五代十国時代の銭貨

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五代十国時代の銭貨(ごだいじっこくじだいのせんか)では、中国の五代十国時代にその各王朝で鋳造・発行された銭貨について記す。

五代十国時代は政治的割拠のため、経済は王朝ごとに封鎖的であり、各王朝が独自の貨幣を鋳造・発行することが多かった。また銅銭の他、鉄銭や鉛銭が発行されたり、小平銭(1文銭)の他、当十(10文銭)や当百(100文銭)などの額面の大きい銭や、更に南唐では二当一(半文銭、銭子)の小型銭が発行されたりし、この時代の中国の各王朝の貨幣は多様であった。

周通元宝/周元通宝や唐国通宝(銅製小平銭)など、日本でも渡来銭として流通したものもある。

一覧

  • この一覧では、新字体と旧字体等の違いは無視した。
  • 形状は特記しないものは円形方孔銭。
  • 残存量は、大量>較少見>少見>較罕見>罕見>極罕見で示してある。
発行王朝 名称(面文) 背文 材質 貨幣価値 残存量 備考
後唐天成元宝 銅小平銭(1文)罕見天成は発行当時の元号。
後晋天福元宝 銅小平銭(1文)較少見天福は発行当時の元号。
後漢漢元通宝 / 漢通元宝 銅小平銭(1文)大量開元通宝 / 開通元宝 の開の字だけを置き換えたもの。日本でも渡来銭として流通。
後周周元通宝 / 周通元宝 銅小平銭(1文)大量顕徳2年(955年)鋳造開始。同じく開元通宝 / 開通元宝 の開の字だけを置き換えたもの。日本でも渡来銭として流通。
前蜀永平元宝 銅小平銭(1文)較少見いずれも銭文の前半の2字は発行当時の元号。日本でも渡来銭として流通。
通正元宝 銅小平銭(1文)較少見
天漢元宝 銅小平銭(1文)較少見
光天元宝 銅小平銭(1文)大量
乾徳元宝 銅小平銭(1文)大量
咸康元宝 銅小平銭(1文)大量
後蜀大蜀通宝 銅小平銭(1文)罕見国号を冠した銭。史書に記載なし。明徳年間に鋳造開始されたと思われる。
広政通宝 銅小平銭(1文)罕見広政は発行当時の元号。広政の初期に鋳造開始されたと思われる。
広政通宝 鉄小平銭(1文)罕見広政18年(955年)、後周に攻め立てられ軍費調達のために鋳造開始。
広政通宝 鉛小平銭(1文)罕見鋳造開始年は不明。
呉越開元通宝 銅小平銭(1文)(銅鉛比価不明)不明史書に鋳造記録が残されているが、現物の外見上唐時代に鋳造されたものと区別できないものと思われる。
開元通宝 鉛小平銭(1文)(銅鉛比価不明)大量小型で私鋳銭の可能性がある。
閩開元通宝閩鉄大銭(当鉛銭十、当銅銭二)較少見
開元通宝閩鉛大銭(当鉛銭十、当銅銭二)較少見
開元通宝殷鉄大銭(当鉛銭十、当銅銭二)罕見
開元通宝閩・福鉛小平銭(1文)大量背文の「福」は福州大都督府を表す。
永隆通宝閩鉄大銭(当鉛銭十→当百)較罕見永隆は発行当時の元号。
天徳通宝 銅大銭(当鉛銭百)罕見天徳は発行当時の元号。
天徳重宝殷銅大銭(当鉛銭百)罕見
天徳重宝殷鉄大銭(当鉛銭百)罕見
楚乾封泉宝天策・天府・天・策銅大銭(当鉛銭百)少見唐朝銭の銭銘を使用。
乾封泉宝天策・天府・天・策鉄大銭(当鉛銭百)少見
天策府宝 銅大銭(当鉛銭百)罕見「天策」は封号。
天策府宝 鉄大銭(当鉛銭百)罕見
乾元重宝 銅小平銭(当鉛銭十)罕見唐朝銭の銭銘を使用。
開元通宝月・星・潭鉛小平銭(1文)大量
南漢乾亨通宝 銅小平銭(当鉛銭十)罕見乾亨は発行当時の元号。
乾亨重宝 銅小平銭(当鉛銭十)少見
乾亨重宝無背・邕鉛小平銭(1文)大量
開元通宝金・南・宝・興・数字鉛小平銭(1文)大量桂州のみで出土。
五五金・南・宝・興・数字鉛小平銭(1文)較少見桂州のみで出土。銭銘の「五五」は六朝五銖の銭銘のバリエーションの一つ。
乾元重宝 鉛小平銭(1文)較少見桂州のみで出土。唐朝銭の銭銘を使用。
南唐保大元宝天銅当五(5文)極罕見保大は発行当時の元号。
保大元宝天鉄当五(5文)極罕見
唐国通宝 銅当五(5文)極罕見
唐国通宝 銅当二(2文)罕見
唐国通宝 銅小平銭(1文)大量交泰元年(958年)鋳造開始。真書・篆書の2種あり。日本でも渡来銭として流通。
唐国通宝 銅二当一(半文、銭子)大量周辺王朝および私鋳の鉛銭・鉄銭と等価とされた。
唐国通宝 鉄小平銭(1文)較罕見
唐国通宝 鉛二当一(半文、銭子)極罕見
開元通宝 銅小平銭(1文)大量唐朝銭と異なる点は文字が篆書となっていることである。日本でも渡来銭として流通。
開元通宝 銅当二(2文)極罕見
開元通宝 銅二当一(半文、銭子)極罕見
開元通宝 銅当十(10文)少見
大唐通宝 銅小平銭(1文)大量日本でも渡来銭として流通。
大唐通宝 鉄小平銭(1文)大量
永通泉貨 銅当十(10文)極罕見銭銘は吉語から採用。隷書。
永通泉貨 銅当五(5文)罕見銭銘は吉語から採用。篆書。
永通泉貨 鉄大銭(当銅銭十)罕見銭銘は吉語から採用。
桀燕永安一十 銅当十(10文)少見銭銘は吉語からきている。
永安一百 銅当百(100文)少見
永安五百 銅当五百(500文)罕見
永安一千 銅当千(1000文)較罕見
永安一十 鉄当十(10文)少見
永安一百 鉄当百(100文)少見
永安五百 鉄当五百(500文)罕見
永安一千 鉄当千(1000文)少見
順天元宝十鉄当十(10文)罕見
順天元宝百鉄当百(100文)罕見
順天元宝千鉄当千(1000文)少見
貨布三百銅当三百(300文)罕見春秋戦国時代の布銭を模倣した形状の王莽銭の一つである「貨布」をそのまま母銭として利用して鋳造した貨幣。
貨布三百鉄当三百(300文)罕見
応聖元宝拾銅当十(10文)極罕見銭銘は吉語からきている。
乾聖元宝百銅当百(100文)極罕見
応天元宝万銅当万(10000文)極罕見銭銘の応天は発行当時の元号。五代十国時代の諸貨幣の中で額面価値が最も高い。
五銖 鉄小平銭(1文)少見隋五銖をそのまま母銭として利用して鋳造した貨幣。
北漢漢元通宝 / 漢通元宝 銅小平銭(1文)大量後漢発行のものと同形式。

関連項目

外部リンク