安田浩一

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安田 浩一
(やすだ こういち)
誕生 (1964-09-28) 1964年9月28日(60歳)
日本の旗 日本 静岡県伊豆半島
職業 フリージャーナリスト、日本労働組合総評議会(総評)系の機関誌『労働情報』編集委員[1]、元週刊誌ライター
ジャンル ルポルタージュ
主題 外国人労働者問題
ネット右翼
ヘイトスピーチ
代表作 『ネットと愛国:在特会の「闇」を追いかけて』
主な受賞歴 日本ジャーナリスト会議賞(2012年)
講談社ノンフィクション賞(2012年)
大宅壮一ノンフィクション賞(2015年)[2]
デビュー作 『告発!逮捕劇の深層 生コン中小企業運動の新たな挑戦』
公式サイト 安田浩一 (@yasudakoichi) - X(旧Twitter)
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安田 浩一(やすだ こういち、1964年〈昭和39年〉9月28日 - )は、日本のジャーナリスト。千葉県在住[3]。非正規雇用、外国人労働者、ヘイトスピーチ、ネット右翼など人権と差別を中心に取材・執筆している。2024年4月、朝日新聞の書評委員に就任[4]。

経歴・人物

静岡県[5]生まれ。伊豆半島の温泉地帯に生まれた[6]。父は毎日新聞記者(のち編集委員を経て群馬松嶺福祉短期大学教授)の安田陸男(みちお)[7]。自著「学校では教えてくれない差別と排除の話 」の中で自分は高卒であると述べている[8]。

元『労働情報』(発行:協同センター・労働情報)編集委員(2020年休刊)[1]。日本経済新聞など様々な新聞社、出版社の記者を経て『週刊宝石』(光文社)の記者だった1999年(平成11年)前後に、同誌にて創価学会の批判記事を書いていた[9]。『サンデー毎日』時代は名誉毀損で訴えられ、証言台に立った[10]。風俗記事のライターをしていた時期もある[11]。

2001年(平成13年)よりフリージャーナリストとして活動。労働問題を中心に『労働情報』、『週刊民主的社会主義運動新聞(MDS新聞)』などで執筆する。ジャーナリストとしては佐野眞一を「師匠」と呼び[12]、『あんぽん』『別海から来た女』『甘粕正彦 乱心の曠野』、週刊ポスト連載『化城の人』では取材スタッフとして協力している。動労千葉と韓国労働組合総連盟を連帯させ情報が交換できるサイト、レイバーネット設立の発起人となる。

2012年(平成24年)、『ネットと愛国:在特会の「闇」を追いかけて』により日本ジャーナリスト会議賞[13]、および第34回講談社ノンフィクション賞受賞[14]。2015年(平成27年)4月7日、『ルポ 外国人「隷属」労働者』(G2 vol.17)で第46回大宅壮一ノンフィクション賞雑誌部門受賞[15]。2024年、『地震と虐殺:1923 - 2024』で第78回毎日出版文化賞特別賞を受賞した。

2013年(平成25年)3月14日、民主党の有田芳生が開催した、新大久保などでの「嫌韓デモ」に抗議する集会に参加し、基調報告などを行った[16]。その後、辛淑玉らが共同代表を務めるのりこえねっとで「のりこえねっとTV」のキャスターを務めた。

