双葉学園みのり

ウィキペディアから、無料の百科事典
双葉学園みのり
児童養護施設「双葉学園みのり」の外観
児童養護施設「双葉学園みのり」の外観
創立者 西田 好之助
団体種類 社会福祉法人
設立 2018年4月
所在地 福岡県北九州市八幡西区
西川頭町3番5号
北緯33度51分34.5秒 東経130度46分46.8秒 / 北緯33.859583度 東経130.779667度 / 33.859583; 130.779667座標: 北緯33度51分34.5秒 東経130度46分46.8秒 / 北緯33.859583度 東経130.779667度 / 33.859583; 130.779667
法人番号 1290805000512
主要人物 施設長 山崎強
活動地域 福岡県北九州市
活動内容 児童養護施設の運営
従業員数 32名(2020年7月現在)
親団体 双葉会
ウェブサイト https://futaba-minori.com/
テンプレートを表示

双葉学園みのり(ふたばがくえんみのり)は、福岡県北九州市八幡西区にある児童養護施設。

概要

基本理念

基本理念として、「児童の基本的人権の尊重を第一義とし、将来児童が一人の人間として、社会に適応出来るべく、基本的生活習慣と社会生活のルールを身につけさせます。又、適切な進路指導を行い、将来子どもたちが豊かで幸福な生活を営むことが出来るよう、最大限の援助を行います。併せて、措置費の効率的運用により円滑な施設運営を行います。」と公式ホームページで明らかにしている[1][2][3]。

処遇・養育目標

処遇目標として、「職員の豊かな愛情と技術により、家庭的雰囲気の中で明るく、伸び伸びと生活させ、情緒の安定を図ります。」及び、「児童の自主性を尊重し、善悪に対する判断力、年上への尊敬の念、弱者への労りの心を育てます。」と公式ホームページで明らかにしている[1][2][3]。

養育目標として、「正しい言葉使いの励行。」「スポーツを通じての協調性の涵養。」「進学のための環境づくりと学習指導。」の3点を公式ホームページで挙げている[1][2][3]。

入所資格・人数

当該施設は児童福祉施設(児童福祉法)の一つであることから、入所できる児童は福岡県北九州市内に住む2歳から概ね18歳の児童(延長措置あり)で、保護者のいない児童、又は虐待されている児童、もしくはその他環境上養護を要する児童に限られる(児童福祉法41条[1])。

当該施設に入所できる児童の定員は45名である[1]。当該施設の2019年度における平均入所者数は、39.7名(稼働率88.2%)であったものの、2022年度における平均入所者数は36.9名(稼働率82%)となっている[4]。

措置費の減額

児童養護施設ではいわゆる「定員9割ルール[注釈 1]」により、施設の運営費にあたる措置費が減額されるルールがある。たとえば、定員充足率90%未満の状況での入所児童が39名から3名減り36名になった場合、入所児童の生活費等(退所した児童の年齢により1名あたり月額約5.5 - 6.5万円×3名)、職員の人件費等(1名弱分減額 - 減額なし)が減額となるため、双葉学園みのりでは年間で約200万円から600万円程度の措置費が減額される計算となる[5][6]。

職員数

当該施設に勤務する職員数は32名(常勤30名、非常勤2名)である。そのうち資格を有する施設職員は、保育士16名、栄養士1名、看護師1名、心理士1名となる(2020年7月現在[1])。

ただし、当該施設の入所児童の半数が発達障害児であるが、経験の浅い若手のケースワーカー(保育士・児童指導員)が多いため、第三者評価機関から経験豊富な職員の採用が必要であると指摘されている[2]。

施設・設備

施設をいくつかのユニットに分けて、ユニット毎に玄関、バルコニー、リビング、キッチンなどを設置し、家庭に近い環境整備に取り組んでいる。入所児童用の居室は46室、親子生活訓練室1室、幼児室2室、ディールーム1室がある。主な設備としては、厨房1室、食堂1室、倉庫6室、リビングダイニング6室、浴室7室、トイレ22か所、宿直室2室及び洗濯室2室がある。このほかに心理療法室、医務室、相談室、静養室、会議室、事務室、保育士室、学習室及び施設長室などを備えている[1][2]。

また、当該施設は施設の食堂を地域の会合に提供しているほか、災害時には近隣の住民の避難場所に指定されている[1][2]。

特徴的な取組

双葉学園みのりでの特徴的な取組としては次のものが挙げられる。

  • メーキャップアーティストの永島吏枝子を施設に招いて、メーク講座を2021年11月に開催している[7]。
  • 野球、バレーボール、ドッジボールを通し協調性の涵養、規則正しい生活習慣を身に付けさせている[2]。
  • 佐賀県で2024年に開催された第23回全国障害者スポーツ大会の個人競技部門(陸上競技2名・フライングディスク1名)に3名の入所児童が出場した[8]。
  • 地域行事に積極的に参加して地域と連携している[2]。
  • 意見箱や児童会を設置し、入所児童の希望に添うようにしている[2]。

