不斉合成

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不斉合成(ふせいごうせい)は、化学的な処理過程のひとつ。光学活性(キラリティー)な物質を作り分けることである。

原理

光学活性な物質は、分子構造が非対称なために鏡写しの構造を採った分子(エナンチオマー)が元の分子と異なる物質である。

これらは化学反応性や物性がほぼ等しく分離に困難を伴うが、生体に対する作用は全く異なる場合がある。そのため、鏡写しの分子のうちで有用な物質を選択的に化学合成する方法が、医薬品や農薬の開発に大きく貢献した。

合成

光学活性な化合物の合成手法は、ジアステレオ選択的な方法とエナンチオ選択的な方法がある。

ジアステレオ選択的な方法は、すでに不斉の要素を持つ化合物に対して反応を行い、一方のジアステレオマーを優先的に合成する方法である。

エナンチオ選択的な方法は、不斉の要素を持たない化合物に対して反応を行い、一方のエナンチオマーを優先的に合成する方法である。

不斉要素を持たない化合物のエナンチオ選択的還元反応で、不斉な配位子を持つ金属錯体を触媒として有用な方法を開発して、野依良治は2001年にノーベル化学賞を受賞した。

不斉合成のほかに光学活性な化合物を得る方法は、ラセミ体に対して光学活性な基質を反応させてジアステレオマー化して分離し、光学活性な化合物を単離する方法(ジアステレオマー塩法)や、ラセミ体のうち一方と選択的に反応させて光学的に純粋な原料と生成物を得る方法(速度論的分割)などがある。

エナンチオ選択的不斉合成反応では基質の側鎖を少し変化させただけで、選択性(異性体の片方が過剰にできる割合)が劇的に変化する。モデル化合物で選択性の高い反応を発見しても有用な化合物の生産には貢献せず、不斉触媒を用いるよりも、エナンチオマーの等量混合物であるラセミ体を合成して分離するほうが、手間を省いて安価になる場合もある。

関連項目

外部リンク