町人Aは悪役令嬢をどうしても救いたい

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町人Aは悪役令嬢をどうしても救いたい
ジャンル
小説
著者 一色孝太郎
イラスト Parum
出版社 アース・スター エンターテイメント
掲載サイト 小説家になろう
レーベル アース・スターノベル
刊行期間 2021年3月15日 - 2022年4月15日
巻数 全3巻
漫画:町人Aは悪役令嬢をどうしても救いたい
〜どぶと空と氷の姫君〜
原作 一色孝太郎・Parum
漫画 目黒三吉
出版社 アース・スター エンターテイメント
掲載誌 コミック アース・スター
レーベル アース・スター コミックス
発表期間 2022年2月10日 -
巻数 既刊10巻(2026年8月7日現在)
テンプレート - ノート

『町人Aは悪役令嬢をどうしても救いたい』(ちょうにんエーはあくやくれいじょうをどうしてもすくいたい)は、一色孝太郎による日本のライトノベル。当初『小説家になろう』にて本編が連載され、後に後日談も2020年12月5日から2022年4月4日まで掲載され、完結しているが、作者によれば、本編完結後も誹謗中傷が継続した影響により、2021年12月31日をもって『小説家になろう』での本編の掲載が終了した後は後日談のみ掲載されている[出典 1]。

本編小説は、2021年3月15日以降にアース・スター エンターテイメントのアース・スターノベルから書籍版(全3巻)が刊行されており、Web版は同社の公式サイトやカクヨム[出典 2]などで公開されている。書籍版には後日談の一部が収録されている。

ライトノベルを原作とした漫画版『町人Aは悪役令嬢をどうしても救いたい〜どぶと空と氷の姫君〜』は、コミック アース・スターにて連載され、アース・スター コミックスより2026年8月7日現在10巻まで刊行されている。

また、本編小説および漫画版を原作とした蔵瀬喜平による二次創作小説『町人Aは悪役令嬢をどうしても救いたい 二次創作 〜ヒロインも悪役令嬢をどうしても救いたい〜』が、作者・一色孝太郎の許可のもと『小説家になろう』にて2024年7月9日から同年8月29日まで連載され、全197話・あとがき・後日談が公開されている。連載終了時点では書籍化は予定されていない[出典 3]。

以下、本編小説を「小説版」、漫画を「漫画版」、『小説家になろう』掲載文を「なろう版」、二次創作小説を「二次小説版」と表記する。また、特記事項のない限り、作中のスマートフォン乙女ゲーム『マジカル☆ファンタジー 恋のドキドキスクールライフ』を「ゲーム」と表記し、ゲーム内イベントと各媒体の描写に差異がある場合、または二次小説版のみに登場・描写されている場合は、〈ゲームイベントの内容〉〈二次小説版の内容〉として区別して記載する。

あらすじ

セントラーレン王国王都ルールデンで母親と暮らす『アレン』。8歳の誕生日に前世の記憶を取り戻し、この世界がスマートフォン乙女ゲーム『マジカル☆ファンタジー 恋のドキドキスクールライフ』の世界だという事、そして自分がそのゲーム中のモブキャラ『町人A』だという事を思い出す。

このままでは8年後、悪役令嬢『アナスタシア』の断罪イベントを発端とした戦争勃発で自分のみならず母親や町の人々を殺されてしまうと知り、このシナリオをひっくり返すべく、冒険者となり、王立高等学園に入学し、『アナスタシア』を断罪イベントから救うために奮闘するのだった。

〈二次小説版の内容〉

かつてスマートフォン乙女ゲーム『マジカル☆ファンタジー 恋のドキドキスクールライフ』をプレイしていたとある男性。ゲームをクリアしてからのエンディングやスチルを一通り確認した後、「悪役令嬢断罪イベント」の内容から多大な後悔を抱える日々を送っていた。

ある日突然、自身がそのゲームのヒロイン『エイミー』の中の人となっている事に気づき、ヒロインとなってからは自身の贖罪のために悪役令嬢に幸せになってもらうために奮闘するのだった。

登場人物

名前に付随する《英語名》は小説版・漫画版のキャラクター表記より記載。

主人公とその関係者

アレン → アレン・フォン・ラムズレット《Allen》
本作の主人公。
8歳を迎えたある日に前世の記憶を取り戻し、この世界がゲームの世界である事、そして今から8年後に起こるアナスタシアの断罪を経て戦争が勃発する事を知る。このままでは母・カテリナをはじめとした身近な人が戦争によって殺される事を危惧し、アナの断罪回避、そして戦争の回避を目的として、冒険者となり、断罪イベントの舞台となる王立高等学園への入学を決意する。
前世は航空エンジニアで、転生後に自身が持つ航空工学の知識を駆使して各種グライダーを作成していて、その存在が物語において重要な役割を持つ事に。なお、漫画版でアレンがグライダーの設計時に「琵琶湖の水の味」と言っていたり[出典 4]、王都付近にある湖へのグライダー着水時に「鳥人間」と言っている事[出典 5]から、前世で競技大会にパイロットとして出場した経験があった模様。また同時に「銃オタ」でもあり、旧ソ連圏や東南アジアでの銃器の試射や整備解体の体験ツアーに参加していた経験があった事から、転生後に各種銃火器の作成も行っている。ゲームに関しては前世で自身の姉に無理矢理プレイさせられたもので、この世界の知識はその事による。
王立高等学園入学に向けて、これまで通っていた学校を11歳で飛び級卒業する。
冒険者となって活躍する過程で【風神】の加護と【隠密】【鑑定】【錬金】【多重詠唱】【無詠唱】【風魔法】のスキルを得る。
王立高等学園での、ヒロインエイミーと彼女を取り巻く王侯貴族による決闘を制した後、アナの尽力でゲルハルト・クライネル・フォン・ラムズレットが自身の後ろ盾となったほか、母親を含めた安全の保証を約束され、さらにアナ直々にアレンとその母親をラムズレット家の庇護下に置く事が宣言される。
当初はアナの断罪イベントを止めて戦争を防ぐ目的だったが、アナと共に学園生活を送るうちに好意を抱くようになる。後にエルフの里でアナにプロポーズし、エスト帝国からのアナ救出や戦争における功績等を経てアナと婚約し、この事とラムズレット王国の成立をもってゲルハルトより『アレン・フォン・ラムズレット』の名が与えられ、最後にはアナと結婚した。
〈二次小説版の内容〉
王立高等学園入学までの経緯は同じだが、学校生活でのエイミーの行動について、小説版と同じようにカール・マルクス・レオナルド・オスカー・クロードにすり寄っている一方で彼らに嫌悪感を抱いている様子がうかがえた事や、レポート作成におけるアレンの名誉回復をカールに進言した事などからエイミーに対して違和感を抱き、真意を確認した際にエイミーが転生者である事とその経緯、そしてこの世界での目的を知った事で以降は共闘するようになる。
断罪イベントやカール達の処刑以降、しばらくの期間は概ね原作通りの展開となるが、エスト帝国がアナを魔剣により最終兵器に仕立て上げる陰謀を知って、エスト帝国に潜入してギュンターを討ち取り、エスト帝国皇帝アドルフ以下帝国重鎮に対する期限付き最終通告を行うも帝国側が応じなかった事から皇宮の全てを爆撃で破壊。その結果、帝国内が無政府状態に陥る事になる。
上記の功績で騎士爵 → 男爵 → 子爵 → 伯爵と陞爵するが、アレン自身がラムズレット家お抱えの冒険者であるのに対し、セントラーレン王国側がアレンの存在によりパワーバランスが崩れる事とラムズレット家の勢力拡大を危惧して綱引き状態となっていた。その後、アレンが飛龍の谷を有してラムズレット公爵領に接する地域を領地としてセントラーレン王国側に希望し、新領地名を「ドラゴラント郡」にすると同時に自身も『アレン・フォン・ドラゴラント』と家名を付けて名乗る事になり、同時にセントラーレン王国とラムズレット家の間に起きていた問題も解決をみる。
エイミーが【無私の聖女】の加護を得た場に立ち会った際に【スクロールメイカー】のスキルを得ている。このスキルを活用し、アナの【氷の聖女】加護とエイミーの【無私の聖女】加護の双方を秘匿した方がよいと提案し、2人に隠密のスクロールを作成して手渡している。
カテリナ
アレンの母。アレンの物心つく前に夫を亡くしてからは女手一つでアレンを育て上げる。
アレンの活躍を見て「あの人にそっくり」と言っている事から、アレンに夫の面影を見ている模様。またアレンの学園での決闘については、アレンの正当性を踏まえて「それでもお前に罰を与えようとなんて言う奴は国王様だろうが公爵様だろうが文句を言ってあげるから」と言ってくる心強い一面も。
ゲルハルト・クライネル・フォン・ラムズレットによる庇護下に置かれてからはラムズレット家に移り、アレンがアナと婚約した事を契機にラムズレット家の義家族となった。それにともなって名前が『カテリナ・フォン・ラムズレット』となったようである。
アナスタシア・クライネル・フォン・ラムズレット《Anastasia》
ラムズレット公家公爵令嬢。本作でのヒロイン。『アナスタシア(様)』と呼ばれる事が多く、親しい友人や、決闘直後の夕食会でエリザヴェータに促されたアレンからは『アナ様』と呼ばれるようになり、後述するプロポーズ後はアレンより『アナ』と呼ばれるようになる。なお、当記事は特記事項がない限りは『アナ』と表記する。
登場時は【氷魔法の才能】【騎士】の加護と【氷魔法】のスキルを持っていた。当初は悪役令嬢と思われていたが、王立高等学園でアレンと共に学校生活を送るうちにアレンからは、相手に耳に痛い真っ当な苦言を呈しているも、王太子カールハインツ・バルティーユ・フォン・セントラーレンとの婚約の意味をちゃんと理解し、国と国民のために自分を押し殺している、至極真っ当な人間と評されている。
普段は気の強い口調をしているが、これは王太子との婚約中に行儀見習いとして王城に入った際、なぜか騎士としての訓練をカールと共に受ける事になり、訓練期間中に本来はカールが護衛騎士や侍女に出すべき各種の必要な命令を代理で出しているうちに上官と部下のような関係となり、その際に身に付いたもので、アレンの事に関連してからかわれるなどした時はデレた口調となる事もある。アレンとの婚約・結婚後はお淑やかな口調で話すようにもなってきている。
シェリルラルラの一件でアレンと共にエルフの里に行く事になった時には、里にてエルフ女王から自身のあり方についてアドバイスを受ける。その後の夏祭りに参加した際は終了後に光の精霊ローからの祝福を受け、その翌日にはアレンからプロポーズを受けて身代わりの指輪を渡され、エルフの里を発つ際にはエルフ女王より妖精の髪飾りを贈られる。
エスト帝国に攫われて「氷絶の魔剣」の虜にされる直前にアレンに助けられるも、魔剣の影響を防ぐために自身を封印して魂が奥底で眠った状態となるが、アナの誕生日にアレンが手に入れていた「空騎士の剣」をプレゼントされた事により、剣の力が封印の鍵となって目覚めると同時に【空騎士】の加護と【風魔法】のスキルを得る。
エイミー達への尋問時、レオナルドによって生死を彷徨う程の重傷を負ったアレンを救いたいという願いに、「導きの杖」が応えると同時に既に受けていたロー様からの祝福によって、加護が【氷魔法の才能】から【氷の聖女】へ、スキルが【氷魔法】から【聖氷魔法】へと変化した。これらはアレンの助けとなったほか、エイミーの【蠱惑の魔女】の加護と【言霊】のスキルによって洗脳された人々を解放するきっかけにもなった。
ラムズレット王国成立後は第一王女となり、後にアレンと結婚する。また【風魔法】のスキルを得た事で練習用グライダーの操縦も始めた。
〈ゲームイベントの内容〉
悪役令嬢とされ、断罪イベントにおいてエイミーに決闘を申し込むも、王太子カールが決闘の代理人に立候補した事で敗北。その後地方の修道院に送られる途中で王太子の差し金の賊に襲われて行方不明となり、闇落ちしてラスボスとなってエイミーの前に現れるも、最終的に討ち取られてしまう。
〈二次小説版の内容〉
エイミーがそもそもアナ自身の幸せのためにカールからの婚約破棄を宣言させる事を狙っているため、その真意を知って以降はエイミーと作戦成功に向けて秘密裏に手紙をやりとりするなどしている間柄になっている。
決闘を申し込む際に手袋を投げつける相手はエイミーではなくレオナルドとなっている。
闇落ちについては、アレンが事前にエスト帝国の陰謀を知った事で防がれている。
加護とスキルについては、アナ自身が無事な状態での誕生日に「空騎士の剣」をアレンからプレゼントされた事で【空騎士】の加護と【風魔法】のスキルを得て、エイミーが【無私の聖女】の加護を得た場に立ち会った事で【氷の聖女】の加護と【聖氷魔法】のスキルを得ている。
アレンが「ドラゴラント郡」を拝領して『アレン・フォン・ドラゴラント』という家名を付けた名前となる事から、結婚後は『アナスタシア・クライネル・フォン・ドラゴラント』と名乗る事が決定している。