歴代の施設長

双葉学園みのりの歴代の施設長は次のとおりである[1]。

  • 初代 - 西田孝子(2018年4月就任。鈴木貴美子の母)
  • 2代 - 奥村長作(2020年2月就任)
  • 3代 - 三舩󠄁里佳(2020年8月就任)
  • 4代 - 山崎強(2025年4月就任、現在に至る)[9]

関連施設

地域小規模児童養護施設

地域小規模児童養護施設(グループホーム)とは、戸建住宅を改装した小規模な児童養護施設で(定員:6名程度)、入所児童の一部が児童養護施設(本園)から少々離れた一般住宅などにおいて、家庭的な雰囲気のなかで共同生活をする。双葉学園においては、学園の理念に基づくとともに、施設開設町内会規約等を遵守し、「子どもは地域において育成される。」という観点に立ちながら、積極的に近隣住民との良好な関係を築く運営を行っている[3]。

双葉学園及び双葉学園みのりでは次の3つの地域小規模児童養護施設(グループホーム)を開設した[3]。

  • 壱葉(いちは):2022年4月、女子児童6名
  • 弐葉(にいは):2023年9月、男子児童5名
  • 参葉(みつは):2023年9月、男子児童6名
  • コスモス:2025年2月、女子児童6名[9]

児童家庭支援センター

児童家庭支援センターとは、全国に130ヶ所以上ある子育て中の家庭を対象とした相談事業所である。相談は電話のほかLINE(匿名可能)でも可能で、双葉会における年間の延べ相談件数は、2020年が2000件以上、2021年が3000件以上となっている。双葉会では2000年に北九州市役所の委託を受けて、双葉学園(本園)の1階において女性2名体制で設立した[1][10][11]。

運営法人・親団体

運営法人

双葉学園みのりの運営法人は、福岡県北九州市小倉南区(双葉学園内)に本部を置く社会福祉法人双葉会で、1954年(昭和29年)1月に法人設立認可を受け、2026年度(令和8年度)で72年目を迎える[1]。

双葉会の主力事業は、「地域に根ざした福祉サービスを提供します。」をモットーに、介護老人福祉施設「双葉苑」、地域密着型介護老人福祉施設「第二双葉苑」及び「ふたばのその」(いずれも施設長は西田二郎[12][13])などで展開する高齢者福祉事業である。その他の事業としては保育事業、児童福祉事業、駐車場事業がある[14]。

双葉会の創立者及び歴代理事長は、次のとおり。

  • 創立者 - 西田好之助(1945年就任)
  • 初代理事長 - 西田サン(1954年就任)
  • 第2代理事長 - 西田稔夫(1957年就任)
  • 第3代理事長 - 西田孝子(2017年就任・鈴木貴美子の母)
  • 第4代理事長 - 真名子放弦(2018年就任)
  • 第5代理事長 - 高原堅次(2019年就任)
  • 第6代理事長 - 柏木修(2020年就任)
  • 第7代理事長 - 窪田秀樹(2024年6月就任、現在に至る)

親団体

親団体の双葉学園は、第二次大戦直後の1945に戦災孤児収容所として開設されたのを起源とし、80年以上の歴史がある児童養護施設である。平成後期における当該施設は、21部屋の児童用居室をようする大舎制(最大時の定員:100名以上)であったが、2023年の9月からの大規模改修工事を実施したことにより、施設を全面的をユニット(原則6名以下の生活単位)化した。加えて、一時保護専用施設、地域子育て支援拠点を新設するなどして、多機能・高機能化を実現した[15]。

双葉学園の歴代の施設長は次のとおり。

  • 初代施設長 - 西田好之助(1945年就任)
  • 第2代施設長 - 西田サン(1947年就任)
  • 第3代施設長 - 西田稔夫(1957年就任)
  • 第4代施設長 - 鈴木貴美子(2017年就任・解任後は指導員)
  • 第5代施設長 - 下田俊(2020年就任)
  • 第6代施設長 - 田中秀憲(2025年就任、現在に至る)

