僕の名はパリエルム・ペルマール
| 僕の名はパリエルム・ペルマール | |
|---|---|
| Pariyerum Perumal | |
| 監督 | マーリ・セルヴァラージ |
| 脚本 | マーリ・セルヴァラージ |
| 製作 | パー・ランジット |
| 出演者 |
カディル アーナンディ |
| 音楽 | サントーシュ・ナーラーヤナン |
| 撮影 | シュリーダル |
| 編集 | セルヴァー・R・K |
| 製作会社 | ニーラム・プロダクションズ |
| 配給 |
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| 公開 |
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| 上映時間 | 153分 |
| 製作国 |
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| 言語 | タミル語 |
| 興行収入 | ₹55,000,000[1] |
『僕の名はパリエルム・ペルマール』(ぼくのなはパリエルム・ペルマール、Pariyerum Perumal)は、2018年のインドのタミル語ロマンティックドラマ映画。マーリ・セルヴァラージが監督・脚本を務め[2]、主要キャストとしてカディル、アーナンディ、ヨーギ・バーブ、リンゲーシュ、ハリ・クリシュナン、G・マーリムットゥが出演している。同級生に恋をした青年がカーストを理由に執拗な迫害を受ける姿を通して、カースト制度の問題点を描いた作品であり、ティルネルヴェーリとトゥーットゥックディで撮影された。映画は批評家から絶賛され、フィルムフェア賞 タミル語映画部門作品賞を始めとした多くの映画賞を受賞している。
ストーリー
ティルネルヴェーリ近郊のプリヤンクラム村に暮らす青年パリエルム・ペルマール(パリヤン)は下層カーストに所属しており、彼らを忌避する人々によって愛犬カルッピを殺されてしまう。その後、パリヤンは敬愛するビームラーオ・アンベードカルのような弁護士になることを夢見てティルネリヴェーリ公立法科大学に入学し、アンバサムドラム出身のジョーティ(ジョー)と親しくなり、彼女に英語を教えてもらいながら学生生活を送っていた。2人は次第に想いを寄せるようになるが、ジョーの従兄弟サンカラリンガムは下層カースト出身のパリヤンがジョーと親しくなることに嫌悪感を抱いていた。そんなある日、ジョーは姉の結婚式にパリヤンを招待し、家族に彼を紹介しようとするが、出席したパリヤンはサンカラリンガムたちから暴行され、ジョーの父からは下層カースト出身であることを理由に彼女との縁を切るように強要され、式場から追い出されてしまう。
翌日、パリヤンは事情を知らないジョーから結婚式を欠席したことを咎められる。事実を打ち明けられないパリヤンは自暴自棄となり、酩酊状態で講義に出席して騒ぎを起こしてしまう。学長から呼び出されたパリヤンは父を連れてくるように指示され、別人を父に仕立て上げて学長からの叱責をやり過ごす。数日後、異変に気付いた教授がパリヤンとジョーの仲を取り持とうとするが、パリヤンは和解を拒否する。その後、サンカラリンガムたちの嫌がらせを受けたパリヤンは女子トイレに閉じ込められてしまい、再び学長に呼び出されてしまう。再度父を連れてくるように指示されたパリヤンは、女装ダンサーとして活動する実父を連れてくる。事情を知った学長はパリヤンの無実を理解し、学業に専念して差別に立ち向かうように激励する。学長室を後にしたパリヤンは、先に退出した父がサンカラリンガムたちの嫌がらせを受け、ドウティを剥ぎ取られて追いかけまわされる姿を目撃する。パリヤンは路上に倒れ込んだ父を病院に連れて行き治療を受けさせる。一方、ジョーから事情を聞いた父はサンカラリンガムの行き過ぎた行為を咎めるが、サンカラリンガムは「ジョーがパリヤンと結ばれれば、自分たちのカーストが汚され、カーストから追放される」と反論し、名誉殺人を請け負っている老人にパリヤンの殺害を依頼する。老人は報酬を支払おうとするサンカラリンガムたちを制止し、「この仕事は神の定めに従い行っているものだから報酬はいらない。失敗した時は潔く命を絶つ」と返答する。
