一休、吉四六と並んで特に有名なとんち話の主役であるが、モデルが誰なのか、また実在の人物なのか否かは不詳のままであり、その素性は謎となっている部分が多い。肥後国熊本藩八代城の城下町の長屋に暮らしていた下級武士で、定職を持たず、時に農作業、時に傘職人などをして生計を立てていたといわれる。
彦一にまつわる民話を「彦一ばなし」とよび、八代を中心とした熊本県では今も語り継がれている。児童文学などにも盛んに採り上げられることも多いため、一休、吉四六と並び特に知られるとんち者でもある。
この彦一ばなしは町人や殿様などのほか、狐、河童、天狗などが登場する。また、とんちを使って阿漕な商売をしたり、権力者を懲らしめたりするケースはあまり見られず、時には失敗して赤っ恥を掻いたり(後述の天狗の隠れ蓑を参照)、民衆に笑いを振りまいたりと、決して英雄ではない彼の姿が描かれており、それが広く愛されている人物像を作り出している。
また、彦一話には吉四六とのとんち比べというものがあり、地元の彦一が勝つ話がある。隣国の豊後国に対する対抗意識の表れであるが、吉四六話にも同様の話があり、こちらでは吉四六の勝ちとなっている。
主な説話には次のようなものがある。以下は学習研究社『日本のとんち話事典』、寺村輝夫著『彦一さん』、小山勝清著『彦一ばなし』などに収録されている主な説話のあらすじである。
などがある。
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