平田勝茂

ウィキペディアから、無料の百科事典

平田 勝茂(ひらた かつしげ、1949年7月20日[1] - )は、日本の翻訳家、脚本家である。日本脚本家連盟に加盟[2]

海外作品の吹き替え翻訳で知られる。代表作は『コマンドー』など[3]。

経歴

愛媛県出身。青山学院大学卒業[1]。学生時代、親しくなった講師の縁からアルバイトでフランス映画の翻訳をしたことがきっかけで、翻訳家の仕事を始める[4]。

当初はベティ・ブープなどカートゥーン作品の訳を行っていたが、『ひまわり』以後は映画番組を筆頭に数々の洋画・海外ドラマの吹き替え翻訳を務め、『スター・ウォーズ・シリーズ』など大作の翻訳を数多く担当している[4]。最も多忙な時期は、長尺作品だけで年間40本近く担当し、そこにテレビのドラマシリーズも含め年中無休の状態だったという[4]。

近年も『ジュラシック・ワールド』シリーズなど第一線で活動している。また、映像テクノアカデミアにて後身の育成にも携わっている[5]。

評価・エピソード

平田が翻訳した吹き替えは人気の高いものが多い。特にアーノルド・シュワルツェネッガー主演『コマンドー』テレビ朝日版吹き替えの訳は、2ちゃんねるやニコニコ生放送、Twitterで台詞がインターネット・ミームとして用いられ、テレビ放送の度に実況板の高負荷によるサーバダウンがたびたび発生するなど、カルト的な人気を博している[6]。

声優の玄田哲章は平田の訳について「流れるような会話がどんどん弾んでいく」と評している[7]。

翻訳方法について平田は、1992年の対談で「プロデューサーやディレクターとの打ち合わせで訳のイメージを決め、キャラクターや、場合によっては担当声優のイメージに合わせ翻訳する。セリフの言いまわしにクセをつけるようにしている」と述べている。また、画面で話す俳優のブレスに声優のブレスが丁度収まるように心がけ、決まったブレスの長さの中でキャラクターの個性を出すことが吹替翻訳の難しさだと語り、最終チェックは映像を見ながらすべてのセリフを読み上げ確認するという[8]。後年には、この頃を「もう、好き勝手に書かせてもらっていたいい時代でしたね(笑)。でも、ニュアンス的には英語そのものを変えたというわけじゃないんですよ。終わったらどこへ飲みに行こうか考えながらノリと勢いで一気に書き上げました」と回想している[9]。

近年の吹き替え翻訳については「リップシンク・字幕との整合性がすごく求められるようになった」という[4]。また、訳が完成するとそれを英語に再び訳し直し本国で監修するシステムになったため、「ですから、アドリブは一切ありません。今後はコマンドーのように勢いのある吹き替え映画が生まれることはないでしょう」と語っている[9]。

『スター・ウォーズ エピソード1/ファントム・メナス』では、本国から派遣されたルーカスフィルムのコーディネーターが現場に立ち会いチェックしていたため苦労したという。日本語独自の「語尾を長めに言って初めて余韻ができる」部分が英語には無いため理解されず、重要な「よ」や「わ」など最後に付く助詞を「切れ」と言われたことに対しては「話にならない」と強く抵抗したという[4]。