パリヤンはサンカラリンガムたちに復讐しようと考えるが、母から止められてしまう。母から迫害は自分たちが生涯を通して何度も経験したことであり、暴力では何も解決しないことを諭され、パリヤンは復讐を思い留まる。病院を後にしたパリヤンはジョーと再会し、互いの想いを再認識して和解する。その様子を見ていた老人はパリヤンを説得することを諦め、彼を病院の外に誘い出して襲撃する。老人は気絶したパリヤンを線路に放置して列車に轢かせようとするが、カルッピの幻を観て意識を取り戻したパリヤンは線路から脱出し、再び襲い掛かってきた老人と、様子を見にきたサンカラリンガムたちを目にし、激怒しながら彼らを殴り倒す。その後、パリヤンは車の中で様子を見ていたジョーの父に詰め寄り、「今のあなたの人生はパリヤンからの贈り物だ。自分がジョーに真実を告げれば、彼女はあなたに失望して命を絶つだろう」と告げ、その場を立ち去る。一方、殺害に失敗した老人は線路に飛び込み、宣言通りに自ら命を絶つ。
数日後、何も知らないジョーはパリヤンに父を紹介する。彼女がお茶を買うために席を離れると、父はパリヤンに対して、これまでの行為を謝罪する。彼は柔和な態度で「明日にはないかが変わっているかも知れない」とパリヤンに話しかけるが、パリヤンは「同じ人間を犬のように扱う、その気持ちが変わらない限り、何も変わらない」と返答する。ジョーが戻ってくると2人は会話を切り上げ、お茶を飲み終えるとジョーと共に席を立ち、その場を後にする。
キャスト
- パリエルム・ペルマール(パリヤン) - カディル
- ジョーティ・マハーラクシュミ(ジョー) - アーナンディ
- アーナンド - ヨーギ・バーブ
- サンカラリンガム(リング) - リンゲーシュ
- パリヤンの先輩 - ハリ・クリシュナン
- 代理父 - シャンムガラージャン
- ジョーの父 - G・マーリムットゥ
- 学長 - プー・ラーム
- 名誉殺人請負人 - カラテ・ヴェンカテーサン
- 教授 - リジー・アントニー、スガンティ・ナチヤール
- ジョーの兄 - ラグー
- パリヤンの母 - ジャーナキ
- パリヤンの父 - ワンナーラッペーッタイ・タンガラージ
- R・K・ラージャー - スペルグッド・スブラマニ
- 「Engum Pugazh Thuvanga」歌曲シーン出演 - アントニー・ダーサン
製作
企画
2016年10月に映画製作会社ニーラム・プロダクションズを設立したパー・ランジットは2本のドキュメンタリー映画を手掛けた後[3]、同年12月に長編映画『僕の名はパリエルム・ペルマール』の製作を発表し、ラームのもとで長年助監督を務めていたマーリ・セルヴァラージが監督に起用された[4]。物語はセルヴァラージが手掛けた短編集『Thamirabaraniyil Kollapadathavaragal』と『アーナンダ・ヴィガダン』に連載されていた『Marakave Ninaikiraen』を参考にしており[5]、主要スタッフとしてシュリーダル(撮影監督)、セルヴァー・R・K(編集技師)、ラーム(美術監督)が起用された[6]。
キャスティング
セルヴァラージは主演の2人について、「私は、ある種の純粋さと無垢さを映し出す顔を求めていたんだ。その条件をカディルとアーナンディは完璧に満たしていたんだ」と語っている[7]。カディルによると、『僕の名はパリエルム・ペルマール』の企画を知ってセルヴァラージに直談判して出演を勝ち取ったという[8]。当初、セルヴァラージはパリヤン役には『Paradesi』で主演を務めたアダルヴァーを検討していたが、スケジュールの都合で出演を断られている[9]。アーナンディの描写は『生と死と、その間にあるもの』でシュウェータ・トリパーティーが演じたキャラクターを参考にしており[10]、当初はアヌパマ・パラメーシュワランの起用が検討されていたが、こちらもスケジュールの都合で出演を断られている[11]。また、パリヤンの愛犬として登場するカルッピは雑種の設定であるが、出演した犬はチッピパライ・ハウンドであり[12]、セルヴァラージはカルッピについて「この映画は偶然にも彼女の旅から始まり、彼女の旅で終わりを迎える」と語っている[13]。
撮影