ギルド関係者

モニカ
西部冒険者ギルドに併設している酒場の従業員(ウェイトレス)。アレンの事を気に掛けていて、色々と世話を焼いているほか、なにかと過剰なスキンシップを図ってハグする事が多い。アレンのギルド登録のきっかけとなった人物でもある。
父親がアパートを経営しており、アレンが12歳の時に新しい家を探していた時の助けにもなった。
全てが終わった後はアレンとアナの結婚式に参列している。
ルドルフ
西部冒険者ギルド職員。アレンは当初「おっちゃん」と呼んでいたが、冒険者の仕事をするにあたって、また王立高等学園入学において剣術の実技試験突破が必要な事から剣の師匠として剣を教わる事となり、以後は「師匠」と呼ぶようになる。
元々は【剣士】の加護を持つ凄腕の冒険者だったが、仕事中に負った怪我が元で冒険者を引退し、現在に至る。漫画版では仕事中に右膝にオークの矢毒を受けたために右足を切断し、以降は義足生活となるが、魔法で動く義足なので通常生活や多少の運動は出来るため、いずれにおいても剣を教える程度は出来ている。
ラムズレット王国成立後もギルドのあるルールデンに残り続けていた事でエイミーの洗脳を受けて城門の番人となっていたが、アレンの自動拳銃で非殺傷弾を撃ち込まれて無力化、その直後にアナの聖氷覚醒で正気を取り戻す。
全てが終わった後はアレンとアナの結婚式に参列するが、アレン曰く「借り物と思われるスーツが全く似合ってなくて…」との事。
ジェレイド、ボッツ、アンガス、ベンジャミン
西部冒険者ギルド所属のアレンの先輩冒険者。ベンジャミンが弓士の他は全員剣士。
上記メンバーは護衛任務依頼を受けた仲間で、ルドルフの案でアレンの冒険者ランクをDからCにアップさせる目的で同行させた。普段はギルドに併設する酒場で飲んでいる事が多い。
全てが終わった後はモニカやルドルフと共にアレンとアナの結婚式に参列するが、こちらもアレン曰く「スーツが似合ってなくて…」との事。
ヨハネス
〈二次小説版の内容〉
東部冒険者ギルドのギルド長。ジークフリードの父親が元冒険者だった縁でブレイエス家では親子代々の関係がある。またレオンハルトと旧知の仲でもある。
エイミーとシュザンナがそれぞれのステータス確認のためにブレイエス家へ招いたところ、エイミーに【癒し】の加護が与えられていた事が判明し、そのまま治癒魔法を教える事となった。以降はエイミーを東部冒険者ギルド専属の治癒魔法担当として雇っているほか、エイミーにレオンハルトを師として紹介している。

飛龍の谷の関係者

風の神
アレンが飛龍の谷の風の神殿に来た時に出会った神。風を操るほか、人間相手なら心を読む事も出来る。
この風の神がワイバーンロードのジェロームとメリッサに加護を与える事でスカイドラゴンになれる素質を持っていると見出した事から、アレンに婚活の手伝いを依頼する。無事に結ばれた後はアレンに【風神】の加護を与えた。
なろう版の後日談で、アレンとアナの年越し礼拝中に氷の女神と共に顕現し、導きの杖を封印する神殿を建てるよう依頼している。
氷の女神
風の神と共に導きの杖を封印する神殿を建てるよう、アレンとアナに依頼してきた女神。
なろう版の後日談と二次小説版のみ登場している。
ジェローム
黒い体色をしたワイバーンロード。体格の割に臆病で恥ずかしがり屋なので、アレンをして「ポンコツ」と評されている。
風の神からアレンへの依頼でメリッサにプロポーズさせるべく色々と画策するがことごとく失敗するも、彼女が30匹ものワイバーンに襲われていたところを勇気を振り絞って撃退した事で認められ、無事に番(つがい)となる。
風の神には「スカイドラゴンになれる素質がある」と言われており、番となってから風の神より加護を得たようで、アレンがアナと一緒に再度風の神殿を訪れた時にはワイバーンロードからスカイドラゴンとなり、体格も一回り大きくなっていた。また「咆哮(ロア)」が使えるようになり、「咆哮」を受けると弱い者は動けなくなり強い者でも体が重くなる特性がある。
エスト帝国からのアナの救出や、セントラーレン王国でのエイミーとの決戦に一役買う。
アレンとアナの結婚式にはメリッサと、その間に生まれた娘のシエルと共に参列した。この事はセントラーレン王国での一戦を含めてラムズレット王国がスカイドラゴンによって護られている事を印象づける形となった。
〈ゲームイベントの内容〉
エイミー達の一行が風神の書を得るためにやって来た際に、統率する100匹以上のワイバーンと共に倒されている。
〈二次小説版の内容〉
作中では、エスト帝国との戦争が終わった後の王立高等学園貴族用女子寮前の広場に、スカイドラゴンとしてメリッサと一緒に降り立ったのが初登場。
アレンやアナとの親友関係は変わらないが、アレンに関わるセントラーレン王国とラムズレット公爵家との引き合いや、謀殺の危機を回避する重要な役割を持つことになる。
ちなみに、この時のエピソードで王国内にて騒擾罪に問われかねないとして、アレンがセントラーレン国王・クラリス・ゲルハルトより叱責を受けている。
メリッサ
白い体色をしたワイバーンロード。ジェロームとは逆にかなり気が強い。
当初はジェロームのプロポーズをことごとく撥ね除けていたが、自身が30匹ものワイバーンに襲われた時に助けられてその勇気と男気を見出し、墜落直前の彼を受け止めて番(つがい)となった。これ以降は彼の事を愛称で「ジェリー」と呼ぶようになる。
ジェロームと同様に風の神から「スカイドラゴンになれる素質がある」と言われており、こちらも番(つがい)となった後で風の神より加護を得たようで、アレン達の風の神殿への再訪時にはワイバーンロードからスカイドラゴンとなり、体格も一回り大きくなっていた。そしてメリッサ自身も「咆哮(ロア)」が使えるようで、アナを救出してからの公爵邸への着陸後に軽い「咆哮」を使用人達に浴びせて驚かしてる。
番となる出来事の際に「どうしてもアタシたちの助けが必要な時、一度だけ必ず駆け付ける。」という約束を取り付け、アレンによるエスト帝国からのアナの救出時に駆け付けるが、その後もアレンやアナとも交流が続き、特に出産にともなっての牛肉やオーク肉といった食料の差し入れもあって、幾度かアレンとアナを助けている。
エイミーとの決戦が決着してからのアレンとアナの結婚式には、ジェロームや孵化したばかりの娘シエルと共に参列している。
〈ゲームイベントの内容〉
エイミー達の一行が風神の書を得るためにやって来た際に話し合いを持ちかけられるが、夫(ジェローム)を殺された事で怒り狂い、逆に娘(シエル)と共に返り討ちにされる。
〈二次小説版の内容〉
ジェロームと同じく、王立高等学園貴族用女子寮前の広場にスカイドラゴンとして降り立ったのが初登場で、アレンのトラブルや謀殺の危機回避に重要な役割を果たしている。
シエル
ジェロームとメリッサの間に生まれた娘。白い体色をしているが、瞳はジェロームから受け継がれた特徴(二次小説版では金色の瞳)をしている。
風の神殿内でメリッサが卵を孵化してる最中にアレンとアナが訪れた際、【氷の聖女】となっていたアナから加護を与える約束をされている。
生まれてからはアレンとアナの結婚式に両親と共に参列している。
〈ゲームイベントの内容〉
両親(ジェロームとメリッサ)を殺された事に怒り狂うも、エイミー達に返り討ちにされる。