歴史

  • 1945年 - 西田好之助が戦災孤児収容所を福岡県北九州市小倉南区で創立した[1][16]。
  • 1947年 - 西田好之助施設長が退任し、その後任に西田サンが就任した[1]。
  • 1948年 - 児童福祉法により養護施設として認定され、児童入所定員は30名となった[1]。
  • 1951年 - 施設の増築工事により児童入所定員は50名となった[1]。
  • 1953年 - 前年の施設の増築工事により児童入所定員は75名となった[1]。
  • 1954年 - 施設の運営法人の双葉会が社会福祉法人となった[1][16]。
  • 1955年 - 施設の増築工事により児童入所定員は100名となった[1]。
  • 1957年 - 西田サン施設長が退任し、その後任に西田稔夫が就任した[1]。
  • 1992年 - 分園型自活訓練事業を開始した[1]。
  • 1995年 - 現在地において施設の新築工事が完了した[1]。
  • 1996年
    • 双葉学園の西田稔夫施設長が藍綬褒章を受章した[17]。
    • 男子野球部が福岡県児童福祉施設球技大会で優勝した[18]。
  • 1998年 - 女子バレー部が九州地区児童福祉施設球技大会で優勝した[19]。
  • 1999年 - 女子バレー部が福岡県児童福祉施設球技大会で優勝した[20]。
  • 2000年
    • 女子バレー部が福岡県児童福祉施設球技大会で優勝した[21]。
    • 施設で男性職員甲が入所男子児童を虐待し、被害児童が入院していたことが発覚した[22][23]。
    • 女子バレー部が九州地区児童福祉施設球技大会で2年ぶり2度目の優勝をした[24]。
  • 2001年 - 男子野球部及び女子バレーボール部が福岡県児童福祉施設球技大会で共に優勝した[25]。
  • 2004年 - 施設の児童入所定員は110名となった[1]。小規模グループケアを開始した[1]。
  • 2014年
    • 男子野球部が九州地区児童福祉施設球技大会で優勝し、北橋健治市長を表敬訪問した[26]。
    • 施設の男性職員Xが入所男子児童(小学生)に対して性的虐待をした[27]。
  • 2017年
    • 施設の男性職員Yが入所女子児童に対して性的虐待をしたことが発覚した[14][28][29]。
    • 双葉学園の西田稔夫施設長が退任し、その後任に西田孝子が就任した[1]。
    • 補助金等約6000万円の不正受給が発覚した[30][31]。
  • 2018年
    • 4月 - 新設された双葉学園みのりの初代施設長に西田孝子が就任した[1]。
    • 8月 - 双葉学園みのりの開設費約1400万円につき関係書類をほぼ紛失していた[32]。
    • 9月 - 西田孝子施設長は規定に基づかず自身の給料を昇給させた[33]。施設の男性職員Xが入所男子児童(中学生)に対して性的虐待をした[34][35]。
    • 12月 - 職員Xが入所男子児童(小学生)に対して性的虐待をした[36][37]。児童相談所は入所男子児童を保護し、精神病院に措置入院させた[38]。
  • 2019年
  • 2020年
    • 2月 - 西田孝子は双葉学園みのりの施設長を解任され、その後任に奥村長作が就任した[1][14]。鈴木貴美子は双葉学園の施設長を解任されたが、双葉学園みのりに児童指導員として入職した[14]。児童虐待をした男性職員Uが諭旨免職となった[14]。
    • 8月 - 双葉学園みのりの奥村長作は施設長を退任し、その後任に三舩󠄁里佳が就任した[1]。
  • 2021年
    • 2月 - 双葉学園は、鈴木貴美子指導員(元双葉学園施設長)に対して793万円の支払いを求める不当利得返還請求訴訟を福岡地方裁判所小倉支部に提起した[56]。
    • 12月 - 福岡県弁護士会が入所児童に対する人権侵害があるとして、双葉学園側に対して人権救済勧告を執行した[14][57][58]。
  • 2022年4月 - 双葉学園の分園として戸建住宅を改装した地域小規模児童養護施設「壱葉」を開設した[59]。
  • 2023年9月 - 双葉学園の分園として戸建住宅を改装した地域小規模児童養護施設「弐葉」・同「参葉」を開設した[59]。
  • 2024年
    • 3月 - 双葉学園みのりの男性職員乙が性的姿態撮影処罰法違反の容疑で逮捕された[60]。
    • 4月 - 双葉学園の施設の一部は、鈴木貴美子の兄(元双葉会理事で市議)の選挙用資材によって占拠されていることから、双葉学園側は選挙資材の撤去を求めたが当該兄はこれを拒否したことが判明した[61]。
    • 8月 - 福岡地方裁判所小倉支部は、双葉学園側の請求のとおり鈴木貴美子に793万円の支払いを命じた[62]。
    • 10月 - 第23回全国障害者スポーツ大会の個人競技部門に3名の入所児童が出場した[8]。
  • 2025年
    • 2月 - 双葉学園みのりの分園として、地域小規模児童養護施設コスモスが開設された[9]。
    • 4月 - 双葉会の理事会は前年の判決を受け、鈴木貴美子の退職を決議したことから、同人は2025年4月、兄弟が施設長を務める双葉会の特別養護老人ホームにおいて事務員として入職した[63]。
  • 2026年
    • 4月 - 前年度の監査において、山崎強施設長が条例に違背する不適切な施設運営をしていたことが市役所から公表された[64]。
    • 6月 - 五年前に提起された鈴木貴美子を被告とする裁判について、福岡高裁は6月11日に判決を下し、当該判決は同月26日に確定した[63]。
    • 6月 - 双葉会は双葉学園みのり内で発生した事件・事故等の概要や件数を長年発表していたが、2025年分より非公表とするとした(詳細は後記の「事件発覚後から現在までの施設の状況」参照)

