誰が勇者を殺したか
| 誰が勇者を殺したか | |
|---|---|
| ジャンル | ファンタジー[1]、ミステリ[1]、群像劇[2] |
| 小説 | |
| 著者 | 駄犬 |
| イラスト | toi8 |
| 出版社 | KADOKAWA |
| 掲載サイト | 小説家になろう |
| レーベル | 角川スニーカー文庫 |
| 連載期間 | 2023年2月1日 - 9月29日 |
| 刊行期間 | 2023年9月29日 - |
| 巻数 | 既刊2巻(2024年8月現在) |
| 漫画 | |
| 原作・原案など | 駄犬(原作) toi8(キャラクター原案) |
| 作画 | 石田あきら |
| 出版社 | KADOKAWA |
| 掲載サイト | カドコミ |
| 発表号 | 2024年8月1日 - |
| テンプレート - ノート | |
| プロジェクト | ライトノベル・漫画 |
| ポータル | 文学・漫画 |
『誰が勇者を殺したか』(だれがゆうしゃをころしたか)は、駄犬による日本のライトノベル作品。イラストはtoi8が担当している。略称は「だれゆう」[3]。「小説家になろう」にて2023年2月から同年9月まで連載され、書籍版が角川スニーカー文庫(KADOKAWA)より同年9月から刊行されている。
魔王討伐後に、帰還しなかった勇者の死をめぐるファンタジー。内容面では勇者討伐後の世界を舞台とし、勇者を自らの意志でなるものとして描く点に特色がある。新刊ライトノベルの販売数歴代第1位となり、2024年3月時点で単巻10万部[4]、同年11月時点でシリーズ累計部数は20万部をそれぞれ突破している[5]。『このライトノベルがすごい!2025』では総合新作部門第1位、文庫部門第2位をそれぞれ獲得している[6]。「次にくるライトノベル大賞2024」文庫部門では5位を獲得している[7]。
メディアミックスとして、石田あきらによるコミカライズが2024年8月1日よりカドコミで連載されている[1][3][8]。
あらすじ
勇者アレス・シュミット、剣聖レオン・ミュラー、聖女マリア・ローレン、賢者ソロン・バークレイの4人は4年前に魔王を討伐し、世界に平安が訪れた。だが王都に戻ったパーティの中にアレスはいなかった。仲間たちは勇者アレスは死んだと報告する[9]。
王国は勇者たちの偉業をまとめる事業を立ち上げる。レオン、マリア、ソロンたちが勇者アレスの学生時代を中心に彼の思い出を語る[10]。仲間たちはかつてアレスを低く評価していたが、彼の努力を見て、アレスを勇者だと認めるようになっていった[10]。だがアレスの死については3人とも言葉を濁す[10]。
アレスのいとこのザックがアレスの死の真相を語る[10]。実はアレスは王都到着前に魔族の襲撃で死去していた[10]。ザックはアレスに成り代わり、魔王討伐後に仲間たちに真相を告げてパーティを去る。仲間たちは口裏を合わせ勇者は死んだと報告していた[10]。
これらの聞き取りを行ったのは王女アレクシアだった。アレクシアは想い人であるアレスの手がかりを求め、アレスを勇者とした預言者に面会する。預言者はアレクシアの母だった[10]。アレクシアの母からさらなる真相が明かされる。全ては娘のアレクシアを救うためであった[10]。
登場人物
- アレス・シュミット
- 魔王を討伐した勇者[10]。ファルム学院の生徒であり、レオンたちと学院生活を送っていた[10]。平民出身で特別な才能はないが、勇者になるという強い意志を持つ[9]。その正体はいとこのザックであり、本物のアレスはすでに死去している[10]。そのことが原因で魔王討伐後に姿をくらました[10]。
- レオン・ミュラー
- 剣聖[9]。アレスとはファルム学院で交流があり、アレスより優れた剣の腕を持つ[9]。他の仲間同様に、アレスのことを低く評価していたが、徐々に勇者として認めるようになる[10]。
- マリア・ローレン
- 聖女[9]。ファルム学院では、アレスをパシリにしていた[9]。
- ソロン・バークレイ
- 賢者[9]。友人がいなかったが、アレスを友人として認める[10]。