王族・貴族とその関係者

エイミー・フォン・ブレイエス《Amy》
ブレイエス男爵諸子。後に貴族の落とし子と判明し、母親と共にブレイエス男爵家に引き取られる。作中では『エイミー』と呼ばれる事が多く、当記事では特記事項がない限り『エイミー』と表記している。
幼少期に庶民として暮らしていた際、馬車事故で頭を強打したことをきっかけに前世の記憶を取り戻し、自身が転生者であると自覚する。ただし、アレンに見破られた以外は転生者である事実を周囲に明かしていない。
自分がゲームのヒロインに転生したと理解してからは、ゲームのシナリオ通り「ハーレムエンド」を目指すようになり、強引にイベントを発生させようと画策することも多い。他者をゲームキャラとしてしか見ておらず、その態度からアナには「この女はどうにも、他人を人間と思っていない節がある」と評されている[出典 6]。しかし、発生させようとしたイベントは直接・間接を問わずアレンに阻止されている。
アイテム「導きの杖」を入手したことで、最終的には【蠱惑の魔女】の加護と【言霊】のスキルを得た。ただし既に持っていた【癒し】の加護との組み合わせ・自身でステータスを確認出来ない仕様・そして「シナリオ通り進めている」という思い込みで、最後まで自分は【慈愛の聖女】の加護を得たと勘違いしていた。
ラムズレット王国独立宣言に伴う戦争では捕虜となるが、【蠱惑の魔女】の加護と【言霊】のスキルによる洗脳で衛兵を籠絡し、同時にカールが【英雄】の加護でレオナルドにバフを与えた隙にカール・マルクス・オスカーと共に脱出する。
その後セントラーレン王国に戻り、王城内の関係者や兵士・教会の関係者・市井の人々を次々と洗脳していく。ただし本人が【慈愛の聖女】になったと思い込んでおり、聖女の力で従っていると誤解している。
最終的にはアナの【聖氷魔法】「聖氷封声」によって声を封じられると同時に【言霊】スキルも使えなくなり、罪を償うためにラムズレット王国に送られ、対外的には処刑されたと発表される中で、実際には鉱山送りとなった。
〈二次小説版の内容〉
二次小説版の作中では、一部を除いて主役を務める。
前世ではアラフィフ男性がプレイしていたゲームのヒロインに転生した存在で、作中では「中の人」と呼ばれることもある。転生前の名前は不明。
一人称は当初「中の人」が自分語りで「俺」、対外的には「わたし」を使っていたが、ある出来事をきっかけに「中の人」も「わたし」を使うようになる。これは「中の人」の精神が「エイミーの身体」に影響を受けたためと推測している。
「中の人」がゲームでアナを破滅に追い込んだ事から、その贖罪としてアナを救う決意を固めてシナリオを覆すために猛勉強した結果、成績優秀で中学校の飛び級卒業を果たしたものの、無理がたたって近視になってしまい、以後は元々とは違う眼鏡キャラとなる。
ヨハネスによって【癒し】の加護を得ている事が判明し、東部冒険者ギルドに所属し、治癒魔法を教わると同時にギルド専属の治癒魔法担当となって専用の「治癒室」を与えられ、さらにレオンハルトからも教えを受けて彼を師と仰いでさらなる治癒魔法を学び、師の死後も彼の遺した著書・蔵書を基に研鑚し続け、いくつかの魔法特許も取得する事が出来た。それらの功績から東部冒険者ギルドを中心に『東部の治癒姫』と、そして最終的に『癒しの姫御子』と呼ばれるようになる。
転生した経緯と、レオンハルトに師事していた事もあって、ゲームや原作と違って興味は治癒魔法に傾倒するようになり、一方でカール・マルクス・レオナルド・オスカー・クロードには当初より嫌悪感を抱いていた。学園生活ではアナから色々と苦言を言われるも、そのタイミングでアナを救うためとしてあえて断罪イベントにより婚約破棄される事をアナに提案。以後は作戦成功に向けてアナと秘密裏に手紙のやりとりなどを行う間柄となり、一度は避けていた元々のヒロインキャラを演じるようになる。その事ではアレンの怒りを買うが、自身が転生者である事とその目的をアレンに知られて以降は彼とも共闘するようになる。
小説版と違い、決闘の際はアナから手袋を投げつけられるのではなく、アナと共闘を宣言した上でカールに靴下を投げつけ[注 1]、アナに2発の平手打ちで止められるまでカール達に相当な不敬の暴言を吐き、アナとカールとの婚約破棄には成功するが、直後に2週間の反省室送りとなる。なお、アナを救う目的だった事からブレイエス家共々ラムズレット公爵家より庇護を受け、合わせて公爵家の寄子となった。
断罪イベントの全てと処罰が終わり、反省したオスカーからの謝罪を受け、そこに至るまでの全ての行動の理由を知ったマーガレットやイザベラともども和解して親友となる。
エスト帝国との戦争が終結した後にマーガレットからの情報で廃教会に安置されていた「導きの杖」を手に入れた事により、原作と違う【無私の聖女】の加護を得た。
王立高等学園卒業後は東部冒険者ギルド専属の常勤治癒魔法担当となり、更なる治癒魔法の研鑚と冒険者の治癒に勤しみ、物語の最後は伯爵に陞爵したアレンとアナの結婚を見届けた。
カールハインツ・バルティーユ・フォン・セントラーレン[注 2]《Karlheinz》
セントラーレン王国王太子。【炎】と【英雄】の加護を持つ。通常は『殿下』と呼ばれる事が多く、エイミーからは『カール様』と呼ばれている。なお、当記事では特記事項がない限り『カール』と表記する。
元々は8歳のころにアナと婚約していたが、エイミーの攻略対象の一人となった事で王立高等学園の生徒となった16歳の時にアナとの婚約を破棄する。ただし、そのころにはアナから既に見切りを付けられていた。
アナからエイミーへ決闘を申し込んだ際にはマルクス・レオナルド・オスカー・クロードが代理人となるが、アレンがアナの代理人となり、アレンに挑発された事から全員揃っての決闘に応じる。
決闘ではアレンに煙幕を張られ、アレンの持つ非殺傷弾入りサプレッサー(減音器[注 3])装着自動拳銃により無力化される。その後アナの無実と立場を説かれるが、それでもエイミーを諦められず、王族としての不自由さを嘆いた事でアレンから王族離脱を諭される。その事に逆上して極大の炎魔法を放つも、アレンの極大風魔法で炎と共に吹き飛ばされ、魔力を使い果たして戦闘不能となる。
王立高等学園2年目の夏休み終了後、アナを陥れるために玉璽を偽造し、アナをエスト帝国に送り込む。
ラムズレット王国独立宣言に伴う宣戦布告時には総大将として攻め込むが、アレンのブイトール改による攻撃で潰走状態となって捕虜となる。しかしエイミーの能力と、自身の持つ【英雄】の加護でレオナルドに与えたバフによってマルクス・オスカーと共に脱出し、王都へ戻る。
最終局面でルールデン奪還戦の最中、玉座の間でアナと対峙するが、【空騎士】の加護を得てレベルアップしたアナには敵わず、自身の【炎】魔法でも溶かせない【聖氷魔法】「氷縛聖界」で捕縛され、第二王子派に引き渡される。
最後には王位継承権を剥奪され、精神的ショックから自室に引きこもるようになる。
〈ゲームイベントの内容〉
アナからエイミーへ決闘を申し込んだ際にエイミーの代理人となるが、代理人を立てられなかったアナに勝利している。
〈二次小説版の内容〉
原作では語られていないが、アナとの婚約後も学業・魔法・剣技・体術の全てに勝てなかった劣等感から憎悪を抱き、後にマルクス・レオナルド・オスカー・クロードと交友を持ってからは彼らの影響で堕落し、決闘への道をたどる。
最終的には決闘に伴う失態でアナ・アレン・エイミーを逆恨みし、謝罪を名目に集まった密室で謀略を企てるが、計画に反対したオスカーに対して激怒し、レオナルドによるオスカーへの暴行を傍観している。しかし【隠密】スキルで隠れていたアレンに阻止され、捕縛の上でセントラーレン国王の前に連行され、また、事前にアレンが用意していたヴォイスレコーダーで録音されていた謀略の内容を国王以下同席者が知った事で、国王より廃太子を宣告される。その後は王命によりアレンの銃撃で最期を迎え、『急病死』として処理され、王立高等学園卒業式後の卒業進級祝賀パーティーで王家の系譜からの除籍を言い渡されている。
マルクス・フォン・バインツ《Marcus》
セントラーレン王国宮廷魔術師長でもあるバインツ伯爵家の嫡男。【賢者】の加護を持ち、魔法に長けている。登場当初は次期宮廷魔術師長で未来の宰相候補とされていた。エイミーの攻略対象の一人。
断罪イベントの決闘ではアレンが放った煙幕によってパニックに陥り、魔法による反撃もろくに行えないうちにアレンの持つ非殺傷弾入り自動拳銃により無力化される。その後、アレンから決闘の非正当性と誰が悪いのかを諭されるが受け入れず、アレンから顔面に蹴りを入れられて戦闘不能となる[注 4]。
セントラーレン王国とラムズレット王国の戦争に伴う捕虜からの脱出については、エイミーやカールの項目に記述されている通りである。
その後、王都から王城に戻るが、ルールデン奪還戦の最中、玉座に座るエイミーを狙ってアレンが放ったサイガの銃撃からエイミーを庇い、銃弾を受けて倒れるものの、アナの聖氷覚醒と聖氷治癒によって一命を取り留める。
回復してエイミーからの洗脳が解けた後は廃嫡寸前となり、汚名返上のため努力する生活を送る。その一環として、教会関係者であるピシウス枢機卿の汚職の証拠集めに尽力し、その証拠をラムズレット王国へ提出するとともに、アレンとアナにこれまでの行いを謝罪する。後のアレンとアナの結婚式にはオスカーと共に参列している。
〈二次小説版の内容〉
カールの項目で語られている、カールを堕落させたメンバーの一人となっている。以降の決闘までの経緯はレオナルド・オスカー・クロードと同様で、さらにその後のアナ・アレン・エイミーへの謀略と、レオナルドによるオスカーへの暴行の傍観が露呈して捕縛・連行され、国王の前でクラウスに暴行を加えられ、最期は『急病死』の扱いとなる。
レオナルド・フォン・ジュークス《Leonardo》
セントラーレン王国近衛騎士団長オットー・フォン・ジュークス子爵[出典 11]の嫡男。【騎士】の加護を持つ剣の達人。エイミーの攻略対象の一人。
断罪イベントの決闘では、煙幕によって視界を塞がれた中で闇雲に剣を振り回していたが、アレンが標的を外した流れ弾を防ぐためにレオナルド周辺の煙幕を一部だけ消し、それに油断したところへ非殺傷弾を多数撃ち込まれて気絶し、戦闘不能となる。
期末テストで2回最下位を取った事で冬休み明けからはBクラスに転落。また、断罪イベント前に起きたエイミーのペンが燃やされる事件について、一方的にアナを犯人と決めつけて疑わなかった事により廃嫡となる。
ラムズレット王国独立宣言にともなう戦争時にはエイミー・カール・マルクス・オスカーと共に捕虜となるが、エイミーの能力に加え、カールが持つ【英雄】のバフを受けて左手を犠牲に拘束を解き[注 5]、アレンへの攻撃で仲間を脱出させる。しかしその一方で、アナの【氷魔法】「氷剣乱舞」で生み出された無数の氷剣により滅多刺しにされ、帰らぬ人となる。
〈二次小説版の内容〉
カールの項目で語られている通り、カールを堕落させたメンバーの一人となっている。決闘およびその後のアナ・アレン・エイミーへの謀略露呈による連行まではマルクスと同様で、その中で計画に反対したオスカーに対して暴行し、重体に陥らせている。
連行後はオットーが国王へレオナルドとの決闘を嘆願し、最終的にレオナルドは『急病死』の扱いとなる。
オスカー・フォン・ウィムレット《Oscar》
セントラーレン王国一の大富豪であるウィムレット侯爵家の嫡男。【弓王】の加護を持つ弓の達人。エイミーの攻略対象の一人。
断罪イベントの決闘では、煙幕によって視界を塞がれて矢を放てなかったところへアレンから非殺傷弾を多数撃ち込まれて無力化され、さらに目潰しの唐辛子入り水風船を顔面に投げつけられて[注 6]倒れ込んだところに短剣を首元へ突きつけられ、決闘の立会人より戦闘不能を宣言される。
セントラーレン王国とラムズレット王国の戦争に伴う捕虜からの脱出についてはエイミーやカールの項目に記述されている通りだが、逃走途中で再び捕まる。
再度捕虜となってアナと対面した際、アナの【聖氷魔法】「聖氷覚醒」によってエイミーからの洗脳が解ける。その後の事情聴取を経てアナに学園での無礼を謝罪するが、同時にこの世界の慣習に従い身代金をたっぷり取られている。
謝罪後にはアレンとアナから、エイミーが聖女ではなく魔女である事の危険性を強く言い聞かされた上で解放され、セントラーレン王国へ戻る。その後はシュレースタイン公爵領に立ち寄り、その旨を伝えたとされる。
全てが終わった後はマルクスと共にアレンとアナの結婚式に参列している。
〈二次小説版の内容〉
カールの項目で語られている通り、カールを堕落させたメンバーの一人となっている。決闘までの経緯はマルクス・レオナルド・クロードと同様だが、自身は資金源として利用されていた立場である。
謝罪を名目とした謀略の計画に立ち会った際には、決闘後に姉の『サビーネ』に諭されて既に反省していたため反対の立場を取るが、それが原因でレオナルドからの暴行を受け、瀕死の重傷を負う。しかし、【隠密】スキルでその場に隠れていたアレンに救出され、東部冒険者ギルドの「治癒室」に運び込まれ、エイミーの治癒魔法で一命を取り留める。
回復後はウィムレット侯爵家より勘当されるが、謝罪のためラムズレット公爵家を訪れ、お茶会中のアナとエイミーに謝罪する。その際、【弓王】の加護を持ちながら腕が鈍っている事を指摘されるが、自身は冒険者となって弓の腕を磨く道を選ぶ。
冒険者となってからは東部冒険者ギルドに所属し、めきめきと実力を付ける。ギルド内では『東部のチャラ坊』という二つ名で呼ばれるようになる。『チャラ坊』は決闘時にエイミーから言われた『チャラ男』に由来するが、オスカー自身の反省の意も込めてあえて受け入れている。なお、この呼称はギルド内では彼の実績からむしろ褒め言葉として扱われている。
一方で、アナ・アレン・エイミー・マーガレット・イザベラと共に王立高等学園で学業に励み、学業成績の向上と弓術の上達を経て勘当を解除される。この経験を通じて、学業を共にした5人とは無二の友人となる。ただし、勘当が解除されても家督は継がず、冒険者を続け、家督は姉サビーネとその婚約者が継ぐことが決まっている。
エイミーが【無私の聖女】の加護を得た場面に立ち会った際、自身の加護が【弓王】から【弓神】へと変化する。
クロード・ジャスティネ・ドゥ・ウェスタデール《Claude》
ウェスタデール王国の第三王子。【拳王】の加護を持つ。闘い方は徒手空拳のスタイル。エイミーの攻略対象の一人。
断罪イベントの決闘では、煙幕によって視界を塞がれたところへアレンから非殺傷弾を多数撃ち込まれて気絶し、無力化され、その後立会人より戦闘不能を宣言される。
この決闘が行われた冬休みの間にウェスタデール王国側から王立高等学園の退学申し出があり、そのまま自国に戻る。ただしアレンはこれを表向きの理由と考えており、実際にはセントラーレン王国が戦争で荒廃する事を見越し、エイミーが脱出した際の受け皿となるべく動いていると見ている。また、ウェスタデール王国がエスト帝国と手を組み、領土分割を目論んでいる可能性も示唆されている。
全てが終わった後は、噂ではあるが自国において病気療養中とされる。
〈ゲームイベントの内容〉
セントラーレン王国王都が壊滅状態となった際にエイミーと共に脱出し、エイミーの聖女覚醒の瞬間に立ち会う。その後、母国を説得して同盟国であるセントラーレン王国のエスト帝国からの奪還に協力する。
〈二次小説版の内容〉
カールの項目で語られている、カールを堕落させたメンバーの一人となっている。以降の決闘までの経緯はマルクス・レオナルド・オスカーと同様だが、その決闘での失態が父・ウェスタデール王国国王に知られた事で逆鱗に触れ、本国に強制帰国となり、以後は登場していない。
