
杢(もく)、杢目(もくめ)またはフィギュア(英語:figure [fɪɡjər])とは木材の木目・木理のうち、柾目とも板目とも異なって稀に現れる複雑な模様のものを指す。その希少価値・審美的価値から珍重される。原木の中で生ずる局部的なねじれや湾曲のある箇所、または瘤の部分などを切り出した際に現れ、これは木の切り出し方によっても決定的な影響を受ける[1]。
ナラなどの「虎斑(とらふ)」、カエデなどの「鳥眼杢(ちょうがんもく、とりめもく)」、トチノキやカエデなどの「波状杢(はじょうもく)」や「縮み杢」、ケヤキなどの「玉杢(たまもく)」、ハルニレの「葡萄杢」、ツゲノキの「虎杢」「孔雀杢」などが知られる。地域的・文化的背景やその分野・用途により様々な呼び方があり、その意味する所は往々にして完全には一致しない。ここでは西洋の呼び名と日本での呼び名の対応を大まかに示す。
家具や楽器などにこれらの木材が用いられた場合、強度的または音響的な利点が強調される事はむしろ稀であり、やはりその主たる目的は審美的なものであると言える。強度的にはむしろ不利である場合もある。
しかし、ある意味では派手で素人好みではあるが、その一見して解る美しさから、それらに対する知識や審美眼を持たない者にもその制作物の価値をアピールする事が出来る。そのため、価値が解らない者が所有・保管するに至った際にも、大切に取り扱われる可能性が増え、何世代にも渡って使われる製品の製品寿命を延ばすことに繋がりうる[4]。見た目にも美しいヴァイオリンの名器などの場合は機能と音色が損なわれずに成熟し、長期的価値が伸びていく可能性が増す[5]。
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