近年の監査結果

北九州市役所が実施した一般指導監査における指導内容を以下に述べる。

2020年度[65][66]
  • 毎月最低1回は避難訓練及び消火訓練を実施しなければならないが、実施していない月が複数あった。
  • 検食簿の記録に、検食者名、検食時間などの記載がない日が多数あった。
  • 西田孝子施設長は規定の時間に就業しなかったうえ、他施設(双葉学園)の給食を「検食」と称して勝手に持ち帰っていた[48]。
2021年度から2022年度

新たな指導事項なし[67][68]。

2023年度
  • 通勤手当が給与規程より少なく支給されている職員がいた[69]。
2024年度

新たな指導事項なし[70]。

2025年度
  • 毎月最低1回は避難訓練及び消火訓練を実施しなければならないが、山崎強施設長はこれを毎月しないことがあった[64]。

双葉学園事件

事件の概要

双葉学園事件における児童虐待は次に示す12件の事件から構成されている。

  • 発生の時期:2015年から2024年
  • 被害発生場所:主に児童養護施設内(居室・脱衣場及び宿直室)等
  • 職員の性加害の内容:強制性交、児童買春、強制わいせつ、児童ポルノ法違反(製造)等
  • 加害男子児童の顛末:複数名が児童精神科での長期措置入院、複数名が退所等
児童虐待の概要
児童虐待事件の概要 被害者児童 加害者 加害職員の顛末
事件の種類 発生件数 男子児童 女子児童 男性職員 男子児童 逮捕者 退職者
性的虐待 9件 8名 2名 3名 3名 2名 3名
身体的虐待 3件 3名 1名 1名
合計 12件 11名 2名 4名 3名 2名 4名

職員2名の逮捕

当時の施設長の鈴木は、日頃より高圧的な姿勢で職員に接しており、職員は鈴木に何も言えない状態になっていたため、男性職員らの労務管理はできていなかった[42]。このため2019年には、部下の男性指導員X(児童指導員)が強制性交などにより逮捕されたほか、2024年にも部下の男性指導員乙(児童指導員)が、性的姿態撮影処罰法違反の容疑で逮捕された[60]。

事件の発覚

元双葉会の職員及び退所児童らは2019年、「双葉学園の鈴木貴美子施設長の放漫な児童施設の運営により、10名以上の入所児童が複数の男性職員ないし一部の男子児童から虐待を受けている。」旨を福岡県警察本部少年課及び北九州市役所子ども家庭局に通報・通告するとともに、福岡県弁護士会に子どもの人権救済を申し立てた。また、福岡県北九州市に居住する第三者の男性は2019年、「鈴木貴美子施設長が公金である措置費を、私的な携帯電話料や飲食代などの支払いに流用しているのは違法・不当」とする主旨の住民監査請求及び行政訴訟を提起した[14][71][72][73][74]。

事件の原因

双葉学園において2017年6月、男性職員が女子児童を性的虐待する事件が発覚した。このため、当時双葉学園の施設長であった鈴木は同年10月、「児童虐待の再発防止策」(防犯カメラの録画内容を翌日に確認することなど。)を北九州市役所に提出していたが、その履行を1年以上も懈怠していた。また、児童虐待を現に行っている男性職員U本人から複数の虐待の告白を受けても、これを速やかに通報・通告しなかった。これらが要因となり少なくとも10件の児童虐待事件の発覚が2019年まで遅れることとなった[14]。