バルディーユ・マンフレート・フォン・セントラーレン
セントラーレン王国を統べる国王。カールの父。
本名は存在するが、作中では『セントラーレン国王』と呼ばれる事が多い。当記事でも特記がない限り『セントラーレン国王』と表記する。
物語が進むにつれ政治手腕に難が生じ、最終的にはゲルハルトと袂を分かつ。
最終的にはエイミーの一件が引き金となって没落し、第二王子ルートヴィッヒ・フォン・セントラーレンが王位継承権を得て即位が決まった直後に実権を剥奪され、どこかの塔に幽閉される事となる。
〈二次小説版の内容〉
原作の小説版や漫画版と異なり、比較的善政を敷いており、政治判断も堅実で安定した政治運営が描かれている。
カールがアナ・エイミー・アレンへの逆恨みによる謀略を企んだ際には、謹慎 → 停太子 → 廃太子と厳正に処分した。
また、マルクスの失態およびマルクスへの暴行によるクラウス伯爵の宮廷魔術師長辞任を引き止めたり、オットーのレオナルドへの決闘を許可するなどしている。
その後、アレンによるパワーバランスの崩壊を受けて、アレンをセントラーレン王国とラムズレット公爵領のどちらに所属させるかを巡る引き合いの状況が発生するが、アレンの項目で述べた通り、セントラーレン王国領内でラムズレット公爵領に接する「ドラゴラント郡」をアレンの領地とする事で解決する。
二次小説版本編の終盤および後日談では、自身の王妃クラリスやゲルハルト・エリザヴェータが王立高等学園時代の旧知の仲であり、その縁でクラリスと結ばれた事、そして現在も親交が続いている様子が描かれている。
クラリス・バルティーユ・フォン・セントラーレン
〈二次小説版の内容〉
セントラーレン国王妃で、カールの母。作中では『クラリス』と表記されるが、当項目では立場を踏まえてフルネームを記載している。
カールが犯した数々の失態に対し、自身の視界から遠ざけるよう命じた後、国王に「自身の教育が至らなかった」として賜死を願い出る。しかし、アレンの「死ではなく、生きて民を護る道を選ぶべき」という趣旨の発言と国王の意向により、思いとどまる。
二次小説版本編の終盤および後日談では、セントラーレン国王・ゲルハルト・エリザヴェータと同様に王立高等学園時代の旧知の仲であり、その縁でセントラーレン国王と結ばれた事、そして現在も親交が続いている様子が描かれている。
ルートヴィッヒ・フォン・セントラーレン
セントラーレン王国第二王子。カールの弟で3歳年下だが、カールと違って加護を持っていない。
初登場時は第二王子派であるシュレースタイン公爵領にいたが、エイミーによる一件が解決し、カールの王位継承権が剥奪されると同時にセントラーレン国王が幽閉された事で、立太子が決定した。
元々理想を掲げる節があり、非常に視野が狭く、自分を中心とした世界でしか物事を考えられないという欠点があることをゲルハルトが指摘している[出典 14]。
立太子となった後はフロレンツィアと婚約している[出典 15][出典 14]。
〈二次小説版の内容〉
シュレースタイン公爵領(キールブルグ)にいた理由として、各種の不良行為が露呈した事でシュレースタイン家預かりとなっていたが、それらがカール達の謀略によるものであった事が判明する。カールが『急病死』した後にセントラーレン王国へ戻り、謀略による冤罪が晴れて名誉回復がなされた後、新たに王太子となった。
ゲルハルト・クライネル・フォン・ラムズレット
ラムズレット公爵家当主。アナの父であり、ヴィーヒェンの領主でもある。
決闘後のアレンをラムズレット公爵家に呼び寄せ、アレンとその母カテリナの後ろ盾となる事を宣言する。
後にセントラーレン王国と袂を分かち、「ラムズレット王国」として独立する事を宣言し、ヴィーヒェンを王都とした国家を建国した。
〈二次小説版の内容〉
原作と異なり、セントラーレン国王が比較的善政を敷いているため国王との関係は良好である。しかし、セントラーレン国王の項にもある通り、アレンをどちらに所属させるかを巡る引き合いの状況が発生するが、後に解決する。
アレンとアナを恋仲にする作戦が露見した事で怒り、アレンの他にエイミー・マーガレット・イザベラに罰を与えるが、アレンに提示した婚約条件を達成した事で許す事になる。
二次小説版本編の終盤および後日談では、妻のエリザヴェータの他に、セントラーレン国王とその王妃クラリスが王立高等学園時代の旧知の仲であり、後日談ではエリザヴェータとの縁で結ばれた事、そして現在も親交が続いている様子が描かれている。
エリザヴェータ・クライネル・フォン・ラムズレット
ゲルハルト公爵夫人。アナの母であり、ラムズレット王国成立後は女王となる。
幼少期にはロリンガスに師事して魔法を学んでいた経歴があり、その縁から当時のロリンガス(後の光の精霊ロー)からは『リザ』と呼ばれている。
〈二次小説版の内容〉
原作と概ね同じであるが、ゲルハルトの項でも触れた通り、二次小説版本編の終盤および後日談では、ゲルハルト・セントラーレン国王・王妃クラリスが王立高等学園時代の旧知の仲であり、その縁でゲルハルトと結ばれ、現在も国王夫妻と親交が続いている描写がある。
コンラート・クライネル・フォン・ラムズレット
ゲルハルト公爵の息子で、アナの兄。ザウス王国に駐在していたが、ザウス王国との戦争が勃発する直前にラムズレット公爵領へ戻されている。
アルフレヒド・クライネル・フォン・ラムズレット
ゲルハルト公爵の息子で、アナの兄。ザウス王国との戦争において父ゲルハルトと共に兵を指揮していた。
アレンによって趨勢が決した後は屋敷に戻り、アレンと対面している。ラムズレット王国成立後は王太子となる。
フリードリヒ・クライネル・フォン・ラムズレット
ゲルハルト公爵の息子で、アナの弟。ラムズレット王国成立後は王弟太子となる。
セバスチャン
ラムズレット公爵家に仕えている執事。アナなどからは「セバス」と呼ばれている。
ゲルハルトからの依頼で決闘直後のアレンをラムズレット家に招いたほか、アレンとカテリナの夕食会への招待状を届ける役目も担っている。
イライザ・フォン・オーベルシュタイン
〈二次小説版の内容〉
ラムズレット公爵家に仕えている、アナ専属御付きの長身痩躯の老婆。アナ曰く「絶対に頭の上がらない人物」とされる。
ゲルハルトからの依頼で、決闘直後のエイミーを御者のビッテンフェルトと共に馬車で迎えに来ている。
マーガレット・フォン・アルトムント《Margaret》
アナの友人の一人で、アルトムント伯爵家の令嬢。
アルトムントはオーク肉の本場として知られ、マーガレット自身もオーク肉には強いこだわりを持つ。学園祭ではアレンが出店していたオーク肉の串焼きを絶賛していた。
学園祭以降はアレン・アナ・イザベラと共に良好な友人関係を築いている。
〈二次小説版の内容〉
アナの取り巻きとして、エイミーの本来の目的を知らないまま、目立つ振る舞いをする彼女に辛く当たり、特に剣技の授業では日頃の鬱憤を晴らすかのように打ちのめしていた。
アナとカール達との決闘騒ぎの後、エイミーの一連の行動がアナとカールの婚約破棄を促しアナを救うためのものだったと知り、エイミーに謝罪する。以後はアナ・アレン・イザベラ・オスカーと共に無二の友となった。
エイミーが【無私の聖女】の加護を得た場面に立ち会った際、【氷魔法】の加護を授かる。
イザベラ・フォン・リュインベルグ
アナの友人の一人。学園祭ではマーガレットと共に刺繍の展示を行い、アナもメンバーに加えている。
当初は学園内成績Bクラスだったが、学園祭以降はアレン・アナ・マーガレットと共に勉学に励むようになり、その結果、期末試験では成績がAクラスに上がった。その後も良好な友人関係を築いている。
〈二次小説版の内容〉
マーガレットと同じくアナの取り巻きとして、エイミーの本来の目的を知らないまま、目立つ振る舞いをする彼女に辛く当たっていた。しかし、エイミーの行動がアナとカールの婚約破棄を促しアナを救うためのものだったと知ってからは和解し、以後はマーガレットと同様にアナ・アレン・オスカーと共に無二の友となった。
二次小説中のみで語られているが、治癒魔法が得意であり、エスト帝国との戦争中はエイミーと一緒に戦傷治療用のポーション作りに励んでいる。
エイミーが【無私の聖女】の加護を得た場面に立ち会った際、【癒し】の加護を授かった。以降、イザベラはエイミーを師として治癒魔法を学ぶ間柄にもなっている。
グラガス
対エスト帝国戦・要塞都市カルダチア奪還における先頭指揮官。
小説版のみの登場[出典 16]。
バインホルン
対エスト帝国戦・要塞都市カルダチア奪還における先頭指揮官の女性。
漫画版のみの登場[出典 17][出典 18][出典 19]。
アドルフ
エスト帝国皇帝。アナの誘拐に関与しており、セントラーレン王国に対して戦争を仕掛ける。
しかしアレンによってことごとく敗北を喫し、後述のイゴールやギュンターもアレンによって討ち取られた事実もあって、後のラムズレット王国独立宣言後は同国を承認した。
〈二次小説版の内容〉
アレンによる氷絶の魔剣破棄などの期限付き最終通告を無視したため、最終的に帝国皇宮もろとも全てが破壊されるという『不幸な事故』(後述参照)によって命を落とす。
以下、ギュンターを除いた皇宮内の皇族および最高重鎮も同じ経緯をたどる。
イゴール
エスト帝国皇太子。アナを誘拐した張本人の一人。
アナを氷絶の魔剣によってエスト帝国の戦力としようとしたが、【隠密】で潜伏していたアレンの逆鱗に触れ、カラシによる急襲を受けて討ち取られる。
漫画版では、アレンの逆鱗に触れた際、銃撃ではなく風魔法によって首級を直接切り落とされている。
ギュンター・ヴェルネル
エスト帝国宮廷魔術師長。アナを誘拐した張本人の一人。
アナを監禁し、絶望の淵に追いやったうえで氷絶の魔剣で操ろうとしていたが、イゴールと同様にアレンの逆鱗に触れ、カラシによる急襲を受けて討ち取られる。
漫画版では、アレンの逆鱗に触れた際、カラシではなくサプレッサー付き自動拳銃で急襲され、首級を切り落とされている。
〈二次小説版の内容〉
自身が作り上げた氷絶の魔剣でアナをエスト帝国の戦力としようとした点は同じだが、討ち取られたのはギュンター単独であり、魔剣がアナに使用される事もない。
後にその首級は、エスト帝国に対する最終通告の切り札の一つとなる。
ウラディミール
〈二次小説版の内容〉
エスト帝国第四皇子。皇帝の愛妾が産んだ子とされ、対外的にはアナとの婚約を発表している。
異常な趣味を持つとされ、その趣味がギュンターによる氷絶の魔剣制作の一助となっていた。
グレゴーア・ユリウス・フォン・シュレースタイン
シュレースタイン公爵領当主。セントラーレン王国第二王子ルートヴィッヒの身柄を預かっている第二王子派の筆頭。
フロレンツィア・ユリウス・フォン・シュレースタイン
シュレースタイン家当主グレゴーア公爵の娘。
ルートヴィッヒの立太子後、アレンとアナがエイミーの洗脳を解くためにセントラーレン王国王都ルールデンの王宮を訪れた際、二人を出迎えた人物。最終的にルートヴィッヒの婚約者となる[出典 15][出典 14]。
〈二次小説版の内容〉
ルートヴィッヒが謀略による冤罪でシュレースタイン家に預けられていた間、傷心の彼に献身的に尽くし、心の支えとなっていた。
後に原作と同様、ルートヴィッヒと婚約している[出典 20][出典 21]。
ジークフリード・フォン・ブレイエス
〈二次小説版の内容〉
ブレイエス男爵家筆頭で、エイミーの父親。
正妻との関係がうまくいっていなかった時期に、当時メイドだったシュザンナとの間にエイミーを授かる。その後、再会の3日前に正妻が流行病で亡くなったため、エイミーとシュザンナを男爵家に引き取った。
正妻との障壁が無くなった事から、シュザンナとは人目をはばからずいちゃつく事もしばしば見られる。
シュザンナ → シュザンナ・フォン・ブレイエス
〈二次小説版の内容〉
エイミーの母親。ジークフリードから資金援助を受けて母子で暮らしていた。
引き取られてからの詳細はジークフリードの項を参照。
先妻とのほとぼりが冷めるまではメイドとして振る舞っていたが、紆余曲折を経て、エイミーが王立高等学園に入学したのを機に正妻として認められた。
物語終盤では、エイミーの診断により新たな命が宿っている事が判明する。
レオンハルト・フォン・バインツ
〈二次小説版の内容〉
2代前のセントラーレン王国宮廷魔術師長であり、古今屈指の魔法学者。登場時は王立魔法病院の名誉院長も務め、「治癒の賢者」と称されている。
先代バインツ伯爵家当主であったが、長男に家督を譲っている。自身は功績により一代限りの侯爵位を授かっており、「閣下」と呼ばれている。
マルクスは孫にあたり、レオンハルトは彼を「不肖の孫」と呼ぶが、本人からすれば「努力不足」である。
ヨハネスとは旧知の仲で、彼に紹介されたエイミーがギルドでの重傷者治療に見事に応えた事から、以後はエイミーの治癒魔法の師となる。
しかしその時には既にステージⅣの胃ガンに侵され、肝臓にも転移しており、自身で余命3カ月と診断していた。出会ってからの3カ月にも満たない期間で徹底的に自身の知識を授け、床に伏してからも最期までエイミーの師であり続け、エイミーが『レオンハルト・フォン・バインツの弟子』と呼ばれるのではなく、レオンハルト自身が『エイミー・フォン・ブレイエスの師匠』と呼ばれるようになる事を望んだ。
自身の著作が蔵書の約7割を占めている、その蔵書一式を知識の継承としてエイミーに託した。
67歳で逝去。
クラウス・フォン・バインツ
〈二次小説版の内容〉
レオンハルトの息子でマルクスの父。伯爵位を持ち、現在の宮廷魔術師長を務めている。
マルクスが犯した罪に加え、レオンハルトおよびその弟子となるエイミーへの評価を著しく穢したとして激怒し、自らマルクスに暴行を加えて『急病死』させている。その責任を取って宮廷魔術師長を辞任しようとするが、セントラーレン国王に引き止められている。
一方で家庭人としての評価は悪く、その影響で妻がマルクスを盲愛していた。マルクスが停嫡の末に『急病死』となった事で妻は精神の均衡を失い、クラウスに刺し傷を負わせたため追放されている。妻はその後、かつての自邸跡で自死を遂げたという。
オットー・フォン・ジュークス
レオナルドの父親で、子爵。近衛騎士団長を務めている。
エスト帝国との戦争に際し、王立高等学園へ学徒出陣に応じる生徒の召集に訪れている。
〈二次小説版の内容〉
レオナルドがアナとの決闘について反省を示さず、さらにカールやマルクスと共にアナ・エイミー・アレンへの復讐を企んでいた事が露見したため、オットーは父としてその責任を取らせるべくレオナルドとの決闘をセントラーレン国王に申し出て実行し、最終的にレオナルドを『急病死』の扱いとした。
クリスティーネ・フォン・ジュークス
〈二次小説版の内容〉
オットーの妻で、レオナルドの母親。結婚を機に女性騎士を引退していたが、エスト帝国との戦争を受けて予備役同様の形で復帰した。
クラリスからは『クリスティーネ女史』と呼ばれている。
王宮にてセントラーレン国王ら政務関係者へ戦況報告を行った後、クラリスに招かれていたアナやエイミーらとのお茶会の場を訪れ、改めて戦況を説明し、特にアレンの活躍をアナに伝えている。
サビーネ・フォン・ウィムレット
〈二次小説版の内容〉
ウィムレット侯爵家の娘で、オスカーの姉。オスカーがアナに対して行った仕打ちに対し、反省を促した人物でもある。
オスカーが努力によって学業成績を向上させ、弓術を上達させた後、ウィムレット侯爵家にて父およびその妻アーデルハイドと共に、オスカーの勘当解除の場に立ち会っている。