2022年4月から2024年3月まで、朝日新聞書評面の「文庫この新刊」欄でノンフィクション作品を担当した[17]。同年4月からは書評委員を務めている。

C.R.A.C.の野間易通と共同でキャスターを務めるYouTube番組「No Hate TV」を、毎週木曜日に放送している[18]。

影響を受けた作品

藤井誠二との対談インタビューでは、影響を受けた10作品として以下を挙げた[19]。

主張

労組関連

その他

  • 2005年(平成17年)、強制連行・企業責任追及裁判全国ネットワークなどの諸団体・グループが参加する「過去を克服し共生のアジアを!日本の課題」にフォーラムにおいて、「既成の右翼や国粋主義者ではなく、姿や形の見えないぬえのようなナショナリズムの動きが危険。外国人や労働組合、公務員が攻撃の標的になっており、それが素朴な若者にうけている。シンプルな極論こそ胸に響くというのはオカルト宗教と同じだ。そういう人たちに何をどう働きかけるかが課題」と指摘した[26]。
  • 2008年(平成20年)、女たちの戦争と平和資料館館長の西野瑠美子らが主催する反靖国共同行動[27] に参加。シンポジウムで「戦争の道具としてヤスクニが機能していることをどう発信していくかが問われている」と発言した[28][29]。
  • 2008年(平成20年)8月10日、高橋哲哉 、元総理の韓明淑、中島岳志 と供に「靖国」の合祀取り下げ集会に参加し、「ネット右翼と呼ばれる人たちは、組織に属していない弱者。社会から受益の機会を得ていない人、企業から承認されない人々だ」「ファシズムに共感する空気は、仕事がないという絶望から生まれてきた」と発言した[30]。
  • 2009年(平成21年)4月28日にレイバーネットに掲載された記事において、栃木警官発砲事件は、「明らかに警察側に非がある」と述べている[31]。
  • 2013年(平成25年)6月3日、韓国で講演を行った際、韓国で問題になっているイルベについて「『イルベ』は少数の偏った人の集団とみることもできるが、多くの韓国人の本心が表れているとみることもできる」と述べた。在特会については「イルベと非常に似ている」、「保守でも右翼でも民族主義者でもない、ただの人種差別主義者、排外主義者」と話したという[32]。
  • 2014年(平成26年)7月14日、野口健が「韓国訪問の時にタクシーに乗っていたら運転手に『日本人か?』といわれ、『そうだ』と答えたら『車から下りろ』と」という差別体験をつぶやいたツイート[33] に対して、「相当にウソくさいな」と捏造を疑うツイートを投稿した[34]。

活動

労組関連

  • 中核派の影響下にある国鉄千葉動力車労働組合の機関誌『勤労千葉』によると、2006年(平成18年)4月24日、尼崎事故一周年 反合・運転保安闘争勝利!国鉄1047名解雇撤回!憲法改悪阻止!民営化・規制緩和と闘う4・24労働者総決起集会に「JR福知山線脱線事故」の報告者として参加。労働組合との共闘を訴えた[25]。2012年(平成24年)から、国鉄千葉動力車労働組合の動労千葉・鉄建公団訴訟、解雇撤回・JR復帰の判決を求めるための東京高等裁判所あて署名運動の呼びかけ人を続けている[35][36]。
  • 日本革命的共産主義者同盟 (JRCL) の機関誌『週刊かけはし』によると、「私は『革命は希望だ』と言いたいが右の言論は勢いがある。攻撃対象が中国、韓国、朝日新聞、TBS、女性など具体的だ。これに比べて左は平和・民主主義のように抽象的で保守する言論だ。社会の公共サービス から排除された非正規労働者はやりばのない怒りを持っている。どこに向けていいのか見えない。インターネット掲示板で発散する。自分探しの旅はナショナリズムにしかいかない。外国人労働者は仕事を奪う存在でしかない。追い出したいという考えは説得力、リアリズムを持ち魅力的に思ってしまう。ナショナリズムが近隣の国からどう見られているか考えない。この問題は雇用の問題に行き着く。右と左の取り合いになっている。ファシズムは雇用不安が背景にあった」などの発言を行った[37]。

発言

  • 「ネトウヨの活動の動機でもある『在日特権』はもはや都市伝説レベルである」と述べている[38]。
  • 「差別を許さないネットワークの構築を目指す東京集会」の講演において、「在特会らのデマや暴力を煽動する街宣活動を放置したことが、在特会の活動を助長させてきた」と述べている[39]。
  • デマを真に受ける仲間を見て「アホらしくなった」から在特会を辞めた元幹部を紹介したと述べている[40]。
  • 生活保護の予算は約3兆円で受給者の98%が日本人にも関わらず「年間2兆3千億円が在日朝鮮人の生活保護費に使われている」と書かれたインターネット上で出回っているビラを示し、「こんなデマでもネットに載ると事実だと思い込む人が増えている」と述べている[41]。
  • 朝鮮進駐軍は真っ赤なデマであると述べている[42]。
  • 取材時の軋轢で敵対関係の生じた差別主義を標榜する桜井誠について、安田は自著で「福岡でも名古屋でも自分は悪いことはしていない、事実であれば被害届を出してほしい旨を講談社を通じて再三要求しているにもかかわらず「個別の法的対応」はなかった」と述べている[43]。

評価

在日本大韓民国民団(民団)の機関紙『民団新聞』(2014年8月15日付)は、安田の著書『ヘイトスピーチとネット右翼』と『ネットと愛国』などを「読んでみよう」と紹介している[44]。