事件当時の施設の状況

北九州市社会福祉審議会は2019年11月、当時の施設の状況について次のとおり指摘した[14][42]。

  • 鈴木貴美子は、性犯罪の加害職員による指導記録の不記載、勤務時間外の不相当な居残り等について労務管理できていなかった。
  • 鈴木は双葉学園事件の発覚前後の長期にわたり、夜警を強化しなかったことから、入所する男子児童間による性的虐待が見過ごされた。
  • 双葉学園事件の加害職員から虐待を受けていた一部の入所男子児童は、男子児童間の性的虐待において加害者に転化していた。
  • 鈴木は双葉学園事件の発覚前後の長期にわたり、心理療法担当職員2名を欠員させ、入所児童に対する心のケアができていなかった。
  • 鈴木は双葉学園事件について、「加害者の性的嗜好の問題。」「施設も被害者。」などとする誤った認識を持ち続けていた。
  • 西田孝子及びその長女の鈴木は、日頃より高圧的な姿勢で職員に接していたことから、施設職員は鈴木らに何も言えない状態に陥っていた。

事件発覚後から現在までの施設の状況

事件発覚以降の2021年4月から2026年3月の間において、双葉学園及び双葉学園みのり内での事件・事故等の発生状況は次のとおりである[10][11][60][75]。なお、双葉会は2025年度分よりこれらの公表をやめた[76]。

職員の違法行為
不祥事
入所児童間の
性的暴力
放置・放任 対職員暴力 入所児童の
トラブル喧嘩
児童間の
不適切な行為
入所児童間の
問題行動
無断外泊
又は無断外出
2021年度 2件 2件 4件
2022年度 3件(詳細非公表) 1件 5件 12件 4件 2件 9件
2023年度 1件 2件 1件 1件 2件 6件
2024年度 1件 2件 1件 13件 3件
2025年度 少なくとも5件[注釈 2] 双葉会が非公表としたため各件数は不明(非公表とした理由も不明)
  • 2024度において、児童養護施設内の児童同士の暴力トラブルにより、被害児童は入院、加害児童は警察で事情聴取されたこと、入所児童の自殺未遂が発生していたことが公表された[77]。

措置費の不正使用

北九州市役所は2018年及び2019年に特別指導監査を行い、25件以上の不適切な業務運営が明らかとした[78][79][80][81][82][83][84][85]。

  • 鈴木貴美子の兄などが補助金など措置費約6,000万円を不正受給していた。
  • 領収書などの無い使途不明金が293万円もあった。
  • デパートの商品券230万円分が換価されているが、その使用用途が不明であった。
  • ホテルの商品券100万円分が換価されているが、その使用用途が不明であった。
  • 双葉学園みのりの開設に必要な物品等の経費1,400万円について、予算及び補正予算に計上することなく初度調弁したうえ、これに係る見積書、契約書、請求書などの関係書類がほとんど保存されていなかった[86]。
西田孝子
  • 当時、双葉学園みのりの施設長であった西田孝子は、月額44万円であった自身の給料を、段階的に74万円まで引き上げていた[79]。このため福岡地裁は2024年8月、西田に対して190万5459円の支払いを命じる判決を下した[62]。
  • 西田が定められた時間に就業しなかったうえ、他施設(双葉学園)の給食を検食と称して勝手に自宅に持ち帰っていた[78]。
鈴木貴美子
  • 鈴木は2017年9月に双葉学園の施設長に就任した際、自身の給与を給与規定に基づかずに勝手に昇給させ、累計577万1058円をも不正に受給していた[87]。
  • 鈴木は日頃から高圧的な姿勢で職員に接していたため、職員は鈴木に何も言えない状態になっていたことから、男性職員Xによる指導記録の不記載、勤務時間外の不用意な居残り等について労務管理ができていなかった[88]。
  • 鈴木は、米国ニューヨーク州内の高校に進学している長男に、双葉会が法人契約している業務用の携帯電話を2012年7月から2019年11月の間貸し出し、米国内で海外パケット代金など78万1335円を発生させていた[56]。双葉会は、鈴木に対して不正に使用していた電話代216万5943円を請求した。しかし鈴木は、未成年の長男と次男を引き取って離婚した翌年、金融機関に2300万円の借入をして北九州市内にマンションを購入したことなどを理由に、毎月5000円であれば支払いに応じるとした(事実上の支払拒否)[89]。
  • 鈴木は2020年1月、双葉学園の施設長の職を解任されると同時に双葉学園みのりの児童指導員となったが、基本給は当該解任の前後を通じて月額40万9800円が維持されていた[89]。
  • 北九州市内に居住する第三者の男性は2019年、公金である措置費から私用の通信費や飲食費などを賄うのは違法・不法であるとして、住民監査請求及び行政訴訟を提起した[43][44]。
  • 双葉会は2021年、鈴木に対して793万7001円(=不正使用した電話代:216万5943円+過大給料:577万1058円)の支払を求める不当利得返還請求を、福岡地方裁判所小倉支部に提起した[56]。
  • 福岡地方裁判所小倉支部は2024年8月、双葉会の請求のとおり鈴木に793万7001円の支払を命じる判決を下した[62]。なお当該訴訟は控訴され福岡高等裁判所でも争われたが、2026年6月11日に判決を下し、当該判決は同月26日に確定した[63]。
  • 双葉会の理事会は2024年の判決を受け、鈴木の退職を2025年に決議したことから、鈴木は同年4月、兄弟(西田二郎)が施設長を務める双葉会のふたばのその(特別養護老人ホーム)において事務職員として入職した[63]。

