北鎌倉隧道

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座標: 北緯35度20分18秒 東経139度32分40秒 / 北緯35.3382度 東経139.54442度 / 35.3382; 139.54442

2013年5月20日撮影、大船側から

北鎌倉隧道(きたかまくらずいどう)は、神奈川県鎌倉市山ノ内にあるJR横須賀線北鎌倉駅脇の尾根に位置する素掘りのトンネル[1][2]。正式名称は北鎌倉隧道であるが[3]、北鎌倉トンネルとも称され[1]、俗に「緑の洞門」[2]ともいう。2015年(平成27年)4月に通行禁止となった[3]。

概要

2015年4月26日(閉鎖2日前)撮影、鎌倉側から; 通行禁止を通知する鎌倉市の立看板が掲出されている(画面左側)

鎌倉市によると長さ7メートル、高さ約1.9メートル、幅は平均で約2.7メートルである[1](新聞記事では長さ約10メートルとするものもある)[2]。素掘りのトンネルで北鎌倉駅が開業した1927年(昭和2年)頃に掘られたとされる[2]。

1988年(昭和63年)にトンネルの大船側で大規模な崩落が発生し、鎌倉市が安全対策を地元に提案したが、一部の市民から景観面で反対意見が出たため事業着手には至らなかった[3]。1988年当時はトンネル部分は旧国鉄と旧建設省が所有し、鎌倉市の所有部分は無かったが、2004年度(平成16年度)に鎌倉市が国土交通省から隧道部分の土地所有権を譲与され市道として整備された[3]。

トンネル周辺は権利関係が複雑で、入口部分が近隣住民の私有地で、尾根部分を円覚寺とその塔頭の雲頂庵が所有している[2]。また、トンネル下には横須賀市の水道管が埋設されている[2]。

生活道路や通学路として利用されていたが[1]、2015年(平成27年)3月31日に鎌倉市は公益財団法人神奈川県都市整備技術センターから崩落のおそれがあり緊急に対策を講じる必要があると報告を受けた[1][3]。そのため、同年4月28日に鎌倉市は道路法第46条に基づき通行禁止とした[3]。

2016年8月11日には、トンネルの鎌倉側坑口の上部や山側の岩塊が剥落して落下した[3]。

開削をめぐる議論

尾根を描いているとされる「境内坪数幷諸建物絵図」(1791年作成、尾根は画面左下)。

北鎌倉街道をめぐっては過去の崩落のほか、救急車や消防車などの緊急車両が通行できない点が問題とされた[2][3]。そのため、2010年(平成22年)10月7日に地元自治会などから「北鎌倉駅ホーム脇道路の安全対策に関する要望書」が出された[3]。その後、2013年(平成25年)12月に安全対策協議会が設置され、翌年11月に開削工法の工事を進めることが確認された[3]。

一方で山の尾根部分は14世紀の「円覚寺境内絵図」(国指定重要文化財)や18世紀の「境内坪数幷諸建物絵図」に描かれている[3]。

そのため市民の中には景観保全を求める声もあり、2014年(平成26年)12月の鎌倉市議会では「北鎌倉駅裏トンネル安全対策の早期実現を求める陳情」が採択される一方、「緑の洞門(北鎌倉駅沿いの岩塊・トンネル)の保存を求める陳情」が継続審査となった[3]。

開削工事は2016年4月4日に着工(準備工)したが、4月14日には一時休止となった[3]。同年5月に文化庁は尾根の文化財的価値を検討するよう指導し、同年7月に鎌倉市文化財専門委員会は国指定史跡への指定を図るべきとの意見を示した[2][3]。

これらを受けて市は保存に方針を転換したが、2014年に地元町内会などとの話し合いで開削工事で合意していたため、近隣住民の反発を受け、開削工事を求めてきた地権者との交渉も膠着状態となっているとされる[2]。

北鎌倉駅の対応

北鎌倉駅に設置された臨時改札口(2026年10月18日撮影)

通行禁止の対応により、隧道を通学路として利用していた神奈川県立大船高等学校の生徒らが迂回を余儀なくされた。このため、鎌倉市がJR東日本に要望し、同年6月、北鎌倉駅の下りホーム大船寄りに臨時改札口が設置された。当初は通学時間帯の午前7時30分から8時30分までに限られ、出場専用であった[4]。

通行禁止の長期化に伴い、地域住民や通学生の利便性を改善するため、鎌倉市の費用負担により臨時改札口が改修され、2017年4月5日から利用時間が午前6時30分から午後9時30分までに拡大された。また、交通系ICカードによる入出場が可能となり、乗車駅証明書発行機も設置された[5]。臨時改札口は隧道の安全対策工事が終了するまでの暫定措置とされ、駅のホームを通り抜けるために利用することはできない[6]。

2024年には、鎌倉市が隧道の安全対策工事の着手までに時間を要する見込みであるとして、臨時改札口の開設期間延長に係る債務負担行為を補正予算案に盛り込んだ。設定期間は2024年度から2026年度までで、限度額は3,600万円とされた[7]。

脚注

  1. 1 2 3 4 5 北鎌倉トンネル、工法3案まとまる 議会報告へ 神奈川新聞、2019年2月13日。
  2. 1 2 3 4 5 6 7 8 9 北鎌倉「緑の洞門」閉鎖10年、見えぬ解決 撤去か保存か、市は板挟み 神奈川新聞、2025年10月16日。
  3. 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 一般社団法人日本トンネル技術協会「北鎌倉隧道安全対策検討業務委託 第1回委員会資料」 鎌倉市、2016年11月10日。
  4. ↑ “北鎌倉駅 ホームに仮改札設置へ 時間延長、乗車も可能に”. タウンニュース. タウンニュース社. 2016年12月9日. 2026年10月21日閲覧.
  5. ↑ “JR北鎌倉駅 下りホームに臨時改札口 トンネル通行止め受け設置”. タウンニュース. タウンニュース社. 2017年4月7日. 2026年10月21日閲覧.
  6. ↑ “JR北鎌倉駅臨時改札口の開設について”. 鎌倉市. 鎌倉市 (2020年10月13日). 2026年10月21日閲覧。
  7. ↑ “令和6年 市議会12月定例会提案予定議案(補正予算・一般会計7号)” (PDF). 鎌倉市. p. 11 (2024年). 2026年10月21日閲覧。

関連項目

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