宮城秋乃

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宮城 秋乃
みやぎ あきの
生誕 1978年(47 - 48歳)
日本の旗 日本 沖縄県浜比嘉島
研究分野
主な業績
  • 沖縄県におけるチョウ類の生態研究
  • やんばるの自然保護活動
  • 北部訓練場返還跡地の米軍廃棄物問題の調査・告発
主な受賞歴
公式サイト アキノ隊員の鱗翅体験2
プロジェクト:人物伝
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宮城 秋乃(みやぎ あきの、1978年 - )は、日本のチョウ類研究者、軍事環境研究者、自然保護活動家。沖縄県浜比嘉島出身。アキノ隊員の名でも活動する[1][2]。沖縄県内の森林性のチョウの生態を研究するとともに、やんばるの生物と生息環境の保全、北部訓練場返還跡地に残された米軍廃棄物の調査・撤去要求に取り組んでいる[3]。

経歴・研究

1978年、沖縄県に生まれる。幼少より森林に馴染み昆虫を観察・採集・飼育していた。日本鱗翅学会および日本蝶類学会の会員[1](現在は退会)。2007年頃、病院で開催されていた昆虫同好会の展示会を見たことをきっかけに、昆虫研究を始めた。採集や標本作製を経験した後、生きた昆虫を自然の状態で観察する研究に取り組むようになった[3]。

2011年、東村高江でリュウキュウウラボシシジミの大量発生を確認した。北中城村の自宅から高江に通って生息状況の観察を続け、その後、高江に移住して調査を行った。文化人類学者の比嘉理麻は、宮城の継続的な調査によって高江が同種の国内最大の生息地であることが明らかになったと記している[4]。

うるま市立海の文化資料館に勤務し、浜比嘉島の昆虫調査や昆虫目録の作成に携わった。2014年3月に『琉球新報』へ寄稿したコラムでは、同島でミヤコホソコバネオオハナノミを発見して生態を調査し、共同で論文を発表したこと、同月末で資料館を退職することに触れている。[5]。また、沖縄科学技術大学院大学で昆虫の分類、北中城村あやかりの杜で子どもたちへの環境教育に関わった。2026年現在は調査に専念するため講師・執筆活動を休業しフィールドガイド、カメラマンとしてフリーで活動。

2015年には、前年2月に高江の新川川沿いで撮影したガが、沖縄県内初記録のタツナミトリバであると報じられた。この記事では、日本鱗翅学会自然保護委員として紹介されている[6]。

自然保護・米軍廃棄物問題

やんばるの生物を紹介する観察会や情報発信を行い、米軍ヘリパッドの建設などが生息環境に与える影響について訴えてきた[4]。2017年には、アキノ隊員名義で写真絵本『ぼくたち、ここにいるよ――高江の森の小さないのち』を出版した。やんばるの生物を写真と文章で紹介し、ヘリパッド建設による生態系への影響も取り上げている[7]。

2017年12月以降、北部訓練場の返還跡地に残された廃棄物を見つけて通報し、回収する活動を続けた[2]。2021年の琉球朝日放送の特集では、宮城が調査する返還地に、銃弾、ドラム缶、野戦食の包装、鉄くずなどが残されている状況が報じられた。宮城は、生物の生息環境を守る立場から廃棄物問題の解決を求め、自然保護が十分に行われないまま世界自然遺産へ登録することへの疑問を表明した[3]。

抗議活動と刑事裁判

廃棄物撤去を求める抗議活動の一環として、返還跡地で回収した廃棄物を北部訓練場のゲート前に置いた。2021年6月4日、沖縄県警察は宮城の自宅を捜索した。これに対し、FoE Japanなどの団体は、自然保護活動への不当な捜査であるとして抗議声明を出した[8]。同年9月には、家宅捜索への抗議や不起訴を求める署名が県警や那覇地方検察庁などへ提出された[9]。

2022年10月18日、ゲート前での廃棄物の設置や交通妨害などをめぐる裁判の初公判が開かれた。検察側は基地の従業員や警備職員の業務を妨害したと主張し、宮城側は自然破壊への抗議であり、表現の自由によって保障されると主張した[10]。

また、2022年の沖縄県知事選挙では、自民党の推薦する候補者の演説中に残留米軍廃棄物由来の未使用の空包を投げ、公職選挙法違反の疑いで書類送検された。この行為と、それまでの廃棄物回収・抗議活動の経緯は、琉球放送の特集でも取り上げられた[11]。

2025年3月6日、那覇地方裁判所は、抗議活動に関連する威力業務妨害、火薬類取締法違反、公職選挙法違反などの罪について、懲役3年、執行猶予4年、罰金30万円の判決を言い渡した。一方、公務執行妨害罪については無罪とした[12][13]。宮城と検察の双方が控訴せず、判決は確定した[13]。

国頭村に対する提訴

2026年3月、国頭トレイルランニング大会に関する情報公開請求を行った際、国頭村が大会受託業者側に個人情報を漏えいしたとして、別の女性とともに村へ計220万円の損害賠償を求める訴訟を起こした[14]。同年9月、『琉球新報』は、同訴訟で村が漏えいを認めたと報じた[15]。

活動に対する評価

比嘉理麻は、宮城の自然保護と基地反対運動を文化人類学の研究対象としている。2024年の論文では、宮城らの活動を、人間の生活や権利を中心とする運動から、多様な生物と自然環境をも主体とする運動への展開として分析し、「命のアナキズム」の観点から論じた[4]。

2026年にはエコ社会変革フォーラムから米軍基地周辺の環境調査や、北部訓練場返還跡地に残された米軍廃棄物の調査・告発が評価され「勇敢な科学者賞」を受賞した[16][17]。

