忌避(きひ)とは、除斥事由には該当しないが、手続の公正さを失わせるおそれのある者を、申立てに基づいてその手続に関する職務執行から排除することを指す。

典型的な例は裁判における裁判官の忌避であるが、裁判官以外にも、裁判所書記官、鑑定人、通訳人、仲裁人、審判官などについても忌避の規定がある。なお、手続の適正を図るために、一定の者を職務執行から排除する類似の制度として、除斥や回避がある。

裁判官の忌避

刑事訴訟における忌避

判例

  • 最高裁判所は1973年、刑事事件における裁判官忌避申立却下決定に対する即時抗告の決定に対する特別抗告事件の決定において、次のような意見を明らかにした[1]。この判例は、原事件が民事裁判である場合にも却下決定の根拠として引用される場合がある[2]。
元来、裁判官の忌避の制度は、裁判官がその担当する事件の当事者と特別な関係にあるとか、訴訟手続外においてすでに事件につき一定の判断を形成しているとかの、当該事件の手続外の要因により、当該裁判官によつては、その事件について公平で客観性のある審判を期待することができない場合に、当該裁判官をその事件の審判から排除し、裁判の公正および信頼を確保することを目的とするものであつて、その手続内における審理の方法、態度などは、それだけでは直ちに忌避の理由となしえないものであり、これらに対しては異議、上訴などの不服申立方法によつて救済を求めるべきであるといわなければならない。したがつて、訴訟手続内における審理の方法、態度に対する不服を理由とする忌避申立は、しよせん受け容れられる可能性は全くないものであつて、それによつてもたらされる結果は、訴訟の遅延と裁判の権威の失墜以外にはありえず、これらのことは法曹一般に周知のことがらである。
—最高裁判所第一小法廷 裁判長裁判官 下田武三、裁判官 藤林益三、岸盛一、岸上康夫

申立例

民事訴訟における忌避

裁判官以外の忌避

脚注

  1. ↑ 最高裁判所 1973.
  2. ↑ 東京地方裁判所平成26年(モ)1207号事件等。
  3. ↑ 太田修一『被告人本人の裁判官忌避申立理由』《最高裁判所裁判集 刑事 165》最高裁判所、1967年。

参考文献

関連項目

感情

法律

外交

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