著書

単著

  • 『告発!逮捕劇の深層:生コン中小企業運動の新たな挑戦』アットワークス、2005年10月。ISBN 4-939042-16-2。 
  • 『JRのレールが危ない』金曜日、2006年4月。ISBN 4-906605-12-5。 
  • 『JALの翼が危ない』金曜日、2006年11月。ISBN 4-906605-21-4。 
  • 『外国人研修生殺人事件』七つ森書館、2007年2月。ISBN 978-4-8228-0738-2。 
  • 『ルポ 差別と貧困の外国人労働者』光文社〈光文社新書 465〉、2010年6月。ISBN 978-4-334-03568-6。 
    • 『ルポ 差別と貧困の外国人労働者』光文社〈光文社未来ライブラリー〉、2023年。ISBN 978-4-334-77067-9
  • 『ネットと愛国:在特会の「闇」を追いかけて』講談社〈g2 book〉、2012年4月17日。ISBN 978-4-06-217112-0。 
  • 『レイシズムと安倍政権:なぜ隣人を「憎む」のか』安田浩一 述、研究所テオリア〈国連・憲法問題研究会講座報告 第57集〉、2014年5月。 
  • 『ヘイトスピーチ:「愛国者」たちの憎悪と暴力』文藝春秋〈文春新書1027〉、2015年5月20日。ISBN 978-4-16-661027-3。 
  • 『ネット私刑(リンチ)』扶桑社〈扶桑社新書 186〉、2015年7月。ISBN 978-4-594-07292-6。 
  • 『沖縄の新聞は本当に「偏向」しているのか』朝日新聞出版、2016年。ISBN 978-4-02-251339-7
  • 『学校では教えてくれない差別と排除の話』皓星社、2017年。ISBN 978-4-7744-0641-1
  • 『「右翼」の戦後史』講談社現代新書、2018年。ISBN 978-4-06-288429-7
  • 『団地と移民:課題最先端「空間」の闘い』KADOKAWA、2019年。ISBN 978-4-04-101388-5
  • 『愛国という名の亡国』河出書房新社〈河出新書〉、2019年。 ISBN 978-4-309-63108-0
  • 『なぜ市民は“座り込む”のか:基地の島・沖縄の実像、戦争の記憶』朝日新聞出版、2023年。ISBN 978-4-02-251900-9
  • 『地震と虐殺 1923-2024』中央公論新社、2024年6月19日。ISBN 978-4-12-005686-4。 