- アレクシア
- 王女でありアレスの結婚相手でもあるとともに、アレスに好意を持っている[10]。レオンたちにインタビューを行い、アレスの行方を探す[10]。
- アレクシアの母
- 預言者であり、アレスを勇者に選んだ[10]。ループして世界をやり直す能力を持っており、魔王討伐のために何度も勇者を選び直している[10]。
制作背景
著者の駄犬は書籍編集者などを経験し、40歳を超えた会社員である[11]。子育てや趣味に割く時間が減ったことから小説の執筆を行うようになった[11]。
「小説家になろう」に『モンスターの肉を食っていたら王位に就いた件』を投稿したものの、あまり読まれることなく、その次に投稿したのが、なろうのイメージに合わせたものではなく、「真面目な物語」として書いた『誰が勇者を殺したか』だった[11]。
執筆にあたっては、勇者の仲間に対する3本のインタビュー部分の原稿をまず書き、結末は決めていなかった。投稿当初は反響も乏しかったが、完結後にアクセス数が上がっている[11]。
この作品は注目を集めた結果、複数の出版社から書籍化の打診があったものの、一番早く連絡があった角川スニーカー文庫からの出版を決めている[11]。なお、マイクロマガジン社のGCノベルズ&GCN文庫編集部や主婦と生活社の文芸コミック編集部の編集者も書籍化の検討を行っていた[12]。
担当編集者は『お見合いしたくなかったので、無理難題な条件をつけたら同級生が来た件について』などラブコメ・ファンタジーを担当している編集者であり、書籍化にあたっては編集者からの指摘はほとんどなく、あまり修正を行わなかった[11]。イラストはtoi8が制作し、カバーの方向性は担当編集者が考えている[11]。toi8が選ばれた理由は、他の作品との異質感を出していくためだったとされる[11]。また、駄犬はtoi8による「(厭な眼で)マリア様がみてる」などのカウントダウンのイラストが印象的だったと述べている[11]。
ミステリではなくファンタジーとして制作されており、「『きっと人は美しいものだ』という想いを詰め込んだ空想のようなもの」と著者は述べている[10]。また、本屋大賞を受賞したい旨を作者は述べていた[13]。後述のとおり売れ行きが非常に良く、続編の制作も発表されている[10]。
評価
商業的には新刊ライトノベルの販売数歴代第1位となり[13]、2024年3月時点で重版8刷・単巻10万部[4]、同年11月時点でシリーズ累計部数は20万部をそれぞれ記録している[5]。また、「次にくるライトノベル大賞2023」では文庫部門第4位となっている[4]。『このライトノベルがすごい!2025』では総合新作部門第1位、文庫部門第2位をそれぞれ獲得している[6]。
スニーカー文庫の担当編集者は「今までのファンタジー作品にあまりない切り口、構成、見せ方、まったく新しいジャンルであり、そこが一番の魅力」と評している[12]。また、堀井雄二による推薦コメントも寄せられている[3]。
内容面では『葬送のフリーレン』と同様に、ゲームなどで定番の「勇者」の魔王討伐後を描く点に特徴がある[10][13]。また、ファンタジーに加えて、ミステリ、SF要素がある点も特色である[10]。
評論家のタニグチリウイチは、勇者を最初から特別な存在として描くのではなく、自分の努力と意思でなるものとして描く点に本作の特徴があると述べる[9]。
文学研究者の西貝怜は、努力によって英雄になるという『テイルズオブデスティニー2』、世界改変を拒絶する『ブレイブ・ストーリー』などのストーリー面での前例を指摘しつつも、本作においては一見するとミステリのように思えたシーンが、アレスや仲間たちの魅力を効果的に描き出す機能を持っていると述べている[10]。
既刊一覧
- 駄犬(著)・toi8(イラスト)、KADOKAWA〈角川スニーカー文庫〉、既刊2巻(2024年8月1日現在)
- 『誰が勇者を殺したか』2023年10月1日発行(9月29日発売[14])、ISBN 978-4-04-114184-7
- 『誰が勇者を殺したか 預言の章』2024年8月1日発行(同日発売[15])、ISBN 978-4-04-115230-0