脚注

注釈

  1. ↑ 定員充足率が単年度または過去3か年平均で90%未満等。
  2. ↑ これらは市役所が公表したもので、双葉会による公表ではない[76]。

出典

  1. 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 “児童養護施設「双葉学園みのり」公式webサイト”. futaba-minori.com. 2022年8月26日閲覧。
  2. 1 2 3 4 5 6 7 8 9 “社会的養護施設第三者評価結果(双葉学園みのり)”. 社会福祉法人全国社会福祉協議会. 2024年8月1日閲覧。
  3. 1 2 3 4 5 “児童養護施設双葉学園”. 双葉会. 2023年5月20日閲覧。
  4. ↑ 『令和3年度 事業報告書』社会福祉法人双葉会、2022年6月。
  5. ↑ 『北九州市「児童入所施設等措置費支給基準(要綱)」』北九州市役所、2026年。
  6. ↑ 『厚生労働省通知「児童保護費等国庫負担金交付要綱」および「児童入所施設措置費等国庫負担金交付基準」』厚生労働省、2026年。
  7. ↑ 「メークで「自信」後押し 八幡西区の永島さん 養護施設の子に講座 実演を交えアドバイス」『西日本新聞』2021年11月7日。
  8. 1 2 “第23回全国障害者スポーツ大会 競技記録”. 佐賀県. 2026年8月5日閲覧。
  9. 1 2 3 “双葉学園みのり公式HP”. 双葉学園みのり公式HP. 社会福祉法人双葉会 (2026年1月5日). 2026年1月5日閲覧。
  10. 1 2 『令和3年度 事業報告書(令和3年4月1日~令和4年3月31日)』社会福祉法人双葉会、2022年6月。
  11. 1 2 『令和4年度 事業報告書(令和4年4月1日~令和5年3月31日)』社会福祉法人双葉会、2023年6月。
  12. ↑ “介護老人福祉施設 双葉苑”. 福岡県. 2022年12月4日閲覧。
  13. ↑ “地域密着型介護老人福祉施設 第二双葉苑”. 福岡県. 2022年12月4日閲覧。
  14. 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 『勧告書』福岡県弁護士会、2021年12月2日、1,4-6,12-13頁。
  15. ↑ “児童養護施設双葉学園”. 児童養護施設双葉学園. 社会福祉法人双葉会. 2026年8月10日閲覧。
  16. 1 2 “社会福祉法人双葉会のホームページ”. 社会福祉法人双葉会. 2022年8月15日閲覧。
  17. ↑ 「春の褒章、藍授褒章・西田稔夫さん 北九州」『西日本新聞』1996年4月28日。
  18. ↑ 「県児童施設球技大会、野球は双葉学園がV」『西日本新聞』1996年7月26日。
  19. ↑ 「軟式野球は藤崎台童園、バレーボールは双葉学園が優勝」『西日本新聞』1998年8月22日。
  20. ↑ 「バレーは双葉学園 野球は白梅学園がV 県児童福祉施設球技大会」『西日本新聞』1999年7月29日。
  21. ↑ 「バレーは双葉学園野球は白梅学園V 県児童福祉施設球技大会」『西日本新聞』2000年7月28日。
  22. ↑ 「養護施設指導員が平手打ち、園児が入院ー北九州市、施設に行政指導」『毎日新聞』2000年8月31日。
  23. ↑ 「児童体罰で北九州市 双葉学園を行政指導」『西日本新聞』2000年8月31日。
  24. ↑ 「双葉学園女子バレー部 2年ぶり2度目のV 九州児童福祉施設球技大会 昨年の雪辱果たす」『西日本新聞』2000年9月6日。
  25. ↑ 「双葉学園が2種目制す 県児童施設球技大会」『西日本新聞』2001年7月27日。
  26. ↑ 「小倉南 野球の部で優勝 双葉学園が報告 児童福祉施設球技大会」『西日本新聞』2014年9月17日。
  27. 1 2 『子どもの人権救済申立書』福岡県弁護士会申立分、2019年9月17日、6-8頁。
  28. ↑ 『平成30年度決算特別委員会 第2分科会不議事件 9月20日第1委員会室議事録』北九州市議会事務局、2019年9月。
  29. ↑ 「養護施設 別の職員も不祥事 北九州わいせつ 2年前 生徒と交際」『西日本新聞』2019年6月19日。
  30. ↑ “北九州市議、個人口座に法人収入 13年で1600万円 資産報告不記載”. 西日本新聞me. 2022年11月28日閲覧。
