上地常夫
| 上地 常夫 うえち つねお | |
|---|---|
| 生年月日 | 1964年7月10日(62歳)[1] |
| 出生地 |
八重山郡与那国町久部良[1] |
| 出身校 | 沖縄県立南風原高等学校[1] |
| 前職 | 地方公務員(与那国町役場)[2] |
| 所属政党 | 自由民主党[3] |
| 当選回数 | 1回 |
| 在任期間 | 2025年8月28日[4] - 現職 |
| 当選回数 | 1回 |
| 在任期間 | 2022年9月28日[5] - 2025年7月31日[6] |
上地 常夫(うえち つねお、1964年〈昭和39年〉7月10日[1] - )は、日本の政治家。沖縄県与那国町長(1期)。
来歴
与那国町久部良出身[1]。沖縄県立南風原高等学校卒業[1]。高校卒業後は与那国島に帰島し、与那国町役場に入庁[9]。入庁後、長寿福祉課長、総務課長、産業振興課長を務め[7][8]、与那国島の自衛隊配備を巡った住民投票の際には総務課長としてその実務を担ったほか[3]、長寿福祉課長として与那国診療所のCTの導入を進めた[8]。
2022年(令和4年)、任期満了に伴う与那国町議会議員選挙に出馬し、同年8月23日に告示され、無投票で初当選[2][10]。町議会では町政野党として活動した[10]。
2025年(令和7年)4月10日、糸数健一町長(当時)の任期満了に伴う町長選挙への出馬を表明し[1]、同年7月31日、与那国町議会議員を辞職[6]。上地の辞職に伴い、上地の欠員を補充する補欠選挙が町長選挙と同日に実施されることとなった[6]。選挙戦では島における自衛隊の増強が争点の1つとなり、現職の糸数が賛成の立場に回った一方で、上地は増強に理解は示しつつも慎重な姿勢を示し、町民への理解が必要だとして防衛省に説明を求める考えを示した[11][12]。また、島の地域医療や福祉の問題も争点に上がり、これに関して上地は町内の医療体制の確立に意欲を示し、与那国診療所の医師や町内唯一の薬局の薬剤師が不在となること、町内の特別養護老人ホーム、幼稚園、保育園が職員不足により閉鎖・閉園が相次いでることなどを理由に糸数町政への批判を展開し、糸数を「国防は一生懸命やるが、生活の不安を解消できていない」などと評した[13][14]。同年8月24日、町長選挙が投開票され、上地が現職の糸数と新人の田里千代基を破り、初当選[13][14]。同年8月28日、与那国町長に就任[4]。
※当日有権者数:1,342[15]人 最終投票率:90.83[15]%(前回比:
0.2pts)
| 候補者名 | 年齢 | 所属党派 | 新旧別 | 得票数 | 得票率 | 推薦・支持 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 上地常夫[15] | 61 | 無所属 | 新 | 557票 | 46.5% | |
| 糸数健一[15] | 72 | 無所属 | 現 | 506票 | 42.2% | |
| 田里千代基[15] | 67 | 無所属 | 新 | 136票 | 11.3% |
当選後、上地は報道各社の取材に対して自身を自衛隊容認派と評した一方で、自衛隊増強への慎重な姿勢を崩さず、防衛省によるミサイルの配備計画に関しては「機能の説明を受けて判断する」と従来の考えを堅持した[3]。また、医療体制については沖縄県に無医地区への対応を求めたほか、与那国診療所に医師を派遣している地域医療振興協会との意見交換に意欲を示した[3]。同年9月12日には町議会の定例会で所信表明を行い、医療・福祉対策として、与那国診療所の県立化を検討すること、医療従事者の人材確保に向けて住居を整備すること、閉鎖した特別養護老人ホームを町が無償譲渡を引き受ける形で与那国町社会福祉協議会と連携して再開させることなどを掲げた[16]。
町政
安全保障
上地は2025年の町長選挙において、政府が進める「防衛力の南西シフト」や島における防衛強化策について慎重な姿勢を示し[11][15]、現状の人員規模で運営することが好ましいとした[3]。その中でもミサイルの配備計画については機能の説明を受けてから判断するとし、陸上自衛隊と在日米海兵隊による実働訓練「レゾリュート・ドラゴン25」については明確に反対した[4][3]。他方で、自衛隊員やその家族の移住については好意的な姿勢を示し、隊員の子どもと島の子どもが学校教育を通して切磋琢磨できるなどの教育上のメリットや、自衛官の家族が町内の保育所に勤務した例を挙げて保育士の人材の確保に繋がるなど、自衛隊関係者の移住によるメリットに期待感を示した[3]。