脚注
- 1 2 3 「『誰が勇者を殺したか』大型プロジェクトが始動 オリジナル楽曲制作やコミカライズなどが決定」『ラノベニュースオンライン』株式会社Days、2024年7月7日。2024年7月8日閲覧。
- ↑ 『ダ・ヴィンチ 2024年6月号』KADOKAWA、2024年6月6日発行、152頁
- 1 2 3 TsushimaHiro「『ドラクエ』の堀井雄二氏が絶賛するミステリー小説『誰が勇者を殺したか』のコミカライズが決定。堀井雄二氏は、「勇者を殺すとは なにごとだ!」とコメントを寄せる。人類を脅かす魔王討伐から4年、帰らぬ人となった勇者の死の真相を探る」『電ファミニコゲーマー』株式会社マレ、2024年7月5日。2024年7月7日閲覧。
- 1 2 3 「『誰が勇者を殺したか』が単巻10万部を突破」『ラノベニュースオンライン』株式会社Days、2024年3月19日。2024年7月4日閲覧。
- 1 2 「このライトノベルがすごい!2025:『誰が勇者を殺したか』総合新作部門1位に輝く ラノベジャンルの枠を超えて人気を博すファンタジー×ミステリ」『ラノベニュースオンライン』株式会社Days、2024年11月22日。2024年11月23日閲覧。
- 1 2 『このライトノベルがすごい!』編集部『このライトノベルがすごい!2025』宝島社、2024年12月10日、57頁。ISBN 978-4-299-06183-6。
- ↑ “次にくるライトノベル大賞2024 投票結果”. 次にくるライトノベル大賞 2024. 2025年2月23日閲覧。
- ↑ 「『誰が勇者を殺したか』のコミカライズ連載が開始 勇者の死の謎を追うファンタジーミステリ」『ラノベニュースオンライン』株式会社Days、2024年8月3日。2024年8月3日閲覧。
- 1 2 3 4 5 6 7 8 タニグチリウイチ (2023年11月29日). “ライトノベルの「勇者」に変化? 『誰が勇者を殺したか』『葬送のフリーレン』が示す新たな勇者像”. リアルサウンドブック. 株式会社blueprint. 2024年7月4日閲覧。
- 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 西貝怜「〈謎のリアリティ〉第56回「ミステリとRPG――駄犬『誰が勇者を殺したか』の倫理」」『ジャーロ』2024年1月、光文社、2024年、ASIN B0CS2RGQ6J。
- 1 2 3 4 5 6 7 8 9 駄犬(インタビュアー:ラノベニュースオンライン編集長・鈴木)「独占インタビュー「ラノベの素」 駄犬先生『モンスターの肉を食っていたら王位に就いた件』&『誰が勇者を殺したか』」『ラノベニュースオンライン』、株式会社Days、2024年1月19日。2024年7月4日閲覧。
- 1 2 スニーカー文庫担当編集; GCノベルズ&GCN文庫担当編集; PASH!ブックス&文庫&コミック担当編集; オーバーラップ担当編集(インタビュアー:ラノベニュースオンライン編集長・鈴木)「【特集】驚異の新人作家・駄犬先生の担当編集スペシャル座談会 駄犬先生の魅力語り&WEB小説書籍化の流れについて聞いた!」『ラノベニュースオンライン』、株式会社Days、2024年1月20日。2024年7月4日閲覧。
- 1 2 3 小倉彩子「<本のじかん>誰が勇者を殺したか*駄犬 角川スニーカー文庫 2023年*英雄の死 真相を探る」北海道新聞2024年1月24日付朝刊地方17面。G-searchにて閲覧。
- ↑ “「誰が勇者を殺したか」駄犬 [角川スニーカー文庫]”. KADOKAWA. 2024年9月14日閲覧。
- ↑ “「誰が勇者を殺したか 預言の章」駄犬 [角川スニーカー文庫]”. KADOKAWA. 2024年9月14日閲覧。
外部リンク
- 誰が勇者を殺したか - 小説家になろう
- 誰が勇者を殺したか (@daregayu) - X(旧Twitter)
- 誰が勇者を殺したか - カドコミ(旧・ComicWalker)