2017年1月から主要撮影が始まり[14]、ティルネルヴェーリとトゥーットゥックディを中心に行われた[6]。2018年3月に撮影は終了し[6]、11月にはメイキング映像が公開され、物議を醸した大学内での嫌がらせのシーンの撮影秘話が明かされた[15]。
音楽
背景音楽とサウンドトラックの作曲は、ランジット作品の常連作曲家であるサントーシュ・ナーラーヤナンが手掛けており[16]、2018年9月9日にサウンドトラックがリリースされた[17]。
公開
2018年2月14日にプロモーションポスターが公開され、ポスターには首輪とリードで繋がれた犬の背景に複数の人影が描かれていた[18]。当初の公開日は同年3月を予定していたが、VPFの値上げを巡るナディガル・サンガムとデジタルサービス・プロバイダーの対立が長期化したことに伴い延期された[19]。6月には予告編が公開されて幅広い称賛を集め[20][21]、9月28日から劇場公開された[22]。中央映画認証委員会からは「U(全年齢対象)」認定を受けたものの、音声が2か所削除するように指示されている[23]。『僕の名はパリエルム・ペルマール』は121劇場で上映されたものの、注目度の高い『Chekka Chivantha Vaanam』と競合したこともあり上映スクリーン数は少なかったものの[24]、観客からの好評を得て次第に上映回数と上映館数は増加していった[25]。10月12日からはカルナータカ州での上映が始まり[26]、同月26日からはケララ州でも上映が始まった[27]。また、11月11日からはAmazon Prime Videoでの配信が始まり[28]、2019年には第1回ニューヨーク・ダリット映画文化祭で『生と死と、その間にあるもの』『カーラ 黒い砦の闘い』『ファンドリー』と共に上映されたほか[29]、第49回インド国際映画祭でも上映されている[30][31]。
評価
興行収入
批評

『僕の名はパリエルム・ペルマール』は批評家から高い評価を得たほか[33]、M・K・スターリンを始めとする多くの映画関係者からも絶賛されている[34][35][36]。『ザ・ヒンドゥー』のシュリーニヴァーサ・ラーマヌージャンは「この映画はカースト制度に対する強い主張を盛り込んでおり、暗いテーマを採用することも容易だったが、希望を保つことを選んでいる。クライマックスは作中で最も感動的なシーンの秘湯である。今年観る映画が1本のみだとしたら、それは間違いなく『僕の名はパリエルム・ペルマール』だろう」と批評し[37]、『ザ・タイムズ・オブ・インディア』のM・スガーントは4/5の星を与えて「『僕の名はパリエルム・ペルマール』はカースト制度を批判した痛烈なドラマである」と批評したほか[38]、『デカン・クロニクル』のアヌパマ・スブラマニヤンも4.5/5の星を与えて「『僕の名はパリエルム・ペルマール』は、あなたの期待を大きく上回る作品であり、絶対に見逃せない映画です!」と絶賛している[39]。また、『インディア・トゥデイ』のキルバカル・プルショーッタマンは4/5の星を与えて「この不穏な映画で起きる出来事のすべてが、我が国で過去に起きたこと、今も起きていること、そしてこれからも起きることだと気付いた時、『僕の名はパリエルム・ペルマール』には一層胸を締め付けられるのだ」と批評し[40]、『ニュース・ミニット』のアンジャナ・シェーカルは「"傑作"や"画期的な作品"という言葉で映画を縛り付けるのは、実に簡単なことだ。しかし、その言葉の枠を超えて踏み込む映画は数少なく、『僕の名はパリエルム・ペルマール』はその中の一つである。タミル語映画がカースト描写を振り返り始めている今。そして、より重要なことにその描写を書き直そうとしている今、『僕の名はパリエルム・ペルマール』はその輝ける存在と呼ぶに相応しい作品だ」と絶賛している[41]。