受賞

  • 2018年、第38回沖縄タイムス出版文化賞児童部門賞。『ぼくたち、ここにいるよ――高江の森の小さないのち』による[1][18]。
  • 2020年、第32回多田謡子反権力人権賞。北部訓練場返還跡地の廃棄物問題の調査・告発などが評価された[19]。

著作

単著

共著

主な論文・報告

  • 「沖縄島でのフタオチョウの生態観察」『月刊むし』第493号、2012年3月、33-37頁[22]。
  • 「沖縄島のリュウキュウウラボシシジミ 秋から春にかけての野外観察記録」『Butterflies』第61号、2012年10月、4-9頁[23]。
  • 「黒色鱗が発達したリュウキュウアサギマダラ」『やどりが』第238号、2013年、42頁。doi:10.18984/yadoriga.2013.238_42[24]。
  • 「やんばるの動物と生物多様性 ─高江・安波で発見した希少動物と,ヘリ パッド建設が動物に与えた被害の具体例」『日本の科学者』Vol.52 No.4 2017年。

脚注

  1. 1 2 3 4 “これが民主主義か? 辺野古新基地に〝NO〟の理由”. 版元ドットコム. 影書房. 2026年10月11日閲覧。
  2. 1 2 “インタビュー 宮城秋乃さん”. ふぇみん (2021年9月25日). 2026年10月11日閲覧。
  3. 1 2 3 “やんばるの森に残された米軍廃棄物”. QAB NEWS Headline. 琉球朝日放送. 2021年7月26日. 2026年10月11日閲覧.
  4. 1 2 3 比嘉理麻 (2024-06-30). “沖縄の基地反対運動と命のアナキズム――軍事化に抗する生き物たちの〈生〉の理論”. 文化人類学 89 (1): 22-41. doi:10.14890/jjcanth.89.1_022 2026年10月11日閲覧。.
  5. ↑ 宮城秋乃 (2014年3月14日). “コラム「南風」 子どもたちに発見の楽しさ伝えたい”. 琉球新報. 2026年10月11日閲覧.
  6. ↑ “県内初記録の「ガ」撮影 研究者の宮城さん”. 琉球新報. 2015年3月6日. 2026年10月11日閲覧.
  7. 1 2 “高江の自然知って 初の写真絵本出版 宮城秋乃さん”. 琉球新報. 2017年8月6日. 2026年10月11日閲覧.
  8. ↑ “【共同声明】蝶類研究者・宮城秋乃さんへの沖縄県警の不当捜査に抗議する~やんばるの森の保護活動を威圧するのか”. FoE Japan (2021年6月21日). 2026年10月11日閲覧。
  9. ↑ “宮城秋乃さんの不起訴求め署名を提出 不当捜査訴える丹原さんが会見”. 琉球新報. 2021年9月28日. 2026年10月11日閲覧.
  10. ↑ “北部訓練所ゲート前に米軍廃棄物散乱 チョウ類研究家の女 起訴内容を否認”. QAB NEWS Headline. 琉球朝日放送. 2022年10月18日. 2026年10月11日閲覧.
  11. ↑ “『空包を投げつけ』女性が行動に至った“過程”を綴る本を出版 著者が問いかけることとはー”. RBC琉球放送. 2022年10月19日. 2026年10月11日閲覧.
  12. ↑ “【那覇地方裁判所】米軍廃棄物撤去の抗議活動 チョウ類研究者に執行猶予付き有罪判決”. OKITIVE. 沖縄テレビ放送. 2026年10月11日閲覧.
  13. 1 2 塩入雄一郎 (2025年5月8日). “米軍廃棄物とチョウ類研究者”. 地平. 2026年10月11日閲覧.
  14. ↑ “チョウ類研究者ら、220万円の賠償訴訟提起 国頭トレイルラン、村が個人情報漏えい”. 琉球新報. 2026年3月13日. 2026年10月11日閲覧.
  15. ↑ “国頭村、漏えい認める トレイルラン情報公開請求めぐり 国賠訴訟 那覇地裁 沖縄”. 琉球新報. 2026年9月10日. 2026年10月11日閲覧.
  16. ↑ Uwaegbulam, Chinedum (2026年10月14日). “Bassey, five others win €36,000 for global actions against ecological collapse”. The Guardian Nigeria. 2026年10月15日閲覧.
  17. ↑ “Sechs Forscher:innen in Wien für ihren Mut geehrt”. Scientists for Future Österreich (2026年10月14日). 2026年10月15日閲覧。
  18. 1 2 “ぼくたち、ここにいるよ《増補版》――高江の森の小さないのち”. 影書房. 2026年10月11日閲覧。
  19. ↑ 上里あやめ (2020年10月28日). “反権力人権賞 チョウ類研究者の宮城さん受賞 米軍廃棄物の危険性訴え”. 琉球新報. 2026年10月11日閲覧.
  20. ↑ “ぼくたち、ここにいるよ 高江の森の小さないのち”. 板橋区立図書館. 2026年10月11日閲覧。
  21. ↑ “ぼくたち、ここにいるよ《増補版》 高江の森の小さないのち”. 楽天ブックス. 2026年10月11日閲覧。
  22. ↑ “沖縄島でのフタオチョウの生態観察”. 国立国会図書館サーチ. 2026年10月11日閲覧。
  23. ↑ “第61号(2012年10月25日) No. 61 October 25, 2012”. 日本蝶類学会. 2026年10月11日閲覧。
  24. ↑ “やどりが 2013巻238号”. J-STAGE. 日本鱗翅学会. 2026年10月11日閲覧。

外部リンク