  31. ↑ “補助金3千万円を不正受給 市議が元理事の社会福祉法人”. 朝日新聞. 2018年7月22日時点のオリジナルよりアーカイブ。2022年11月28日閲覧。
  32. ↑ 『社会福祉法人特別指導監査指摘事項』北九州市役所、2018年8月24日。
  33. ↑ 「施設長給与増に勧告 北九州市、「双葉会」への監査 市議登庁の車使用にも」『朝日新聞』2018年9月12日、朝刊。
  34. 1 2 3 「元施設職員を再逮捕 わいせつ行為をさせ生徒を撮影容疑」『朝日新聞』2019年7月30日。
  35. 1 2 3 “児童にわいせつ行為させ撮影容疑 養護施設元職員を逮捕”. 朝日新聞デジタル (2019年7月29日). 2019年7月29日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年11月27日閲覧。
  36. 1 2 「「一日里親」男児にわいせつ容疑 福岡 自宅に泊まらせ 元施設職員を逮捕」『毎日新聞』2019年7月9日、朝刊。
  37. 1 2 「入所男児にわいせつ容疑 北九州 元施設職員を再逮捕」『朝日新聞』2019年7月9日。
  38. 1 2 『子どもの人権救済申立書』福岡県弁護士会申立分、2019年9月17日、6-8頁。
  39. 1 2 「児童養護施設 相次ぐ性犯罪」『西日本新聞』2019年6月18日。
  40. 1 2 3 「淫行させた疑い、元施設職員逮捕 入所の中学生に 福岡県警」『朝日新聞』2019年6月18日。
  41. ↑ 平成30年度決算特別委員会 第2分科会不議事件 9月20日第1委員会室議事録. 北九州市議会事務局. (2019年9月)
  42. 1 2 3 「提言書」(被措置児童虐待に関する調査審議). 北九州市社会福祉審議会 児童福祉専門分科会審査部会. (2019-11-26). pp. 1-4
  43. 1 2 “市長要求監査・住民監査請求監査・職員の賠償責任監査”. 北九州市役所. 2022年11月6日閲覧。
  44. 1 2 『住民監査請求申立書』北九州市に居住する第三者、2019年9月30日。
  45. ↑ 「起訴事実7件認める 初公判 養護施設元職員わいせつ」『読売新聞』2019年10月12日。
  46. ↑ “子どもへわいせつ行為などの罪、元養護施設職員が認める”. 朝日新聞デジタル (2019年10月11日). 2019年10月12日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年11月27日閲覧。
  47. ↑ 「養護施設元職員 わいせつ認める 地裁小倉支部で初公判」『朝日新聞』2019年10月12日。
  48. 1 2 『令和元年度 児童養護施設に係る社会福祉法人に対する特別指導監査の結果』北九州市役所子ども家庭局、2019年11月27日、1-6頁。
  49. ↑ 「児童虐待など判明の双葉会 親族を重視の理事会 北九州市が改善勧告」『朝日新聞』2019年11月28日。
  50. ↑ 「養護施設わいせつ 他職員の虐待も確認 北九州市 管理体制の改善勧告」『西日本新聞』2019年11月28日。
  51. ↑ 「福祉法人双葉会が親族に「利益供与」 北九州市が指摘」『西日本新聞』2019年12月3日。
  52. ↑ 「養護施設元職員、懲役8年の判決 入所者にわいせつ行為」『朝日新聞』2019年12月4日。
  53. ↑ “入所の子4人にわいせつ行為 元養護施設職員に懲役8年”. 朝日新聞デジタル (2019年12月3日). 2019年12月3日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年11月27日閲覧。
  54. ↑ 『判決書(事件番号:令和元年第1991号)』福岡地方裁判所小倉支部、2019年。
  55. ↑ 「北九州の養護施設職員わいせつ 養護施設元職員に懲役8年 生徒らにわいせつ 地裁小倉判決」『毎日新聞』2019年12月4日。
  56. 1 2 3 『2020年度理事会議事録(2021年2月22日開催分)』社会福祉法人双葉会、2021年。
  57. ↑ “北九州の児童施設に虐待防止勧告 相次ぐ性犯罪…背景は?対策は?”. 西日本新聞me. 2022年11月28日閲覧。
  58. ↑ “県弁護士会が人権救済勧告 北九州市内の児童養護施設 元職員の性的虐待で/福岡”. 毎日新聞. 2022年11月28日閲覧。