その後、「レゾリュート・ドラゴン25」は上地がHIMARSやオスプレイの使用に否定的な考えを示したことを受け、米軍が当該訓練で両装備を展開することを取りやめるなど、訓練規模を縮小することとなり[17]、与那国駐屯地内における衛生訓練のみに留まることとなった[17][18]。
ミサイル配備については2026年(令和8年)2月24日に小泉進次郎防衛大臣が2030年度を目処に防空ミサイルを配備する計画を発表し、2026年に新設される対空電子戦部隊の体制を整えたうえで、03式中距離地対空誘導弾(通称、中SAM)を運用する防空ミサイル部隊を新設する考えを示した[19]。同年4月13日、上地は小泉進次郎防衛大臣と会談し、その中で上地は「これ以上の部隊配備は慎重にならざるを得ない」としながらも、中SAMの配備については異を唱えないと小泉に伝えた[20]。
医療・福祉
上地は町長就任後の所信表明において、与那国診療所の県立化を検討すること、医療従事者の人材確保に向けて住居を整備すること、閉鎖した特別養護老人ホームを町が無償譲渡を引き受ける形で与那国町社会福祉協議会と連携し、「生活支援ハウス」として再開させること、公設民営方式で歯科医師を誘致させることなどを掲げた[16]。
与那国診療所
与那国診療所は2011年(平成23年)から公益社団法人地域医療振興協会が指定管理者として与那国町に医師を派遣していたが[21]、長期滞在が可能な医師の確保が難しいことや台湾有事に対する懸念などを理由に2025年(令和7年)1月に翌2026年3月の契約期限をもって撤退する方針を示した[21][22]。この事態の対応として、上地は与那国診療所の県立化などを主張した[16]。
与那国診療所の県立化については、2025年(令和7年)12月1日に上地が玉城デニー沖縄県知事と会談し、診療所の県立化を要請[23]。その後、沖縄県と協議を重ねて2026年4月以降は琉球大学の医師を派遣する方向で調整することになった[24]。その上で上地は診療所を町直営とする場合は維持が困難であるとし、県立化を今後も要望していく考えを示した[24]。2026年(令和8年)1月には那覇市の医療法人「博鳳会」が指定管理者となる見通しとなったが[25]、同年3月に指定管理者を辞退[26]。翌4月からは新たに指定管理者となった医療法人ライフケア読谷が運営を開始し、医師2人体制で診療にあたることとなった[27]。また、同年10月からは退職する常勤医師の穴埋めとして琉球大学から医師1人が派遣されることとなった[27]。
生活支援ハウス
閉鎖した老人ホーム「月桃の里」を「生活支援ハウス」として再開する計画について、上地は町への建物の所有権移転が2026年(令和8年)2月9日付で完了したことを同年3月の町議会定例会で報告[28]。その上で建物の老朽化が激しいことから同年4月から改築することとし、建物内部は個室型に改修し、ショートステイ含めて約18床確保する方針を示した[28]。運営形態については、社会福祉協議会による「生活支援ハウス」の運営という従来の方針を堅持し、建物内に残っている備品の扱いについて前の運営団体と協議していく考えを示した[28]。
脚注
出典
- 1 2 3 4 5 6 7 “与那国町長選、上地町議が出馬表明「町民中心の政治を」 8月任期満了 沖縄”. 琉球新報デジタル. 琉球新報社. 2025年4月11日. 2026年9月15日閲覧.
- 1 2 “沖縄・与那国町議選は無投票当選が確定 統一地方選2022【当選者の一覧】”. 沖縄タイムスプラス. 沖縄タイムス社. 2022年8月24日. 2026年9月21日閲覧.
- 1 2 3 4 5 6 7 “「自衛隊は島に合った配備を」 医療協会とは初登庁から調整 上地氏当選インタビュー 与那国町長選”. 沖縄八重山日報. 沖縄八重山日報社. 2025年8月27日. 2026年9月21日閲覧.
- 1 2 3 “来月の日米訓練、上地氏「反対」 政府はハイマース初展開検討 与那国町”. 沖縄八重山日報. 沖縄八重山日報社. 2025年8月28日. 2026年9月15日閲覧.
- ↑ “[沖縄]与那国町議選、無投票で10人の顔ぶれ決まる”. 政治山. VOTEFOR (2022年8月24日). 2026年9月21日閲覧。
- 1 2 3 4 “与那国町長選で上地町議が辞職 同日補選実施へ”. 沖縄タイムスプラス. 沖縄タイムス社. 2025年8月2日. 2026年9月21日閲覧.
- 1 2 “人事・与那国町”. 琉球新報デジタル. 琉球新報社. 2022年3月31日. 2026年9月21日閲覧.
