温度差電池
温度差電池(おんどさでんち)または熱ガルバ二電池とは、温度差を利用して発電する電池。
概要
電池とはいうものの、外部からの熱エネルギーを電気化学反応によって電気に変換する一種の発電装置である。同様の目的で熱電変換素子があるが、ゼーベック効果によるものであり、作動原理は全く異なる。ガルバニ電池では両極の電極や電解質の組成が異種であることによって発電するが、温度差電池では同種である場合もある。
発電効率はせいぜい数%程度と低く、水溶液系電解質を使用する場合、運転温度は電解質が蒸発しない温度に制限され、これが高効率化を阻む要因でもある。電解質として溶融塩やβアルミナ固体電解質等のイオン伝導性セラミックを使用する場合には高温での運転が可能になり、高効率化が期待される。
従来、有効活用されていなかった発電所などの温排水や太陽熱温水器の熱などからの発電が想定される。1880年代に原理が発見され、1950年代以降、研究が続けられるものの、未だに普及には至らず試験的な段階に留まる。
原理
片方の電極を加熱することにより生じるイオンの不均衡状態から均衡状態へ移行しようとする動きを電気化学的に利用して発電する。具体的には濃淡電池に似ており、以下の反応が生じる。
特徴
- 発電効率が低い
- 装置が比較的かさばる
- ライバルの熱電変換素子と比較して優位性を見出せていない
- 可動部分がない
応用例
脚注
参考文献
- 稲垣道夫, et al. "硝酸と炭素繊維を用いた温度差電池." 日本化学会誌 (化学と工業化学) 1983.2 (1983): 309-311.
- 池庄司民夫. "シトクロム c を活物質とするレドックス型薄層温度差電池." 日本化学会誌 (化学と工業化学) 1988.8 (1988): 1495-1500.
- 池庄司民生. "薄層型レドックス温度差電池の特性." 電気化学および工業物理化学 54.7 (1986): 616-617.
- 向田雅一. "熱だけで充電する電池." (2019).