対称函数
対称関数(たいしょうかんすう、英: symmetric function)は、数学において、 変数の関数であって、引数の順序によらず値が変わらないものをいう。例えば、2変数の関数 は、 の定義域に属するすべての , に対して が成り立つとき、かつそのときに限り対称関数である。最もよく現れる対称関数は多項式関数であり、対称多項式として与えられる。
密接な概念として交代多項式がある。交代多項式は変数の交換の下で符号が変わる。多項式関数以外にも、複数のベクトルを引数として作用する対称テンソルも対称であり、ベクトル空間 上の対称 -テンソルの空間は 上の 次斉次多項式の空間と同型である。対称関数は偶関数と奇関数と混同してはならない。偶関数・奇関数は別の種類の対称性を持つ。
対称化
アーベル群に値を持つ 変数の任意の関数 から、引数のすべての置換にわたって の値を総和することで対称関数を構成できる。同様に、偶置換にわたる和から奇置換にわたる和を引くことで反対称関数を構成できる。これらの操作はもちろん可逆ではなく、非自明な関数 に対しても恒等的に零になる関数を生み出す可能性がある。 の対称化と反対称化が両方わかっているときに を回復できる一般的なケースは、 であり、かつアーベル群が2による除算(2倍の逆演算)を許す場合のみである。その場合、 はその対称化と反対称化の和の半分に等しい。
例
応用
U統計量
統計において、 標本統計量をブートストラップ対称化して 変数の対称関数を得る 標本統計量( 変数の関数)をU統計量という。例として標本平均や標本分散がある。
関連項目
参考文献
- F. N. David、M. G. Kendall、D. E. Barton (1966) Symmetric Function and Allied Tables、ケンブリッジ大学出版局。
- Joseph P. S. Kung、Gian-Carlo Rota、Catherine H. Yan (2009) Combinatorics: The Rota Way、§5.1 Symmetric functions、pp. 222–5、ケンブリッジ大学出版局、ISBN 978-0-521-73794-4。