伊是名夏子
伊是名 夏子 | |
|---|---|
| 生誕 |
1982年(43 - 44歳) |
| 最終学歴 |
早稲田大学第一文学部 香川大学大学院教育学研究科 |
| 代表作 | 『ママは身長100cm』(2019年) |
伊是名 夏子(いぜな なつこ、1982年 - )は、日本のコラムニスト。沖縄県出身。先天性の骨形成不全症があり、電動車いすを使用している[1]。障害のある人の日常や子育て、社会制度、バリアフリーなどを題材に執筆し[2]、琉球新報では「100センチの視界から-あまはいくまはい-」を連載している[3]。著書に『ママは身長100cm』がある[4]。
来歴
生い立ち・教育
1982年、沖縄県に生まれる。出生時から骨形成不全症があり、幼少期には骨折や手術を繰り返した[1]。小学校・中学校は沖縄県立鏡が丘養護学校(現在の特別支援学校)に通ったのち、沖縄県立首里高等学校へ進学した[1][5]。
高校卒業後、早稲田大学第一文学部へ進学するため上京した。大学在学中にはアメリカ合衆国やデンマークへの留学を経験した[6][1]。その後、香川大学大学院教育学研究科で特別支援教育を学び、骨形成不全症の女性への聞き取り調査などに取り組んだ[1]。
執筆活動
2000年代、デンマーク留学中にブログで文章を書き始め、その後、沖縄の新聞への寄稿につながった[2]。以後、新聞やウェブメディアなどで、障害のある人の生活、子育て、教育、社会制度などを題材に執筆するようになった[2]。
2016年ごろには東京新聞への寄稿を始め、掲載されたコラムが同じ新聞グループの媒体にも掲載されるようになった[2]。琉球新報では「100センチの視界から-あまはいくまはい-」を連載し、自身の日常や子育て、障害者を取り巻く社会環境などについて執筆している[3]。
2019年5月、初の単著『ママは身長100cm』を刊行した[4]。同書について、琉球新報は同年9月に書評を掲載した[7]。2020年には第6回沖縄書店大賞の沖縄部門で3位となった[8]。
社会活動
2021年2月21日、社会民主党の常任幹事に就任した[10]。2025年3月、同職を退任した[11]。
2021年10月、石川優実、菱山南帆子、山田亜紀子とともに、インターネット上の誹謗中傷の防止や被害者支援を目的とする「Online Safety For Sisters」を立ち上げ、法整備などを求める活動を始めた[12]。
JR来宮駅での車いす利用をめぐる議論
2021年4月1日、伊是名は子どもや介助者らと旅行中、小田原駅でJR東日本の係員に対し、伊東線の来宮駅で降車することを申し出た。来宮駅は無人駅で、ホームと改札口との間に階段があり、JR東日本によれば、係員を直ちに確保できなかったことから、当初はバリアフリー設備のある熱海駅での下車を案内したという[13]。
その後、JR東日本側が調整を続けた結果、熱海駅で4人の係員を確保し、一行に同行して来宮駅での降車を介助した。帰路についても係員4人が対応した[13]。
伊是名は4月4日、自身のブログで一連の対応を「乗車拒否」と表現して公表した。これを契機に、車いす利用者への合理的配慮や事前連絡のあり方などをめぐり、インターネット上で議論が起きた[14]。
JR東日本は朝日新聞GLOBE+の取材に対し、「乗車を拒否する意図はなかった」と説明し、即座に人員を確保できなかったため熱海駅での下車を勧めたとしている。一方、小田原駅で明確な案内ができなかった点については謝意を示し、今後の案内方法を検討するとした[13]。
国土交通省は同媒体の取材に対し、個別の事案については詳細を把握していないとして、合理的配慮として適切な対応であったかどうかの判断を控えた。その一方、無人駅であっても障害者を含む利用者が安全かつ円滑に利用できるよう、鉄道事業者に対応を求めているとの見解を示した[15]。