エルフの里の関係者

エルフ女王
エルフの里を統べる女王。小説版や漫画版では『女王様』『女王陛下』などと呼ばれているが、漫画版の設定集に『エルフ女王』の表記があるため[出典 22]、クラリスとの混同を避ける目的で当記事ではこの表記を採用している。
アレンが誤ってエルフの里に迷い込んだ際、その目的を確認する中でアレンが【風神】の加護を持つことが判明したため、「迷いの森」やエルフの里に出没する悪霊の退治を依頼した。
悪霊の件が解決した後はアレンと交流を持つようになり、夏祭りに関連して里を訪れたアナとも対談し、アナに自身の在り方について助言を与えている。
シェリルラルラ
エルフ女王の御息女。活発で気が強い性格をしており、アレンいわくゲーム版の設定と同様のツンデレ。愛称として『シェリー』とも呼ばれている。
弓矢の名手で、アレンが里に来た当初は意気揚々と悪霊を矢で射ようとしたものの弾かれてしまう。しかし、アレンが悪霊を里から追い出したことで、素直ではないながらもアレンを認めるようになる。
夏祭りを前に単身で王都ルールデンを訪れ、アレンを祭りに誘うこと、そしてブイトールに乗りたいという理由から王都ギルドに単独指名依頼を出そうとしていた。その際、エイミーやカール達に言い寄られたほか、その場に居合わせたアナと言い争いになり、事態収拾のためアレンによってギルドのVIP用応接室に連れ込まれている。
漫画版では朝に弱い描写がある[出典 23]。
〈ゲームイベントの内容〉
エルフの里が魔物に襲われ、助けを求めて単身で王都ルールデンに来ていたところをエイミーとカール達が発見し、里へ案内する。
〈二次小説版の内容〉
夏祭り直前に単身で王都を訪れた際、アレンにアナと共に秘密を守れる場所として東部冒険者ギルドのエイミー専用「治癒室」に連れ込まれている。その際、エイミーもシェリーが訪れた理由を途中まで聞いていた。
ミリルレルラ
エルフ女王の末の御息女で、シェリーの妹。愛称として『ミリィ』とも呼ばれている。
光の精霊ローとは誕生の瞬間に契約を結んでおり、この契約の影響でミリィに悪意を持って近付こうとする者には防御機構が働き、意識を失ったり、場合によっては命を落とす可能性すらあるという。
アレンやアナらに抱っこをねだることが多いが、こうした事情から、ミリィが抱っこを求める相手はミリィ自身が信頼できると判断した人物に限られる。
ゲルハルトやフリードリヒは、ミリィを介してエルフの里と交易を行い、ラムズレット公爵領の地位向上を図ろうとして接近した結果、この防御機構の被害に遭って気絶している。
無私の大賢者ロリンガス
アレンがエルフの里を訪れていた時、里の中を徘徊していた魔法使いの姿をした賢者。一人称はアレンや一部の人物[出典 24]に対しては「ボクチン(または「ボクちん」)」で、語尾に「〜だお」「〜お」「〜かお?」を付ける独特の口調を用いるが、それ以外では賢者らしい丁寧な口調で話す。
ロリコンの気があり、永遠もしくは長命で幼い姿を保つ精霊や子供のエルフを追いかけ回していた。ただし直接触れるような行為はせず、愛でる・魔法指導をするなど、手が触れるか触れないかの距離で接する程度に留めるのを信条としている。しかしその邪念の多さゆえ、エルフ達からは「エルフや精霊を追いかけ回す黒い靄(漫画版では「黒い霧」)の悪霊」と認識されていた。なお、この性癖については過去の痛い経験が原因と示唆されている[出典 24]。
精霊を追いかけるほか、秘薬の原料である「精霊樹の花びら」と「エルフの蜂蜜」を求めてエルフの里を目指していたが、アレンによって現在徘徊している場所がエルフの里であると知り、さらにアレンを介して原料を入手したことで、そのまま里を去る。
過去にはエリザヴェータに魔法を教えていたことがあり、その際に幼少のアナとも一度会っている。またその時に海賊退治も行い、強奪品の奪還や奴隷となっていた子供たちの救出に加え、身元不明の子供たちのために奪還品や私財を投じて多数の孤児院を設立したと伝えられている。しかし、これらの逸話をアナから聞いたアレンは、行動の全てがロリンガス自身の性癖を満たすためではないかと推測している[出典 25][出典 26]。
光の精霊ロー
ロリンガスが手に入れた「精霊樹の花びら」と「エルフの蜂蜜」から作られた秘薬によって精霊の姿となった存在。精霊化後は『(無私の大賢者ロリンガスに連なる者)光の精霊ロー様』、または単に『ロー(様)』と名乗り、そのように呼ばれている。口調はロリンガス時代と同じである。
誕生(変身)直後にミリィと契約した。この契約のためロー様自身はエルフの里を単独で出ることができず、里を離れる際はエルフ女王の許可を得たうえでミリィに同行してもらう必要がある。またミリィとの契約により、ミリィに不埒なことを考える人物に対して自動的に防御が働く。
後に夏祭りにおいてアナへ祝福を与えており、この出来事が後の展開に大きく関わることになる。

教会関係者

ニコラウス
主教で、旧ラムズレット公国領にある教会を束ねる責任者。当初はラムズレット王国がニコラウス主教を中心に教区を設置する予定だったが、【氷の聖女】となったアナを教会に取り込むうえで支障があると判断され、解任された。
その後、ピシウスとコンスタンティンの汚職が暴かれて破門・捕縛・罷免されたことを受け、教皇によりラムズレット王国の教区が正式に設定されると同時に、その教区全体を管轄する枢機卿に就任した。
ピシウス
エイミーからの洗脳を受けていた人物で、アナに洗脳を解かれた当時は教会の枢機卿であった。
汚職の証拠をマルクスが集めていたことで教皇から破門され、地位と権限をすべて失った。
グスタフ
ピシウスと共にエイミーからの洗脳を受けていた教会の司祭。こちらもアナによって洗脳を解かれている。
コンスタンティン
ニコラウスが解任された後に主教として赴任した人物。極度の肥満体で、加えてパワハラ気質がある。
アレンが集めた汚職の証拠により捕縛され、主教職を罷免された。

その他

ディルク
イェルシュドルフ村長の息子で、村から王都ルールデンへ馬車で物資の買い出しに来ていた。
アレンやジェレイド達に対し、冒険者ギルドを通じて盗賊からの護衛を依頼した依頼主でもある。
カーリン
イェルシュドルフ村の子供で、ディルクの妹。ディルクと共に買い出しの馬車に乗っており、アレンと年齢が近いことからよく懐いている。
他の子供 2 人と共に盗賊に誘拐されたが、アレンを中心に動いたジェレイド達によって救出された。
ヒルデガルド
〈二次小説版の内容〉
エイミー(設定上はアレンも)が通う学校の先生。小説版・漫画版にも登場しているが、名称が明示されているのは二次小説版である。
エイミー曰く「眼鏡をかけた巨乳」とのこと。生徒思いの性格で描かれている。

用語

領土・地名及び関連事項

セントラーレン王国
セントラーレン国王が治める国家。王都は「ルールデン」。
通貨は国名に由来する「セント」で、価値はアレンの感覚では概ね「1セント=1円」程度とされる。
ブルゼーニ地方
セントラーレン王国のうち、エスト帝国との国境に接する地域。
エスト帝国および要塞都市カルダチアからの侵入を許していたが、ブイトール改を用いたアレンの攻撃により一度は奪還される。
しかしその後、ラムズレット家のゲルハルトがラムズレット王国の成立を宣言したことに激怒したセントラーレン王国側が、カールを総大将としてこの地域の兵を含む全戦力を対ラムズレットに投入するという失策を犯し、結果として再びエスト帝国に占領されることとなった。
イェルシュドルフ
セントラーレン王国北東、エスト帝国国境付近の山間部に位置する小さな村[注 7]。
農業と牧畜以外に大きな産業はなく、村の必需品を求めて王都ルールデンへ頻繁に買い出しに来ており、その関係で冒険者ギルドに護衛依頼を出すことが多い。
しかし後に、盗賊に扮したエスト帝国軍によって前線基地として占領され、村民たちは村を脱出することとなった[出典 27]。
ラムズレット公爵領・ラムズレット家 → ラムズレット王国
三大公爵家の一角[出典 28]をなす、ゲルハルト公爵が治める公爵領。セントラーレン王国南部に位置し、領内には豊かな穀倉地帯を有する。
始祖はセントラーレン王国の三代目国王で「賢王」と称えられたクライネル王の第二王子であり、その血統から「クライネル」のミドルネームを持ち、王位継承権を有している。このため長らくセントラーレン王国に属していた。
しかし後に、度重なるセントラーレン国王やカールらの失態により王国への不信が高まり、さらにセントラーレン王国側がラムズレット公爵領へ宣戦布告したことを契機として独立を宣言。これまでの公爵領と南部貴族の領土を合わせ、「ラムズレット王国」を成立させた。
国家成立時に制定された通貨は国名に由来する「ラム」で、当初は「1ラム=1セント」と定められていた。
インノブルグ公爵領・インノブルグ家
前述の、王国となる前のラムズレット家と並ぶ三大公爵家の一角[出典 28]。
シュレースタイン公爵領・シュレースタイン家
インノブルグ家と同様に、王国となる前のラムズレット家と並ぶ三大公爵家の一角[出典 28]。
セントラーレン王国第二王子派であり、ルートヴィッヒを自領に擁していた。
エイミーとの最終決戦を前にラムズレット王国へ協力を申し出たが、十分な働きができず、その後の和平交渉も決裂した。ただし、この交渉決裂にはルートヴィッヒに現実を認識させる意図があったと見られる。
ウィムレット侯爵領
鉄鉱石の生産量が最も多い領地で、セントラーレン王国随一の大富豪とも呼ばれる侯爵家の領地。
ウェスタデール王国
セントラーレン王国東部に位置する王国。表向きはセントラーレン王国と同盟関係にある。
そのため、ラムズレット王国の国家承認については態度を保留し、様子見の姿勢を取っている。
エスト帝国
セントラーレン王国東側に位置し、同国と敵対関係にある国家。
アナが嫁いでこなかったことを理由に、要塞都市カルダチアを拠点としてセントラーレン王国ブルゼーニ地方へ侵攻していた。詳細はブルゼーニ地方を参照。
ラムズレット王国については、アレン自身が脅威である一方で、セントラーレン王国がノルサーヌ連合王国と共に「敵の敵は味方」という状況であったことから、国家として承認するに至った。
〈二次小説版の内容〉
表向きはウラディミール第四皇子とアナの婚約としていたが、実際にはギュンターが作り出した氷絶の魔剣による謀略が進行していた。これらは【隠密】により潜入し、ヴォイスレコーダーで謀略内容の全てを録音していたアレンにより、セントラーレン王国側に全て露呈していた。
この謀略を阻止するため、アレンは改めて帝国に潜入し、帝国皇宮の門にギュンターの首級とゲルハルト名義の書簡を置き、期限付きで最終通告を行ったが、帝国側はこれを無視した。
その結果、アレンのブイトール改による爆弾と焼夷弾の爆撃で皇宮の全てが破壊され、皇帝・皇族・最高重鎮がことごとく『不幸な事故』で失われ、帝国は無政府状態となった。
一方で、セントラーレン王国建国以来の安全保障上の懸念は、この出来事により消滅することとなった。
要塞都市カルダチア
エスト帝国がセントラーレン王国侵略の最重要拠点としていた要塞都市。
この要塞を拠点にブルゼーニ地方へ侵攻していたが、アレンのブイトール改による爆撃を受け、セントラーレン王国側に奪還された。
なお漫画版では、アレンが攻撃を仕掛ける前にジェロームとメリッサが襲来し、要塞内のほぼ全員が降伏したことでセントラーレン王国側へ明け渡されている。
ザウス王国
セントラーレン王国南側に位置する国家。エスト帝国がセントラーレン王国へ宣戦布告した際、同国の要請に応じる形でセントラーレン王国ラムズレット公爵領(後のラムズレット王国)へ侵攻した隣国である。
戦争勃発時には、ラムズレット公爵側の軍勢 1 万に対し 10 万の軍勢を送り込んだが、アレンのブイトール改による爆撃を受けて敗走し、ラムズレット公爵側との間で停戦となった。
ノルサーヌ連合王国
セントラーレン王国北側に位置する国家。
ラムズレット王国の国家承認については態度を保留しており、アレンの推測では地理的要因に加え、セントラーレン王国第二王子派を支持している可能性があるとされる。
飛龍の谷
セントラーレン王国南東部に位置し、ワイバーンの群れが飛び交う谷。谷の内部には風の神殿が存在する。
アレンとアナの結婚後、セントラーレン王国との和平交渉が一度決裂したのち、再度の和平交渉によって飛龍の谷とその一帯はラムズレット王国の領地となった。
風の神殿
飛龍の谷の内部にある神殿。アレンが初めて訪れた際には、神殿の中心部でジェロームが寝そべっていた。
ジェロームとメリッサが番(つがい)となって以降は、メリッサが卵(シエル)を産み、孵化するまでの場所として使用されていた。
〈ゲームイベントの内容〉
神殿の祭壇には風神の書が置かれており、エイミーたち一行がこれを入手する。
エルフの里
セントラーレン王国北部に位置し、周囲を「迷いの森」に囲まれた、エルフと精霊のみが住む里。「エルフの隠れ里」や単に「里」とも呼ばれる。通常は「迷いの森」に棲む魔物や精霊の力により、地上から近づくことはできない。
アレンはブイトールで空から接近したことで里の近くまで到達したが、本来は「迷いの森」近くの「リンゼアの村」を目指していた。ギルドで入手した地図が曖昧で、街道を見失ったことが重なり、偶然迷い込んだ形となった。
悪霊の一件で里を救ったことをきっかけに、アレンはエルフたちに受け入れられ、それ以降はブイトールを用いて交流を続けている。里には離着陸用の長さ 300m の滑走路を備えた空港も建設されており、ブイトールの利用がない時には子供たちの遊び場や弓の練習場としても使われている。交流の際にはエルフの蜂蜜を仕入れることもある。
王都ルールデンでのシェリーが関わる後述の夏祭り参加の一件を含め、アレンがエルフ女王にアナを「俺の大事な女性」と紹介したこと、さらにアナがロー様から人間として初めての祝福を受けたことにより、アナも里に受け入れられるようになった。
里は木造建築・温泉・服装(シェリルラルラの服など一部を除く)・行事など、随所に日本文化と似た意匠が見られる。
風の山の迷宮
空を飛ぶ魔物ばかりが出現する、高難度の全 30 階層からなる迷宮。風魔法を使わなければ突破できない罠も存在する。
多くの有名冒険者でも第 8 階層までしか到達できないとされるが、アレンは自身のレベル上げのために挑み、各種銃器を駆使して何度も全階層を制覇している。
後には、アナと結ばれるための実績作り、迷宮攻略の証明、アナのレベルアップなどの目的で、繰り返し訪れることとなった。
海賊の島
セントラーレン王国南西沖合、ヴィーヒェン南沖に位置する、かつて海賊が根城としていた島。
海賊はラムズレット王国成立前、アナが三歳のころにロリンガスによって退治されている。通常はヴィーヒェンの港から船で 2 週間ほどかかる距離だが、ロリンガスは小舟と魔法を用いてわずか3日で到達した[出典 26]。
海賊全滅後は無人島となったが、後にジェロームとメリッサが結婚してスカイドラゴンとなった後、新婚旅行の地として訪れている[出典 29]。

