猫足

ウィキペディアから、無料の百科事典
猫足の椅子

猫足(ねこあし 英:Cabriole legs)とは、テーブルや椅子などの家具の脚の下部を、特有の形状に湾曲させたデザインのこと。猫脚、カブリオールともいう[1]。四足動物哺乳類の脚、特に有蹄動物の脚をまねたデザインを元としている。Cabrioleは、フランス語の「山羊のような跳躍」を意味する cabrioler を語源とする[2]。

このデザインは、古代ギリシャや古代中国で見られたが、フランスやイギリス、オランダなどのヨーロッパでは18世紀初期に取り入れられた[3]。主にロココ様式、イギリスのクイーン・アン様式、フランスの15世様式の椅子などに顕著な例が見られる[4]。ヨーロッパではバロック・ルネサンス時代に、アカンサスをモチーフとした唐草文様の装飾が流行した。

また、生命力をイメージさせる天に向かって伸びる螺旋のデザインが、ルイ13世時代の家具デザインに好んで用いられた。ルイ14世の時代にはアカンサスを縦に引き延ばした波形が流行し、その造形が猫足のルーツとなった[5]。ルイ15世の時代になると猫足はより優美に洗練され、椅子以外にもクローゼットやテーブルなどの脚部に盛んに取り入れられた。

19世紀後半には猫足のバスタブ(Clawfoot bathtub)がアメリカを中心に普及した。

脚注

  1. ↑ 渡辺優『図解インテリア・ワードブック』建築資料研究社、1996年。
  2. ↑ Ernest Joyce and Alan Peters. Encyclopedia of Furniture Making. Sterling Publishing Company, Inc., 1987, pp. 208–221.
  3. ↑ Encyclopædia Britannica – Cabriole Leg
  4. ↑ 渡辺優『図解インテリア・ワードブック』建築資料研究社、1996年。
  5. ↑ 矢田部 2004, pp. 100–108.

参考文献

  • 矢田部英正『椅子と日本人のからだ』晶文社、2004年。ISBN 4794965966。 

関連項目