思い出深い翻訳作品には、「一番時間がかかり難しかった」との理由で『ナッシュビル』を挙げている[4]。

フィルモグラフィー

映画

海外ドラマ

海外アニメ

その他

  • パワーレンジャーのすべて

出典

  1. 1 2 『放送作家年鑑 1985』日本放送作家協会、1985年、会員名簿53頁。
  2. ↑ “信託者検索・名簿「ひ」”. 日本脚本家連盟. 2022年7月22日閲覧。
  3. ↑ “元祖『ゴーストバスターズ』が今夜放送! レジェンド声優陣の絶妙な掛け合いを堪能”. クランクイン!. (2022年2月4日). pp. 3 2022年7月22日閲覧。
  4. 1 2 3 4 5 6 “◎声優インタビュー#8 吹替翻訳家 平田勝茂インタビュー”. 吹替の帝王. 20世紀フォックス ホーム エンターテイメント ジャパン. 2020年6月14日時点のオリジナルよりアーカイブ。2022年7月22日閲覧。
  5. ↑ “講師紹介|平田勝茂”. 映像テクノアカデミア. 2022年7月22日閲覧。
  6. ↑ “「吹替の帝王」大ヒットの秘訣とは? そして次の発売候補は・・・ FOX担当者に聞く(第3回)”. 文化通信. 2017年1月6日閲覧。
  7. ↑ “玄田哲章&平田勝茂 インタビュー(吹替の帝王)”. 20世紀フォックス ジャパン. 2015年9月30日時点のオリジナルよりアーカイブ。2018年1月3日閲覧。
  8. ↑ “吹替のマエストロたち”. TeLePAL (小学館). (1992年6/6~6/19号).
  9. 1 2 直井裕太 (2018年11月24日). “声優・玄田哲章さんほか関係者が語る、映画『コマンドー』の30年経っても色あせないマッチョすぎる魅力”. 週プレNEWS (週刊プレイボーイ) 2022年7月22日閲覧。
  10. ↑ “移動都市/モータル・エンジン”. ふきカエル大作戦!!. (2019年2月6日) 2022年7月27日閲覧。
  11. ↑ “ジャッカー HDマスター Blu-ray” (2022年7月22日). 2022年7月27日閲覧。
  12. ↑ @TCE_Bluray (2022年7月22日). "TCE_Blu-rayのツイート". X(旧Twitter)より2022年7月27日閲覧。
  13. ↑ “ジュラシック・ワールド”. ふきカエル大作戦!!. (2015年8月1日) 2022年7月30日閲覧。
  14. ↑ “ジュラシック・ワールド ザ・シネマ新録版 -日本語吹き替え版”. 吹替キングダム (2025年2月20日). 2025年2月21日閲覧。
  15. ↑ “ジュラシック・ワールド/炎の王国”. ふきカエル大作戦!!. (2018年7月13日) 2022年7月27日閲覧。
  16. ↑ “ジュラシック・ワールド/新たなる支配者”. ふきカエル大作戦!!. (2022年7月29日) 2022年7月30日閲覧。
  17. ↑ “2022年3月7日(月)夜6時30分から、新録吹き替え版『JAWS/ジョーズ2』放送!羽佐間道夫さん ほかご出演の皆様からコメントが届きました!”. ふきカエル大作戦!!. (2022年2月28日) 2022年7月27日閲覧。
  18. ↑ “JAWS/ジョーズ2 [BSテレ東 新録吹き替え版”]. ふきカエル大作戦!!. (2022年2月28日) 2022年7月27日閲覧。
  19. ↑ “DUNE/デューン 砂の惑星 -日本語吹き替え版”. ふきカエル大作戦!!. (2021年10月14日) 2022年7月27日閲覧。
  20. ↑ “デューン 砂の惑星PART2 -日本語吹き替え版”. 吹替キングダム (2024年3月16日). 2024年3月16日閲覧。
  21. ↑ “運び屋 BSテレ東オリジナル吹き替え版 -日本語吹き替え版”. 吹替キングダム (2024年3月1日). 2024年3月2日閲覧。
  22. ↑ “ポリス・ストーリー/レジェンド”. ふきカエル大作戦!!. (2014年6月11日) 2022年7月27日閲覧。
  23. ↑ “ゴジラ キング・オブ・モンスターズ”. ふきカエル大作戦!!. (2019年6月3日) 2022年7月27日閲覧。
  24. ↑ “ゴジラvsコング -日本語吹き替え版”. ふきカエル大作戦!!. (2021年5月26日) 2022年7月27日閲覧。
  25. ↑ “ゴジラxコング 新たなる帝国 -日本語吹き替え版”. 吹替キングダム (2024年5月2日). 2024年5月2日閲覧。
  26. ↑ “ランボー ラスト・ブラッド”. ふきカエル大作戦!! (2020年6月8日). 2022年12月19日閲覧。
  27. ↑ “ランボー ラスト・ブラッド 特別編 〈BSテレ東 新録吹き替え版〉 -日本語吹き替え版”. ふきカエル大作戦!! (2022年12月17日). 2022年12月19日閲覧。
  28. ↑ “007 消されたライセンス(日曜洋画劇場版)”. ふきカエル大作戦!!. 2022年7月29日閲覧。
  29. ↑ “007 トゥモロー・ネバー・ダイ(日曜洋画劇場版)”. ふきカエル大作戦!!. 2022年7月29日閲覧。
  30. ↑ “007 ワールド・イズ・ノット・イナフ”. ふきカエル大作戦!!. 2022年7月29日閲覧。
  31. ↑ “007 ダイ・アナザー・デイ”. ふきカエル大作戦!!. 2022年7月29日閲覧。

外部リンク