アイテム

隠密のスクロール
開いたスクロールに手のひらをのせることで【隠密】のスキルを取得できる。
ゲーム知識を持つアレンは、このスクロールが下水道の隠し部屋に隠されていることを知っていたため、どぶさらいの名目(実際に作業も行っている)で下水道を探索し、発見した。
なお、スクロールによるスキル取得方法は全て共通のため、以降の項目では説明を省略する。
〈ゲームイベントの内容〉
エイミーがカールたちと共に下水道を逃げ延びている最中、隠し扉と小部屋を発見し、そこで取得する。
〈二次小説版の内容〉
アレンが取得した直接の描写はないが、二次小説版でも【隠密】スキルを習得しており、原作と同様にスクロールを取得してスキルを得たものと推測される。以下、アレンのスクロール取得とスキルの習得も同様である。
また、後にアレンが取得した【スクロールメイカー】のスキルにより、アナとエイミーの分の隠密スクロールが新たに作成されている。
鑑定のスクロール
【鑑定】のスキルを取得できるスクロール。ゴブリンの巣窟となっている古代迷宮跡ダンジョン第 1 階層の地中に隠されていた。
〈ゲームイベントの内容〉
王立高等学園の授業の一環として古代迷宮跡に入った際、エイミーたちが発見して取得する。
錬金のスクロール
【錬金】のスキルを取得できる叙事詩(エピック)級スクロール。ルールーストアで 1,300 万〜1,500 万セントで販売されており、アレンは 1,400 万セントで購入した。
〈ゲームイベントの内容〉
ゲーム中では課金アイテムとして販売されており、アレン(転生前)は「泣く泣く諭吉さんとさよならした」と語っている。
多重詠唱のスクロール
【多重詠唱】のスキルを取得できるスクロール。賢者の塔の最上階に置かれており、アレンはグライダーで最上階へ接近し、グライダーをミサイルとして塔外壁を破壊して内部へ侵入し、スクロールを入手した。
〈ゲームイベントの内容〉
エイミーやカールたちが下階層から順に塔のトラップ・魔物・ボスを攻略し、最上階でスクロールを取得する。
無詠唱のスクロール
【無詠唱】のスキルを取得できる叙事詩(エピック)級のスクロール。エルフの里を徘徊していたロリンガスが所持していたが、秘薬によって光の精霊ローとなった後、アレンにそのお礼として手渡された。
〈ゲームイベントの内容〉
秘薬を求めてエルフの里へ向かう途中、迷いの森で朽ち果てた賢者の魂が形を変えたものとされ、エイミーが迷いの森の中で取得する。
エルフの蜂蜜
エルフの里でしか手に入らない希少(レア)級の貴重な蜂蜜。
秘薬の原料として重宝されており、ロリンガスも精霊樹の花びらと共に求めていた。アレンも悪霊退治のお礼として入手し、その後も時折エルフの里を訪れて買い付けるようになった。
秘薬の原料としてだけでなく、蜂蜜そのものも栄養価が高く、美容・健康・長寿に効果があるとされる。アレンが母親のカテリナに渡した際には、その効果に驚いたという。アレン自身は冒険の野営時の調味料として使用している。
エルフのお守り
アレンが初めてエルフの里を訪れ、悪霊退治を行った際にエルフ女王から贈られた、エルフたちの祈りを込めて作られた感謝と友好の印となるお守り。
ロー様によれば、このお守りを所持していることでアレンは里において「名誉エルフ」として扱われるほか、普通の人間には見えない精霊が見えるようになっている[注 8]。
妖精の髪飾り
アナがエルフ女王から授けられた髪飾り。
この髪飾りを所持していると、迷いの森をエルフの案内なしに通り抜けてエルフの里へ到達できる。
髪飾りは持ち主からいくら取り外されても必ず元に戻る性質を持ち、さらにロー様の祝福の力の媒介となっている。加えて、無理に奪おうとしたり、悪意を持って持ち主に近づこうとする者を弾き飛ばすなど、持ち主を護る力を備えている。
このため、エイミーたちがアナから奪おうとした際には弾き飛ばされ、アナが誘拐された際にも賊の手から守った。また、アナが氷絶の魔剣の暗黒に塗りつぶされるのを防ぐなど、物語上で重要な役割を果たす。
〈ゲームイベントの内容〉
エイミーたちがエルフの里を襲った魔物を救った功績により、エイミーへ授けられる。
風神の書
飛龍の谷にある風の神殿の祭壇に祀られているはずだった書物。本来は風の神が作成し、祭壇に置かれる予定であったが、アレンが風の神殿を訪れた時点ではまだ作られておらず、アレンは取得できなかった。
〈ゲームイベントの内容〉
エイミーが学園生活 2 年目に飛龍の谷へ入り、ワイバーンを 100 匹以上、さらにそれらを統率するワイバーンロード(ジェローム)を撃破する。その後、神殿にいたワイバーンロードの親子(メリッサとシエル)との会話に失敗して返り討ちにしたことで、祭壇に祀られていた風神の書を取得する
身代わりの指輪
アレンが風の山の迷宮の隠し部屋で発見した叙事詩(エピック)級のアイテム。2個1組で構成され、指輪を身に着けた者は、たとえ致命傷を負って死亡した場合でも 一度だけ指輪が身代わりとなって命を救う効果を持つ。
アレンはエルフの里での夏祭りの翌日、アナへのプロポーズと共に指輪の一つを贈り、アナの所持する指輪はそのまま婚約指輪となった。
アレンが身に着けていたもう一つの指輪は、エスト帝国からアナを救出する際、矢の魔毒によって命を落としかけた際に発動し、粉々になって消滅した。その後、アレンは同じ形の指輪を新たに作っている。
〈ゲームイベントの内容〉
エイミーたちが風の山の迷宮を攻略中、カールが隠し部屋を発見して入手し、そのうちの一つがエイミーに贈られる。
空騎士の剣
アレンが風の山の迷宮を探索し、ブリザードフェニックスを討伐した際、宝箱から入手した伝説(レジェンダリー)級のアイテム。
後にアナへの誕生日プレゼントとして贈られ、物語上でも重要な役割を果たす。
〈ゲームイベントの内容〉
身代わりの指輪と同様に、エイミーたちが風の山の迷宮を攻略した際に入手する。
氷絶の魔剣
手にした者の精神を暗黒で塗りつぶして支配する魔剣。手にした瞬間に手から離れなくなり、さらに呪文によって精神の暗黒化と支配が促進される。
ロー様によれば、「数多くの幼い子供たちに虐待を繰り返して絶望を与え、愛情に飢えた状態で殺した魂を材料に作られた魔剣」であるという。
アナはこの剣の暗黒に塗りつぶされる直前、自ら封印を施すことで支配を防ぎ、そこへアレンが術者であるギュンターを討ち取って術を中断させたことで、暗黒の浸食と支配を止めることができた。さらにアレンが錬成魔法で壁を材料とした鞘を作り、これ以上の被害を防いだ。しかし、この魔剣は【慈愛の聖女】のみが浄化できるとされているため、最終的にはロー様が封印し、浄化のためにエルフの里へ運ばれた。
〈ゲームイベントの内容〉
アナがこの剣の暗黒の力に支配されてラスボスとなり、エイミーたちに襲いかかるが、【慈愛の聖女】となったエイミーによって浄化される。
〈二次小説版の内容〉
ウラディミールの助力を受け、製作者であるギュンターによって鞘のない状態で完成目前だったが、魔剣を含むエスト帝国の陰謀を察知したアレンがギュンターを殺害。帝国側が魔剣の廃棄を含む期限付き最終通告に応じなかったため、皇宮全体が爆撃で破壊され、魔剣は瓦礫の中に埋もれたまま所在不明となった
導きの杖
真に強い想いを込めてこの杖を手にした者が、その想いの強さを認められた場合、持ち主の心の底に潜む願いを叶え、スキルまたは加護を授ける伝説(レジェンダリー)級のアイテム。一人につき一度だけ使用可能。
氷精石
大型の氷系魔物の魔石を加工して作られる石で、氷系の魔法を増幅する効果を持つ。
ルールーストアに前述の魔石を持ち込み、加工してもらうことで作成できる。
ゲームでは派生品として「風精石」が存在し、エイミーたちがスカイドラゴンを討伐して入手した特大サイズの魔石を持ち込んで加工してもらって作成される。これにより、ラスボスとなったアナ率いるエスト帝国軍に対し、増幅した風魔法の範囲攻撃を与えることができたとアレンが語っている。
ヴォイスレコーダー
〈二次小説版の内容〉
アレンが魔石を媒体として【錬金】のスキルで作成し、さらに【風魔法】のスキルを応用することで録音・再生を可能としたボイスレコーダー。
これにより、カールを含む三名による謀略や、エスト帝国の姦計を暴くための証拠として利用された。
アイテムの等級
作中に登場するアイテムの等級には以下の種類があり、【鑑定】のスキルを使用することで正確に見抜くことができる。
劣等(ジャンク)
質の悪いアイテム。
平凡(コモン)
一般的なアイテム。
非凡(アンコモン)
質が良い・珍しいなど、一般的な物とは一線を画すアイテム。
希少(レア)
非常に手に入りづらい、特別なアイテム。
叙事詩(エピック)
叙事詩や英雄譚に登場する貴重なアイテム。
伝説(レジェンダリー)
神話・伝説級の貴重なアイテム。

