酒皶
発音 しゅさ
概要
分類および外部参照情報
ICD-10 L71
ICD-9-CM 695.3
DiseasesDB 96
MedlinePlus 000879
eMedicine derm/377
MeSH D012393

酒皶(しゅさ、Rosacea)とは、顔に生じる皮膚疾患のひとつ。酒焼け[1]とも呼ばれる。

日光、ストレス、寒暖や風、運動、化粧品などがきっかけとなりやすい[2]。治療は軽症から中等症では、第一選択はメトロニダゾール(抗菌薬)やアゼライン酸[2]。きっかけを避け[3]、日光から防御し[2]、ステロイドの使用は避ける[3]。

症状

酒さの症状が現れやすい部位。

顔がほてり、鼻や頬の血管が炎症を起こし、真っ赤になるように見える。脂腺、汗腺の疾患とされている。浮腫を伴うこともある。

原因

きっかけとなりやすいのは以下[2]。

診断

担当は皮膚科である。

診断は発疹の典型的な外観に基づいて下され、特別な検査法はない[4]。最初に症状が現れたときの年齢(典型的には30 - 50歳)と、黒色面疱や白色面疱がみられないことが、にきびとの区別に役立つ[4]。

酒さ様皮膚炎は、酒さに適した医薬品の保険適応がないため脂漏性皮膚炎や接触性皮膚炎として診断してステロイド外用薬やタクロリムス(局所カルシニューリン阻害剤)を処方し連用している最中に生じることがある[5]。

治療

軽症から中等症では、第一選択はメトロニダゾール(抗菌薬)やアゼライン酸[2]。中等症から重症で最初の治療に反応がない場合、ドキシサイクリン(抗生物質)を追加[2]。

アゼライン酸は、日本では医薬品としては未承認の、小麦など穀類や酵母に含まれる成分で、抗菌、皮脂分泌抑制、抗炎症作用、角化異常の抑制作用があり商品名DRX AZAとして[6]、病院専用の化粧品に配合され販売されている[7]。

2015年のコクランレビューでは、ドキシサイクリン 40 mg (抗生物質)が有効だという質の高い証拠がある。低用量イソトレチノイン(ビタミンA誘導体、日本で未承認)はドキシサイクリン 50-100 mg よりもわずかに効果的であるという質の高い証拠がある。ミノサイクリン 45 mg (抗生物質)が 丘疹膿疱性酒さ に有効であるという質の低い証拠がある。[8] 菌が薬剤耐性を持つ場合には、丘疹膿疱性にイソトレチノインが使われる場合があり、その場合には催奇形性のため避妊が必要となる[9]。

ブリモニジン(α遮断薬)の塗布薬も治療薬として使用される(日本では未承認)。

医療品質のマヌカハニー(ハチミツ)は1つのランダム化比較試験で、69名で1日2回ハチミツを塗布するか偽薬の塗布かに分かれ、偽薬に比して有効であった[10]。

疫学

写真家を非難するジョン・モルガン。彼は酒さによる醜い鼻のため写真を撮られるのを嫌っていた。

病院で酒さの診断を受けた患者における認知症のハザード比は 1.42 (95%CI=1.17-1.72) で、アルツハイマー型認知症のハザード比は 1.92 (95%CI=1.44-2.58) と報告されている。酒さは、認知症(特にアルツハイマー型)と有意に関連している[11]。

出典

  1. ↑ 世界大百科事典 第2版『酒皶』 - コトバンク
  2. 1 2 3 4 5 6 7 Linda K. Oge', Herbert L. Muncie, Amanda R. Phillips-Savoy (2015-8). “Rosacea: Diagnosis and Treatment”. Am Fam Physician 92 (3): 187-196.
  3. 1 2 3 4 Rivero AL, Whitfeld M (February 2018). “An update on the treatment of rosacea”. Aust Prescr (1): 20–24. doi:10.18773/austprescr.2018.004. PMC 5828925. PMID 29507456.
  4. 1 2 酒さ(しゅさ) MSDマニュアル 家庭版
  5. ↑ 藤本亘「酒皶・酒皶様皮膚炎の薬物治療」『臨床皮膚科』第66巻第5号、2012年4月、92-96頁、NAID 40019309674。 抄録
  6. ↑ 林伸和、古川福実、古村南夫 ほか「尋常性痤瘡治療ガイドライン2017」『日本皮膚科学会雑誌』第127巻第6号、2017年、1292-1293頁、doi:10.14924/dermatol.127.1261、NAID 130007040253。
  7. ↑ “ディーアールエックス AZAクリア - クリニック限定化粧品”. ロート製薬株式会社. 2018年12月20日閲覧。
  8. ↑ van Zuuren EJ, Fedorowicz Z (September 2015). “Interventions for rosacea: abridged updated Cochrane systematic review including GRADE assessments”. en:The British journal of dermatology. 173 (3): 651-62. doi:10.1111/bjd.13956. PMID 26099423.
  9. ↑ Khalil S, Bardawil T, Stephan C, et al. (December 2017). “Retinoids: a journey from the molecular structures and mechanisms of action to clinical uses in dermatology and adverse effects”. J Dermatolog Treat (8): 684–696. doi:10.1080/09546634.2017.1309349. PMID 28318351.
  10. ↑ Braithwaite I, Hunt A, Riley J, et al. (June 2015). “Randomised controlled trial of topical kanuka honey for the treatment of rosacea”. BMJ Open (6): e007651. doi:10.1136/bmjopen-2015-007651. PMC 4480029. PMID 26109117.
  11. ↑ Egeberg A, Hansen PR, Gislason GH, Thyssen JP. (June 2016). “Patients with rosacea have increased risk of dementia”. en:Annals of Neurology. 79 (6): 921-8. doi:10.1002/ana.24645. PMID 27121663.
⌬ Phoenix Mesh CID: 未登録 IPFS未登録 📡 0ピア N=1 CRITICAL PQS B76