- 1 2 3 “〈ルポ・日本最西端の地「与那国島」〉島民たちに聞いた「国境の島で生きる」ことの意味とは? 島民の生活に欠かせない 医療インフラをどう守るか”. Wedge ONLINE. ウェッジ (2026年3月27日). 2026年9月21日閲覧。
- ↑ 山田厚史 (2025年9月5日). “与那国島・町長選が示した民意 島民が判断できる情報を『山田厚史の地球は丸くない』第296回”. ニュース屋台村. 2026年9月21日閲覧。
- 1 2 “与那国町議選 無投票に 与党と野党・中立同数 現職7、新人3人当選”. 沖縄八重山日報. 沖縄八重山日報社. 2022年8月24日. 2026年9月21日閲覧.
- 1 2 “沖縄 与那国町長選挙 新人の上地常夫氏 初当選”. NHK ONE. 日本放送協会. 2025年8月25日. 2026年9月21日閲覧.
- ↑ “与那国町長選、上地氏が現職破り初当選 自衛隊増強めぐる最西端の島”. 朝日新聞. 朝日新聞社. 2025年8月25日. 2026年9月21日閲覧.
- 1 2 “沖縄県与那国町長選挙、現職の糸数健一氏敗れる 「国防優先」に批判”. 日本経済新聞電子版. 日本経済新聞社. 2025年8月24日. 2026年9月21日閲覧.
- 1 2 “日本最西端の沖縄・与那国町長選、防衛強化に慎重の新人初当選 国の政策に影響も”. 産経ニュース. 産経デジタル. 2025年8月24日. 2026年9月21日閲覧.
- 1 2 3 4 5 6 “沖縄県与那国町長選挙、上地常夫氏が現職ら破り初当選…保守系だが国の防衛強化策への訴えで革新票取り込む”. 読売新聞オンライン. 読売新聞東京本社. 2025年8月25日. 2026年9月21日閲覧.
- 1 2 3 “上地町長、初の所信表明 医療体制確立など重点政策に”. 八重山毎日新聞. 株式会社八重山毎日新聞. 2025年9月13日. 2025年9月13日時点のオリジナルよりアーカイブ. 2026年9月21日閲覧.
- 1 2 “日米実動訓練 与那国で規模縮小 米軍ハイマースなど取りやめ 町の意向が〝待った〟”. 八重山毎日新聞. 株式会社八重山毎日新聞. 2025年9月6日. 2025年9月6日時点のオリジナルよりアーカイブ. 2026年9月21日閲覧.
- ↑ “与那国島の日米訓練縮小を伝達 沖縄防衛局「総合的に検討」 町長「町民の声届いた」”. 琉球新報デジタル. 琉球新報社. 2025年9月5日. 2026年9月21日閲覧.
- ↑ “与那国島の防空ミサイル、2030年度に陸自配備 台湾有事念頭に”. 日本経済新聞電子版. 日本経済新聞社. 2026年2月24日. 2026年9月21日閲覧.
- ↑ “小泉防衛相、対艦艇用のミサイル「配備計画ない」 与那国町長に伝達”. 日本経済新聞電子版. 日本経済新聞社. 2026年4月13日. 2026年9月21日閲覧.
- 1 2 “来年4月から医師不在の恐れ 診療所指定管理者が撤退意向 与那国町”. 沖縄八重山日報. 株式会社沖縄八重山日報. 2025年5月28日. 2026年9月28日閲覧.
- ↑ “日本最西端の離島・沖縄県与那国町で医師不在の危機…「台湾有事」懸念などで来春以降に派遣元が撤退方針”. 読売新聞オンライン. 読売新聞東京本社. 2025年8月20日. 2026年9月29日閲覧.
- ↑ “沖縄・与那国町長、診療所の県立化を要請 玉城知事、オンライン診療など環境整備を示唆”. 沖縄タイムスプラス. 沖縄タイムス社. 2025年12月1日. 2026年9月21日閲覧.
- 1 2 “「医師不在」危機の日本最西端・与那国島、来年度以降も医師確保へ 町長「県立化を」”. 産経ニュース. 産経デジタル. 2025年12月5日. 2026年9月21日閲覧.
- ↑ “与那国島唯一の診療所、運営先が決定 4月以降の医師ゼロを回避”. 日本経済新聞電子版. 日本経済新聞社. 2026年1月28日. 2026年9月21日閲覧.
- ↑ “「医師不在危機」の与那国島、読谷の医療法人が診療所運営へ 那覇の法人は辞退”. 琉球新報デジタル. 琉球新報社. 2026年3月10日. 2026年9月21日閲覧.
- 1 2 “与那国町診療所に琉大医師 10月退職の後任、地域枠で確保へ ライフケア読谷と「二枚看板」”. 八重山毎日新聞. 株式会社八重山毎日新聞. 2026年4月24日. 2026年9月21日閲覧.
- 1 2 3 “与那国町議会3月定例会”. 八重山毎日新聞. 株式会社八重山毎日新聞. 2026年3月17日. 2026年9月22日閲覧.
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