共著

記事

出演

脚注

  1. 1 2 (安田 2007)
  2. ↑ “これが本当のノンフィクション 活字の底力見せたい第46回大宅賞雑誌部門は「ルポ 外国人『隷属』労働者」(安田浩一)”. 本の話WEB (文藝春秋). (2015年4月20日) 2016年2月7日閲覧。
  3. ↑ 安田浩一のツイート 2012年5月18日 - 10:05
  4. ↑ "〈お知らせ〉書評委員、7人が就任."朝日新聞デジタル(2024年4月6日付). 2024年5月13日閲覧。
  5. ↑ 『ルポ差別と貧困の外国人労働者』ほか「奥付」
  6. ↑ 安田浩一のツイート 2012年5月25日 - 5:01
  7. ↑ 報道の裏のウラ 読者同士をつなぐ「女の気持ち」2016年4月4日
  8. ↑ 安田浩一「学校では教えてくれない差別と排除の話」 2017, p. 27.
  9. ↑ 安田浩一のツイート 2012年5月21日 - 4:04
  10. ↑ 安田浩一のツイート 2012年6月11日 - 21:05
  11. ↑ 安田浩一のツイート 2010年12月3日 - 17:48
  12. ↑ 安田浩一のツイート 2012年6月10日 - 21:22
  13. ↑ “東京新聞にJCJ大賞 原発事故で検証報道”. 共同通信. (2012年7月11日) 2015年4月7日閲覧。
  14. ↑ “講談社ノンフィクション賞に安田、大鹿氏”. 日本経済新聞. (2012年7月20日) 2015年4月7日閲覧。
  15. ↑ “大宅賞に毎日新聞の須田桃子さん 雑誌部門は安田浩一さん”. 共同通信. (2015年4月7日) 2015年4月7日閲覧。
  16. ↑ 朴順梨 (2013年3月23日). “元在日韓国人三世 ヘイトスピーチ規制法整備への複雑な思い”. NEWSポストセブン (小学館). オリジナルの2013年3月24日時点におけるアーカイブ。 2016年2月7日閲覧。
  17. ↑ "安田浩一が薦める文庫この新刊!."朝日新聞デジタル(2022年4月30日更新)2024年5月13日閲覧。
  18. ↑ “No Hate TV”. Facebook. 2024年7月20日閲覧。
  19. ↑ Fujii, Seiji; 藤井誠二 (2017). Bokutachi wa naze shuzai suru no ka : gokushiteki shuzai no sekai. Ippo Nakahara, 中原一步. (Shohan ed.). Tōkyō. ISBN 978-4-7744-0637-4. OCLC 995843770
  20. ↑ “感銘受けた連帯労組の闘い 「告発! 逮捕劇の深層」著者 ジャーナリスト 安田浩一氏に聞く”. 労働新聞 (日本労働党中央委員会(JLP.NET)). (2006年1月1日) 2016年2月7日閲覧。[リンク切れ]
  21. ↑ “地域の運動と国鉄闘争を結合し勝利をめざそう!”. 週刊かけはし (日本共産青年同盟). (2008年6月16日) 2016年2月7日閲覧。
  22. ↑ “財界が後押しする“安倍総理” 経済ブレーンの面々”. ビジネスジャーナル (サイゾー). (2012年11月29日) 2016年2月7日閲覧。
  23. ↑ “政権中枢に勢力を伸ばす三井グループの背景”. 経済界 (経済界). (2014年1月7日) 2016年2月7日閲覧。
  24. ↑ “安倍新総裁:財界に「応援団」広く”. 毎日jp (毎日新聞社). (2012年9月27日). オリジナルの2012年10月1日時点におけるアーカイブ。 2016年2月7日閲覧。
  25. 1 2 尼崎事故1周年 4/24集会に380名 運転保安確立に向け、決意も新たに 日刊 勤労千葉 2006年4月27日 No.6278
  26. ↑ “【過去を克服し、共生のアジアへ 共同行動で戦後補償実現を】”. 週刊MDS新聞 (民主主義的社会主義運動). (2005年12月2日) 2016年2月7日閲覧。
  27. ↑ 「2008 平和の灯を!ヤスクニの闇へ キャンドル行動-ヤスクニ・戦争・貧困」への賛同要請 平和の灯を!ヤスクニの闇へ キャンドル行動実行委員会
  28. ↑ 「未来への架け橋」No.50(2008.9.13発行) 在韓軍人軍属裁判を支援する会ニュースレター(2013年6月2日時点のアーカイブ)
  29. ↑ 平和の灯を!ヤスクニの闇へ キャンドル行動 アジアの戦争被害者への謝罪と補償を 週刊かけはし 2008.8.25号 - 日本革命的共産主義者同盟 (JRCL) 中央委員会/ 国際主義労働者全国協議会 (NCIW) 全国運営委員会
  30. ↑ “詳報 : 8・10 平和の灯を!ヤスクニの闇へ キャンドル行動”. レイバーネット (レイバーネット日本). (2008年8月12日). オリジナルの2008年12月1日時点におけるアーカイブ。 2016年2月7日閲覧。
  31. ↑ 安田浩一 (2009年4月28日). “報告(安田浩一)〜中国人実習生が被害者となった「警察官違法発砲訴訟」判決”. レイバーネット (レイバーネット日本) 2016年2月7日閲覧。
  32. ↑ 聯合ニュース2013年6月3日 在特会取材した日本人フリー記者 韓国の大学で講演
  33. ↑ 野口健のツイート 2014年7月14日 - 7:44
  34. ↑ “野口健氏が韓国で体験した「日本人差別」ツイートの信ぴょう性を疑う声”. Livedoor NEWS (LINE). (2014年7月16日). オリジナルの2014年7月16日時点におけるアーカイブ。 2016年2月7日閲覧。
  35. ↑ 動労千葉の10.1ストライキに続き全職場で外注化・非正規化と闘おう (PDF) 国鉄闘争全国運動 第29号 2012年10月12日
  36. ↑ 動労千葉・鉄建公団訴訟、解雇撤回・JR復帰の判決を求めるための東京高等裁判所あて署名のお願い (PDF) 動労千葉
  37. ↑ 平和の灯を!ヤスクニの闇へ キャンドル行動 アジアの戦争被害者への謝罪と補償を 週刊かけはし 2008.8.25号 - 日本革命的共産主義者同盟 (JRCL) 中央委員会/国際主義労働者全国協議会 (NCIW) 全国運営委員会
  38. ↑ “安田浩一氏 最近のネトウヨは騒ぎたいだけで娯楽の要素強い”. NEWSポストセブン (NEWSポストセブン). (2013年6月29日) 2015年7月8日閲覧。
  39. ↑ 2013/12/10 安田浩一氏「事実無根のデマを放置、容認してはいけない」 ~世界人権宣言65周年記念東京集会 IWJ Independent Web Journal
  40. ↑ “ネット右翼辞めた幹部 デマ真に受ける人たち見て怖くなった”. NEWSポストセブン (NEWSポストセブン). (2012年5月1日) 2015年7月8日閲覧。
  41. ↑ “「差別から目を背けるな」 高知市で安田浩一さんが講演”. 高知新聞 (高知新聞). (2015年5月18日) 2015年7月8日閲覧。
  42. ↑ (安田 2012)
  43. ↑ ネットと愛国(講談社)第7章-リーダーの豹変と虚実(身内を取材したことで激怒した桜井は私に牙を向け始めた)
  44. ↑ 本質はどこに?この夏、読んでみよう…反ヘイトスピーチ図書 民団新聞 2014.08.15

関連文献

関連項目

外部リンク