加護・スキル

作中で説明があるものを中心に記載している。

加護
作中の説明では、加護とは神から与えられる祝福のようなもので、特定の物事や分野において著しい才能を授けるものとされる。加護と同系統の魔法を使うための十分な肉体的素質と才能が与えられ、練習を重ねることで凄まじい勢いで習得・上達するようになる。
原作中の加護名は【】書きで表記されており、当記事もこの表記にならっている。なお、二次小説版では括弧表記が異なるが、Wikipediaにおける表現上の都合も含め、原作と同じ表記としている。
【風魔法の才能】
本来はエイミーが風神の書を得ることで授かる加護で、これによって【風魔法】のスキルを得ることができる。
アレンは飛龍の谷に訪れた時期が早すぎたため風神の書を取得できず、この加護を得られなかった。
【風神】
アレンが【風魔法の才能】の代わりに、風の神から直接授かった加護。これにより【風魔法】のスキルを得る。
【癒し】
人々の傷や病、そして心を癒やそうと願う者に与えられる加護。治癒魔法の適性が大幅に上昇する。
当初からエイミーが得ている。
【蠱惑の魔女】
望む全ての異性を手に入れようと願い、それが手に入ると心の底から望んだ女性に与えられる加護。自身の魅力を上昇させると共に、後述の【言霊】スキルの適性を大幅に上昇させる。
エイミーは導きの杖によってこの加護を得た。
【空騎士】
人々を守ろうと願う者に与えられる加護で、元々の【騎士】の加護が空騎士の剣によって変化したもの。【騎士】の加護の効果に加えて風魔法の適性が大幅に増大する。
アナはアレンから誕生日に送られた空騎士の剣によってこの加護を得た。
【氷の聖女】
深い愛と高潔なる精神を宿し、聖なる祝福を与えられた氷魔法の使い手の女性に与えられる加護。この加護を与えられると【聖氷魔法】のスキルが与えられる。
アナが先にロー様から祝福を受けていたことが加護を受けられる前提条件であるが、加護を得た経緯には原作と二次小説版で違いがあり、小説版ではレオナルドによって瀕死の重傷を負ったアレンを救いたいと強く願ったことにより導きの杖の力で加護を得たのに対し、二次小説版ではエイミーが【無私の聖女】の加護を得た場に立ち会ってという経緯がある。
【無私の聖女】
〈二次小説版の内容〉
自身の心身が傷付き、無数の悪意に晒されることもいとわずに他者を救おうと強く誓い、行動を起こした女性に与えられる加護。
加護を授かるべき女性の真価を理解し、その功績を称える人物が加護を授かった場に居合わせていると、居合わせた人物に一つ加護が与えられるか、既に持っている加護が進化もしくは強化される。
作中では、ひたすらにアナの幸せを願ったエイミーが、導きの杖の力でこの加護を得た。
逆加護
〈二次小説版の内容〉
自身の得意ではない属性魔法を使い、莫大な魔力を消費して魔力枯渇を起こし、そこから魔力を超回復させることで、心身に負担をかけることなく意図的に魔力強化を起こす手法。
作中では、レオンハルトが不得意な風魔法の使用によって他属性の魔法に比べて100倍もの魔力を消費していることを見出し、自身の著書に記していた。それをエイミーが見つけ、不得意な氷魔法を発動することで自身の魔力強化に成功した。
逆加護はステータスにも反映され、エイミーの場合は加護が【氷魔法 (逆)】と表記されている。
スキル
作中の説明では、何かの技術を使えるようになった状態の事で、スキルを持っていると使い方が勝手に頭の中に浮かんでくる。ただし、加護と違って著しい才能を与えられるわけではなく、スキルによって規定された内容以外の事は出来ない。
原作中のスキル名は加護名と同じく【】書きで表記されているので、当記事もこの表記にならい、また二次小説版のものについても同様としている。
【隠密】
気配・魔力・持ち物など、さまざまな事柄を隠蔽できるようになるスキル。
アレンはこのスキルで自身の存在の隠蔽だけでなく、ギルドカードの内容の隠蔽にも用いている。
習熟が進むほど気付かれにくくなるほか、隠蔽できる対象も高度になり、その一例として、自身だけでなく手をつなぐなどして触れている相手も同時に隠蔽できる。
〈ゲームイベントの内容〉
エイミーたちが下水道を逃げ延びている最中に隠密のスクロールを発見して取得し、脱出に使用している。
〈二次小説版の内容〉
内容およびアレンが取得・使用している点までは原作の小説版や漫画版と同じだが、エイミーがこのスキルの名称を「餡蜜」と称している。また、アレン自身もエイミーにつられてそう呼ぶことがあり、後述する、これ以外の二次小説中でアレンが取得しエイミーが認識しているスキルについても、名称を独自に呼称するという同様の状況が描かれている。
後に、【無私の聖女】の加護によってアレンが得た【スクロールメイカー】のスキルにより、エイミーやアナも【隠密】を使用できるようになり、普段はこのスキルで、エイミーが【無私の聖女】の加護を、アナが【氷の聖女】の加護を持っていることを隠蔽している。
【鑑定】
アイテムの鑑定ができるスキル。
課金して魔石を消費することで、自分よりレベルが下の人物の情報をすべて把握できる「人物鑑定」、迷宮内での宝箱や罠の感知、敵の弱点の調査、戦闘時の敵の行動先読み、攻略対象の会話イベント時の正解取得、さらには期末テストの正解取得まで可能となる。そのためアレンはこのスキルを「超絶チートスキル」と呼んでいる。
アレンはこのスキルを用いて、ルールーストアで錬金のスクロールを手に入れるため、街の露店街で安値の掘り出し物を探し、ギルドなどで高値で買い取ってもらう「競取(せどり)」を行った。以降もルールーストア入店の符牒解明、各種スクロールの鑑定、相手のステータス鑑定など、多岐にわたって活用している。
〈二次小説版の内容〉
内容およびアレンが取得・使用している点までは原作の小説版や漫画版と同じだが、エイミーがこのスキルの名称を「寒天」と呼称している。
【錬金】
ものづくり(クラフト)能力のスキルで、錬成魔法を使えるようになる。
武具・防具・ポーションを作り出すのが主な能力だが、魔石を使うことで武器の強化ができ、さらに強力な魔石を用いることで馬車・巨大な砦・魔道具を作り出すことも可能である。
ものづくりはスキルを持つ者の魔力資質にも左右され、アレンがグライダーなどを制作する際には、正確な設計図を描いて魔法陣に書き込む必要があった。
〈ゲームイベントの内容〉
エイミーがこの能力を使い、自身の高い魔力によって「全然揺れなくて快適な馬車」を、ふわっとしたイメージだけで簡単に作り上げてみせた。
〈二次小説版の内容〉
内容およびアレンが取得・使用している点までは原作の小説版や漫画版と同じだが、エイミーがこのスキルの名称を「蓮根」と呼称している。
【風魔法】
風の魔法を使えるようになるスキルで、使用時には風魔法の詠唱が自然と頭に浮かぶようになる。
アレンは風の神から【風神】の加護を授かったことでこのスキルを得ており、アナはアレンから誕生日に贈られた空騎士の剣によって空騎士となったことでこのスキルを得た。
〈ゲームイベントの内容〉
エイミーは風の神殿で手に入れた風神の書によってこのスキルを得た。
【多重詠唱】
魔法を発動する際に流れる魔力のパスを並列化するスキルであり、同時に多数の異なる魔法を使えるわけではなく、一つの魔法を複数同時に扱えるようになる。
アレンはこのスキルにより、錬成魔法に由来する全グライダーの方向舵・昇降舵・補助翼の操作や、風魔法に由来するブイトールおよびブイトール改に搭載された多数の「風魔法エンジン」を、同時に発動・制御できるようになった。ただし、その分だけ消費する魔力も増大する。
【無詠唱】
魔法発動の際に必要となる、口に出して行う詠唱(魔法の実現過程の表現)を省略し、即時に魔法を発動できるようになるスキル。原作中のアレン、ゲーム中のエイミーともに、無詠唱のスクロールを入手したことでこのスキルを取得している。
アレンの場合、【隠密】スキル使用中に他の魔法を発動する際、詠唱によって声を出すと【隠密】が解けてしまうのを防ぐという大きな利点がある。漫画版では、イゴールの首級を【風魔法】で切り落とした場面で、この利点が発揮されている。また、アレン自身が魔法の詠唱を恥ずかしく感じていることもあり、その点でも無詠唱は有用となっている。
【言霊】
自身が発する言葉に魔力を乗せて対象の人間にその内容をすり込む事が出来るスキル。
自身に対して好意・信頼・欲情などなんらかの肯定的感情を抱いていると効果を発し、肯定の度合いが強いほど効果が高まる。
作中ではエイミーが導きの杖により取得している。
【聖氷魔法】
【氷魔法の才能】の加護または【氷魔法】のスキルの持ち主が、【氷の聖女】となった事で進化したもの。アナは前者が該当。
【氷魔法】の力を完全に内包し、聖なる力を宿した氷を操る事ができる。
以下に作中で使用された【聖氷魔法】の種類を記す。
聖氷治癒
対象者の全身を氷で覆い、その内部で治癒を行う魔法。負傷時に体内へ入り込んだ破片も、治療とともに体外へ排出される。
アナが【氷の聖女】となった際にアレンへ使用したのが初出。
聖氷覚醒
エイミーの【言霊】によって洗脳された人の頭部を一度氷漬けにすることによって、洗脳から解放する魔法。
アレン曰く、前世で見た漫画やアニメにおける「頭を冷やせ」と言って頭を凍らせる表現に似ているとのこと。
極大聖雪覚醒
魔法を展開する前に広範囲へ設置した氷精石を媒介とし、その設置範囲に吹雪を発生させることで、エイミーの【言霊】によって洗脳された人の頭部を雪で覆い、洗脳から解放する魔法。
いわば聖氷覚醒の拡大版であり、広範囲かつ大人数の洗脳を解くことができるが、屋内など雪が届かない場所に退避している者には効果が及ばないという欠点もある。
アレン曰く、聖氷覚醒と同様に「頭を冷やせ」と言って頭を雪だるまのように覆う表現に似ているとのこと。
氷縛聖界
対象者を氷で捕縛する魔法。この魔法で作られた聖なる氷は普通の炎で溶かす事が出来ない。
「氷縛」と呼ばれる事もある。
カールやエイミーを拘束するために使われた。
聖氷結界
ドーム状の氷を作り出し、その内部に対象を閉じこめる魔法。
ドームとなった聖なる氷は、閉じこめられたエイミーが必死に叩いても壊れない強度を持つ。
聖氷封声
対象者の喉に氷を絡みつかせ、その氷が砕けると二度と声を発する事が出来なくなる魔法。
これにより、エイミーの【言霊】を封じる事が出来た。
聖氷架橋
〈二次小説版の内容〉
アルトムントでの大水害により橋が流出した際、聖なる氷を用いて大河に橋を架けた魔法。
聖なる氷で作られているため簡単に解ける事はないが、普通の氷ではない事が知られないよう、アナからは火器に注意するよう言い渡されている。

グライダー

作中では大部分で「グライダー」と称されているが、【風魔法】を動力とする「風魔法エンジン」を内蔵したモーターグライダーの一種であり、作中でも「モーターグライダー」と表記される場合がある。いずれもアレンの錬成魔法と各種素材によって作られ、操縦は主に錬成魔法による翼の形状変更によって行われる。

グライダー
アレンが最初に設計・作成したグライダー。
初号機は飛行には成功したが、着陸場所を考えずに緊急着水したため全損した。
2号機は自分の髪の毛を用いて操縦系錬成魔法伝達の効率を高め、風魔法エンジンと自身の離脱機構を備えている。機体先端部分には、多重詠唱のスクロールを得るために賢者の塔最上階の壁を破壊して突入する目的で鉄が使用されている。
ブイトール
アレンが【多重詠唱】のスキルを得て操縦が容易になった事で作成された、推進と離着陸に使用する複数の風魔法エンジンを備え、VTOLとして運用可能なグライダー。名前はその名の通り「VTOL」に由来する。
また、胴体内部には小さいながら貨物室も設けられている[出典 31]。漫画版では、アナをエスト帝国から救出する際にこの貨物室が使用されている。
小説版では、機体は二重構造となっており、推進用エンジンの下に二基の風魔法エンジンを配置し、前方から給気して機首付近と尾翼付近から真下へ排気することで垂直離着陸を行う構造とされている。また、両翼のウィングレットには姿勢制御を補助する風魔法エンジンが組み込まれている。
一方、漫画版では操縦席真下に一基、尾翼付近に方向可変型の二基を備える三基構成となっており、特に垂直離着陸時には尾翼側のエンジンを下方へ向けて噴射する描写が確認できる。尾翼側エンジンの飛行中の運用については明確な描写がないものの、離着陸時には尾翼側エンジンとウィングレットからの噴射による姿勢制御が明確に描かれている。
ブイトール改 / 爆撃機
戦争を見越してブイトールを改良設計し、新たに作られた機体。漫画版では「爆撃機」と表記されている。
機体は二回りほど大型化して2人乗りとなり、操縦席前方から左右にかけて風防が設けられ、爆撃に使用できるよう貨物室も拡大されている。
対エスト帝国戦で実戦投入されて戦果を挙げている。また、小説版では2人乗り座席がアナのエスト帝国からの救出に大きな役割を果たした。
小説版では詳細な構造が記載されていないが、漫画版の本編や設定集では、主翼は上下2枚で複葉機のように見える配置となっている。上下主翼を結ぶ支柱は存在するものの、典型的な複葉機とは異なり上部主翼の方が長い非対称的な構造として描写されている。また尾翼についても、胴体に直接取り付けられているのではなく、上部主翼後方(上下主翼を結ぶ支柱の上端後方位置)から伸びた2本の細い構造材(ブーム)の後端にまず垂直尾翼が配置され、その上に水平尾翼が渡される、通常のH字尾翼(その一種であるツインテールブーム)を上下方向に反転させた倒立構造に類似した尾翼配置として描写されている[出典 17][出典 19]。
練習用グライダー
【空騎士】の加護で【風魔法】のスキルを得たアナのために、アレンが作り上げたグライダー[出典 32]。
練習用であるため横並び複座となっており、緊急脱出用のパラシュートも備えている。また、アナが前3機種で操縦に必要な【錬金】と【多重詠唱】のスキルを持っていない事から、操縦は機械式(ただし緊急時はアレンの【錬金】により操作可能)とされ、推進用の風魔法エンジンも1基のみが搭載されている。
フライトシミュレーター
アナが練習用グライダーの実機に搭乗する前に使用していたシミュレーター。
構造の詳細は作中で明示されていないが、アナ曰く「(練習用グライダーの)中はシミュレーターと同じ」、アレン曰く「そうしないと練習にならないから全部同じになっている」とのこと。

銃火器

アレンが前世で得た各種銃火器の知識や化学的知識を基に作り出した武器群。現実世界で用いられる火薬類(火薬・爆薬など)は一切使用せず、【風魔法】によって弾丸の発射や爆発を行う魔法機構を備えている。使用する弾丸(実包)の弾頭と薬莢は【錬金】の錬成魔法によって生成されるため、発砲・排莢後は「壊れた錬成物」として分解・消滅する。

カラシ
アレンが最初に作った、AK-47 カラシニコフを模した銃。名称は「カラシニコフ」に由来する。消音重視弾と威力重視弾の2種類の弾丸を使用する。
最初に作られた銃であるが、後述の「ニコフ」の弾丸が通らないモンスターを相手にする際には、この「カラシ」と使い分けられている。
ニコフ
カラシと同様にAK-47 カラシニコフを模した銃で、こちらは口径を小さくしたもの。名称は「カラシニコフ」に由来する。
皮膚が硬いモンスターを標的とする目的で貫通力を重視した、鉄心で真鍮被覆製の厚さ5mm程度の鉄板を貫通可能な完全被甲弾(フルメタルジャケット)と、防御力が高いモンスターを標的とする目的で、着弾時に変形して殺傷能力を高めたJHP(ジャケッテッドホローポイント)弾を使用する。通常の狩りではこちらが使用されることが多い。
サイガ
これまでのモンスター退治と、使用してきたカラシの知見を生かしてアレンが作成した、イズマッシュ・サイガ12を模した散弾銃(ショットガン)。名称は「イズマッシュ・サイガ12」に由来する。
射程は短いが確実に標的に命中する銃を求めて作られたもので、通常の散弾のほか、スラッグ弾(スラッグショット)も使用する。
サイガ改
大口径の散弾やスラッグ弾を発射できるようにした散弾銃。前世の銃をモデルとしておらず、サイガとは似ても似つかないオリジナル形状だが、一応サイガを改良して作られたことから「サイガ改」と呼称されている。
アナのレベル上げに伴う風の山の迷宮攻略に合わせて作成され、実戦投入された。
自動拳銃
アレンがマカロフを模して作成した自動拳銃。他の銃器と異なり特に名称は付けられていない。漫画版では「風魔法銃」とも呼ばれる。
携帯性に優れ、弾速が音速を超えないため発射音が小さいことが特徴で、サプレッサー(減音器[注 3])を装着すると、エイミーでも発射音をほとんど聞き取れないほど静粛性が高い。この特性を生かし、【隠密】のスキルや風魔法による煙幕と併用した接近戦で使用されることが多い。
盗賊退治における人質救出のほか、アナの断罪イベントにおける決闘でも使用された。なお、この決闘では非殺傷弾が用いられているが、多数の被弾を受けると痛みだけでなく気絶に至ることもあり、実際にレオナルドとクロードが気絶している。漫画版ではエスト帝国からのアナ救出時にも威力を発揮した。
爆弾
ブイトール改による爆撃などで用いられている。
前述の通り火薬や爆薬は使用せず、錬成で作った氷やガラス製の容器内に詰め込んだ【風魔法】の圧縮空気を基本構造としており、次のものが使用されている。
通常爆弾
ブイトール改の胴体内にため込まれた水と、ハッチに描かれた氷結魔法によって作られた氷の容器内に、風魔法の魔法陣を氷面に描いて生成した圧縮空気を詰め込んだ爆弾。着弾時に容器が破壊されると同時に圧縮空気が解放され、強烈な爆風と衝撃波を伴って周囲を破壊する。これはアレンがイェルシュドルフで盗賊に対して行った、風魔法の魔法陣による爆発の応用である。
単体でも衝撃波によって近くにいるオークを倒せるほどの威力があるが、内部に尖った小石・ガラス片・鉄片を詰め込み、内容物を周囲に吹き飛ばすことでさらなるダメージを与える攻撃手段も取られる。なお、この後者の攻撃手段は小説版のみの描写である。
焼夷弾
内容物は錬成魔法で作られたガソリン様の可燃性液体であり、これに信管代わりとして水とナトリウムを詰め込んだ構造を持つ。水とナトリウムの化学反応によって可燃性液体を発火させて攻撃する。
アレン曰く発火装置の信頼性に難があり、実験では不発もあったことから、アレン自身が「なんちゃって焼夷弾」と評している。ただし、一度でも発火に成功すると、他の不発弾の燃料に引火することで凄まじい攻撃力となり、さらに追加の燃料投下による攻撃にも繋げられる。
小説版ではエスト帝国の要塞都市カルダチアで実戦投入された。一方、漫画版ではジェロームとメリッサの介入により同都市が陥落したため使用されなかったが、アナ救出時の侵入前に、エスト帝国皇宮城壁への陽動の目的で投下して火を放つために用いられている。
手投げ弾
通常爆弾を錬成魔法によって投擲用に作り直したもの。エスト帝国帝都宮殿裏庭に着陸させていたブイトール改での脱出直前、周囲の敵を排除するために使用された。
漫画版では、アナの救出後にブイトールへたどり着くまでの間、【隠密】によってうまく隠れきることができたため使用されていない。
陽動用爆弾
殺傷能力を無くし、爆竹のような大きな音を発して周囲を騒然とさせる、陽動作戦を目的とした爆弾。ゲルハルトたちをセントラーレン王国王都ルールデンから脱出させるために使用された。
途中で内容物に小麦粉を仕込むことを思いつき、1発のみ破裂させて白い煙を発生させたが、実行後に粉塵爆発の危険性に気付き、この方法は一度だけの使用にとどめている。
漫画版では、実戦投入されなかった焼夷弾を錬成し直し、陽動のための小火を引き起こすものに作り替えた爆弾が使用されている。