同月、社会民主党はこの問題について声明を発表し、JR東日本に謝罪などを求めた。JR東日本横浜支社はJ-CASTニュースの取材に対し、伊是名の要望を受けながら合理的配慮を提供したとの認識を示すとともに、説明が十分でなく誤解を招いた点があれば謝罪すると回答した[16]。
著書
- 『ママは身長100cm』ディスカヴァー・トゥエンティワン〈ハフポストブックス〉、2019年5月。ISBN 978-4-7993-2460-8[4]
脚注
- 1 2 3 4 5 『週刊女性』編集部「身長100cm、体重20kgの2児の母が力説「障害者にこそ子育てをすすめたい」」『週刊女性PRIME』主婦と生活社、2018年3月3日。2026年9月8日閲覧。
- 1 2 3 4 栃尾江美 (2020年10月13日). “私にしか書けないことを「共感」につなげて/コラムニスト 伊是名夏子”. Business Insider Japan. 2026年9月8日閲覧。
- 1 2 “100センチの視界から-あまはいくまはい-”. 琉球新報デジタル. 琉球新報社. 2026年9月8日閲覧。
- 1 2 3 “ママは身長100cm”. 国立国会図書館サーチ. 国立国会図書館. 2026年9月8日閲覧。
- ↑ “【現代の肖像】コラムニスト・伊是名夏子 「門前払い」をはねのけて生きる <AERA連載> | AERA DIGITAL(アエラデジタル)”. AERA DIGITAL(アエラデジタル) (2019年7月18日). 2026年9月19日閲覧。
- ↑ “伊是名夏子さん「ママは身長100cm」インタビュー 私流、見つければできる”. 好書好日. 朝日新聞社 (2019年8月3日). 2026年9月8日閲覧。
- ↑ 伊藝梓「『ママは身長100cm』 「がんばらない」強さ」『琉球新報』2019年9月22日。2026年9月8日閲覧。
- ↑ “第6回「沖縄書店大賞」決まる”. 新文化|WEB本の雑誌 (2020年4月23日). 2026年9月8日閲覧。
- ↑ “AERA 2019年4月29日-5月6日合併号”. 朝日新聞出版. 朝日新聞出版. 2026年9月8日閲覧。
- ↑ 「骨が弱い障がいのため電動車いすで生活し子育て中 沖縄出身のコラムニストが社民党の常任幹事に」『沖縄タイムス』2021年2月22日。2026年9月8日閲覧。
- ↑ “【第14回全国代表者会議】参院選の必勝を誓い合う~国政政党の要件を必ず死守”. 社会民主党. 社会民主党 (2025年3月24日). 2026年9月8日閲覧。
- ↑ 関根和弘 (2021年10月11日). “SNSの誹謗中傷に4人の女性が声を上げた 防止の法制化など目指すグループ結成”. 朝日新聞GLOBE+. 2026年9月8日閲覧。
- 1 2 3 関根和弘 (2021年4月12日). “「乗車を拒否する意図はない」JR東が強調 電動車いす利用者への対応問題”. 朝日新聞GLOBE+. 2026年9月8日閲覧。
- ↑ 関根和弘 (2021年4月12日). “「わきまえる障害者になりたくない」JR東の対応に声上げた、車いすの伊是名夏子さん”. 朝日新聞GLOBE+. 2026年9月8日閲覧。
- ↑ 関根和弘 (2021年4月12日). “「詳細把握しておらず…」国交省の見解は? 電動車いす利用者へのJR対応問題”. 朝日新聞GLOBE+. 2026年9月8日閲覧。
- ↑ 「社民党がJRに「謝罪要求」声明、伊是名夏子さん「車イス乗車拒否」で 広報に見解を聞いた」『J-CASTニュース』2021年4月27日。2026年9月8日閲覧。
外部リンク
- コラムニスト伊是名夏子ブログ
- 伊是名夏子 (@izenanatsuko) - X(旧Twitter)
- 伊是名夏子 (@izenanatsuko) - Instagram
- 「100センチの視界から-あまはいくまはい-」 - 琉球新報デジタル