  59. 1 2 “児童養護施設双葉学園”. 双葉会. 2023年5月20日閲覧。
  60. 1 2 3 「児童養護職員を逮捕 福岡」『読売新聞 西部朝刊31面』2024年3月21日。
  61. ↑ “センキョタイムズ公式HP(2024年4月28日更新分)”. センキョタイムズ. 2024年7月22日閲覧。
  62. 1 2 3 『2024年度双葉会理事会議事録(2024年9月12日開催分)』社会福祉法人双葉会、2024年。
  63. 1 2 3 4 『2026年度双葉会理事会議事録』社会福祉法人双葉会、2026年。
  64. 1 2 『児童養護施設等監査結果(令和7年度) 』北九州市役所、2026年。
  65. ↑ “児童養護施設等監査結果(令和2年度)”. 北九州市役所. 2022年12月4日閲覧。
  66. ↑ 『令和2年度社会福祉法人一般指導監査指摘事項』北九州市役所子ども家庭局、2020年10月14日。
  67. ↑ “児童養護施設等監査結果(令和3年度)”. 北九州市役所. 2022年12月24日閲覧。
  68. ↑ “児童養護施設等監査結果(令和4年度)”. 北九州市役所. 2023年3月27日閲覧。
  69. ↑ “令和5年度 一般指導監査の結果及び是正改善状況(双葉学園みのり)”. 北九州市役所子ども家庭局. 2024年8月14日閲覧。
  70. ↑ 『児童養護施設等監査結果(令和6年度)』北九州市役所、2025年。
  71. ↑ 『起訴状(事件番号:令和元年第1991号)』福岡地方検察庁小倉支部、2019年。
  72. ↑ “市長要求監査・住民監査請求監査・職員の賠償責任監査”. 北九州市役所. 2022年11月6日閲覧。
  73. ↑ 『住民監査請求申立書』北九州市に居住する第三者、2019年9月30日。
  74. ↑ 「福祉法人双葉会が親族に「利益供与」 北九州市が指摘」『西日本新聞』2019年12月3日。
  75. ↑ 『令和5年度 事業報告書(令和5年4月1日~令和6年3月31日)』社会福祉法人双葉会、2024年6月。
  76. 1 2 『令和7年度事業報告書(令和7年4月1日~令和8年3月31日)』社会福祉法人双葉会、2026年。
  77. ↑ 『令和6年度 事業報告書(令和6年4月1日~令和7年3月31日)』社会福祉法人双葉会、2025年。
  78. 1 2 『令和元年度 児童福祉施設に係る社会福祉法人に対する特別監査の結果』北九州市子ども家庭局、2019年11月27日、1-6頁。
  79. 1 2 『社会福祉法人特別指導監査指摘事項』北九州市役所、2018年8月24日。
  80. ↑ “特別指導監査結果”. 北九州市役所子ども家庭局. 2022年12月1日閲覧。
  81. ↑ 『令和元年度社会福祉法人一般指導監査指摘事項』北九州市役所子ども家庭局、2019年10月2日。
  82. ↑ 「北九州の社会福祉法人 補助金を不正受給 3000万円超 市議 昨年まで理事」『朝日新聞』2018年7月22日。
  83. ↑ “補助金3千万円を不正受給 市議が元理事の社会福祉法人”. 朝日新聞デジタル (2018年7月22日). 2018年7月22日時点のオリジナルよりアーカイブ。2022年8月15日閲覧。
  84. ↑ “北九州市議、個人口座に法人収入 13年で1600万円 資産報告不記載”. 西日本新聞. 2023年8月28日閲覧。
  85. ↑ “平成30年8月8日の北九州市長記者会見”. 北九州市役所. 2023年8月28日閲覧。
  86. ↑ 『社会福祉法人特別指導監査指摘事項』北九州市役所、2018年8月24日。
  87. ↑ 『児童養護施設特別指導監査指摘事項』北九州市役所子ども家庭局、2018年8月24日。
  88. ↑ 「提言書」(被措置児童虐待に関する調査審議). 北九州市社会福祉審議会 児童福祉専門分科会審査部会. (2019-11-26). pp. 1-4
  89. 1 2 『2020年度理事会議事録(2021年2月22日開催分)』社会福祉法人双葉会、2021年。

参照文献

職員Xの刑事裁判
西田孝子及び鈴木貴美子の民事裁判
  • 地裁判決書(事件番号令和3年(ワ)第140号、同第141号、同第928号)福岡地方裁判所小倉支部第3民事部
  • 高裁判決書(高裁事件番号令和6年(ネ)第748号)福岡高等裁判所第1民事部

関連項目

外部リンク