兵器

この項目中の兵器は漫画版にのみ記載されている内容[出典 33][出典 34]。

カールハインツ・デア・グローゼ・カタプルト(偉大なるカールハインツ砲)
セントラーレン王国側の対ラムズレット王国戦用として、カールが爆撃機(ブイトール改)対策として作らせた新兵器の弩砲。命名も同じくカール。
カルダチア戦で使われたバリスタより射程距離は伸びていて強力ではあったが、結局はアレンが操縦する爆撃機(ブイトール改)の飛行高度には届かず、爆撃で破壊される羽目となった。
戦車
こちらもセントラーレン王国側の対ラムズレット王国戦用として作られた、地上戦に特化した新兵器。
上部からの矢などの防御性を高めた装甲を持ち、槍状の刺突物を備えていて、装甲内に配置された兵士が車輪を回して走行・突撃する構造。
しかし、こちらもアレンが操縦する爆撃機(ブイトール改)の爆撃でことごとく破壊されている。

学校関係

学校
週に3回開かれ、1日2時間、無料で読み・書き・算数、そしてこの世界の歴史を学ぶことができる学校。
通常は12歳までが小学校、15歳までが中学校の扱いだが、実力によっては飛び級も可能である。これは、早期卒業によって優秀な者が冒険者や各種の職業に早く就けるようにする側面もある。また、成績優秀者は後述する王立高等学園へ入学するための特典を得られる。
アレンは王立高等学園への入学と、冒険者として活動するというそれぞれの目的のために勉学に励み、11歳で飛び級卒業した。
二次小説版ではエイミーも、アレンに若干遅れを取ったものの、アナを救うという目的を持って王立高等学園入学を目指し猛勉強し、飛び級で卒業している。
王立高等学園
アナの断罪の舞台となった高等学園。アレンは断罪阻止(なお、二次小説版におけるエイミーは、これに加えてアナとカールの婚約破棄)を目的として入学する。
入学には、15歳になってから受験料・入学金・寄付金・2年間の授業料2,000万セントを前納し、学科・魔法・(男性のみ)剣術の試験を突破する必要がある。ただし、学校の卒業試験で全教科9割以上の点数を取った優秀な生徒は、高等学園への推薦と学科試験の免除という特典を得られる。

その他

ルールーストア
セントラーレン王国王都ルールデンの小さな商店街の地下に構えている店で、午後5時から7時の間だけ開店している。
入店時にはドアノッカーを叩いた後、符牒を正しく告げる必要がある。アレンが初めて錬金のスクロールを購入するために来店した際を含め、【鑑定】によって符牒を読み取って入店している。
商品の販売だけでなく買い取りも行っており、アレンが入手したエルフの蜂蜜を時折買い取ってもらっている。
セントラーレン王国が政情不安定になった際には、アレンからラムズレット王国王都ヴィーヒェンへの移転を打診され、以後はヴィーヒェンで営業を続けている。
〈ゲームイベントの内容〉
課金アイテムの購入店舗となっている。
夏祭り
エルフの里で10年に1回行われる祭り。男女の仲を認めてもらい、「子供を作りたい」と願ったパートナーがこのイベントに参加する。この世界のエルフには「結婚」という概念がないため、一種の「結婚式」に相当する儀式でもある。
祭りに参加するパートナーの女性は頭に花冠を飾り、その相手の男性は、銅鑼の合図で開始され[注 9]、果物などの攻撃からパートナー女性の花冠を汚さないように守りながら逃げ回る。
祭りでは、攻撃・防御ともに怪我を負わせたり物を壊したりしなければ、果物以外に魔法など何を使ってもよい。
開始から1時間後に鳴らされる銅鑼[注 10]の終了合図までに花冠を汚さず逃げ切り、汚れのない花冠を相手の男性に渡すことができれば精霊から祝福を与えられ、カップル成立となる。
10年ごとに行われる祭りだが、エルフは総じて長寿であるため、その年の祭りで花冠の防衛に失敗しても、次回の祭りを待つという寛容さと気長さがある。
《参考》エルフの寿命について
作中のエルフは元々長寿で、通常の寿命は 500 - 1000年 ほどである。成長は10歳までは通常の人間と同じ。
ただし、ミリィはロー様と契約したことにより寿命が 1万 - 10万年 ほどに伸びたとされ、それに伴って成長も遅くなっている。アレンが初めて出会ってから 4年後 に再会した際も、成長具合はほとんど変わっていなかった[出典 37]。

既刊一覧

小説

  • 一色孝太郎(著)・Parum(イラスト) 『町人Aは悪役令嬢をどうしても救いたい』 アース・スター エンターテイメント〈アース・スターノベル〉、全3巻
    1. 2021年3月15日初版発行(同日発売[出典 38])、ISBN 978-4-80-301505-8
    2. 2021年9月15日初版発行(同日発売[出典 39])、ISBN 978-4-80-301560-7
    3. 2022年4月15日初版発行(同日発売[出典 40])、ISBN 978-4-80-301633-8

漫画

脚注

注釈

  1. ↑ カールを含めた5人に対して怒り心頭に発していた上、本来は常時持ち歩かなければならない手袋を持ち忘れていたことによる[出典 7]。
  2. ↑ 漫画1巻の中で、第4話ではこの表記通りだが[出典 8]、あとがきでは『カールハインツ・パルティーコ・フォン・セントラーレン』と表記されている[出典 9]。
  3. 1 2 漫画版では「サプレッサー」にふりがなでこの漢字表記を併用している[出典 10]。
  4. ↑ 小説版及び二次小説版の内容。漫画版では顔面に掌底打ちを受けている[出典 10]。
  5. ↑ 漫画版ではエイミーの【言霊】で洗脳された衛兵や看守により拘束を解かれている[出典 12]。
  6. ↑ 小説版での描写[出典 13]。漫画版では使用されていない。
  7. ↑ 小説版の一部で「イエルシュドルフ」と記載されている場合があるが、当記事では基本、必要な場合を除いて「イェルシュドルフ」の表記で統一する。
  8. ↑ 当初のアレンは精霊が見えておらず、エルフ女王から力を貸してもらうことで一時的に視認していた[出典 30][出典 31]。
  9. ↑ 漫画版では太鼓の音色が変わったのを合図として開始されている[出典 35]。
  10. ↑ 漫画版では鐘(半鐘)[出典 36]。

出典

  1. ↑ 小説家になろう 【Web版】町人Aは悪役令嬢をどうしても救いたい【後日談のみ連載中】
  2. ↑ カクヨム 【Web版】町人Aは悪役令嬢をどうしても救いたい【コミカライズ連載中】
  3. ↑ 小説家になろう 【本編完結】 町人Aは悪役令嬢をどうしても救いたい 二次創作 〜ヒロインも悪役令嬢をどうしても救いたい〜 作者:蔵瀬 喜平
  4. ↑ 漫画2巻 第6話 グライダー
  5. ↑ 漫画2巻 第7話 空も自由に飛べるはず
  6. ↑ 書籍3巻 第14話 町人Aと悪役令嬢は決着をつける
  7. ↑ 二次創作 〜ヒロインも悪役令嬢をどうしても救いたい〜 第84話 (カールハインツ視点) バカクズ太子は悦に入って悪役令嬢を断罪する - 第85話 (アレン視点) 町人Aはヒロインの暴走を目の当たりにする
  8. ↑ 漫画1巻 第4話 卒業
  9. ↑ 漫画1巻 あとがき p.165
  10. 1 2 漫画5巻 第22話 決闘
  11. ↑ 書籍2巻 第14話 町人Aは学徒出陣に志願する
  12. ↑ 漫画10巻 第49話 聖女と魔女
  13. ↑ 書籍2巻 第1話 町人Aは断罪イベントに臨む
  14. 1 2 3 書籍3巻 後日談
  15. 1 2 書籍3巻 最終話 町人Aは悪役令嬢と結ばれる
  16. ↑ 書籍2巻 第15話 町人Aは帝国軍を蹂躙する
  17. 1 2 漫画2巻 第36話 絶望
  18. ↑ 漫画8巻 第37話 軍議 - 第38話 攻撃開始
  19. 1 2 漫画8巻 設定集
  20. ↑ 二次創作 〜ヒロインも悪役令嬢をどうしても救いたい〜 第137話 ヒロインはチャラ男の勘当が解かれる場に立ち会う
  21. ↑ なろう版 おまけ その4 (セントラーレン国王視点) 最低最悪の父親は逃した魚の大きさを嘆く (第4話)
  22. ↑ 漫画2巻 pp.160–161 設定集
  23. ↑ 漫画9巻 第41話「お願い」
  24. 1 2 書籍1巻 無私の大賢者:はじまりの物語
  25. ↑ 書籍2巻 Side.アナスタシア(四)
  26. 1 2 書籍2巻 無私の大賢者:思い出の物語
  27. ↑ 書籍2巻 電子書籍版特典 イエルシュドルフと冒険者達
  28. 1 2 3 書籍1巻 第5話 町人Aは飛び級で卒業する
  29. ↑ 書籍3巻 特別書き下ろし 飛龍夫婦のトロピカルバケーション
  30. ↑ 書籍1巻 第10話 町人Aは迷いの森へと向かう
  31. 1 2 漫画2巻 第8話 賢者の塔と隠れ里
  32. ↑ 書籍3巻 後日談
  33. ↑ 漫画10巻 第48話 再開
  34. ↑ 漫画10巻 設定集pp.146 - 149
  35. ↑ 漫画6巻 第29話 お祭り
  36. ↑ 漫画6巻 第30話
  37. ↑ 書籍2巻 第7話 町人Aは指名依頼を受ける ほか
  38. ↑ “町人Aは悪役令嬢をどうしても救いたい 1 一色孝太郎 / Parum[アース・スターノベル]”. アース・スター エンターテイメント. 2026年5月1日閲覧。
  39. ↑ “町人Aは悪役令嬢をどうしても救いたい 2 一色孝太郎 / Parum[アース・スターノベル]”. アース・スター エンターテイメント. 2026年5月1日閲覧。
  40. ↑ “町人Aは悪役令嬢をどうしても救いたい 3 一色孝太郎 / Parum[アース・スターノベル]”. アース・スター エンターテイメント. 2026年5月1日閲覧。
  41. ↑ “町人Aは悪役令嬢をどうしても救いたい~どぶと空と氷の姫君~1 漫画:目黒三吉、原作:一色孝太郎、原作:Parum”. アース・スター エンターテイメント. 2026年5月1日閲覧。
  42. ↑ “町人Aは悪役令嬢をどうしても救いたい~どぶと空と氷の姫君~2 漫画:目黒三吉、原作:一色孝太郎、原作:Parum”. アース・スター エンターテイメント. 2026年5月1日閲覧。
  43. ↑ “町人Aは悪役令嬢をどうしても救いたい~どぶと空と氷の姫君~3 漫画:目黒三吉、原作:一色孝太郎、原作:Parum”. アース・スター エンターテイメント. 2026年5月1日閲覧。
  44. ↑ “町人Aは悪役令嬢をどうしても救いたい~どぶと空と氷の姫君~4 漫画:目黒三吉、原作:一色孝太郎、原作:Parum”. アース・スター エンターテイメント. 2026年5月1日閲覧。
  45. ↑ “町人Aは悪役令嬢をどうしても救いたい~どぶと空と氷の姫君~5 漫画:目黒三吉、原作:一色孝太郎、原作:Parum”. アース・スター エンターテイメント. 2026年5月1日閲覧。
  46. ↑ “町人Aは悪役令嬢をどうしても救いたい~どぶと空と氷の姫君~6 漫画:目黒三吉、原作:一色孝太郎、原作:Parum”. アース・スター エンターテイメント. 2026年5月1日閲覧。
  47. ↑ “町人Aは悪役令嬢をどうしても救いたい~どぶと空と氷の姫君~7 漫画:目黒三吉、原作:一色孝太郎、原作:Parum”. アース・スター エンターテイメント. 2026年5月1日閲覧。
  48. ↑ “町人Aは悪役令嬢をどうしても救いたい~どぶと空と氷の姫君~8 漫画:目黒三吉、原作:一色孝太郎、原作:Parum”. アース・スター エンターテイメント. 2026年5月1日閲覧。
  49. ↑ “町人Aは悪役令嬢をどうしても救いたい~どぶと空と氷の姫君~9 漫画:目黒三吉、原作:一色孝太郎、原作:Parum”. アース・スター エンターテイメント. 2026年5月1日閲覧。
  50. ↑ “町人Aは悪役令嬢をどうしても救いたい~どぶと空と氷の姫君~10 漫画:目黒三吉、原作:一色孝太郎、原作:Parum”. アース・スター エンターテイメント. 2026年8月1日閲覧。

外部リンク