次大戦中には火災を防ぐ目的で、ラスモルタル[注釈 3]による防火改修も行われた。しかし、それもほとんど役に立たず焼け野原になってしまったことで、木造住宅の防火性能の必要が強く認識され、昭和25年の建築基準法では、木造住宅の外壁を大壁としこれにラスモルタルが規定され、この法的規則のもとで全国的普及を見るようになった。
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