『フィルム・コンパニオン』のバラドワジ・ランガンは3.5/5の星を与えて「この映画は、抑圧された若者が自分の居場所を切り開いていく姿を描いた力強くも冷静なドラマである」と批評し[42]、『Sify』は3.5/5の星を与えて「『僕の名はパリエルム・ペルマール』は、新人監督マーリ・セルヴァラージによる芸術的傑作であり、彼は高尚な意図がありながらも、説教臭いプロパガンダ映画に帰着してしまう多くの監督たちにとって、非常に高い基準を作り出したのだ」と批評したほか[43]、『シネマ・エクスプレス』のアシャミーラー・アイヤッパンも4/5の星を与えて「この映画が物事を白か黒かで描き切らなかったからこそ、その隠された意図は痛烈なまでに輝きを放っているのだ」と批評している[44]。また、『ファーストポスト』に寄稿したラヴィチャンドラン・バトランは「『僕の名はパリエルム・ペルマール』は素晴らしい映画だ。だが、この映画は反カースト作品ではないし、かと言ってカースト主義的でもない。むしろ、一般的な差別の形態について論じており、その中で過去のカースト暴力の記憶を想起させているだけに過ぎない。そして、最終的にはカースト制度の中に解決策を見出そうとしているのだ」と批評したほか[45]、『インディアン・エクスプレス』のマノージュ・クマール・Rは「『僕の名はパリエルム・ペルマール』は、偏在するカースト制度の問題点を解決するのが決して容易ではないことを示している。しかし、それが不可能なことではないことも示している」と批評している[46]。
受賞・ノミネート
| 映画賞 | 授賞式 | 部門 | 対象 | 結果 | 出典 |
|---|---|---|---|---|---|
| チェンナイ国際映画祭 | 2018年12月20日 | 作品賞 | 『僕の名はパリエルム・ペルマール』 | 受賞 | [47] |
| アーナンダ・ヴィガダン映画賞 | 2019年1月5日 | 監督賞 | マーリ・セルヴァラージ | 受賞 | [48] |
| 原案賞 | |||||
| コメディ男優賞 | ヨーギ・バーブ | ||||
| 音楽監督賞 | サントーシュ・ナーラーヤナン | ||||
| ノルウェー・タミル映画祭賞 | 2019年4月25-28日 | 作品賞 | 『僕の名はパリエルム・ペルマール』 | 受賞 | [49] |
| 監督賞 | マーリ・セルヴァラージ | ノミネート | |||
| プロダクション賞 | パー・ランジット | ||||
| 音楽監督賞 | サントーシュ・ナーラーヤナン | 受賞 | |||
| エジソン賞 | 2019年2月17日 | 作品賞 | 『僕の名はパリエルム・ペルマール』 | 受賞 | [50] |
| トゥールーズ・インド映画祭 | 2019年4月15日 | 審査員特別賞 | 受賞 | [51] | |
| 観客賞 | |||||
| FCCIデビュー作品賞 | |||||
| 第8回南インド国際映画賞 | 2019年8月16日 | 作品賞 | 受賞 | [52] [53] | |
| 審査員特別賞 | カディル | ||||
| 作詞家賞 | ヴィヴェーカー 「Pottakattil Poovasam」 |
ノミネート | |||
| 音楽監督賞 | サントーシュ・ナーラーヤナン | ||||
| 新人監督賞 | マーリ・セルヴァラージ | ||||
| 第66回フィルムフェア賞 南インド映画部門 | 2019年12月21日 | 作品賞 | 『僕の名はパリエルム・ペルマール』 | 受賞 | [54] [55] |
| 監督賞 | マーリ・セルヴァラージ | ノミネート | |||
| 音楽アルバム賞 | サントーシュ・ナーラーヤナン | ||||
| 作詞賞 | ヴィヴェーカー 「Pottakati Poovasam」 | ||||
| タミル・ナードゥ州映画賞 | 2026年2月13日 | 第1位作品賞 | 『僕の名はパリエルム・ペルマール』 | 受賞 | [56] |
| 監督賞 | マーリ・セルヴァラージ | ||||
レガシー
重要なキャラクターとして登場する犬のカルッピは観客の間で人気を集め[12][57]、Dogeにも使用されている[58]。なお、カルッピ役を演じた犬は2024年11月に事故に遭い死んでいる[59]。また、物語の展開は『Colour Photo』にも影響を与えている[60]。
リメイク
2024年にカンナダ語リメイク版『Karki』が公開され[61]、2025年にはヒンディー語リメイク版『Dhadak 2』が公開されている[62]。
出典
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